2021年10月20日21時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が4枚の写真付きでネット配信されていた。
阿蘇・中岳(熊本県)が20日に噴火し、噴火警戒レベルが引き上げられた。
けが人などの被害は確認されていない。
気象庁は警戒を呼びかけ、県は火口からおおむね2キロ以内の立ち入りを規制している。
噴火を目の当たりにした付近の登山者もいた。
中岳火口から約2キロ離れた烏帽子岳(1337メートル)の山頂近くで、長崎県佐世保市の松尾さん(男性、72歳)は噴火の瞬間を目撃した。
山頂で早めの昼食をとって下山を始めた時、「ゴオーッ」という音とともに、あっという間に噴煙が盛り上がり、弧を描いて噴き出す黒い筋も見えた。
噴火から約1時間後、火口から約3キロの草千里駐車場にたどりついた松尾さんは「驚いた」と何度も口にした。
火口から距離があり、噴煙が向かってくる様子もなかったため、危険は感じなかった。
阿蘇にはたびたび登山に訪れているが、間近に噴火を見たことなどない。
「火山灰の被害が心配される噴火だが、生涯、二度と見ることはないと思う」
京都大火山研究センターの大倉敬宏教授も、地震計のメンテナンスのため、火口から1キロあまり離れた場所にいた。
雄鳥の尾のような形をした、黒っぽい土砂混じり噴煙を確認した。今
回の噴火は、この「コックステールジェット」と呼ばれる噴煙を伴う水蒸気噴火だったという。
大倉教授らが一時避難した草千里駐車場では午後1時過ぎ、警察などを除く一般車両は退去を求められた。
観光登山道路「阿蘇パノラマライン」では、警察官が山上方面に向かう車を止めてUターンを求めたほか、駐車スペースで噴煙の写真を撮るなどしていた人たちには早く下山するよう促していた。
https://digital.asahi.com/articles/ASPBN6W3MPBNTLVB01F.html
10月20日20時49分に読売新聞からは、大きな噴石が900m飛んだ、火砕流は1.3㎞流れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象庁によると、噴煙は火口から約3・5キロ上空に達し、大きな噴石が約900メートル先まで飛散した。
火砕流は約1・3キロ西の地点まで流れた。
熊本、宮崎両県で降灰が確認された。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211020-OYT1T50185/
10月21日10時4分にNHK熊本からは、2㎞範囲内では大きな噴石や火砕流に要注意など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象庁は、中岳第一火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
また、風下の地域では火山灰だけでなく小さな噴石や遠くまで流されて降るおそれがあるほか、火山ガスにも注意を呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20211021/5000013773.html
10月20日17時11分に毎日新聞からは、数日前から火山灰が降るなどの兆候があったなど、下記趣旨の記事が「ニュー草千里」から撮影した動画付きでネット配信されていた。
噴火した火口から3キロ西の観光名所「草千里」で観光施設「ニュー草千里」を経営する河津さん(男性、45歳)は、噴き上がる煙をスマートフォンで撮影した。
施設1階のカフェにいた河津さんは、屋外の駐車場にいた複数の観光客が火口方向に一斉にカメラを向ける様子を見て不思議に思い、外に飛び出して噴火に気付いた。
「音も震動もなかったので、すぐに気付かなかったが、表に出ると真っ黒な噴煙がブワーッと上がっていた」。
周りにいた観光客に「灰が降るから下山した方がいい」と声をかけ、急いでシャッターを切った。
2~3日前から断続的に火山灰が降り、硫黄とみられる黄色の粒が含まれていたため、近いうちに噴火する可能性があると警戒していた。
河津さんは、「噴火には慣れているが、自然は予測がつかないことも起きるので油断しないようにしたい」と語った。
https://mainichi.jp/articles/20211020/k00/00m/040/138000c
10月20日22時10分にNHK NEWS WEBからは、今回の噴火に関するまとまった下記趣旨の記事が、写真や動画付きでネット配信されていた。
熊本県にある阿蘇山の中岳第一火口で20日午前、噴火が発生し、噴煙が火口から3500メートルまで上がり、火砕流が最大で1.6キロまで流れ下ったほか、周辺の広い範囲に火山灰が降りました。
気象庁は、阿蘇山に火口周辺警報を発表して噴火警戒レベルを3に引き上げ、火口からおおむね2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒し、危険な地域に立ち入らないよう呼びかけています。
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【松野官房長官「現時点で人的被害の報告なし」】
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【気象庁「阿蘇山ではよく見られる噴火のしかた」】
