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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022611110分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

茨城県常陸太田市の住宅団地の公共下水道で、汚水量の見積もりのミスが見つかった問題で、同市は10日、市内の別の場所でも積算ミスがあったと発表した。

汚水量がポンプの処理能力を超える可能性があるといい、市は約500万円の費用をかけてポンプを交換する予定だ。

市下水道課によると、ミスが分かったのは、市と地権者の組合が進めている東部土地区画整理事業区域(同市塙町、中城町、馬場町、金井町)。

このうち、造成と下水道工事を終えた商業地のAB街区(1322ヘクタール)で、予測される汚水量の3分の1程度の処理能力しかないポンプが設置されていた。

AB街区は商業地で、来年には大型商業施設のオープンが見込まれている。

本来は、土地が商業地として使われることを想定して汚水量を算定するべきだったが、住宅地や工業地を含む市全体の平均値をもとにポンプの処理能力が決められた。

市は、造成中のCD街区(1568ヘクタール)についても実施設計を見直す。

市内では、幡町の住宅団地「四季の丘はたそめ」で4月以降、団地の人口の見積もりのミスが原因で、汚水量がポンプの処理能力を超え、一時マンホール内の汚水があふれる状態になっていた。

団地の下水道事業で不適切な点があったとして、当時の下水道課係長など6人を減給の懲戒処分とした。
すでに退職した当時の上下水道部の5人についても、相当額の自主返納を求める。
市長ら特別職の3人についても、一連の不適切対応の責任を取って減給とした。

宮田市長は10日、臨時の記者会見を開き、「職員の基本的な確認作業がしっかり機能していれば十分に防げた。組織的な管理態勢が機能していなかった」と謝罪した。

https://www.asahi.com/articles/ASQ6B73VYQ6BUJHB00N.html 

 

611917分に毎日新聞からは、具体的なポンプ容量に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。

マンホールポンプは毎分058立方メートルの容量が必要だったにもかかわらず、毎分018立方メートルのものが設置されていた。

未着工のCD街区でも、同様の設計ミスが見つかった。

https://mainichi.jp/articles/20220611/k00/00m/040/033000c 

 

ちょっと前、202252460分にYAHOOニュース(茨城新聞)からは、この工事は県の計画の下で行われていた、市は業者から既設処理量のデータを求められたが流量計故障を理由に対応していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

茨城県常陸太田市幡町の住宅団地「四季の丘はたそめ」(同市幡町)の公共下水道で異常に高い水位が続いている問題で、汚水処理をするマンホールポンプの設計を巡り、市が確認作業を怠っていたことが23日、分かった。

市は同日の臨時記者会見で「実際より少ない処理人口を想定して事業が行われていた」とする調査結果を公表した。

改修などが必要になる見込みで、市は抜本的対応策について検討する。

バキューム車による汚水の引き抜き作業も継続する。

過渡期的な対応として、自治会所有の古い処理施設の借用を調整している。

市の関係職員の処分も検討していく。

市によると、同市の公共下水道整備事業は、県の「那珂久慈流域下水道事業計画」などの下で実施。

2013年に改定された同計画に対し、市は市全体の人口密度で処理量を計算し、県に要請していたが、同団地の人口密度は約3倍も高く、見合っていなかった。

既設の汚水処理施設の処理量を実測すれば過少と分かったはずだが、市は委託事業者に指示をしなかった。

またマンホールポンプの設計に向け、委託事業者から既設の処理量のデータ入手を求められたが、流量計の故障を理由に対応しなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/880341f98fcebf3a72ce6c83fe96e3a8ea4a7b61

 

(ブログ者コメント)

再発防止策につながる原因が書かれていないか、市のHPを含め調べてみたが、そういった記事は見つからなかった。

以下は、ブログ者が、ありそうなケースとして勝手に考えたもの。

・市に下水設計マニュアルがあり、そこに平均値で設計することなどと書かれていたため、それをそのまま適用した?

・市の担当者は、商業施設が入る地区の下水量が市の平均値どおりでいいのか疑問を持たなかった?

・大局をみるべき市の責任者は、基本設計数値の考え方に問題がないか確認していなかった?

・立場の弱い業者は、平均値設計に疑問を抱いて既設データを求めたが、ないと言われれば、それ以上、市に強く言えなかった?

 

(2022年12月18日 修正1 ;追記)

2022121679分に読売新聞からは、対策費4億円のうち7000万円近くを全職員負担などで穴埋めするという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

茨城県常陸太田市の下水道事業で、設計ミスに伴い生じた費用計約4億円の一部を穴埋めするため、全職員の給与を減額する改正条例案が15日、市議会で可決された。

来年1月から2024年3月まで、月給と期末・勤勉手当を、市長ら特別職は5%、一般職員は1~2%減額する。

全日本自治団体労働組合は、ミスで発生した費用を全職員で負担するのは異例としている。

市によると、住宅団地の下水道工事を発注した際、汚水の処理量を誤って算出したため、4月にマンホールから汚水があふれ出た。

6月には、市が造成中の土地でも同様の不備が判明。

ミスによる設計の見直しや改修にかかる費用は、計約4億円に上るという。

市は全額を税金で負担することは市民の理解を得られないなどとして、全職員約560人で一部を負担することにした。

条例の改正で捻出される約6000万円と、すでに特別職や担当の職員に行った減給や自主返納分の約580万円を充当する。

このほか、市議会は15日、市議17人の議員報酬を2%減額する改正条例案も可決。

この措置による約255万円を合わせた総額は約6835万円となる。

宮田市長は、「議会が条例の趣旨を理解してくれ、市民への説明責任もついたかなと思う」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221215-OYT1T50179/

 

  

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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