2013年7月29日15時4分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後9時35分頃、北九州市若松区山ノ堂町の自営業男性(56)が自宅の玄関付近で、掃除をしていたところ、バケツ内の雑巾が発火。
男性が両足を、近くにいた息子(3)も両手両足に、それぞれやけどを負って病院で手当てを受けた。
警察によると、バケツのそばに火が付いたキャンドルがあり、雑巾に染みこんだ揮発性が高いクリーナーの油分に引火した可能性が高いとみている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130729-OYT1T00338.htm
(ブログ者コメント)
過去の火災事例には、結構、目を通してきたつもりだが、このような事例は記憶にない。
しかし、考えてみれば、LPG噴射スプレーを使う場合と同様、揮発性が高い可燃性成分を含有するクリーナーを使う場合も、火気には注意が必要だ。
どのようなクリーナーを使っていたかは不明だが、そういった注意表示はされていたのだろうか?
2013年7月4日12時47分にmsn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後4時55分ごろ、大阪府大阪狭山市の民家で、住人の40代女性が突風で閉まった玄関のドアに右手を挟み、指を切断するけがを負った。
大阪管区気象台によると、大阪狭山市では当時、強風や雷の注意報が発令されていた。
隣接する堺市では午後4時50分ごろに瞬間風速18.8mを記録。
同府八尾市でも約5分後に瞬間風速23.1mを記録し、いずれも7月の観測史上最大だった。
消防によると、女性が玄関から自宅を出ようとした際、突風が吹いたという。
女性は病院に搬送され、入院して治療を受けている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130704/waf13070412490026-n1.htm
16日午前1時10分ごろ、金沢市長田にあるマンションの1階の部屋から火が出て、この部屋に住む33歳の男性が顔や腕などにやけどをして、部屋のトイレの一部が焼けた。
警察によると、火元の部屋の男性はひとり暮らしで、「トイレに入ってライターでたばこに火をつけようとしたらドーンという音とともに爆発した」と話しているという。
このため警察と消防は、17日午前9時半ごろからガス会社の担当者を立ち会わせて現場検証を行っている。
警察によると、この部屋では、以前からガス探知機が作動することがあったということで、ガスが漏れていた可能性もあると見て火事の原因を調べている。
出典URL
(ブログ者コメント)
この報に接し、東日本大震災後に起きた盛岡のデパ地下爆発事故(既報)を思い出した。
あの事故でも、しばしばガス警報器が鳴っていたにもかかわらず、十分な点検を怠ったことが、事故の一因とされている。
自分で給油するセルフ方式のガソリンスタンドの増加が、思わぬ危険な忘れ物を生んだ。
それは、車の給油口のキャップ。「2日に1個は置き忘れがある」とも言われるほど。
ガソリンは揮発性が高く、過去にはキャップの閉め忘れが原因で爆発して男性ドライバーが重傷を負う事故も起きており、ガソリンスタンドや消防局は注意を呼びかけている。
福岡市中央区にあるスタンド「Dr.Driveセルフ薬院SS」。吉村マネジャー(35)がかごいっぱいのキャップを見せてくれた。どれも自分で給油したドライバーがキャップをしないまま置き去りにしたもの。そんなキャップが2日に1個は見つかるという。
店によると、深夜0時から早朝5時ごろまでに置き忘れが見つかる例が目立つ。後日、取りに戻るドライバーもいるが、店には常時20個程度が残るという。
「60個ほどたまった時もあった。給油後、キャップを閉める前に釣り銭を取りに行き、そのまま忘れてしまうケースが多いようです」と吉村さん。
福岡市消防局によると、ガソリンは揮発性が高く、その蒸気の比重は空気の3〜4倍。給油口から漏れたガソリン蒸気は地面をはうように広がり、離れた場所で引火する可能性もある。
「密閉された車庫など蒸気が滞留したところに火を近づければ危険です」と土井係長は注意を促す。
消防庁によると、火災統計にキャップの閉め忘れが原因のまとめはないが、過去に重傷事故も起きている。
