3密自粛が叫ばれ、院内感染も問題になっている中、飲み会?に参加した医師が感染した事例3件が相次いで報じられた。
また、感染はしていないが、自粛通知を無視して飲み会に参加した医師が自宅待機になった事例もあった。
【1.横浜市民病院】
2020年4月5日0時49分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
感染症指定医療機関の横浜市立市民病院(同市保土ケ谷区)で、研修医の新型コロナウイルスへの感染が相次いで確認された。
研修医約20人は3月27日夜、市内の飲食店で同期会を開催。
この場に参加した2人が感染した。
くしくも前日の26日に、神奈川県の黒岩祐治知事が医療従事者を「コロナファイター」と命名したタイミング。
感染者が増え続ける中での「コロナファイターの卵」たちの軽率な行動に、批判の声が上がりそうだ。
感染したのは、いずれも20代の研修医。
女性研修医は4月1日に感染が確認され、濃厚接触者として検査を受けた男性研修医も3日に感染していることがわかった。
【救急外来で患者を診察】
男性研修医は、27日の会食のほかにも、25日夜に研修医5人と市内のカラオケ店で5~6時間過ごした。
28日には別の研修医と、29日には医師、放射線技師、看護師、研修医の計8人とそれぞれ会食。
30日には救急外来で患者1人を診察したが、同日にも研修医1人、友人2人と会食していた。
同病院は、県内唯一の第1種感染症指定医療機関として、感染症に対する高度な治療設備を持つ。
横浜港に停泊し集団感染が確認されたクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者なども受け入れてきた。
黒岩氏は、こうした医療機関を念頭に、「医療崩壊が起きていないのは、医療従事者の皆さんが全力で闘ってくれているからだ。心から敬意を表したい」と述べ、医療従事者をコロナファイターと名付けて激励した。
病院側は反省しきり。
首都圏の首長らが相次いで夜間の外出自粛や多人数の会食を控えるよう呼びかける中での事態に、市の神内・市民病院管理部長は、「院内でマスクの着用など、標準予防策はかなり厳しく指導してきたが、(会食は)注意が足りなかった。研修医も医師免許を持っている。医師として自覚、危機感が足りなかったと反省している」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20200405/k00/00m/040/001000c
令和2年4月2日付で横浜市のHPには、最初に感染が確認された女性研修医に関し、下記趣旨の記者発表資料が掲載されていた。
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当該職員は新型コロナウイルス感染症患者の診療には携わっていません。
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(5)経過:
3月26日 鼻汁が出現
3月28日 味覚障害が出現
3月29日 嗅覚障害が出現
3月31日 市民病院において検体採取
4月 1日 PCR検査結果が陽性と判明
(6)研修医の行動について
3月26日、27日、28日は勤務。
29日は勤務なし。
30日は勤務。
31日は朝出勤する も、PCR検体採取後、自宅待機。
この間、病棟、救急外来、手術室、化学療法室で研修を行っていました。
なお、研修中は、常にマスクの着用及び手指衛生の標準予防策を実施していました。
【2.岐阜大付属病院】
4月5日7時49分に岐阜新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜大は4日夜、医学部付属病院精神科の20~30代の男性医師3人(うち1人は今月から美濃加茂市内の病院に勤務)が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
3人は、クラスターが発生した岐阜市若宮町のナイトクラブ「S」を、県外の医師1人と共に3月26日に訪れていた。
3人との濃厚接触者に同大の医師がいることから、救急外来の受け入れを4日夕方から急きょ取りやめた。
全ての診療科の外来を6日から19日まで休止する。
高度医療を担う医療機関で、外来診療機能が停止する事態に陥った。
3人は、今月3日に店を利用したことを病院側に申し出て検査をしたところ、4日に陽性反応が出た。
30代医師2人に症状はなく、20代医師は軽い肺炎症状。
いずれも岐阜市在住で、市内の病院に入院中。
県内でも感染拡大が広がる中で、医師が三つの密にあたるナイトクラブを訪れていたことについて、吉田病院長は、「自粛要請する中で大変残念。自覚が足りなかった面は否定できない」と謝罪し、「まずは入院治療に専念し、その後適切に指導したい」と述べた。
休止した救急外来は、県内屈指の高次救命治療を担うことから、同院でしか行えない治療については患者を受け入れる。
一方、1日に1千~1200人が訪れる一般外来が2週間にわたり機能停止する影響は計り知れない。
3人は、4日に感染が判明するまでの間に、病棟や外来で診療行為を行っていた。
20代の医師はマスクを着けずに病棟回診を行っていた時があり、患者1人が濃厚接触者となった。
この医師は4月からは、美濃加茂市の「のぞみの丘ホスピタル」に勤務していた。
岐阜大病院での濃厚接触者は患者1人のほか、同僚の医師ら計5人。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20200405/20200405-230067.html
4月5日7時53分に岐阜新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜市保健所の稲川副所長は、私見とした上で、「市が新型コロナウイルス感染拡大の防止に注力する中で、公衆衛生の専門家である医師が、3密になる可能性が高い場所を訪れ、感染したことは遺憾」と語気を強めた。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20200405/20200405-230130.html
【3.慶応大学病院】
4月7日1時16分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京 新宿区にある慶應義塾大学病院は、研修医18人が新型コロナウイルスに集団で感染したと明らかにしました。
研修医らはおよそ40人で会食を行っていたということで、病院は「医療者として許されない行為で、深くおわび申し上げます」としています。
慶應義塾大学病院のホームページによりますと、先月31日に病院での研修を終えた研修医1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。
その後、病院がこの研修医と接触していた可能性がある研修医99人について2週間自宅待機としたうえでウイルス検査を行ったところ、6日までに18人の感染が確認されたということです。
18人は入院しているということです。
病院はすべての教職員に対し、会食を行わないよう繰り返し注意していたということですが、研修医のうちおよそ40人が会食を行っていたことがわかったということです。
慶應義塾大学病院は、「研修医らの行動は患者を守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるをえない。深くおわび申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012371461000.html
【京大附属病院(感染事例ではないが・・・)】
一方、4月8日8時37分にNHK京都からは、京大附属病院では飲み会自粛通知に違反した医師など116人を自宅待機にしたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市左京区の京都大学医学部附属病院では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ことし2月以降、今年度から病院で勤務する研修医などを含めて、職員全員に懇親会などの会食や国内旅行などの自粛を求めています。
その後、病院が今月から勤務する職員に調査したところ、▽医師44人と、▽研修医57人、▽それに事務職員など15人のあわせて116人が、家族を含む2人以上で飲酒を伴う外食などを行っていたということです。
このため、病院は院内での感染を防ぐため、本人の申告をもとに、会食などを行った日の翌日から2週間、自宅待機を命じていて、現在はあわせて71人が自宅待機になっているということです。
病院は、医師などの自宅待機による診療への影響はないとしています。
京都大学医学部附属病院は、「高度な医療を継続的に提供し続けられるように、厳しい基準での感染予防策を職員に求めています。引き続き、安心・安全な医療の提供の継続に尽力して参ります」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20200408/2010006337.html
(ブログ者コメント)
会食自粛が呼びかけられ、院内コロナ感染も各地で発生している中、緊張感なく会食(飲み会?)していた医師や医師の卵たち。
1件や2件ならまだしも、3日間で4件も立て続けに報道されるとは・・・。
自分だけは大丈夫と思ってのことかもしれないが、志を持って選んだ職業であろう医師として、自分が医療崩壊の原因になる可能性については考えなかったのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。