新型コロナ対応として、各企業は在宅勤務など、さまざまな対策をとっているが、ブログ者は、コンビナートなど24時間稼働している装置の交替制シフト勤務者のコロナ対策が気になっていた。
というのは、何班かあるシフト班のうち、1つの班で感染者がでれば、その班の全員が自宅待機となるだろうし、引継ぎなどで接触不可欠な他の班にまで拡散したなら、24時間稼働が続けられなくなる恐れがあるからだ。
それが4月9日、柏崎刈羽原発の対策が報じられたので、それを機に、他の企業の状況もざっと調べてみた。
以下は、ブログ者の目に留まったシフト勤務者コロナ対策事例。
【柏崎刈羽原発】
(2020年4月9日10時28分 NHK NEWS WEB)
新型コロナウイルスの感染が拡大し、東京などに緊急事態宣言が出されるなか、新潟県にある東京電力・柏崎刈羽原子力発電所では、安全管理に関わる運転員の通勤専用のバスを用意するなど感染防止対策を取っています。
柏崎刈羽原子力発電所は現在は稼働はしていませんが、6、7号機の再稼働にむけた安全対策工事が続けられています。
こうした中、東京電力は、原発の運営に携わる社員のウイルスへの感染を避けるため、中央制御室で行う使用済み核燃料の監視など、安全管理上重要な役割を担う運転員について、ほかの社員との接触を少しでも避けるため、通勤に使う専用のバスを複数用意し、出勤時間をずらす対応をしているということです。
また、今月の人事異動で東京などから来た社員の勤務や新人研修を発電所の外で行っているほか、食堂の利用時間をずらすなど、多くの社員が一度に同じ場所に集まらないようにしているということです。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所は、「万一、所内で感染者が発生した場合には、保健所の指導に基づき適切に対応し、発電所の運営に支障がないように努めていきたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20200409/1030011832.html
【福島第1原発】
(2020年3月27日 東京電力HP)
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3.福島第一原子力発電所における当直体制について
〇現状の当直体制(勤務シフト)は通常体制
〇廃炉作業を安定的に進める上で不可欠な「燃料デブリの管理」「使用済燃料の継続的な冷却」「汚染水の適切な処理」を担う当直員が罹患することを回避するため、下記の対策を講じている
□通勤バスの扱い
• 「交替勤務者優先バス」を「交替勤務者専用バス」に運用変更
□建屋内通路等での運転以外の者との接触回避
• 入退域管理棟から免震棟までの移動ルート分離を検討中
• 視察者用の着替え所を借用し、当直員と当直員以外で分離
• 免震棟集中監視室の出入口変更(運転員と保全員・作業員の分離)
□運転員の執務関係環境
• 作業受付場所を集中監視室外に変更
• 引き継ぐ内容を事前に整理し、短時間かつ一定の離隔距離を取って引き継ぎを実施
□空調の独立化等による他居住空間からの回り込み防止
• 免震棟緊急対策室ならびに5・6号機中央制御室の空調は、他エリアと別であり独立
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【四国電力の各発電所、系統制御所等】
(令和2年3月27日付 四国電力HP)
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(2)予防措置等
・当直員のマスク着用の義務化、入室時のアルコール消毒
・当直員以外の中央制御室(発電所)や給電指令室への立ち入りを原則禁止
・当直班同士の接触の禁止
(3)感染者が出た場合の対応
・感染者と同一班の当直員を出勤停止とし、班の数や人数を減らして運用。
・執務室およびその周辺を消毒
・中央給電指令所および系統制御所は同施設内にあるバックアップ設備 (通常時の訓練室等)を活用
⇒ 当直員の感染者発生時に備え、予め当直長・当直員の代行可能者をリストアップ。必要に応じて教育訓練を実施
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https://www.yonden.co.jp/press/2019/__icsFiles/afieldfile/2020/03/27/pr009.pdf
【日本海ガス】
(2020年4月10日 1時51分 北國新聞)
日本海ガス(富山市)は9日までに、都市ガスを送り出す同市の岩瀬工場で稼働状況を監視する担当者10人の勤務体系を、3交代から2交代に見直した。
感染拡大を防ぐため、接触を避けにくい交代の回数を減らす。
供給部門で働く社員は業務の部屋を分散させ、仮に感染者が出ても事業を続けられるよう態勢を整えた。
稼働状況を監視する10人は工場運営の要の役割を担う。
工場内で働く他部門の日勤者とはフロアが分かれており、なるべく接触しないように伝達した。
これに加え、社内で感染者が出た場合は、一時的に10人を工場近くのアパートに住ませ、感染を防ぐ措置も検討している。
過去に10人と同じ業務を経験し、今は別の部署で働いている社員6人ほどをリストアップし、緊急時に配属する準備も進めている。
https://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20200410305.htm
(ブログ者コメント)
シフト勤務体制をとっている企業では、大体、同じような対策をとっているのではないだろうか?
また、飲み会禁止とか混雑場所への出入り自粛などを申し渡している企業もあることだろう。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。