北海道根室市で97年6月、男性が車のトランクを開けようとした際に爆発し、腰の骨を折るなどで約5カ月入院した。その後の根室市消防本部の調査で、事故2日前に男性が給油した際、スタンド従業員がキャップを閉め忘れていたことが判明。男性は「車を停止させる度にガソリンのような臭いがし、燃料の減りが早かった」と振り返った。
市消防本部は「給油口からガソリンが気化して車内の穴を通してトランク内に充満し、くわえたばこをしたままトランクを開けたために引火した」と推定する調査報告書をまとめた。
自動車メーカーは置き忘れ防止の対策を進めており、最近の車種ではキャップと車体をワイヤでつなぐなどの工夫がされている。
トヨタ自動車広報部は「閉め忘れるとの声が多く、05年ごろの車種から順次、切り替えている」という。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130106mog00m040005000c.html
(ブログ者コメント)
根室市の事例はくわえたばこが原因と推定されたらしいが、これは、普通に燃えているたばこの火であれば着火源にはならない、というこれまでの知見と矛盾する。
たばこが、ときおりみられるようなボーッという燃え方をしたのだろうか?
それとも、「トランクを開けた」際の静電気放電が着火源だったのだろうか?
ブログ者としては、後者のような気もするのだが・・・。
29日午後0時50分ごろ、JR新札幌駅に停車中の小樽発新千歳空港行き快速エアポート(6両編成、乗客約200人)内で、乗客が「刺激臭のある液体が床にこぼれている」と車掌に通報した。
乗客全員を降ろし、警察が調査したところ、30代の男性乗客が誤ってこぼしたうがい薬と判明したが、帰省ラッシュのさなかに快速など17本が運休し、約7000人に影響が出る騒ぎとなった。
警察によると、男性は新千歳空港に向かう途中で、「うがい薬を飛行機内に持ち込むために、小さな容器に移しかえようとしてこぼした」と説明しているという。
JR北海道は、「男性が賠償請求の対象になるかどうかは分からない」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20121230k0000m040013000c.html
(ブログ者コメント)
ブログ者はうがい薬を使用したことはないが、床にこぼれたぐらいで、そんなに刺激臭がするものだろうか?
もしするとすれば、そういったものをパブリックスペースである列車内で開放状態にしてはいけない。
20日午前0時20分ごろ、文京区の東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅に停車中の電車内で、「乗客の女性が持っていた缶を振っていたら破裂した」と110番通報があった。
消防などによると、中に入っていた液体が飛び散って乗客にかかるなどし、11人が手当てを受けた。いずれも意識があり、男女2人が重傷という。
メトロによると、缶には「強力洗剤」と書かれていた。
消防によると、女性は、コーヒーのキャップ付きアルミ缶に強アルカリ性の業務用洗剤を入れていたという。
メトロによると、破裂は午前0時15分ごろ起きた。
乗り合わせた男性(53)は、「女性が持っていた袋のようなものが爆発したようだ。突然『パーン』という爆竹のような音が1回した。目の前に座っていた男性ら数人に中の液体がかかったようだ」と話した。
同じ車両の会社員男性(52)は、「本郷三丁目駅に到着直後、爆竹のような音がした。50代くらいの男性が頭から液体をかぶって『薬品だ』と叫んでいた」。この男性は痛みで目をおさえ、乗客らが水を持ち寄って水をかけたという。液体は周囲の女性客ら5~6人にもかかっており、乗員、乗客らが手分けをして水をかけていたという。
駅近くのコンビニエンスストアのアルバイト店員男性(23)は、「地下鉄から避難してきた乗客が次々と出口から避難していた。『液体がこぼれた』『けが人が出た』と話していた」と驚いた様子で話していた。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY201210190676.html
また、2012年10月20日12時18分に朝日新聞から、10月21日1時11分に毎日新聞から、事故原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察などによると、女性が持ち込んだ洗剤は業務用の強力洗剤で、主な成分は水酸化ナトリウムや水酸化カリウム。強いアルカリ性を示し、缶のアルミニウムと化学反応して水素が発生したことが、破裂につながったと見ている。
