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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20243261846分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

小林製薬の「紅麹」成分が入ったサプリメントを巡る健康被害問題を受け、にわかに関心が高まっている機能性表示食品は、過去5年で健康ブームにも乗って市場が3倍以上に急成長した。

多くの人が気軽に利用するようになった一方、安全性の担保は〝企業任せ〟の部分もあり、専門家は消費者にリスクを確認するよう呼び掛けている。

 

【目のピント調節も】

機能性表示食品は健康の維持や増進に役立つことが期待できるとされ、その内容は「脂肪の吸収抑制」から「精神的ストレスの緩和」、「目のピント調節作用のサポート」まで多岐にわたる。

形状も錠剤や食用油などさまざまで、脂肪や糖の吸収を和らげる「ノンアルコールビール」もある。

民間調査会社の富士経済などによると、機能性表示食品の市場規模は平成30年が2153億円だったが、令和5年は6865億円に上る見込み。

販売中の商品は3千種類を超える。

消費者庁への届け出制で、事業者は自らの責任で効能について科学的根拠を示すことが義務付けられている。

「審査は一切していない」(消費者庁の担当者)という。

 

【手軽さでトクホ逆転】

同種の制度として、先に設けられた消費者庁の審査・許可が必要な「特定保健用食品」がある。

富士経済によると、審査には時間やコストがかかるため、各社において規制緩和で誕生した機能性表示食品への切り替えが進展。

市場規模は新型コロナウイルス禍の2年に機能性表示食品が逆転して上回った。

ただ、機能性表示食品の申請経験がある北海道大の山仲勇二郎准教授(生活健康学)によると、申請段階で効能のエビデンス(根拠)に対する信頼性のチェックは厳しく、「3~4回は差し戻された」と話す。

その上で、「エビデンスは誰でも閲覧できる。年齢や性別など(効能の)対象が明記されているか、うたっている効能が申請内容を逸脱していないかの確認など、消費者にもできることはある」と指摘している。

https://www.sankei.com/article/20240326-NON65XOSFVKQTJB7TZ4BUVHQY4/

 

3271348分にNHK NEWS WEBからは、既知の毒成分「シトリニン」は検出されなかったが未知の成分が検出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

「紅麹(べにこうじ)」は米などの穀類に紅麹菌を繁殖させてつくられたもので、古くから食品の着色料などとして使われてきました。

紅麹の「ロバスタチン」という成分にはコレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品などが多く販売されています。

一方、紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒をつくるものもあり、腎臓の病気を引き起こすおそれがあるとされています。

国の食品安全委員会によりますと、ヨーロッパでは紅麹由来の健康食品による健康被害が報告されていて、EU=ヨーロッパ連合は健康食品に含まれる「シトリニン」の基準値を設定しているということです。

小林製薬によりますと、今回の報告を受けて成分を分析したところ、「シトリニン」は検出されなかったということです。

一方で、「シトリニン」とは別の未知の成分の存在を示す分析結果が得られたということで、「意図しない成分が含まれている可能性が判明した」としています。

・・・

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240327/k10014403771000.html

 

3272018分に産経新聞からは、平成28年にグンゼから事業を譲渡され伝統的な固体培養法で製造していた、食品用はサプリ用とは別種類で未知の成分は含まれていないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

小林製薬は平成28年にグンゼから紅麹事業の譲渡とともに譲り受けた紅麹菌株を使い、大阪工場(大阪市)でコメに紅麹菌を植え付けて培養する伝統的な「固体培養法」を採用。

紅麹を粉末状にして出荷していた。

液体の中で麹菌を繁殖させる「液体培養法」のような成分の濃縮が起こらないため、安全としてきた。

小林製薬は「シトリニンをつくらないことが確認できた菌株を選定した」としており、健康被害の報告を受けた原料検査でもシトリニンは検出されなかった。

ただ、一部で「未知の成分」が含まれていた。

「細かな構造が把握できないが、カビから生成されるものと似ている」という。

企業向けに出荷した原料のうちサプリメント用からはこの未知の成分を検出したが、食品用には別の種類の原料を出荷しており、この成分が含まれないことを確認した。

https://www.sankei.com/article/20240327-EG7RSTNXWZNGZCMDUFUC3QG5DE/

 

329167分に産経新聞からは、グンゼから事業譲渡されるまで麹の製造をやったことはなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同社は29日の記者会見で、紅麹を含む麹の製造に関し、平成28年にグンゼから事業譲渡を受けるまで「やったことはない」と明らかにした。

グンゼの技術については、「長い間確立されており、手順書に落として引き継ぐことで継承できるだろうと考えていた」と説明した。

会見で、素人に近い状態で紅麹を製造する危険性をどう判断していたのかを問われた小林社長は、「技術者にも一緒に入社していただいたので、その点は大丈夫だと認識していた」と述べた。

別の幹部は、グンゼの製造工程に問題があったかどうかについて、「われわれが評価するものではない」と回答を控え、譲渡に際し、グンゼから健康被害を引き起こすリスクがあるとは聞いていなかったとした。

https://www.sankei.com/article/20240329-4FYU4HPXYRIQZKFGUTT5TALMTY/

 

3291919分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、未知の成分として青カビから作られる「プベルル酸」が検出されたが原因物質かどうかは不明、現時点で5人死亡114人入院など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

「未知の成分」について小林製薬は、一般的に青カビからつくられる天然化合物で、毒性が非常に高いとされる「プベルル酸」の可能性があると、厚生労働省に報告していることが明らかになった。

