2020年12月20日に掲載した第2報がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第2報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11259/
(2020年12月27日 修正2 ;追記)
2020年12月19日5時0分に読売新聞からは、K化工ではこの4年で5件の自主回収があった、過去事例の再発防止策さえキッチリとっていれば今回の事故は防げたのではないか、といった下記趣旨の社説がネット配信されていた。
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そもそも、薬の成分を途中で補充する行為は、厚生労働省が認めた手順に反している。
一体どうなっているのか。
組織として緩んでいるとしか言いようがない。
K化工による薬の自主回収は、この4年間で5件目だ。
昨年10月には、胃潰瘍などの治療薬に発がん性物質が含まれていたことが判明した。
今回と同様、厚労省の定めた3段階の危険度で、最も重大なケースに該当している。
この時に、事実関係をしっかりと調査し、原因を究明して、再発防止に取り組んだのか。
教訓を生かしたとは到底思えない。
すでに県はK化工への立ち入り調査を行い、県警も関係者から事情を聞いている。
現場で何があり、その責任は誰にあるのか。
過去の事例も含めて、真相を明らかにしてもらいたい。
今回の薬は、新薬と同じ成分で作られ、安価で販売されるジェネリック医薬品(後発薬)だ。
日本ジェネリック製薬協会は「極めて重大な問題」と捉え、加盟各社に法令順守の徹底を求めた。
医薬品の自主回収は近年、増加傾向にある。
薬への信頼が損なわれることがないよう、新薬を扱う製薬会社も含めて、製造工程や検査体制を改めて点検し、安全の確保に努めることが大切だ。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201218-OYT1T50287/
12月21日18時53分に産経新聞westからは、事業の急拡大で管理体制が追い付かなかった可能性あり、会社が人的エラーの問題だと認識しているなら、そのこと自体が由々しき事態だとの見解もあるなど、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題をめぐり、厚生労働省などが21日に立ち入り検査に入った製薬会社「K化工」(福井県あわら市)。
自主回収を進める同薬とは別に、同省の承認を受けていない作業手順で製造した薬があることも明らかになり、管理態勢の実態が検査の大きな焦点だ。
同社は近年、事業拡大を進めており、業界関係者は「急激な拡大に現場が追い付かず、管理が行き届いていなかったとみられても仕方がない」と指摘した。
同社はジェネリック(後発薬)製造の中堅メーカーで、先発薬よりも飲みやすくするなど,改良を加えた「付加価値製剤」の開発に注力してきた。
後発薬は、医療費軽減の観点から政府も利用を促進しており、需要は増加。
同社は製造態勢を強化し、23年の新工場完成に続き、28年に工場を増設したほか、25年には総合物流センターも整備した。
26年3月期の売上高(単体)は約277億円だったが、令和2年3月期は1・3倍超の370億円に伸びた。
ただ、製薬会社にとって、特許が切れた薬を新たに製造ラインに加えながら、安定的な供給を続けていくかが課題。
同社でも従業員数は、約6年前の約400人から796人(令和2年10月現在)と約2倍に増えたが、後発薬業界の関係者は「新たな人材の教育や業務管理も進めねばならず、生産現場の負荷は大きくなる」と説明する。
今回の睡眠導入剤が混入した経緯において、製造過程でのミスや手順違反が次々と明らかになった。
厚労省幹部は、「この件は、コンプライアンス(法令順守)やガバナンスの問題。もし会社側が従業員のヒューマンエラーと認識しているならば、そのこと自体がゆゆしき事態だ」と批判した。
https://www.sankei.com/west/news/201221/wst2012210017-n1.html
12月24日12時0分に朝日新聞からは、出荷前にサンプル検査した作業員はデータの異変に気付いて上司に報告していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
出荷前の品質検査を担当した作業員が、異物混入が疑われる検査データの反応に気づいて上司に報告していたことが、関係者への取材でわかった。
同社は報告を受けながら、詳細な検査をせずに混入薬を出荷していた。
同社はこれまで、会見などで、検査データの異変は検査当時には気づかず、健康被害の報告を受けて記録を調べ直してからだとしていた。
同社によれば、出荷前の7月、厚生労働省令に基づき、ロットごとのサンプル検査を実施した。
主成分の含有量や成分がうまく溶け出すかなどを調べた際、主成分の含有量などを示す波形に、成分としては出ないはずのわずかな反応を示す波形が生じていたという。
関係者によれば、サンプル検査を担当した現場の作業員はこの検査データの異変に気づき、薬の主成分の含有量が違う可能性があると上司に報告した。
だが、その後、社内で詳細な調査は行われず、睡眠導入剤を混入させたまま9~12月に出荷した。
また、混入問題の発覚後、同社側から経過説明を受けた医療関係者の一人も、小林社長から直接、同様の説明を受けたと朝日新聞の取材に語った。
https://www.asahi.com/articles/ASNDS3HB5NDSPTIL001.html
12月25日11時42分に読売新聞からは、他の薬でも品質検査時に異常が出たものがあったが、再検査で問題なかったので異常の内容を検証せず出荷していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は24日夜、製造・販売する高血圧の治療薬など14品目を新たに自主回収すると発表した。
同社は「(国などから)検査に不十分な点があったと指摘を受けた」としている。
同社が製造し、別の会社が販売した数品目についても、販売会社が自主回収する。
そのうちの一つで局所麻酔に使う「アネトカインゼリー2%」については、同社の品質検査で異常が検出されたが、再検査で問題がなかったため、異常を検証せずに出荷していた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201225-OYT1T50130/
12月25日11時40分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、問題となっている薬と同様、出荷前の品質検査のデータにわずかな乱れがあったほか、出荷前に再検査をしたのにその理由を示す資料が残されておらず、安全性を再確認する必要が生じたという。
同社は「社内で保管していた製品を改めて調べた結果、安全性に問題は確認されていないが、万全を期すため、自主回収することを決めた」と説明している。
https://mainichi.jp/articles/20201225/k00/00m/040/055000c
(2020年12月30日 修正3 ;追記)
2020年12月29日15時45分に朝日新聞からは、間違えたのは入社数年目の若手従業員だった、被害を訴えた人は217人になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、1報2報ともどもタイトルの被害者人数を修正した)
当時作業にあたったのは入社数年目の若手の男性従業員とみられることが、同社関係者らへの取材でわかった。
従業員は社内調査に「当時の記憶がほとんどなく、なぜ間違えたのかわからない」と説明していることも判明。
第三者委員会が原因究明に向けた調査を進めている。
同社関係者らによれば、今年7月ごろ、製造工程で本来の薬の主成分が減った代わりに睡眠導入剤成分を足したことを示す製造記録が残っており、その記録を付けたのも、この従業員だという。
従業員は今月1日に最初の健康被害の報告があった後の社内調査に対し、「何カ月も前のことで、一つひとつの工程を覚えていない」、「なぜ混入したのかわからない」などと説明したという。
同社関係者は、「ぼーっとしていたのか、無意識のうちに誤った作業をしたとしか思えない」と話す。
入社数年目だが、薬の製造工程に慣れていないわけではないとしている。
問題の薬は、31都道府県の医療機関などで364人に処方された。
同社によると27日時点で、処方された患者の6割近い217人が意識消失などの健康被害を訴え、うち37人が入院または救急搬送された。
服用の影響とみられる交通事故は23件にのぼる。
https://www.asahi.com/articles/ASNDY530NNDYPTIL003.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。