神戸大学の持田智行教授(物性化学)は、「水酸化ナトリウムは劇物で取り扱いは注意が必要だ。密閉容器内で化学反応が進むと水素が充満して内圧が高まり、とても危険だ」と話す。
名古屋大学大学院の石原一彰教授(有機合成化学)は、「アルミ缶が破裂するのは、相当な威力。強アルカリで内部のコーティングが溶け、薄くなっていた可能性がある」と指摘する。
強アルカリは、皮膚につくとやけどを負い、目に入れば失明の可能性もある。
石原教授は、「酸やアルカリを金属と一緒にしてはいけない。ガラスやポリ容器などの専用容器から詰め替えるのは危険」と話している。
洗剤を扱う業者や専門家も、容器の移し替えの危険性を指摘する。
業務用洗剤を扱う関東地方の卸業者によると、この洗剤は通常、飲食店の調理場など油汚れのひどい部分の洗浄に使われるという。
洗剤が金属と化学反応を起こすおそれがあるため、通常はポリエチレンの容器に入れた状態で販売される。
アルミや銅、銀、亜鉛などの金属は使わないように、「注意書き」もついているという。
この業者は、「家庭用の商品よりも強力で、家で使いたい気持ちも分かるが、専用の容器に入れるのが原則だ。アルミ缶に入れるのはもってのほか」と注意を促す。
別の埼玉県の業者も、「飲料用のアルミ缶は内側がコーティングされているはずだが、強力な洗剤だと被膜を溶かすこともある。持ち運びの衝撃で缶が傷むこともあり、移し替えは危険だ」という。
消費生活アドバイザーの阿部絢子さんは、業務用洗剤だけでなく、台所や風呂掃除向けの家庭用洗剤でもアルカリ性の強いものがあるといい、「家庭用洗剤でも詰め替えはせず、コーティングされた専用容器に入れて、取り扱いには十分注意して」と話す。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY201210200169.html
http://mainichi.jp/select/news/20121021k0000m040098000c.html
一方、鉄であればアルカリとはほとんど反応しないという、以下のような報文もあった。ご参考まで。
http://www.cf.ocha.ac.jp/sec/usrimg/cst/h21_sakuhin/14hashimoto.pdf
(ブログ者コメント)
小分けした場合、本体側容器に書かれている使用上の注意点などは、使用者には伝わらなくなる。
その点、この事例は、本ブログに掲載済の消石灰による失明事例(2011年4月、山口県)と、根は同じだ。
(2012年11月9日 修正1 ;追記)
2012年11月2日19時30分に朝日新聞から、NITEで行った検証実験に関する記事が下記趣旨で,写真付きでネット配信されていた。
この事故を受け、経産省所管の独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE〈ナイト〉)が2日、再現実験をした映像を公開して注意を呼びかけた。
NITEは、ほぼ同じ設定で実験。
飲料用のふた付きアルミ缶に、市販の強いアルカリ性の業務用洗剤400mℓを入れたところ、間もなく缶内の樹脂の表面を浸食し始めた。
アルミと化学反応が起きて水素が発生し、圧力が上昇。3時間34分後に激しく破裂した。
最初から樹脂の一部をはがした状態で実験すると、約30分で破裂した。
NITEによると、1997年に染毛剤の容器が破裂する事故があったが、洗剤によるものは珍しいという。
洗剤の一部はホームセンターなどで容易に入手できることから、「決して他の容器に移さないで」と呼びかけている。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/1102/TKY201211020379.html
(ブログ者コメント)
実験の様子を映像で見たが、缶が破裂するシーンよりも、発生した水素で泡があふれてきたシーンのほうが印象に残った。
1日午後3時半ごろ、小樽市の住宅で22歳の会社員の男性が乗用車の下敷きになっているのを帰宅した男性の母親が見つけ、消防に通報した。
男性は消防によって救出され病院に運ばれたが、胸を強く打っていてまもなく死亡した。
警察によると、近くには車体を持ち上げる工具やタイヤが転がっていたという。