「プベルル酸」は、一般的に青カビからつくられる天然化合物で、抗生物質の特性を持つことが知られていて、毒性が非常に高いという。

ただ、腎臓に対する障害は現時点では明らかになっていないとしていて、あらゆる可能性を検討し調査を進めことにしている。

小林製薬は29日の会見で「『プベルル酸』は『紅麹』から生成しにくい」と説明していて、製造過程でカビが入る所がないか、混入の可能性も含めて総点検を行っているとしている。

また、今後は小林製薬1社で判断するのではなく、国の研究機関にデータを提供しながら迅速な解明を進めていく方針だ。

これまでに、小林製薬の「紅麹原料」を使ったサプリ「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた70代~90代の5人が死亡、114人が入院したことが明らかになっている。

因果関係は分かっておらず、小林製薬などが調査している。

「未知の成分」が含まれているサプリの製造時期は去年4月から10月、出荷時期は去年7月から12月だということだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c2f8f048a8c013c56a743feeabdac525d7091cf

 

3271717分にYAHOOニュース(PRESIDENT Online)からは、アベノミクス規制緩和の一環として始まった機能性表示食品制度は制度創設時から問題点が指摘されていた、成分濃縮サプリを毎日長期にとると大量摂取につながる、有名なのは死者3人を出したアマメシバ事件、今回製品の安全データを筆者がチェックするとあまりにも低レベルだったなど、下記趣旨の記事(科学ジャーナリスト松永氏の寄稿文?)がネット配信されていた。

・・・

機能性表示食品は、国が審査するのではなく、企業が自身の責任で安全性を確認して機能性を表示する制度です。

2013年、当時の安倍晋三首相が規制改革の一環として「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」を高らかにスピーチして制度創設を宣言し、15年から制度が始まりました。

当初から安全性や機能性の根拠の弱さなどが指摘されていましたが、今回の“事件”は、問題点が端的に表面化したようにも思えます。

・・・

健康食品・サプリメントの場合に一般的な食品と決定的に異なるのは、摂取する量です。

たかだか1日に数粒でしょう……と思われがちですが、それは外見の印象に過ぎません。

特定の成分が抽出濃縮されている粒やカプセル状のサプリメントは、とくに大量摂取につながりがちなのです。

それに、一般的な食品なら、穀物にしても野菜にしても、食べる種類や品種、食べる量などが日々変わるのが普通です。

ところが、サプリメントは特定の製品を毎日、長期に摂取します。

その中に、有害性の高い成分が含まれていたら? 

容易に過剰摂取につながります。

もっとも有名なのは、アマメシバ事件でしょう。

厚生労働省が2003年、アマメシバの粉末等を販売禁止にしています。

マレーシアなどで普通に野菜として炒め物などにして食べられていた野菜アマメシバが、乾燥濃縮されて粉末の健康食品として売られ、閉塞性細気管支炎を招きました。

最終的に日本で被害者8人のうち3人が死亡し、1人が肺移植につながりました。

普通の野菜が、粉末化と大量摂取により、極めてリスクの高い食品になってしまいました。

内閣府食品安全委員会なども、乾燥や抽出、濃縮して毎日食べる健康食品・サプリメントは容易に多量を摂ってしまいやすく健康を害するリスクが高まる、として注意喚起していました。

ところが、「天然だから」「健康によいとして売っているから」「医薬品に似ているから」などのイメージにより、消費者に安全性が高いと勘違いされがちです

・・・

消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」を調べれば、同社が届け出た情報をだれでも見ることができます。

私は事件発覚後、チェックしてみて驚きました。

あまりにも低レベルの“安全性確認”でした。

・・・

安全性評価シートには、マウスに大量に投与した急性経口毒性試験や、ラット90日間反復投与毒性試験、遺伝毒性を調べた試験、ヒトでの臨床試験の結果が記載されていました。

しかし、これらの試験に用いた動物の数や、投与する量の設定などは、OECD(経済協力開発機関)が定めたテストガイドラインから大きく逸脱しており、信頼度の低い試験でした。

ヒト試験も行われていますが、被験者数は少なく、参考程度にしかなりません。

結局のところ、もし同じデータがトクホや農薬・食品添加物等の審査に出されていたら、安全だとは到底認められないような内容しか、提示されていませんでした。

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/dcee2f82a51e637117bb29acbbca07ef9514028f

 

(2024年7月27日 修正1 ;追記)

20247231823分にNHK関西からは、検証委員会の報告書が公表された、工場でタンク内側に青カビが付着していると品質管理担当に伝えたが、ある程度混じることがあると告げられた、紅麹原料が乾燥されないまま放置されることもあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

小林製薬は、今回の問題についての会社側の対応を検証するため、ことし4月から外部の弁護士3人で構成する「事実検証委員会」で調査を進めていて、結果をまとめた報告書を23日、公表しました。

それによりますと、紅麹原料を製造していた工場についての聞き取り調査で、紅麹を培養するタンクの内側に青カビが付着していたと品質管理の担当者に伝えたところ、青カビはある程度混じることがあると告げられたという証言が得られたということです。

また、工場内の乾燥機が壊れ、紅麹原料が一定期間乾燥されないまま放置されていたという証言もあったということで、報告書では「今回の問題の原因かは不明であるものの、製造ラインの品質管理は現場の担当者にほぼ一任する状況で人手不足が常態化していた」と指摘しています。

また、ことし1月中旬から2月上旬にかけて健康被害が疑われる事例が相次いで報告されたものの、問題の公表までに2か月以上かかったことについては、「消費者の安全を最優先に考えることができていなかった。遅くとも2月上旬以降、被害の公表や製品回収に力点を置く姿勢が強く求められた」などと指摘しています。

・・・

原因究明については、ことし5月に厚生労働省と国の研究所が「工場内の青カビが培養段階で混入して、『プベルル酸』などの化合物がつくられたと推定される」と公表していて、現在も原因物質を特定するための調査が続いています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240723/2000086222.html

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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