2020年4月11日8時15分に琉球新報から、下記趣旨の記事が地図と写真付きでネット配信されていた。
10日午後4時45分ごろ、米軍普天間飛行場の格納庫で消火システムが作動し、発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が放出された。
消火剤は雨水排水用の水路で水に混じり、基地外の南側に流出した。
風にあおられ、宜野湾市真栄原や大謝名周辺の住宅街に降った。
沖縄防衛局は米側の情報として「泡消火剤が使用された際に、かなりの量が市側に漏れ出した」と説明した。
宜野湾市上下水道局によると、消火剤が漏出した水路の水は下水処理されず、比屋良川に合流して牧港湾に流れ出る。
防衛局によると、周辺地域への被害は把握していないという。
琉球新報社の取材に対し、米海兵隊は一部の泡を封じ込めたことに触れて「事故の詳細は調査中」と答えた。
米海兵隊太平洋基地(MCIPAC)の環境担当者が日本政府や県、市などと連絡を取っているとして、「泡に遭遇する可能性のある人は、泡に近づかないようにしてほしい」と呼び掛けた。
宜野湾市の松川正則市長は、「度重なる事故で、非常に遺憾だ。PFOSは市民も心配しているので、しっかり管理してもらわないといけない」と指摘した。
現場対応に当たった普天間飛行場の基地司令官デイビッド・スティール大佐から、電話で事故の報告とおわびがあったという。
松川市長は、基地内に入って現場で説明するよう要求した。
玉城デニー知事は記者団に「調査中だ」と述べるにとどめた。
普天間飛行場では昨年12月にも泡消火剤が漏出する事故が発生した。
水に混じった消火剤は、水路から勢いよく基地外に流れ出ていた。
目撃者によると、数センチ~数十センチほどの泡が、近くの保育園で帰宅しようとしていた園児の頭や住宅街に降り注いだ。
保育園の関係者は、「米軍は安全に配慮した行動をしてほしい」と憤った。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1105506.html
4月10日23時28分に毎日新聞からは、格納庫内の消火システムが作動したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
泡消火剤が流れ出たのは宜野湾市真栄原(まえはら)3付近の普天間飛行場南側の側溝(幅約1・5メートル)。
側溝は比屋良川につながっている。
市消防本部によると、気分が悪くなった人などはいない。
米軍は10日夜、「格納庫内の消火システムが作動した」と明らかにした。
沖縄の米軍基地では過去にも、有害物質を含む泡消火剤が基地外に流れ出る事故が起きている。
https://mainichi.jp/articles/20200410/k00/00m/040/333000c
4月11日9時14分に琉球新報からも、同趣旨の記事が飛散する泡の写真付きでネット配信されていた。
11日午前8時ごろ、宜野湾市内の住宅街で大量の泡が確認された。
泡消火剤は前日夕方に放出されたが、周囲への回収ができておらず、風に吹かれて周囲に飛散している。
米軍は「泡に近づかないように」と呼びかけているが、外で避けるのが難しい状態だ。
地域住民は、「怖い。洗濯物が干せない」などと不安げに話した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1105524.html
4月14日20時30分に琉球新報からは、原液ではなく水で薄められた量として14万kℓが基地外に流出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
基地外に流れた量が約14万3830㍑(200リットル入りドラム缶719本分)に上ることが14日、分かった。
沖縄防衛局が県や宜野湾市に知らせた。
普天間飛行場内の消火設備から流出した全体量が約22万7100㍑、うち米軍が基地内で回収したのは約8万3270㍑だった。
6割以上が基地外の川などに流れ出たことになる。
防衛省は、いずれも消火剤原液ではなく、水で薄めた量と説明している。
PFOSを含む泡消火剤は10日、普天間飛行場内の格納庫から漏出した。
基地外の住宅街や河川にも流れている。
防衛局によると、米軍は13日まで具体的な流出量を明かさず、「かなりの量」と説明していた。
宜野湾市の宇地泊川(比屋良川)に流れた分は全て除去できず、下流に広がった。
浦添市の牧港漁港でも、消火剤とみられる泡が見つかった。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1107185.html
(2020年5月2日 修正1 ;追記)
2020年4月30日6時30分に琉球新報から、事故翌日に採取した海水から高濃度のPFOSが検出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米軍普天間飛行場から発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が10日に宜野湾市の宇地泊川などへ流出した事故を受け、日本環境化学会評議員の田代豊氏は流出事故翌日の11日、川の河口周辺で海水を採取し、専門家に分析を依頼した。
分析の結果、有機フッ素化合物PFOSとPFOAの合計値は1リットル当たり最大255.4ナノグラムで、地下水汚染を判断する米国の暫定指標値40ナノグラム(1リットル当たり)の6倍超だった。
河川だけではなく、沿岸海域にも汚染が広がった実態が浮き彫りになった。
田代氏は11日午後0時半から午後2時まで、宇地泊川河口周辺の3地点で海水を採水し、京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)に分析を依頼した。
今回の最大値は、環境省の諮問機関・中央環境審議会の専門委員会が河川などの暫定指針値として提案している1リットル当たり50ナノグラムの5倍に上る。
琉球新報が12日に宇地泊川で採取したPFOSとPFOAの値1リットル当たり247.2ナノグラムより、8.2ナノグラム高かった。
最も値が高かったのは、宇地泊川の河口西側の沿岸。
河口から約1.5キロ西の沿岸では36.1ナノグラムだった。
一方、河口東側の沿岸では、PFOAは検出されたがPFOSは検出されなかった。
いずれの地点もPFOAの値が高い。
同じく有害性などが指摘されているPFHxSやPFHxAも検出された。
気象庁によると、事故が発生した10日夕方から11日午後にかけて那覇では、主に東や東北東、東南東から平均3~8メートルの風が吹いた。
田代氏は、PFASが風などにより西側に流されたとみて、「一時的とはいえ、かなり広い範囲の海水に広がったと言える」と指摘した。
原田准教授は「海の生態系や河口周辺の環境を調査する必要がある」と強調した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1115206.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。