警察は、男性が冬用のタイヤから夏タイヤに交換するため工具を使って車体を持ち上げて作業していたところ、何らかの理由で車が落下したとみて原因を調べている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/sapporo/7004842001.html
(ブログ者コメント)
産業安全に関する事故ではないが、昔、不安を感じつつも自分でジャッキアップしてタイヤ交換した経験を持つ身としては、他人事とは思えないので、掲載した。
17日午後5時15分ごろ、長野県信濃町に住む男性(59)が自宅の屋根からロープにひっかかって宙づりになっているのを近くの住人が発見、119番した。
駆けつけた救急隊が救助したが、死亡が確認された。
警察は、屋根の雪下ろし中にバランスを崩し、腰に巻き付けていた命綱のロープに絡まったとみて調べている。
警察によると、ロープは首にも絡まっており、窒息死だった。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120117/dst12011723560025-n1.htm
(ブログ者コメント)
命綱が絡まって死亡した事故は初めてではない。過去の事例は本ブログの別記事参照。
命綱をとる場合は、できるだけロープに遊びをもたせないことだ。
2011年11月17日付の毎日新聞広島版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前10時15分ごろ、広島市の民家から「庭の池で作業中に誤って塩素系の物質がかかった」と119番があった。
消防が駆けつけたところ、作業をしていた男性3人(50~70代)と40代女性の計4人に塩素系消毒剤がかかるなどし、病院に搬送されたが命に別条はなかった。
警察によると、コイを飼っている池の掃除をするため、粉末状の塩素系消毒剤「次亜塩素酸ナトリウム」を容器に入れたところ、容器に残っていた物質と化学反応を起こした液体が、何らかの原因でかかってしまったらしい。
この反応でガスが発生し、警察が周辺を通行止めにするなど、一時騒然とした。 現場は住宅密集地。近くの広島市立祇園保育園では、児童約30人を園近くの公園で遊ばせていたが、建物内に避難させた。気分不良などを訴えた園児はいなかったという。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
特定の物質同士が混じり合うと爆発したり有害ガスを発生することがある。
それは「混触」と呼ばれ、産業現場でもしばしば起きている現象だ。
今回、その「混触」現象が起きたのかもしれない。
次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の物質と混じり合って塩素ガスを発生することが知られており、以下のネット情報にもあるように、過去にも、ポリ塩化アルミニウム溶液とか湯垢取り用酸性洗剤などと誤って混じってしまい、中毒事故を起こした事例があまたある。
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今回のトラブルでは、前に使った何らかの酸性物質が容器の中に残っていたのかもしれない。
2011年10月18日11時53分にmsn産経ニュース埼玉から、同日同時刻に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後5時10分ごろ、秩父市の自営業男性(68)方で、屋根瓦の修理をしていた男性の首にロープが絡まっているのを帰宅した妻が発見、近隣住民と男性を救助した後に119番通報した。
男性は病院に搬送されたが、まもなく死亡。死因は窒息死だった。
警察の調べでは、男性は17日午後4時ごろから、高さ約10mの自宅屋根で壊れた屋根瓦の修理をしていたという。
ロープの両端は屋根の上側と男性の胴体に結ばれ、命綱として使われていた。
警察では男性が何らかの原因で屋根から転落した際にロープが首にからんだ可能性があるとみて、詳しい事故原因を捜査している。
出典URL■■■
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(ブログ者コメント)
msn産経ニュースでは「安全帯のロープ」という表現になっているが、1mくらいしかない安全帯のロープが首に絡まるとは考え難い。
読売新聞の記事どおり、「命綱としての単なるロープ」だったということだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。