2018年8月12日23時8分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時50分ごろ、大阪市住之江区北加賀屋5丁目の駐車場でブロック塀が崩れ、作業員に当たったと119番通報があった。
近くで作業中の男性作業員が崩れたブロック塀に巻き込まれ、搬送先で死亡が確認された。
警察は、重機で解体作業をしていた同区西加賀屋2丁目の建設作業員、M容疑者(男性、73歳)を業務上過失致死容疑で逮捕し、発表した。
警察によると、M容疑者は12日午前9時45分ごろ、駐車場のブロック塀(高さ約2.6m)の上段部分を重機で取り除く作業中、未然防止の注意義務を怠ったままブロックを転倒させ、同僚のTさん(男性、57歳)=同区=を死亡させた疑いがある。
「気が動転して覚えていない」と供述しているという。
ブロック1個の大きさは縦約20cm、横約40cm、厚さ約15cm。
上段部分3段が崩れ、Tさんの頭上に落下した。
M容疑者は、当初、Tさんがブロック塀を挟んで反対側で作業していたなどと説明していたが、付近の防犯カメラに、Tさんの近くで重機を操作するM容疑者が映っていたという。
6月の大阪北部地震では、建築基準法施行令の基準に合わない高さの小学校のブロック塀が倒れ、女児(9)が亡くなるなどし、各地でブロック塀の撤去や改修が進んでいる。
出典
『ブロック塀崩れ作業員が死亡 注意怠った疑いで同僚逮捕』
https://www.asahi.com/articles/ASL8D64FQL8DPTIL01S.html
8月13日14時30分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月の大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れて女児が死亡した事故を受けて、建築基準法施行令の高さ制限(2.2m以下)に適合するよう、塀の高さを低くする作業中だった。
逮捕容疑は同日午前9時45分ごろ、同区北加賀屋5の駐車場で、パワーショベルでブロック塀を解体中、同僚のTさんの頭上に塀を落下させ、死亡させたとしている。
上の3段分が崩れて、数個が当たったとみられる。
M容疑者は「気が動転して覚えていない」と、容疑を否認しているという。
塀は高さ2.6m、幅8.8m。
縦20cm、横40cm、厚さ15cmのブロックが13段積まれており、上から5段分を取り除いて、約1m低くする作業中だったという。
出典
『ブロック塀倒壊 大阪北部地震で作業中男性死亡 同僚逮捕』
https://mainichi.jp/articles/20180813/k00/00e/040/195000c
8月12日18時30分にmBS NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
当時、Tさんはヘルメットを被らず作業をしていたとみられていて、警察は,作業方法などに問題がなかったか調べている。
出典
『ブロック塀の下敷きになり男性死亡 大阪北部地震受け撤去作業中』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20180812/GE000000000000023893.shtml
8月12日19時35分にNHK関西からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
Tさんは、塀を低くするため、ほかの作業員と2人で、カッターを使って13段のブロックのうち上の5段を取り除く工事をしていたところ、塀が倒れたという。
警察は、塀が倒れた際にTさんが頭を強く打ったとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『ブロック塀倒壊 作業員死亡』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180812/0005190.html
2018年8月12日7時14分にNHK群馬から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後4時ごろ、群馬県渋川市で開かれていた「渋川山車まつり」で、「山車の上から人が転落して、引っ張ってる人たちの中に突っ込んだ」と消防に通報があった。
この事故で、山車の近くにいた女性や山車を引いていた人など、あわせて8人が相次いで転倒するなどしてけがをし、このうち6人は腕を骨折するなど大けがをしたという。
祭りの実行委員会によると、山車は高さは4m余りで、事故当時は数人が上に乗って多くの人が綱を引き、まちなかを練り歩いていたという。
警察のその後の調べで、移動していた山車の近くにいた女の子が倒れ、山車を引いていた人たちなども転倒してけがをしたと見られることがわかった。
渋川山車まつりは、地元の人や観光客がまちの中心部で19台の山車を引き回す人気の祭りで、警察がさらに詳しい状況を調べている。
出典
『「渋川山車祭り」 転倒8人けが』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20180812/1060002743.html
8月12日1時24分に日テレNEWS24からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察や消防によると、11日午後4時すぎ、渋川市の路上で、2歳の女の子が祭りの山車にひかれそうになり、それを助けようとした女の子の母親や9歳の女の子を含む男女8人がケガをした。
母親は妊娠中で、2歳の娘と一緒に山車をひいていたということで、右腕を骨折、娘は後頭部の打撲などのケガをしたという。
渋川市では、10日から「渋川山車祭り」が開催されていて、人々がひっぱる山車が、上り坂を進むために速度をあげた際、事故が起きたという。
出典
『骨折も…祭りの山車にひかれ8人ケガ 群馬』
http://www.news24.jp/articles/2018/08/12/07401234.html
8月12日0時22分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、川崎市の母親(34)と山車を引いていたとみられる娘の女児(2)が転倒したのをきっかけに、周囲の人が相次いで倒れた。
女児をかばおうとした母親は腕の骨が折れ、女児は後頭部打撲などのけが。
母親は妊娠中だったが、母体に影響はないとみられる。
ほかに、4人も足などの骨が折れた。
まつりの実行委員会は、この日の山車の巡行を中止したが、12日は予定通り実施するという。
出典
『山車にひかれて8人けが 「あばれ山車」の異名 群馬』
https://www.asahi.com/articles/ASL8C76Z6L8CUHNB00S.html
(ブログ者コメント)
事故の様子などを20mほど先から撮影していた映像がユーチューブで公開されていた。
『渋川山車まつり2018 #2終 八幡坂上り』
https://www.youtube.com/watch?v=6cqi7nNW7NM
それによると、事故が起きたのとは別の組の映像で、左右にくねりながら走って綱を引いていた大人の男性が転倒していた。
また、別の組では、小学校低学年だろうか、先頭の子供が倒れたため、後続の小学生らしき子供たち5~6人が次々と倒れていた。
一方、幼児を抱いて小走りに走っている親もいた。
そして、事故直前の様子だと思われる映像。
録画時間15分00秒から走り始め、7秒後に山車が急に大きく左にそれて止まり、綱を引いていた人たちが山車のほうを振り返っていた。
山車が左にそれたということは、山車の右側で倒れたのだろうか?
