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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202261950分に読売新聞から下記趣旨の記事が、事故件数などの推移グラフ付きでネット配信されていた。

主に宅配で使われる事業用軽貨物車(黒ナンバー車)が原因で死者や重傷者が出た重大事故が、2021年までの5年間で8割増えたことがわかった。

読売新聞が警察の交通事故データを分析した。

事故総数が減る中で目立って増えており、台数当たりの事故件数は車全体平均の4・5倍。

国土交通省は、ドライバーの大半が宅配を業務委託された個人事業主とみている。

労働時間の規制がなく、宅配荷物の増加が事故増の背景にあるとみられる。

警察庁や公益財団法人「交通事故総合分析センター」(東京)の10年以降の事故データを分析した。

黒ナンバー車が主たる原因の「第1当事者」となった重大事故は16年(199件)までは減少傾向にあったが、翌17年から増え、21年は16年比で83%増の365件(うち死亡21件)だった。

軽傷を含む死傷事故全体でも、21年は26%多い4616件。
この8割が業務中だった。

交通事故全体の数は16年以降で約4割減少しており、主な車種別で増えたのは黒ナンバー車と自転車だけ。

重大事故に限ると、黒ナンバー車だけが増えていた。

1万台あたりの事故件数も黒ナンバー車が際立ち、21年は151・5件と、車全体(33・6件)の4・5倍。

軽以外の事業用貨物車(緑ナンバー車、79・9件)と比べても1・9倍だった。

ネット通販の普及に伴う宅配荷物の急増で、物流業界では、個人事業主に宅配を業務委託する動きが広がっている。

黒ナンバー車は21年末で約30万台と、16年末から約7万台増えた。

黒ナンバー車での運送業は、緑ナンバー車と違って国の許可は必要なく、届け出だけで始められ、新規参入が増えているとみられる。

しかし、個人ドライバーは労働基準法の対象外で、過重労働が広がっている可能性がある。


◆事業用軽貨物車

貨物自動車運送事業法に基づき、有償で他人の荷物を運ぶ軽貨物車。
ナンバープレートは黒地。
1人でも運輸局に届け出れば始められる。
軽以外の事業用貨物車(緑ナンバー車)は、1人で営業できない。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220618-OYT1T50360/

 

同日同時刻に読売新聞からは、1971年に国の許認可事務見直しの一環で軽自動車が免許対象外になった、当時は軽自動車だけでの運送業が想定されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

生活に欠かせない宅配を最前線で支える個人事業主のドライバー。

コロナ禍の巣ごもり需要で荷物が増える中、主に個人ドライバーが宅配で使う黒ナンバー車(事業用軽貨物車)の事故が急増している実態が明らかになった。

専門家からは対策を求める声が上がる。

 

【1日200個】

昨年10月、神奈川県内の住宅街の交差点で、帰宅中の当時小学2年の男児(8)が黒ナンバー車にはねられた。
男児は頭に大けがを負い、救急搬送された。

運転していた個人ドライバーの女性(20歳代)は4月、取材に「荷物が多くて急いでいて、よく見ていなかった」と打ち明けた。

女性が宅配の仕事を始めたのは事故1年前。
普通運転免許を取得した翌月、県内の運送会社と業務委託契約を結んだ。

「経験がなくても、ある程度の収入が得られるのが魅力」と話すが、朝から夜まで荷物は200個を超える日もあり、休憩を取る余裕はほとんどない。

事故当日も荷物が多く、交差点で一時停止したものの、右から来た男児に気づかなかったという。

女性は免許停止処分となったが、4月、仕事を再開した。
「ハンドルを握ると緊張する。でも、ほかの仕事では十分な収入が得られない」と話す。

男児の父親(38)は「息子は今も車を怖がっている。委託している運送会社も安全を考えてほしい」と話した。

 

【「軽だけで」想定せず】

個人ドライバーは、雇用されたドライバーと比べ、労働と運送の二つの法律で異なる扱いを受けている。

雇用されたドライバーは、労働基準法に基づき、運転時間や拘束時間の上限がある。

しかし、個人ドライバーは労基法の対象外で、労働時間の規制はない。

労働組合「軽貨物ユニオン」が個人ドライバーを対象に昨年実施した調査では、回答があった83人の4分の1が、1日の労働時間が12時間以上と回答。
半数が週6日以上働いていた。

貨物自動車運送事業法でも、普通や大型などの貨物車(緑ナンバー車)での運送業は国の許可と5台以上の車が必要で、ドライバーとは別に運行管理者を選任しなければならない。

しかし、黒ナンバー車は個人が届け出るだけで始められ、運行管理者の選任や、運輸局への事故の報告義務などもない。

1971年までは自動車運送業は一律免許制だったが、国が許認可事務を整理する中で、同年に道路運送法が改正され、軽自動車が除外された。

当時、軽自動車だけでの運送業が想定されていなかったためだ。

しかし、ネット通販の普及で、主な宅配業者の取扱個数は2020年度に約48億個と、10年前の1・5倍に増えた。

黒ナンバー車は物流業界で欠かせない存在となっている。

 

【都市部に集中】

参入が容易なため、事故データからは経験の浅いドライバーが事故を起こしている状況が浮かぶ。

21年に黒ナンバー車が第1当事者となった事故4616件のうち、12・4%(576件)のドライバーは運転免許取得後3年未満だった。

3年未満の割合は年々増え、事業用大型貨物(2・5%)や中型貨物(3・5%)より高かった。

神戸市灘区では20年11月、阪急神戸線の踏切内で特急電車が黒ナンバー車と衝突し、脱線する事故が起きた。

運輸安全委員会の事故調査報告書などによると、運転していたのは宅配中の個人ドライバーの男性(43)で、仕事を始めて6日目だった。
「慣れていなかった」と話したという。

事故は宅配需要が高い都市の住宅街に集中している。

警察庁が「オープンデータ」として詳細に公表している19~20年の事故約69万件を分析したところ、黒ナンバー車が絡む事故の64%が、1平方キロ・メートル当たりの人口が4000人以上の「人口集中地区」(国土面積の3%)で発生していた。

事故の半数が市町村道で起きており、3分の1は車道の幅が5・5メートル未満の「生活道路」で起きていた。

こうした道路で、駐車と発進を頻繁に繰り返していることも事故多発の一因とみられる。

国土交通省は「黒ナンバー車の事故が増えている実態は把握していなかった。必要があれば対策を検討する」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220618-OYT1T50365/

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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