2022年7月29日19時59分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし4月、三重県桑名市の高速道路で、パーキングエリアの入り口手前の駐停車が禁止されている場所に止まっていたトラックに別の車が追突し、運転していた男性が死亡する事故があり、トラックの運転手が警察に対し、「パーキングエリアがいつもいっぱいなので手前の路上で休憩していた」と説明していたことがわかりました。
背景には近年、東京などでも多発している高速道路の深夜割引を受けたいトラックによる混雑、いわゆる「0時待ち」と呼ばれる現象があると見られ、警察などが違法駐車の取り締まりや対策を強化しています。
ことし4月28日の午前4時半ごろ、三重県桑名市の伊勢湾岸自動車道の下り線で「湾岸長島パーキングエリア」の入り口の手前に止まっていた大型トラックに別の車が追突し、運転していた男性が死亡しました。
大型トラックが止まっていたのは、駐停車が禁止されていた道路右側のスペースでした。
警察が大型トラックの運転手に事情を聴いたところ、「このパーキングエリアはいつもいっぱいなので、駐車できないと思い、手前の路上で休憩していた」と説明したということです。
高速道路では、ETCを利用した車が深夜0時から午前4時までの間にわずかでも道路上にいると料金が3割引きになるサービスがあり、「NEXCO中日本」などによりますと、今回の事故現場周辺のパーキングエリアやサービスエリアは、この割引を得るために待機しているいわゆる「0時待ち」のトラックなどで夜間、恒常的に激しい混雑がおきていて、警察は事故の背景の要因とみています。
同様の現象は、東名高速道路の東京料金所の手前など、各地の高速道路で多発していて、警察などは、パーキングエリアなどに入れずに手前の駐停車禁止のスペースに止まっている車が事故を誘発する恐れがあるとして、取り締まりや対策を強化しています。
【“0時待ち”の実態は】
NEXCO中日本によりますと、高速道路のパーキングエリアやサービスエリアなどでは、深夜割引を受けたい、いわゆる“0時待ち”のトラックなどで、特に深夜の時間帯に混雑し、満車となるケースが多く、“0時待ち”の車のほか、休憩したいのにパーキングエリアなどに入れない車が周辺の道路脇など、駐停車が禁止されているスペースに違法に止まっている状況がしばしば見られるといいます。
このうち、三重県亀山市にある「亀山パーキングエリア」で取材したところ、午後11時ごろにはほぼ満車となり、パーキングエリアに入るための減速用の車線の脇などにトラックが次々に止まっていく様子が確認できました。
また、東名高速道路の東京料金所では、午後11時50分すぎには、料金所の手前の路肩などにトラックが止まって列をなし、大渋滞となりました。
そして午前0時をすぎると、今度は、次々と料金所を通過していく様子が確認できました。
NEXCO中日本では、こうした現象はいずれもETCを利用した車が深夜0時から午前4時までの間にわずかでも道路上にいると、料金が3割引になるサービスを受けたいドライバーが多いことが背景にあるとみています。
【運転手「会社の指示」も】
事故現場近くの三重県の「湾岸長島パーキングエリア」に休憩のために立ち寄ったドライバーからは、「会社から深夜割引を使うよう指示されている」といった声も聞かれました。
50代のドライバーの男性は、「朝方くらいまで休憩をとって奈良に行きます。私の会社は高速道路の料金が売り上げから引かれるので、やはり午前0時まで待つことになります」と話していました。
また、バイクの部品を運んでいるという30代の男性は、「合流するための車線などに止まっている車をよく見ます。私も深夜割引を使って高速道路に乗るように会社から言われているので気持ちはわかりますが、危ないと感じます」と話していました。
中には、実際に違法な場所に車を止めて休んだことがあるというドライバーの男性もいて、「割引は使わないといけないし、寝る時間も確保しないといけません。悪いのはわかっていますが、自分たちの給料にも響くし、休憩も取らずに連続で運転し続けたら会社にも迷惑がかかります。割引の対象になる時間がもっと広がればいいと思います」と話していました。
【警察やNEXCOは対策も】
警察では、パーキングエリア近くの危険な場所に駐車しているトラックなどがいた場合、止まらないよう指導したり、道路交通法違反で取り締まったりしていますが、ある場所で一時的に違法駐車が減っても別の場所で増えるなど、いたちごっこの状態が続いているということです。
また、NEXCO中日本では、こうしたパーキングエリアなどの周辺の違法駐車をなくすため、▼夜間に混雑がみられるパーキングエリアなどを中心に駐車スペースを増設したり、▼違法駐車が確認された場所にポールを設置して止められないようするといった対策を進めているということです。
NEXCO中日本桑名保全・サービスセンターの緒方工務課長は、「徐々に改善の兆しが見えてきてはいるが、まだ十分ではない。高速道路はどうしても一般道よりもスピードを出して走るので、違法駐車をしていると重大な事故を起こす可能性が非常に高く、絶対にやめてほしい」と話しています。
【同様の死亡事故は過去にも】
NHKが、三重県と愛知県、岐阜県、静岡県の東海4県の警察に取材したところ、事故発生の時間帯や運転手の供述などから、過去5年あまりの間に、“0時待ち”が背景にあった可能性がある事故で亡くなった人が、今回の事故を含め、少なくとも3人にのぼっていることがわかりました。
このうち、三重県では3年前の令和元年10月9日午前3時ごろ、新名神高速道路の「鈴鹿パーキングエリア」へ向かう道路の脇に止まっていた大型トラックに中型トラックが追突し、中型トラックの運転手が死亡しました。
大型トラックの運転手は警察に対し、「駐車場がいっぱいで、この場所に止まっていた」と話していたということです。
また、愛知県では5年前の平成29年7月13日の午前0時ごろ、新東名高速道路の「長篠設楽原パーキングエリア」に入ってすぐの場所に止まっていたトラックに別のトラックが追突し、追突したトラックの運転手が死亡しました。
警察によりますと、止まっていたトラックの運転手はパーキングエリアがいっぱいで止められず、入り口付近に止めたと話したということです。
NEXCOが行った実態調査の結果、いずれのパーキングエリアも日ごろから、事故が起きたのと同じ時間は満車状態になっており、警察は“0時待ち”が背景にあった可能性があるとみています。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220729/3000023974.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。