2017年11月21日20時53分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月21日付で埼玉新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後1時25分頃、埼玉県秩父市大滝の東京大学秩父演習林で火災が発生したと、同大演習林事務所の職員から119番があった。
警察によると、学生らが調査に使っていたドローンが落下して出火、下草に燃え移ったとみられるという。
消防によると、県防災ヘリ2台や消防隊員約20人が消火にあたったが、下草など約4haを焼いた。
鎮火していないが、夕方に消火活動を打ち切り、22日午前6時半から再開する。
けが人や建物の被害はない。
警察発表や同事務所によると、演習林では当時、引率教員1人と学生3人がドローンを使って山林を調査していたが、ドローンが地面に落ちて火が出たといい、午後0時55分頃に事務所に連絡した。
現場は入川渓谷夕暮キャンプ場から西に約6km離れた山林。
演習林は、森林生態系に関する教育研究活動に使われている。
出典
『東大演習林で火災…ドローン落下が原因か』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171121-OYT1T50098.html?from=ycont_top_txt
『ドローン落下で山林火災か…東京大学の秩父演習林 日没で消火活動を中断、翌朝に再開へ』
http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/11/22/02_.html
(ブログ者コメント)
ブログ者が知る範囲では、ドローンが落下して火災になった初めての事例。
(2017年12月19日 修正1 ;追記)
2017年11月23日付の埼玉新聞紙面には、翌日に鎮火したという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
秩父署は22日、火災が午後2時55分に鎮火したと発表した。
消防隊員23人と消防団員約30人が22日午前6時半から活動を再開し、県防災ヘリも3回放水した。
2017年9月25日11時44分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後3時半ごろ、高知県北川村の山の中に作られた臨時のヘリポートを離陸した愛知県の航空会社、「中日本航空」のヘリコプターから、合わせて重さ2.7トンぶんの石が落下した。
当時、ヘリコプターは土砂災害の復旧工事のため、1つが直径5cmから25cmほどの石をまとめて容器に入れてワイヤーでつり下げて、ヘリポート近くの現場まで運んでいたところ、高さおよそ70mから誤って落下させたという。
これまでのところ、けが人はなく、周辺の被害も確認されていないが、国の運輸安全委員会は航空事故につながりかねない重大なトラブルにあたる「重大インシデント」として、今朝から航空事故調査官2人を現地に派遣して、当時の作業の状況などを詳しく調べている。
中日本航空によると、ヘリコプターは、「グリ石」と呼ばれる丸みのある石を、ヘリポートから工事現場まで、着陸せずに何度も往復しながら運んでいたという。
石は、「バケット」と呼ばれる専用の容器に入れられ、ヘリコプターの機内にあるボタンを操作すると、容器の底が開いて石が落ちるようになっていた。
石が落ちた当時の高度はおよそ70mで、何らかの原因で容器の底が開き、石が落下したという。
中日本航空は、「関係者や地元の方にご迷惑をおかけし、おわび申し上げます。運輸安全委員会の調査に協力し、再発防止に努めたい」とコメントしている。
現場近くで行われていたのは、6年前の台風による土砂災害の復旧工事だった。
工事を発注した四国森林管理局安芸森林管理署によると、工事は来年2月までの期間で、山腹を補強したり、谷に土砂が流れ込むのを防いだりする予定だったという。
また、ヘリポートも、台風で被害を受けたあとに物資の輸送などを目的に設けられたという。
周辺の集落に住む90代の男性は、「普段からヘリコプターの大きな音を耳にしていたので、石が落下したという話を聞いてびっくりしました」と話していた。
また、80代の男性は、「周辺には住宅もあるので、ヘリコプターで石材を運ぶときは、安全管理に気をつけてもらいたいです」と話していた。
出典
『ヘリから石材2.7トン落下』
http://www.nhk.or.jp/lnews/kochi/20170925/8010000300.html
(2018年9月29日 修正1 ;追記)
2018年9月27日11時30分にNHK高知から、スイッチ操作を間違えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会が27日公表した調査報告書によると、落下した原因は、ヘリコプターに乗っていた整備士が地上にいる作業員に注意事項を伝えるため、連絡用の無線機のスイッチを操作しようとしたところ、誤ってバケットの開閉スイッチを操作したためだと結論づけている。
今回のトラブルを受けて、ヘリコプターを運航する会社は、整備士に対して再発防止のための教育を実施したほか、バケットを開閉するのためのスイッチを増設し、現在のスイッチと同時に操作しなければならない方法に改めたという。
出典