綱を引いていた人たちの視線方向から推察するに、女児は母親と一緒に屋台からそう離れていない場所で一緒に走っていたのかもしれない。
小さな子供でも山車と一緒に走る・・・祭りの当事者にとってはそれが当たり前なのかもしれないが、この祭りを初めて見たブログ者は、せめて、未就学児は山車と一緒に走らせないような規制が必要なのではないか?と感じた。
産業現場でも、他業種の人が見学にきた際、その現場で働いている人たちにとっては当たり前の作業でも、他業種の人からすれば非常に危険に見えることがある。
そんなことが頭に浮かんだので、この事例を紹介することにした。
2018年8月13日5時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
洪水時に避難する難しさや危険性を知ってもらおうと、千葉県野田市の東京理科大で11日開かれたオープンキャンパスに、巨大な装置を使った洪水体験のコーナーが登場した。
参加した高校生らは、ひざ丈ほどの水深でも、「水の重みで足が上がらない」などと口にしながら、歩くのに苦戦していた。
企画したのは、河川工学が専門の二瓶泰雄教授の研究室。
この日は、全長20m、幅1mの大型水路実験装置に、深さ50cmほどの水を張った。
安全のため、流速はゼロにしたが、実際の洪水に近づけるため、水を濁らせ、底には障害物を複数置いた。
参加者は、手にした棒で見えない障害物を確かめ、ロープをつたいながら慎重に歩いた。
埼玉県の高校2年、大高さん(17)は、「浅いので簡単に歩けるかと思ったけど、水圧でなかなか前に進めなかった」。
一緒に来た同市の本間さん(16)は、「高齢の方は障害物がなくても歩くのは難しそう。棒があると歩きやすいことが分かりました」。
茨城県古河市の男子高校生(15)は、「流れがあれば、この深さでも危ないと思った」と語った。
二瓶教授は、「実際の洪水は濁りや流速もあり、プールを歩くようなわけにはいかない。水深50cmでも、歩くのは大変だ。浸水前の避難がいかに大切か、理解してもらえれば」と話していた。
この日、参加者は濡れないように、胸まである胴長靴を着用した。
だが、実際の避難時は、長靴は水が入ると歩きづらいため、「スニーカーなど歩きやすい靴を履いて欲しい」。
また、胴長靴は頭部を下にして浮きやすく危険なため、「避難時に胴長は着用しないで」と二瓶教授は呼びかけている。
出典
『ひざ丈の深さでも歩けない…大学の実験装置で洪水体験』
https://www.asahi.com/articles/ASL8C460KL8CULBJ002.html
(ブログ者コメント)
テレビでも、たまに、大水が出た後などの機会に、水を流した状態で歩行困難状態を体験する実験の映像が放映されることがある。
2018年8月11日15時59分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前8時半ごろ、御宿町須賀の中央海水浴場で、「男性が沖に流され、陸に引き上げたが、意識がない」と、近くにいた観光協会の職員から消防に通報があった。
警察によると、男性は岸からおよそ100mの沖合にうつぶせで浮かんで動かない状態で、小学生の次女が男性につかまっていたところを、海水浴場のライフセーバーが見つけたという。
男性は救急車で病院に運ばれたが、およそ1時間半後に死亡が確認された。
亡くなったのは、埼玉県ふじみ野市のHさん(44)で、妻と娘2人といっしょに海水浴に来ていたということで、警察は当時の状況を詳しく調べている。
出典
『海水浴場で40代男性死亡 千葉』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180811/1080003338.html
8月11日14時41分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前8時半ごろ、千葉県御宿町須賀の海水浴場から約100mの沖合で、40代くらいの男性がうつ伏せで浮いているのをライフセーバーが見つけ、救助した。
男性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。
警察によると、男性は埼玉県から、家族3人と一緒に海水浴に来ていた。
同海水浴場は当時、うねりを伴う波が高く、「遊泳注意」を呼び掛けていたという。
現場の水深は約2m。
警察は、遊泳中に溺れたとみて死因を調べる。
出典
『千葉・御宿の海水浴場で埼玉の男性死亡』
https://www.sankei.com/affairs/news/180811/afr1808110011-n1.html
(ブログ者コメント)
この中央海水浴場は、先日、離岸流発生の早期検知実験が行われていると、本ブログで紹介した海水浴場だ。
その点に触れた報道がないか探してみたが、見つからなかった。
2018年7月22日掲載
『2018年7月15日報道 千葉県御宿町は総務省支援のもと、大学や企業などと連携して市の海水浴場で今月から、離岸流発生を人工知能で検知しセーバーに知らせるシステムの実証実験に入る』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8604/
2018年8月11日19時4分にYAHOOニュース(宮崎放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前6時50分ごろ、高原町蒲牟田にある、S地鶏屋の食品加工場内で、清掃作業をしていたパート従業員のFさん(66)と手伝いに来ていた妻(40)の2人が倒れているのを会社社長が発見し、119番通報した。
2人は病院に搬送されたが、約1時間後に妻の死亡が確認された。
夫は意識が回復しているという。
警察によると、2人は10日夕方から工場内の清掃をしていたということで、警察で、倒れた原因について詳しく調べている。
出典
『宮崎・高原町の工場で清掃中に女性死亡』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180811-00010001-mrt-l45
8月11日17時9分にFNN PRIME(テレビ宮崎)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると Fさん夫婦は窓を閉め切った状態で、工場の清掃作業をしていたという。
警察では、意識が回復した夫から話を聞き、事故の原因など、詳しい状況を調べている。
出典
『清掃作業中に2人倒れ 女性1人死亡』
https://www.fnn.jp/posts/390UMK
(2018年9月13日 修正1;追記))
2018年9月7日12時40分にNHK宮崎から、使用していた高圧洗浄機の不完全燃焼によるCO中毒だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
先月11日、高原町蒲牟田の鶏の炭火焼などを作る工場で、機械の清掃作業をしていたパート従業員の66歳の男性と、男性の妻で、元従業員の40歳の女性が倒れているのが見つかり、その後、女性の死亡が確認された。
警察が詳しく調べたところ、女性は一酸化炭素中毒で亡くなっていて、作業にはガソリン式の高圧洗浄機が使われていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
さらに警察によると、当時、工場の窓は閉めきられ、中の空気を外に出す換気扇も作動していなかったという。
ガソリン式の高圧洗浄機は、使用時に大量の酸素を消費するということで、警察は、閉めきった場所で使用したために不完全燃焼が起きたとみて、当時の詳しいいきさつを調べている。
メーカー各社によると、ガソリン式の高圧洗浄機は、電源が不要で洗浄力も強いことから、主に業務用として使われているが、一酸化炭素中毒を防ぐため、多くの機種が屋外の風通しの良い場所に使用を限っているという。
出典
『死亡事故 洗浄機の不完全燃焼か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20180907/5060001732.html
2018年8月10日17時47分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が県ごとの対策状況リスト付きでネット配信されていた。
文科省は10日、全国の国公私立の小中学校や高校、幼稚園など1万2640校で、安全性に問題のあるブロック塀が見つかったと発表した。
塀の高さや補強の壁が国の基準を満たしていなかったり、老朽化したりしていた。
このうち約8割の1万122校は、撤去や注意喚起などの応急対策が済んでいるが、約2500校では終わっていない。
文科省は同日、これらの学校についても速やかな安全対策を求める通知を出した。
6月18日の大阪北部地震で大阪府高槻市立小学校のブロック塀が倒れ、登校中の女児が亡くなった事故を受けて、文科省が調べていた。