今回の噴火のメカニズムについて気象庁の尾崎課長は、「どの程度マグマが関与しているかは精査しないとわからない」としたうえで、「噴石や火砕流が出るのは阿蘇山ではよく見られる噴火のしかたで、たびたび起きる噴火が今回も起きたと考えられる」と述べました。
また、今後の活動について、「現時点では、地下から大量のマグマが上がってきていることを示すような兆候は確認されていない。ただ、急に大きな噴火が起きる可能性がないわけではないので、今後の火山活動に注意して欲しい」と呼びかけました。
【噴火警戒レベル3とは】
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【火山灰の注意点】
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【阿蘇山とは】
熊本県の阿蘇山は複数の山からなる活火山で、記録が残る噴火の大部分が中岳で発生しています。
近年も噴火を繰り返していて、平成26年には中岳第一火口で、一定の時間で溶岩を噴き上げる噴火を繰り返す「ストロンボリ式」と呼ばれるタイプの噴火が確認されました。
また、平成27年9月の噴火では、噴煙が火口から2000メートルまで上がり、小規模な火砕流や火口周辺で大きな噴石が飛んだのが確認されました。
さらに平成28年10月8日には、噴煙の高さが衛星による観測で海抜1万1000メートルに達し、噴火警戒レベルが入山規制を示す「3」に引き上げられました。
その後、火山活動はときおり高まり、噴火警戒レベルは1や2を繰り返していました。
今月13日には、地下の熱水やマグマの動きを示すとされる火山性微動の振幅が大きくなり、気象庁は噴火警戒レベルを「2」に引き上げていました。
【阿蘇山 過去の噴火活動 過去には噴石で死者も】
過去の阿蘇山の噴火では、噴石によって死者も出ています。
昭和28年に起きた噴火では、大きな噴石が数百メートルの範囲に飛んで、火口近くにいた観光客6人が死亡、90人余りがけがをしました。
また、昭和33年の噴火でも、噴石が火口から1キロ余り飛んで、12人が死亡したほか、昭和54年9月には爆発的な噴火が発生して火口の北東側に多量の噴石が飛び、3人が死亡しました。
平成元年からは、多量の火山灰や噴石を伴う活発な噴火活動が1年余りにわたって続きました。
【火口から1キロの所にいた専門家「噴石飛んでいる様子
見えた」】
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【専門家「今後も今回のような爆発的噴火が起きる
可能性」】
火山活動のメカニズムに詳しい東京大学の藤井敏嗣名誉教授は、「映像からは火砕流が流れ下っているのが確認でき、火口の近くには大きな噴石も飛んでいるように見える。高温のマグマが火口内の水分に触れて発生した『マグマ水蒸気爆発』の可能性があり、今月14日の噴火よりは規模が大きい。現在は噴煙は白っぽく、水蒸気を噴き上げている形だが時間を置いてマグマが上がって来れば、再び、今回のような爆発的な噴火が起きる可能性があり、注意が必要だ。まずは山に近寄らないことが大切だ」と話しています。
【政府 情報連絡室を設置】
・・・
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211020/k10013314381000.html?utm_int=all_side_ranking-access_001
10月22日21時14分にNHK熊本からは、今回の噴火は水蒸気噴火だった可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
産業技術総合研究所は中岳第一火口から南東の4.2キロにあたる熊本県高森町で火山灰を採取し、地下のマグマがどのように関係したのか調べるため、顕微鏡で詳しく分析しました。
その結果、これまでのところ、火山灰のほぼすべてが火口付近にあった岩石の破片で、地下深くのマグマに由来する物質は確認されなかったということです。
このため、20日の噴火は、地下水が熱せられるなどして噴き出す「水蒸気噴火」だった可能性があり、これからすぐに規模の大きな噴火に発展する可能性は低いとしています。
その一方、産業技術総合研究所活断層・火山研究部門の山元孝広副研究部門長は、「過去の活動では水蒸気噴火から徐々にマグマ噴火へと変わっている。まだ活動が活発な状態が続いていて、地下にマグマがあることは間違いないので、マグマ物質の比率が増えていくかどうか、今後も推移を見ていく必要がある」と話しています。
(ブログ者コメント)
当日、11時前からテレビの生中継画像を見ていたが、噴火後30分以上経っても、草千里の駐車場にいた数台のバスや数10台の車は、避難することもなく、そのまま停まっていた。
その間、数台の車が駐車場から出て行ったものの、慌てて避難したようには見えなかった。
今回、ニュー草千里から撮られた映像を見てみると、指呼の距離で爆発的噴火が起きている。
それなのに、一斉避難しなかったのは、なぜだろう?
今回は、たまたま小規模噴火で収まったが、草千里の駐車場が被害に遭うほどの噴火が続いて起きていたかもしれないのに・・・。
過去には、雲仙岳の火砕流や東日本大震災時の津波など、1回目の災害では大したことがなかったからと災害現場にかけつけた、あるいは居続けたために被災した事例もある。
危ない場所からは、できるだけ早く避難することが大切だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。