『ヘリから石落下はスイッチ間違え』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20180927/8010003383.html
(ブログ者コメント)
以下は運輸安全委員会報告書(概要)に記載されている内容。
3.4 判明した事項の解析
(1) 石材の落下
本重大インシデントは、同機がバケットに石材を積載して同荷つり場から 離脱した直後、機上整備士が被訓練者に注意事項を伝えようとした際、バケットの開閉スイッチを連絡用無線機の送信スイッチと間違えて操作したため、バケットが開き、石材が落下したことによるものと認められる。
(2) 機上整備士
機上整備士は必要な教育訓練を受けていたものと認められる。
機上整備士がバケットの開閉スイッチを連絡用無線機の送信スイッチと間違えて操作したことについては、被訓練者への注意事項の伝え方を考えることに意識が向き、バケット操作に対する注意力が低下した状態で、それまで繰り返し行っていた動作であるバケットの開口操作を意図せず行ってしまったことによるものと考えられる。
また、機上整備士は、スイッチ操作の際に手元を見ていなかったため、操作しようとしたスイッチの間違いに気付けなかった可能性が考えられる。
(3) コントロールボックスの設計
バケット開閉スイッチには誤操作防止の機構はなく、開閉スイッチを押すだけで開く設計になっていた。
このため、機上整備士が間違ってバケットの開閉スイッチを押したことにより、バケットは開いた。
バケットの開閉に複数のスイッチの操作を必要とする機構やガード付きスイッチの採用等は、誤操作防止に有効な対策と考えられる。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2199
2017年8月4日7時38分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午前10時頃、富山県黒部市宇奈月町の山中で、関西電力黒薙第2発電所に工具などを運んでいたA社(東京都江東区)のヘリコプターから、重さ約700kgの資材(縦・横いずれも約0.8m、高さ約1.1m)が落下した。
けが人は確認されていない。
国の運輸安全委員会は、重大インシデントにあたるとして、4日に現地に調査官2人を派遣する。
委託元の関電の発表によると、現場は富山地鉄・宇奈月温泉駅(黒部市)から約1.5km東の山中。
ヘリがネットでくるんだ資材をワイヤでつるして海抜約1000mの上空を飛行していたところ、操縦士が資材がなくなっていることに気付いた。
A社を巡っては、関電の工事用資材を運んでいた昨年3月に福井県、同8月に奈良県で、それぞれ同様の落下事故を起こしている。
出典
『資材重さ700キロ、ヘリから落下…黒部の山中』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170803-OYT1T50143.html
8月3日18時28分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
黒部市宇奈月町の離着陸場から山中の作業場まで、複数回に分け、物資を運んでいる最中だった。
宇奈月駅から東に約1.5km、高さ約1000mを飛行中、つり下げていた工具類の入った網が落ちるのを、搭乗者2人のうち1人が目撃したという。 (共同)
出典
『富山の山中 ヘリから工具類700キロ落下 けが人なし』
https://mainichi.jp/articles/20170804/k00/00m/040/002000c
(ブログ者コメント))
A社ヘリから運搬中の資材が落下した事故を、本ブログでは過去に3件掲載している。
そのうち、福井県美浜町の事例については、事故の調査報告書が公表されたという情報を紹介したばかりだ。
(2017年8月25日 修正1 ;追記)
2017年8月21日22時35分に産経新聞westから、推定事故原因に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関電は21日、荷物をつり下げたフックのロック不良が原因だった可能性が高いと発表した。
運航会社のA社(東京)が21日、運輸安全委員会に報告した。
両社の合同調査によると、荷物をつり下げるフック部分が開いたため、落下したとみられる。
事故後の調査で、フックのロックが不完全な状態でもフックが開かずに荷物をつり上げられることがあると判明。
作業員が、不十分な状態にもかかわらずロックしたと誤認した可能性があるという。
また、ヘリ本体からロックを制御する電気回路が、接触不良などにより誤って解除の信号を出した可能性もあり、関電は再発防止策として、電気回路の点検内容を変更。
同型のフックの使用を取りやめ、作業員のロックの確認方法を変更して、22日以降、ヘリの運航を再開する。
出典
『ヘリ荷物落下はロック不良原因か 関電、原因特定至らず』
http://www.sankei.com/west/news/170821/wst1708210088-n1.html
(ブログ者コメント)
関西電力HPにA社と連名で、下記趣旨の記事が掲載されていた。
添付されている写真を見ると、合いマークに合致するようにフック窓の中の指示ラインが見えるべきところ、ロック不十分状態では端のほうにずれている。
(2)吊フックの状況