全国の国公私立学校計5万1085校について塀の安全点検を要請し、7月末までの状況をまとめた。
ブロック塀があると答えたのは1万9921校。
外観の点検で、建築基準法施行令の定める
「高さ2.2m以下」
「補強の控え壁を設ける」
などの基準を満たさなかったり、劣化したりしている塀が1万2640校にあった。
都道府県別では、大阪府(1180校)が最も多く、東京都(778校)、福岡県(777校)、埼玉県(722校)と続いた。
また、塀の有無の報告がなかったり、点検が終わっていなかったりする学校も963校あった。
危険なブロック塀が確認された学校のうち、1万122校では、撤去や、近寄れなくするなどの対策をしたという。
文科省は、外観で問題なかった塀も、使い続ける場合は、内部の鉄筋の状態の点検を求めている。
ただ、点検に時間がかかるため、まだ終えていない学校が多いという。
1万2000校以上で危険なブロック塀が見つかったことについて、文科省の担当者は、「これまで建物の耐震化を中心に進めてきて、学校設置者も文科省も(塀への)認識が不十分だった」と話した。
今後、撤去費用を補助するための予算確保などを検討するという。
出典
『1万2640校に問題あるブロック塀 対策済みは8割』
https://www.asahi.com/articles/ASL8B4HSSL8BUTIL01X.html
8月11日6時38分に朝日新聞からは、人手不足などで対策が遅れている地域もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
安全性に問題があるブロック塀がある学校が全国に1万2000校以上あることが、文科省の調査で明らかになった。
各地では、撤去など対応が進むが、人手不足などを理由に遅れている地域もある。
東京都荒川区立瑞光(ずいこう)小のプールサイドには、長さ約50mのブロック塀が立っていた。
道路にも面し、基礎部分を含めると高さは3m超。
強度不足は確認されなかったが、予防として撤去を決め、7月下旬から工事が始まった。
このため、夏休み前半の水泳指導は中止となった。
津野校長(48)は、「今年は特に暑いので、プールを楽しみにする子どもたちもいたが、安全を最優先に考えた」と話す。
通学路を変えた学校もある。
愛知県豊川市の市立桜木小学校では、プールサイドのコンクリート板の壁が通学路に面していたため、大阪北部地震があった6月18日の下校の時から、道路の反対側を通るようにした。
同校は、「ブロック塀ではないが、万が一の危険性を考えた」と説明する。
自治体によって、対応のスピードに差も出ている。
千葉県は、523の公立学校でブロック塀の安全性に問題があった。
県教委は、県立学校159校でブロック塀の詳細な調査を実施しており、盆明けにも撤去や改修工事を始める。
担当者は、「通常業務もあり、技術職員のマンパワーが足りない。一日も早く対応を終えたい、としか言えない」と話す。
文科省によると、国公私立すべての学校で、危険な塀について撤去や注意喚起、近づけないようにするなどの措置を取り、応急対策を100%終えた自治体は6道県ある。
一方、長崎県は26.2%、高知県は27.0%にとどまる。
長崎県教委の担当者は、「亀裂が微細だったり、人が通らない場所にあったりしたため、注意喚起などの対策をとらなかった学校があると聞いている」と話す。
県教委は9日、県内の市町教委に、応急対策を速やかにするよう促す通知を出した。
沖縄県は、安全性に問題がある塀が公立学校の56.9%にあり、全国で最も割合が多かった。
これまで、ほぼ全ての学校で応急対策を終えたが、県教委では
①ひび割れや傾きなどがある
②基準不適合
③人が通る場所に面している
の3つの観点で緊急性を判断し、優先順位をつけて撤去や再整備などの本格的な対応をする予定という。
文科省は10日に出した通知で、各教委などに、対策の実施状況の情報を公表するよう求めた。
出典
『プール休み・通学路変更…塀の応急対策、自治体で濃淡』
https://digital.asahi.com/articles/ASL8B4HSTL8BUTIL01Z.html?rm=576
8月13日11時23分に朝日新聞から、発表された数字が間違っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
文科省は13日、全国の国公私立学校のブロック塀の安全性について、10日に発表した数値が誤っていたと発表した。
群馬県のデータを文科省が集計する際に間違えたためで、同県で安全性に問題のある塀がある学校数を「309校」としたのは正しくは「321校」、応急対策済みの「303校」は「321校」だった。
この影響で、全国の集計も、安全性に問題のある塀がある学校は「1万2640校」から「1万2652校」、対策済みが「1万122校」から「1万140校」に変わるという。
また、調査対象の学校数を「5万1085校」としていたのは、正しくは「5万1082校」。ブロック塀があると答えた学校は「1万9921校」ではなく「1万9953校」だったという。
出典
『問題あるブロック塀、校数の誤り公表 文科省が集計ミス』
https://www.asahi.com/articles/ASL8F6DWML8FUTIL03K.html
(ブログ者コメント)
高槻市の女児死亡事例は本ブログでも紹介スミ。
2018年8月10日6時44分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月30日、エア・カナダの旅客機が成田空港に着陸したあと、誤って建設中の誘導路に入り、滑走路1本が6時間にわたって閉鎖された。
成田空港会社は、誤進入を防ぐため、舗装の色を変えるなどの対策をとっていたが、この誘導路が建設中であることは、「AIC」と呼ばれる各社のパイロットなどが共有する公式の航空情報として周知されていなかった。
建設中の誘導路をAICで扱うとする明確な規定はないが、成田空港で建設中の別の誘導路は、AICで周知されていた。
空港会社は、周知した誘導路は、ほかの誘導路と交差し複雑になっているのに対し、今回トラブルのあった誘導路は形が単純で、現場での対策で十分だと判断していたとしている。
このため国交省は、再発を防ぐため、トラブルのあった建設中の誘導路についても周知するよう、指示した。
国交省は、全国のほかの空港に対しても、誤進入のおそれがある箇所では、情報共有など対策を徹底するよう注意を呼びかけることにしている。
出典
『滑走路誤進入受け情報周知を指示』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180810/0016513.html
8月10日20時1分にNHK千葉からは、更なる対策もとるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は成田空港会社に対し、各社のパイロットなどが共有する公式の航空情報として、建設中の誘導路を周知するよう指示したが、空港会社はさらに、誤った進入を防ぐための対策を追加することになった。
それによると、建設中の誘導路の入り口には大きくバツ印を描いて分かりやすく表示するとともに、進入禁止を示す赤いライトも設置してトラブルを防ぐということで、10日から作業を始めた。
成田空港では、発着枠の増加に対応しようと、現在、2本の滑走路で合わせて7本の新たな誘導路の建設が進められている。
出典
『成田空港 誤進入対策を徹底へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180810/1080003320.html
※トラブル発生当時の記事は下記参照。
(2018年7月30日21時20分 毎日新聞)
30日午後3時40分ごろ、成田空港(千葉県成田市)のB滑走路に着陸したカナダ・モントリオール発のエア・カナダ機(ボーイング787-8型)が建設中の誘導路に誤って進入し、停止した。
乗員11人、乗客201人を機内に残したまま、約4時間半にわたり立ち往生したが、けが人などはないという。
国交省成田空港事務所によると、着陸後に滑走路を地上走行で駐機場に向かう際、本来のコースの約300m手前を右に曲がり、建設中の誘導路に進入したとみられる。
機体は未舗装の路面手前で停止し、身動きが取れなくなった。
同日午後8時20分ごろから、車両でけん引するなどして移動させた。
この影響で、B滑走路の閉鎖が続いた。
成田国際空港会社などによると、到着予定だったジェットスター・ジャパンの国内線2便が目的地を変更したほか、同社の6便が欠航し、約1400人に影響が出るなどした。
出典
『成田空港 誤進入機滑走路から移動 1400人に影響』
https://mainichi.jp/articles/20180731/k00/00m/040/099000c
