2021年5月14日20時45分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が複数枚の事故現場写真付きでネット配信されていた。
東京都内を通る首都高から14日早朝、走行中の乗用車が外壁を乗り越え、隅田川に転落した。
運転していた20代の男性が死亡し、警視庁が事故原因を調べている。
河川上を通る道路なのに、なぜ壁は車が乗り越えてしまう高さなのか。
首都高からの転落事故は過去にも起きている。
なぜ繰り返されるのか。
背景を追った。
午前4時50分ごろ、首都高向島線の両国ジャンクション付近で事故は起きた。
現場はゆるやかな右カーブと左カーブが続くS字のような区間。
2車線から1車線になる付近だった。
首都高や捜査関係者によると、乗用車はまず道路左側の外壁に接触した後、右側に突っ込み、約15メートル下の川に転落した。
乗り越えたコンクリート製の外壁の高さは約90センチ。
その手前にあった高さ40~50センチの緩衝材を踏み台のようにして、外壁を乗り越えたとみられている。
事故の直前、転落した乗用車が前の車を追い抜き、接触を起こす前にブレーキランプがつく様子が防犯カメラに映っていた。
付近にブレーキ痕も確認されたという。
同庁は、速度超過やハンドル操作に問題がなかったか調べている。
首都高によると、こうした車両の転落事故は1992年以降、全線で7件確認されている。
多くが外壁を乗り越えたケースだ。
スピードを出す車両が目立ち、河川の上やビルの合間を走る高架なのに、なぜ外壁の高さは90センチなのか。
首都高の外壁は「壁高欄(かべこうらん)」と呼ばれる。
高さの基準は国土交通省の通達に基づき、60センチ以上、1メートル以下と定められている。
壁高欄のほか、その上側に積み荷などの落下や投棄をふせぐ高さ3メートルの防護柵が設けられている区間はある。
だが、今回の現場は対象外。
防護柵を設ける区間は、積み荷などが落ちたら影響の大きい鉄道や石油などを扱う施設の付近だ。
そもそも、壁高欄も防護柵も、車や人の転落を想定していないのだ。
なぜか。
首都高や国交省の関係者によると、「運転者の安全運転義務の遂行」が前提になっているためだ。
首都高の正式名称は「首都高速道路」。
高速道路との呼び方だが、分類上は「自動車専用道路」。
特段の標識がない限り、多くが上限速度は一般道と同じ60キロだ。
上限速度を守る限り、比較的ゆるやかなカーブの今回の区間での事故は起きないとの前提で、「90センチの壁高欄で問題ない」(担当者)との立場だ。
横浜国立大学大学院の田中伸治教授(交通工学)は今回の事故について、「現場は合流部分で必要以上に速度を出す場所ではなく、川の上だったということを踏まえても、壁高欄が90センチに設定されていてもおかしくはない」と話す。
また、首都高などの自動車専用道路は、東名高速など、ほかの高速道路とは違う規格でつくられ、安全に走行できる「設計速度」も低く設定されている。
田中教授は、「首都高が高速道路という前提で、上限速度などを誤って認識している人は一定数いる。首都高側がきちんと周知し、ドライバー側もしっかり認識する必要がある」と話す。
首都高の担当者は、「運転者には合流注意の看板や路面の文字表示などを注視してもらい、今後も安全運転を呼びかけたい」と話している。
https://www.asahi.com/articles/ASP5G6K4BP5GUTIL03R.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。