7月30日23時12分に時事通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省成田空港事務所は、「パイロットが勘違いしたのではないか」とみている。
建設中の誘導路の一部は未舗装で、飛行機のけん引車が入りにくく、復旧は難航。
午後9時ごろ、ようやくカナダ機を駐機場まで移動させた。
出典
『成田空港でカナダ機が誤進入=B滑走路閉鎖』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018073000881&g=soc
(2018年8月22日 修正1 ;追記)
2018年8月19日付で毎日新聞千葉版からは、段差があったためバックできず脱出に時間がかかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
国交省成田空港事務所によると、機長はすぐ誤進入に気づき、約100m進んで停止した。
約200m先は行き止まりで、前進して抜け出すことができない。
バックするしかないが、飛行機は通常、自走でバックしないことから、特殊作業車(トーイングカー)で機体前方から押して滑走路に戻そうとした。
工事中のため、誘導路と滑走路の間には高さ8cmの段差が階段状に2カ所あった。
同機の重量は200トン近いとみられ、段差を上りきれず、移動中に機体の主脚を破損しかねない。
成田空港では、過去に未硬化のコンクリート上に鉄板を敷いて飛行機を通行させた事例があり、成田国際空港会社(NAA)は今回も段差に鉄板を敷き、なだらかな傾斜にして通行路を作ることにした。
空港内の別の工事現場から運んできた鉄板は1枚縦6m、横1.5m、厚さ2cm、重さ1.6トン。
それを24枚敷いて、機体はようやく移動し始めた。
・・・・・
出典
『航空トラブル エア・カナダ機、誤進入 乗客5時間待機 8センチの段差、妨げに』
https://mainichi.jp/articles/20180819/ddl/k12/040/085000c
2018年8月9日19時2分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男鹿地区消防本部が、使用しなかった消火剤を処分する際に、産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者に処分を委託していたとして、警察は9日、消防本部の消防長と消防組合を、廃棄物処理法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、男鹿地区消防本部の59歳の消防長と、消防本部を管理する「男鹿地区消防一部事務組合」、それに消火剤の処理を委託された能代市の会社と、この会社の40代の営業部長。
警察によると、男鹿地区消防本部は、ことし3月、古くなった消防ポンプ車を廃棄する際、消火剤およそ1800ℓが入ったままのポンプ車を、消防設備を扱う能代市の会社に引き取らせ、処分を委託した。
しかし、この会社は、消火剤を処分するのに必要な産業廃棄物処理業の許可を得ていなかったという。
ポンプ車は、引き取られてまもなく、秋田市河辺で解体されたが、その際に消火剤が近くの県道に流れ出し、およそ18時間にわたって通行止めになった。
男鹿地区消防本部は、「ポンプ車の処理を委託した担当者は、産業廃棄物処理業の許可がない会社に消火剤の処分を委託することが法律違反だと認識していなかった」としたうえで、「法律を知らなかったことが原因だと考えている。新たにマニュアルを作るなど再発防止に努めている」としている。
出典
『消火剤の処分委託で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20180809/6010001484.html
8月9日19時40分に秋田放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
今年3月、産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者に消火用の薬剤の処分を委託したとして、男鹿地区消防本部の消防長や業務を受託した能代市の会社の社員が書類送検された。
3月下旬、秋田市河辺豊成の県道・秋田御所野雄和線には、およそ30mにわたって泡が流出し、付近が一時通行止めとなった。
この時の泡は、男鹿地区消防本部と能代市の会社の取引が発端となっていた。
廃棄物処理法違反の疑いで書類送検されたのは、男鹿地区消防本部の59歳の男性消防長と法人としての男鹿地区消防一部事務組合。
それに能代市の消防設備販売会社と40代の男性社員。
警察などによると、男性消防長は3月、能代市の会社が産業廃棄物処理業の許可を受けていないにも関わらず、消火用の薬剤およそ1800ℓの処分を委託し、会社側がこれに応じた疑いがもたれている。
県道を塞いだ泡は、能代市の会社から発注を受けた業者が消防車両を解体中に薬剤が漏れ出したことが原因だった。
男性消防長はABSの取材に対し、「認識不足だった。今後は廃棄物の適正な処理に努める」と話している。
出典
『県道に泡が流出…消防長らを書類送検 (秋田県)』
http://www.htv.jp/nnn/news86113969.html
(ブログ者コメント)
2年前、秋田市の消防が消火剤を不法投棄し、川に大量の泡が出たという事例を紹介した。
2016年6月28日掲載
『2016年6月21日 秋田市で解体予定の消防分署の花壇脇に穴を掘り、産廃として処分すべき消火剤860ℓを投棄しため、地下浸透して水路に流れ込み大量の泡が発生 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6057/
メディアでも取り上げられた事例なのに、同じ秋田県の消防が、なぜ、また同じようなトラブルを起こしたのだろうか?
管轄が違えば他人事?
県内の消防同士でヒヤリ事例などを共有するシステムがない?
消火剤は廃掃法に従って処理すべきということは知っていたが、廃棄する消防車の中に消火剤が残っていることにまでは気が回らなかった・・・というのなら、まだわかるのだが・・・。
一方、委託された会社も、消防設備を扱っているのなら、消火剤の処理が廃掃法の規制を受けることぐらいは知っていて当然だと思うのだが・・・。
2018年8月9日19時16分にNHK兵庫から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前、神戸市東灘区の集合住宅で起きた火事。
建物の端から激しく炎があがっている。
亡くなったのは2人。
見つかったのは、いずれも火元から一つ離れた部屋だった。
消防は、炎や煙ではなく、一酸化炭素の充満が原因とみている。
(ここまでは音声のみの情報)
こうした集合住宅の火災では、火災警報器が煙を感知する前に一酸化炭素の濃度が致死量に達するおそれがあることが、神戸市消防局などの実験で分かった。
消防局は、一酸化炭素を感知できる新型の警報器の使用を呼びかけることにしている。
神戸市消防局は、東京理科大学などと共同で、集合住宅で火災が起きた時の一酸化炭素の危険を調べる実験を、3年前から繰り返してきた。
実物の3分の1の大きさのアパートの模型を使った火災の再現実験では、出火からおよそ8分後、火元の2つ隣の部屋で火災警報器が煙を感知して鳴りだしたが、その時点で一酸化炭素の濃度はすでに0.5%を超え、1、2分程度で死亡するおそれがある状態になっていた。
一酸化炭素は、においや色がないため、気づかずに死亡するケースが少なくないということで、消防は“サイレントキラー”=見えない殺し屋と名付けている。
消防局は、実験の結果を受け、逃げ遅れを防ぐために、炎や煙だけでなく一酸化炭素も感知する新型の警報器を使用するよう呼びかけることにしている。
神戸市消防局予防課の松田係長は、「建物の構造によっては、火元から離れた部屋にも非常に高い濃度の一酸化炭素が流れ込む可能性があることが分かった。一酸化炭素を感知できる火災警報器があれば、早期の避難につながると考えられる」と話していた。
出典
『警報器感知前にCO致死量おそれ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20180809/2020001222.html
(ブログ者コメント)
実験のきっかけとなった火災事故は下記だったと思われる。
(2015年2月15日13時7分 産経新聞west)
15日午前10時5分ごろ、神戸市東灘区西岡本の木造2階建て集合住宅「T荘」の2階一室から出火、2階の4部屋計150m2が燃えた。
この火災で、2階から救出された男女2人が間もなく死亡。
火元の部屋に住む男性(73)と別の部屋の女性(69)が、それぞれやけどを負い軽傷。
消防によると、死亡した女性は20代ぐらい、男性は50代ぐらいとみられる。
警察は、2人は2階の一室で同居していたとみて、身元の確認を急いでいる。
集合住宅には8世帯が入居。
1階に住む女性(62)は、
「はじめは煙くさいにおいがして、次第にぱちぱちという音がした。玄関を開けるとあっという間に黒煙や火が広がってきた。危機感を感じて、着の身着のままで出てきたが、とても怖かった」
と話した。
現場は、阪急神戸線岡本駅から西へ約1.1kmの住宅街。
消防車20台以上と防災ヘリが出動し、現場付近は、一時、騒然となった。
出典
『集合住宅火災で2人死亡、2人軽傷 神戸・東灘』
https://www.sankei.com/west/news/150215/wst1502150036-n1.html
(2018年8月28日 修正1 ;追記)
2018年8月28日5時30分に神戸新聞から、やや詳しい同趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市消防局などは、実寸台の模擬家屋による実験で、火災時の一酸化炭素(CO)の流れを調べた。
建物構造などの条件によっては、火元から離れた部屋で、煙が薄くても、CO濃度が高くなる可能性があることが分かった。
住宅用火災警報器の設置が義務化されてから12年。
市消防局は、CO警報機能付き(CO警報器)などへの買い替えを呼び掛けている。
実験は、東京理科大学、警報機器メーカー「矢崎エナジーシステム」(東京都)と共同で、1月と6月に北区の市消防学校で実施した。
模擬家屋は木造平屋建てで、屋根裏に耐火性の石こうボードを設置した。
過去に、火元と離れた部屋でCO中毒死があり、その火災を再現した。
家具の配置や風などの条件によって異なるとみられるが、6月の実験では、端の部屋に引火してから約5分後に、2部屋隣のCO警報器が感知。
煙は薄いままで、煙用の警報器が作動したのは、さらに約3分後だった。
その時点で、COは既に致死濃度に達していた。
COは無色、無臭の有毒ガスで、火災時に発生する煙の中に含まれる。
高濃度を吸い込むと、一瞬で意識不明となる危険性がある。
市消防局によると、昨年、市内の火災による死者12人のうち、5人がCO中毒死だった。
住宅用火災警報器は、設置が義務化された2006年は、煙用の警報器がほとんど。
現在では、CO警報器以外に、離れた部屋の火災を知らせる種類もある。
市消防局予防課は、「買い替えの際は、機能が付け加えられている警報器も検討してほしい」と呼び掛けている。
出典
『火災時は火元から離れた部屋でも危険 CO警報機の利用を』
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201808/0011583735.shtml
2018年8月10日2時33分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後2時半ごろ、旭川市パルプ町2の5、日本製紙北海道工場旭川事業所から、「工場の塩素ガスが漏れ、従業員が吸い込んだ」と119番があった。
消防によると、従業員14人が市内の病院に運ばれ、うち1人が自力で歩けず重症。
13人は、いずれも軽症という。
同事業所によると、同日午後2時10分ごろ、工場3階の作業室(約70m2)の天井のコンクリート片が、何らかの原因で剥がれて落下。
パルプ原料の漂白に使う二酸化塩素の配管(塩化ビニール製)に接触して穴が空き、液体が漏れ出て気化。
塩素ガスが発生したとみられる。
この作業室付近や5階の中央制御室にいた14人がのどの痛みやせき、涙が出るなどの体調不良を訴えた。
同事業所は塩素ガスが漏れた区画を封鎖し、操業を停止。
工場外に被害が広がる恐れはないとしている。
同事業所の中山所長は、「これまで塩素の漏出はなかった。原因を調べ、再発防止に努めたい」と話している。
現場はJR新旭川駅の東側約400m。
近くの国道沿いには大型商業施設が並ぶ。
出典
『ガス漏れ14人搬送 旭川・日本製紙』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/217107/
8月9日18時26分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製紙によると、ガスはパルプの漂白に使う二酸化塩素で、消防は、ガスを吸った従業員合わせて14人を市内の病院に搬送した。
消防によると、このうち1人が低酸素症で重症だという。
日本製紙によると、工場の天井のコンクリートの一部が何らかの原因で剥がれて落下して配管を破損し、中を通っていた二酸化塩素の液体が漏れ出てガスが発生したと見られるということだが、間もなく元栓を閉めたため、ガスが工場の外に漏れることは無かったという。
出典
『製紙工場でガス 14人搬送』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180809/0002162.html
8月11日0時9分に北海道新聞からは、やや詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察と労基署は10日、実況見分を行った。
労基署によると、工場は4階から3階にまたがって大型タンクが設置されている。
一辺が最大約20cmのコンクリート片が工場4階の壁から剥がれ、タンク周囲の隙間を通って落下し、3階作業室でパルプ原料の漂白に使う二酸化塩素の配管(塩化ビニール製)を損壊。
液体が漏れ、ガスが発生したという。
出典
『旭川ガス漏れ、警察など実況見分』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/217376/
(ブログ者コメント)
二酸化塩素という化学物質名を聞くのは初めてだ。
社)日本二酸化塩素工業会からは、物性などについて、以下の情報が公開されている。
http://chlorinedioxide.or.jp/clo2
それによればTWAは0.1ppm。
かなり毒性が強い物質だ。
2018年8月10日7時51分にCBCニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県の航空自衛隊小牧基地で、水難救助の訓練中、男性隊員が死亡した。
同基地によると、9日午前11時前、基地内の屋内プールで行われていた救難員の養成訓練中、20代の空士長がプールの底に沈んでいるのが見つかった。
空士長は、すぐに病院へ運ばれたが、死亡が確認された。
溺れたと見られている。
当時、スキューバダイビングの装備を付けて水面を移動する訓練を行っていて、小牧基地では、事故の原因を詳しく調べている。
出典
『水難救助の訓練中にプールで20代の自衛隊員が死亡‥溺れたか 小牧基地』
https://hicbc.com/news/detail.asp?id=00047A36
8月10日6時30分にYAHOOニュース(東海テレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前10時ごろ、航空自衛隊小牧基地の屋内プールで、航空救難団に所属する20代の空士長の隊員が訓練中に、自発呼吸が無い状態で発見された。
隊員は病院に搬送されたが、およそ3時間後に死亡が確認された。
訓練では、スキューバダイビングの装備を装着したまま、潜水をせず水面を移動する、全装備泳法と呼ばれる訓練を行っていたという。
亡くなった隊員は、今年6月から救難員課程の学生として、訓練実習にあたっていたということで、航空救難団司令の小川空将補は、「今後、事故発生の原因を究明し、対策を確立してまいります」とコメントしている。
出典
『救難訓練中の自衛隊員が死亡 屋内プールで自発呼吸のない状態で見つかる 愛知・航自小牧基地』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00004397-tokaiv-l23
8月10日6時24分にNHK東海からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小牧基地によると、訓練は救難員を養成するためのもので、空士長は、スキューバダイビングの装備を身につけて、ほかの隊員とともにプールの水面を泳ぎながら移動する訓練に取り組んでいたという。
出典
『小牧基地で訓練中に死亡事故』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180810/0000158.html
(ブログ者コメント)
スキューバダイビングの装備を身に着けたままプールの底に沈んだのなら、目立つので、すぐに見つかりそうな感じがするのだが・・・。
どのような大きさ・深さのプールで、何人が訓練を受けていて、教官は何人だったかなど、気になったので調べてみたが、報じられた記事は見つからなかった。
2018年8月8日1時11分に北海道新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道南バス(室蘭)の元運転手で、2007年にアスベスト(石綿)関連疾患の中皮腫によって死亡した日高管内平取町のKさん(男性、当時73歳)について、浦河労基署が業務による疾患と認め、遺族に石綿健康被害救済法に基づく特別給付金を支払っていたことが7日、分かった。
患者団体によると、バス関連業務で石綿の労災と認められるのは、道内で初めて。
Kさんの長男(58)=同町=と患者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)が同日、道庁で記者会見して明らかにした。
Kさんは1959年から運転手として勤務。
64年4月から1年間は整備工場で、石綿を含むブレーキパッドの張り替えの際、準備や後片付けなど補助作業を行っていた。
93年に退職し、07年1月に中皮腫で死亡した。
遺族は今年3月、同救済法に基づく特別遺族給付金を申請。
給付金は、時効(5年)によって労災保険法に基づく補償を受けられない遺族のための救済制度で、「事実上の労災認定に当たる」(同会)。
浦河労基署は、同僚の証言などから、業務上の疾患と認定した。
決定は6月4日付。
Kさんの長男は、「バス業務で石綿被害を受けるとは思っていなかった。今回の決定が同様の被害者の救済につながれば」と話した。
厚労省によると、バスを含む交通運輸業の石綿による労災認定は13~17年度、全国で7件。
家族の会によると、バス運転手については、佐賀労基署が昨年5月、乗務前の車両点検でブレーキパッドなどの石綿を吸い中皮腫で死亡した西日本鉄道(福岡市)の元運転手の男性について、全国で初めて労災認定した。
同会は、「業界で被害が潜在化している恐れがある」としている。
出典
『道南バス元運転手の石綿労災認定 整備工場の作業で』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/216500
8月8日8時56分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
同会によると、認定されたのは、主に運転手として1959年12月から93年9月まで道南バスに勤務したKさん。
64年4月から1年間は、整備工場で補助業務を担当した。
石綿を含んだブレーキパッドの張り替え作業の準備や後片付けなどの際に、石綿を吸い込んだとみられる。
退職後の2006年3月、腹痛や嘔吐の症状で救急搬送され、腹膜中皮腫と診断されて、翌年1月に死去した。
遺族が今年3月に労災認定を申請。
バス運転手の石綿被害による労災認定は、17年5月の佐賀市の男性に続き2例目だが、運転手が乗務前にする点検と発症との関連については判断していない。
1年間という短期間の補助業務による暴露で労災認定しており、同会は、「被害の広がりを提起している」と評価する。
Kさんの長男(58)は、「なぜこんな病気になったのかともやもやしていたが、まさかバス会社でと思っていた。今回の労災認定が、多くの人が申請するきっかけになってほしい」と話した。
同会は25日から9月16日まで、道内5カ所で中皮腫・アスベスト疾患に関する講演と交流会を実施する。
出典
『アスベスト 労災認定 中皮腫で死亡男性 バス整備に従事』
https://mainichi.jp/articles/20180808/k00/00e/040/238000c
(ブログ者コメント)
西日本鉄道のバス運転手だった方の事例については、本ブログでも紹介スミ。
2018年8月8日19時30分にmBS NEWSから、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
8日午後5時半すぎ、京都市北区で「河川敷の木が突然倒れて高齢の男女2人がけがをしている。男性が下敷きになっている」と通行人から通報があった。
警察によると、鴨川のそばにある住宅街の松の木が1本倒れ、89歳の男性が下敷きになり、80歳の女性も巻き込まれた可能性があるという。
2人はすぐに救助されたが、男性は頭を強く打ち、女性も首の痛みなどを訴え、救急車で病院に運ばれた。
「突然、ばきっという形で、音と同時に倒れていました」
(目撃者)
警察は、木が腐って倒れたとみて調べている。
出典
『鴨川近くの住宅街で松の木が突然倒れる 男女けが』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20180808/GE000000000000023848.shtml
8月9日18時16分にNHK京都からは、推定原因など、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
京都市は、市内の街路樹について7年前から、木の内部の健康状態を調べる「樹勢診断」と呼ばれる検査を行っている。
市が管理する街路樹は、およそ4万本あるが、この検査の対象は桜やけやきなどに限られ、今回倒れた松は対象外だという。
その理由について、市は、松は桜やけやきに比べて傷みにくいことなどを挙げている。
今回の事故を受けて、市は9日、現地で緊急の点検を行い、ほかの松の木の状態を調べたところ、根元が傷んでいる木が数本、見つかったという。
市は、樹木医の意見も聴いて、松が倒れた原因を調べるとともに、今後の対応を検討することにしている。
京都市建設局の田中緑化推進課長は、「市民の安心・安全を守るため、原因の調査を早急に進めていきたい」と話していた。
【住民 「市はチェックを」】
現場では、9日も地元の人たちが犬の散歩やランニングをする姿がみられた。
近くに住む50代の女性は、「事故の前に、大学生の娘が自転車で通っていたので驚きました。いきなり倒れるとは思っておらず、とても怖いです。市にはチェックをしてほしいです」と話していた。
また、小学生の孫と近くを通りかかったという74歳の女性は、「怖いと思いましたが、人手や費用を考えると、どこまで管理できるのか難しく思います」と話していた。
【専門家 「幹がもろくなり倒れたか」】
専門家が現地を調べたところ、松は幹の水分が不足してもろい状態になり、枝葉の重さを支えられずに倒れた可能性があることが分かった。
8日午後5時半ごろ、京都市北区の小山東玄以町を流れる賀茂川沿いの道路で松の木が突然倒れ、下敷きになった89歳の男性が腕の骨を折る大けがをしたほか、80歳の妻も背中を打つけがをした。
9日午後、樹木医の小島俊男さんが現地を訪れ、倒れた松の木の状態を調べた。
その結果、幹の中心部は繊維が切れて乾いた材木のようになっていて、水分や養分が十分に行き渡っていなかったという。
こうした状態はしばらく続いていたとみられ、去年の台風の強風などで木に力が加わったことが、幹の中の繊維が切れた原因だと考えられるという。
さらに、倒れた木のそばには、近年切り倒されたとみられる木があり、風よけがなくなったうえに日当たりが良くなり、枝葉が多く茂ったとみられるという。
このため、小島さんは、松は幹がもろい状態になっていたにもかかわらず、枝葉の重さが増え、それに耐えられず倒れた可能性があると指摘している。
出典
『倒木でけが 松の木は検査対象外』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20180809/2010001236.html
(ブログ者コメント)
mBS NEWS掲載写真によれば、曲がりくねった松ではなく、杉のようにスラっとした松。
それが土手の上から下の道路に向かって倒れており、枝葉の部分が道路全体にかぶさっている。
一方、NHKの映像によれば根元から折れており、折れた部分に腐食された様子はみられない。
2018年8月7日11時43分にYAHOOニュース(東海テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県知多市の保育園で、1歳の園児の顔や体に給食のスープがかかり、大やけどした園児が入院する事故があったことが取材でわかった。
知多市によると、市立南粕谷保育園で先月18日、1歳の女の子が保育士が目を離した隙に、給食を運ぶワゴンの上にあった鍋に手を伸ばし、中の熱いスープが女の子の腕や顔などにかかった。
女の子は大やけどをして、一時、入院したが、今もやけどの跡が残り、市内の別の保育園に移ったという。
知多市は、保護者への謝罪が続いているなどとして、この事故について公表していない。
知多市幼児保育課の鰐部課長は、東海テレビの取材に対し、「事故の責任を大変重く受け止めている」と話し、園児が給食を運ぶワゴンに近づけないようにするなどの対策を取ったとしている。
出典
『保育園で1歳女児が大やけど 給食の鍋に手伸ばし、中の熱いスープが顔などにかかる 愛知』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00004349-tokaiv-l23
8月9日14時1分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県知多市は9日、市立南粕谷保育園で7月に女児(1)が給食のスープをかぶり、首や腕などに大やけどを負ったと発表した。
事故後の市の調査で、スープは70℃と高温だった。
女児は現在も治療中という。
市幼児保育課によると、7月18日、保育室内で保育士が配膳ワゴンでスープ入りの鍋を運んでいた際、後方確認のため目を離した隙に、女児が鍋に触ってスープがこぼれた。
鍋は高さ約80cmの台の上に置かれ、女児の身長も約80cmだった。
市は、鍋が子どもの手が届く位置にあったことが問題だったとし、配膳ワゴンを園児のいる保育室内に入れないように、市内の保育園に指導した。
市は、「園児の一日も早い回復を祈るとともに、家族には心よりおわび申し上げる」と陳謝した。
出典
『スープかぶり女児大やけど 愛知の保育園』
http://www.sankei.com/west/news/180809/wst1808090050-n1.html
2018年8月6日付で中国新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本豪雨のため福山市内の約2000haが浸水した問題で、甚大な被害の出た地域にある大半の排水ポンプが水に漬かり、稼働停止していたことが分かった。
記録的な雨量に対応し切れずポンプが停止し、被害を拡大させたとみられる。
水田などが広がっていた時代に土地改良区が整備した排水能力の低いポンプも多く、新増設の必要性が浮き彫りとなった。
・・・・・
出典
『浸水で大半のポンプ停止 福山』
2018年8月8日11時36分に長崎新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後2時15分ごろ、松浦市調川町の工場内休憩所で、作業を休んでいた男性従業員(66)が倒れているのを同僚が発見し、119番通報。
搬送先の病院で死亡が確認された。
県消防保安室は7日、男性の死因が熱中症だったと明らかにした。
同室によると、県内で熱中症による死者は今年2人目。
同市消防本部などによると、男性は工場内で貨物の整理作業を担当。
6日午後1時ごろから約45分間作業をした後、同僚に「暑い」と伝え、工場内の休憩所で休んでいたという。
その後、休憩所をのぞいた事務員が倒れている男性を発見。
救急隊員が駆けつけたときには意識はなく、心肺停止状態だった。
出典
『松浦で男性熱中症死 工場で作業中「暑い」』
https://this.kiji.is/399753965279183969?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
今年の夏は半端ない暑さ。
熱中症で救急車で運ばれた人が過去最多とか、クーラーをつけていなかった高齢者が亡くなられたなど、いろいろ報じられている。
ただ、工場内で作業中に亡くなられたという事例は、ブログ者の知る限り、今夏初めてだ。
2018年8月6日17時41分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年から今年にかけて、授業中に硫化水素を発生させる実験をしていたところ、生徒が体調不良を訴えるケースが相次いだことを受け、6日、千葉市で、理科の教諭などが安全な実験の方法を学ぶ研修会が開かれた。
この研修会は、生徒たちが化学反応について安全に学べるよう、千葉市の千葉大学教育学部附属中学校が開いたもので、県内の理科の教諭など16人が参加した。
体調不良の多くは、中学2年の授業で行われる「鉄の硫化」の実験で起きているということで、参加者は、鉄と硫黄を熱で反応させ、さらに塩酸を加えて硫化水素を発生させた。
そして、材料の量が多すぎたり、混ぜ方が均一でなかったりすると適切に実験を行えないことや、生徒自身にも、直接、気体を吸い込まないように伝えておくことが大切だと学んでいた。
産業技術総合研究所のまとめによると、去年から今年にかけ、千葉県など5つの府や県で、合わせて67人の生徒が「鉄の硫化」の実験中に体調不良を訴えたということで、千葉大学教育学部附属中学校は、多くのケースで生徒に実験の手順が徹底されていなかったことが原因とみている。
教諭の1人は、「しっかりと生徒たちに声をかけて、安全に実験を行いたい」と話していた。
出典
『「鉄の硫化」安全な実験研修会』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180806/1080003170.html
(ブログ者コメント)
この実験については、本ブログでも数多くの事例を紹介スミ。
あまりに数が多いので、紹介途中から、特段のものでない限り掲載を割愛としているほどだ。
2018年8月6日21時39分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前7時50分ごろ、北海道本別町勇足のH糖業本別製糖所でポンプ室から塩酸が漏れ、敷地や近くの川に流出したと、国交省北海道開発局に通報があった。
開発局によると、約3万ℓが流出したが、けが人はなく、川の魚が死ぬなどの被害の報告もない。
塩酸は、砂糖を精製する過程で使っており、従業員が異臭に気付いて通報。
工場の敷地に石灰をまき、中和処理をした。
排水溝を通じて川に流れた塩酸は薄まり、川の水質に問題はないという。
工場では、これまで塩酸が漏れたことはなく、開発局が原因を調べている。
出典
『製糖工場から塩酸流出、川に約3万リットル 北海道本別町』
http://www.sankei.com/affairs/news/180806/afr1808060034-n1.html
8月6日22時46分に北海道新聞電子版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
帯広開建は6日、十勝管内本別町のH糖業本別製糖所(町勇足)から塩酸が流出し、町西美里別の利別(としべつ)川に流れ込んだと発表した。
同日の開建の調査では、水質への影響は確認されていない。
本別製糖所によると、塩酸は製糖作業時に使うもので、タンクからポンプで作業ラインに送る過程で何らかの不具合が生じ、約30m3が漏出しているのを、6日朝に従業員が発見した。
塩酸の一部は、排水路から支流を通じ、利別川に流れ込んだ。
従業員らは排水路に土のうを積んだほか、塩酸の中和処理を実施。
川への流出量は不明だが、午後に帯広開建が下流4地点で行った水素イオン濃度(pH)調査では、いずれも基準値内で、目視でも魚の死骸などは確認されなかった。
本別製糖所は、「流出が起き、申し訳ない。原因を究明し、再発防止の対策を取りたい」と話している。
出典
『製糖所から塩酸流出 本別の利別川』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/216149/
2018年8月5日7時30分に毎日新聞からは、国交省は長年の要望を受け合流点の付け替え工事を来年度から始める予定だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本豪雨で堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町地区の小田川について、国の河川改修計画が完了していれば、決壊地点の水位は約1.5m低下できたと、前野詩朗・岡山大教授(河川工学)が4日に広島市であった土木学会調査団の記者会見で明らかにした。
前野教授は、「改修していれば、被害はこれほど大きくならなかったと予測される」と話した。
真備町地区では1級河川・高梁川の水位が上昇し、支流の小田川の流れをせき止める「バックウオーター現象」が発生。
小田川の堤防は、高梁川との合流点から3.4km上流など、複数箇所で決壊した。
小田川に注ぐ支流でも堤防が決壊し、真備町地区は約12平方kmが浸水、51人が自宅などで亡くなった。
前野教授らの調査では、浸水した深さは最大5.38mに達したという。
前野教授は、国交省などのデータから、今回豪雨時の流量や水位を分析。
小田川と高梁川の合流地点を約5km下流に移す付け替え工事が完成していた場合、小田川の水位は合流点から3.4km上流で1.5m、6.4km上流で0.9m、それぞれ低下したと推計した。
前野教授は、「河川改修で併せて計画されている河川掘削や河道内の樹木伐採も同時に行えば、水位はさらに下げられたはずだ」と話した。
小田川では、1972、76年にも大規模な浸水があり、国交省は住民の長年の要望を受けて、小田川の流れをスムーズにする付け替え工事を来年度から始める計画だった。
出典
『西日本豪雨 小田川改修で水位1.5m低下「減災できた」』
https://mainichi.jp/articles/20180805/k00/00m/040/094000c
少し前、2018年7月13日6時0分に東洋経済からは、50年も前から計画されていた付け替え工事がなかなか進まなかったのは相手自治体の反対や治水目的のダムが水源確保目的にすり替わったためだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【半世紀前からあった計画】
小田川をめぐっては、高梁川との合流地点を付け替える工事が今秋に予定されていた。
小田川が高梁川と合流する位置を現在より約4.6km下流に移動させることで、合流部分の洪水時の水位低下を図るものだ。
もっと早く対策しておけば・・・・。
そんな声も漏れ伝わる一方、工事は一筋縄ではいかない現実が横たわる。
計画自体は50年も前から存在していたにもかかわらず、なぜ、現在まで着工に至らなかったのか。
高梁川と小田川の流域は、幾度となく水害に悩まされてきた。
1893年10月に上陸した台風では、岡山県全域で床下・床上浸水5万209戸、全半壊1万2920戸という被害に遭った。
そこで、東西に分岐して海に流れていた高梁川を西側に一本化し、東側は埋め立て、西側の一部は貯水池として整備された。
だが、その後もたびたび洪水に見舞われたため、治水の重要性が再び浮上してきた。
そんな中、小田川の合流地点付け替え工事は、2007年に基本方針が策定された。
今秋に予定される工事は11年越しとなるわけだが、実は、前身となった計画は昭和にまでさかのぼる。
もともとは、治水対策としてダム建設が計画されていたからだ。
1968年、旧建設省は柳井原堰(ダム)建設の構想を発表した。
場所は、今回の小田川付け替え工事完了後の合流部分に当たり、水害の相次ぐ小田川の治水と、水島コンビナートを中心に渇水にあえぐ下流地域の水源開発が目的だった。
建設予定地は倉敷市と船穂町(現倉敷市船穂町)にまたがっていたが、船穂町は柳井原堰の建設に猛反発した。
第一に、治水の恩恵は上流の真備町(現倉敷市真備町)などの小田川流域、利水の恩恵は下流の倉敷市などの都市部が中心で、船穂町には大きなメリットがなかった。
加えて、明治から大正時代に行われた、東西に分かれていた高梁川を一本化する工事にて、船穂町の一部の集落が貯水池の底に沈んだという苦い過去も想起された。
1980年には、周辺自治体が開発を促進する会を結成し、幾多の交渉が続けられたものの、船穂町は慎重姿勢を崩さず、計画は棚ざらしとなった。
【ようやく日の目を見るはずだった】
ところが1995年2月、事態は急展開を迎える。
船穂町が、硬化させていた態度を一転させ、建設省および岡山県との間で柳井原堰建設の覚書を締結したのだ。
背景には、周辺自治体に比べて開発の遅れていることへの焦りがあった。
柳井原堰の建設計画の行方が定まらぬままで、大規模な都市開発やインフラ整備を実施できていなかった。
同時期に進められていたポッカコーポレーション(現ポッカサッポロフード&ビバレッジ)の工場誘致も用地買収が難航し、黄信号が灯っていた。
そこで建設と引き換えに、覚書には、船穂町振興計画の実施に向けて国と県、町が協力することを盛り込んだ。
バイパスや下水道の建設、農業集落の整備など計36項目、総額630億円の支援事業が並んだ。
建設容認を通じて、町の未来を託した格好だ。
同時に、柳井原堰建設を1997年から開始することについても合意。
2008年頃には竣工する計画だった。
建設省の発表から27年、ダム建設計画はようやく日の目を見る・・・はずだった。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
【建設に向けた準備が少しずつ進んでいたさなかだった】
「国が建設を進めている船穂町の柳井原堰(中略)については、本体工事未着手のこの段階で見直しを行いたいと考えております」。
2002年6月10日、岡山県知事はダムの建設中止を、突然、表明した。
倉敷市長や船穂町長でさえ、「青天の霹靂(へきれき)だった」と言う、突然の中止宣言。
いったい何が起きたのか。
背景には、1968年の計画発表時から30年以上が経過し、社会情勢が様変わりしていたことがある。
当時の倉敷市の推計によれば、1日当たりの計画水量を32.2万トンとしていたが、実際の使用量は20万トン程度にとどまり、利水としてのダムの意義は薄れていた。
本来は治水対策のはずの柳井原堰だったが、倉敷市議会からは「(倉敷市に)関係があるのは(総工費600億円のうち)2割の利水。柳井原堰はメリットが本当にあるのか」という声も上がった。
折しも、バブル崩壊後の景気後退を受け、国は公共事業の見直しを進めていた。
建設省は、計画の進捗が見られないダムの建設中止を、次々と決定した。
柳井原堰は幸い、中止を免れたものの、事業主体である岡山県の財政状況も厳しさを増すなど、逆風は確実に吹いていた。
結局、関係自治体の間で、ダムがなくても安定して水を供給できるという結論に達し、2002年秋、柳井原堰の建設中止を中国地方整備局に正式に申し出た。
翌年の事業評価にて、中国地整は「中止は確定したが、高梁川ならびに小田川の治水対策を行う必要があるため、今後、早期に小田川合流点の付け替え処理等抜本的な治水対策を行う必要がある」と指摘したものの、小田川の治水対策は、事実上、振り出しに戻った。
その後、2005年には、政令指定都市を目指す倉敷市が真備町と船穂町を編入合併している。
【被害は軽減できた】
2007年8月に柳井原堰を除いた小田川の改修工事の基本方針が、2010年には具体的な整備計画が策定された。
環境アセスメントなどを経た後、2014年にようやく国交省の予算がついた。
この間、堤防の整備や川底に堆積した土砂の掘削など、小田川の部分的な治水工事は細々と行われたものの、抜本的な工事は今秋から始まる予定だった。
その直前に、地域一帯を豪雨が襲った。
国交省の計画によれば、仮に付け替え工事が完了していたら、ピーク時の水位は最大6~7m低下し、堤防の外側の土地よりも水位が高まる(洪水の危険がある)時間も、対策前の80~90時間から20時間にまで抑えられていたという。
「被害を防げたとはいえないが、軽減はできたかもしれない」(中国地整)。
現在は、盛り土や土嚢による仮復旧の状態。
付け替え工事は今後も進めていくが、「計画よりも早めに進めたい」(同)。
一度災害が発生すると対策が急速に進むことは、裏を返せば、災害が起こるまで対策は進まないことを意味する。
小田川の氾濫対策は、かねて警鐘が鳴らされていた。
倉敷市が公表している「第六次総合計画施策評価シート(平成29年度)」では、防災政策に関する市民からのアンケート結果として、「高い重要度に見合った満足度が得られていない領域」という評価が下されるなど、住民の中でも災害に対する懸念は根強かった。
それでも、政治や利害対立に揉まれた結果、計画から工事着手まで50年も要した。
行政評価に詳しい高崎経済大学地域政策学部の佐藤徹教授は、「どの事業も重要であるから(政策に)優先順位をつけたくない、というのが行政の本音ではないか。(優先順位を付けたとしても)結果を踏まえた予算配分を行う、という仕組みがないと予算には結びつかない」と指摘する。
付け替え工事の完了は、およそ10年後を予定している。
その間、豪雨に襲われない保証は、どこにもない。
小田川の堤防決壊は、防災政策の優先順位を高める必要性を、われわれに示している。
出典
『真備町浸水、50年間棚上げされた「改修計画」 政治に振り回されている間に、Xデーは訪れた』
https://toyokeizai.net/articles/-/229270
2023年10月30日17時18分に読売新聞からは、合流点の付け替え工事が進められているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2018年の西日本豪雨で甚大な浸水被害が出た岡山県倉敷市真備町などで国土交通省が進めている小田川と高梁川の合流点を下流に付け替える事業で、同省は29日、小田川から新たな流路への通水を開始した。
今後、両河川を分離する堤防工事に取りかかり、来年3月の完成を目指す。
西日本豪雨の際には、本流の高梁川の水位上昇により、支流の小田川の水が本流に流れにくくなる「バックウォーター現象」が発生。
小田川の堤防が決壊し、周辺の約4600棟が全壊するなどした。
事業では合流点を約4・6キロ・メートル下流に付け替えることで、大雨が降っても小田川の水位は現状よりも大幅に低下し、氾濫のリスクを減らす効果があるという。
川沿いの山を20年1月から掘削するなどして新たな流路を作った。
現在、小田川と新たな流路は直径70センチの管で結ばれており、この日、管を塞ぐ土のうを重機で持ち上げると、小田川から水が勢いよく流れ込んだ。
今後、管を撤去した上で、通水箇所を広げ、今の合流点を分離する堤防も整備する。
水が通る様子は地域住民ら数十人も見守った。
地元の防災啓発団体「川辺復興プロジェクトあるく」代表(44)は、「安心して暮らすことのできる地域に一歩近づいたと思う。ハード面の整備に安心するだけでなく、地域住民もしっかり防災に取り組みたい」と語った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231030-OYT1T50069/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。