ヘリモッコの落下後に、基地に戻ったヘリコプターの吊フックを確認した結果、吊フックのみであり、フックは隙間なく閉じていたことを目視により確認しました。
また、ヘリコプター搭乗員および地上作業員へ聞き取りを行ったところ、地上作業員の吊フックへの玉掛け作業には問題がなかったこと、およびヘリコプター搭乗員による誤操作(飛行中に誤って吊荷を落下させる操作)はなかったことを確認しました。
(3)同型の吊フックでの検証結果
吊フックのインジケーターの指示ラインがわずかにずれ、ロックが不十分な状態でも荷物を吊り上げることができることを確認しました。
(4)吊フックの電気制御回路の検証結果
電気制御回路の端子部や配線において、接続端子の緩みや断線、異物の接触などにより誤った信号が出され、吊フックのロックが解除されることで、吊荷が落下する可能性があることを確認しました。
2.推定原因
以上の調査結果から、今回の落下原因は、以下の事象のいずれかにより、フックが開放し吊荷が落下したものと推定しました。
○吊フックのインジケーターの指示ラインをロック状態と誤認し、ロックが不十分な状態で運搬した。
○電気制御回路の誤った信号により、吊フックのロックが解除された。
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0821_1j.html
(2018年9月2日 修正2 ;追記)
2018年8月30日19時21分にNHK富山から、運輸安全委員会からも報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会は30日、調査報告書を公表した。
それによると、ヘリコプターから荷物をつり下げる「サブフック」と呼ばれる装置に切断や裂け目は確認できなかったという。
このため、運輸安全委員会は、飛行中に「サブフック」のロックが外れて荷物が落ちた可能性が考えられるとしている。
ロックが外れた原因について、機体の振動による一時的な誤作動や絶縁不良、また、機内などから出た電磁波の影響が考えられるとしているが、特定できなかったとしている。
出典
『飛行中ヘリ荷物落下ロック解除か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20180830/3060000175.html
2017年7月3日19時1分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日、東通村にある防衛省が管理する土地で、JAXA=宇宙航空研究開発機構の実験中に、ヘリコプターから重さ3kgの実験装置が落下した。
けがをした人はいなかったが、国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない「重大インシデント」として調査している。
国交省などによると、1日、東通村にある防衛省が管理する土地で、飛行中のJAXAのヘリコプターから、重さ3kgのアルミ製の実験装置が誤って落下した。
けがをした人はいなかった。
JAXAによると、当時は、月面での探査に向けて落下の衝撃を調べる実験の途中で、ヘリコプターがワイヤーで実験装置をつり下げた状態で高さ20mを飛行していたところ、実験場所に到着する前に落下してしまったという。
国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない「重大インシデント」として、調査官2人を現地に派遣するなどして原因を調べている。
出典
『実験中にヘリから装置落下』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6084811861.html
7月3日11時7分に共同通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月3日付で毎日新聞青森版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省によると、ヘリは落下時の衝撃を調べる実験のため、1日午前10時半、東通村の防衛省離着陸場を離陸。
15分後、投下予定場所から6km離れた砂浜で、機体の外につり下げていた物体(縦30cm、横51cm、高さ30cm)が落ちた。
付近は立ち入り禁止になっており、けが人はいなかった。
出典
『JAXAヘリから落下物、青森 重さ3キロ、試験中に誤って』
https://this.kiji.is/254428502172452344?c=39546741839462401
『JAXAヘリ 物体落下ミス 重大インシデント /青森』
http://mainichi.jp/articles/20170703/ddl/k02/040/083000c
2017年3月2日17時51分に朝日新聞から、違法摘発に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月2日13時36分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
小型無人飛行機(ドローン)の飛行ルールを定めた改正航空法が施行された後の昨年1年間で、警察が同法違反容疑で36件摘発したことが、2日、警察庁のまとめでわかった。
同法は、2015年4月に首相官邸の屋上にドローンが落とされた事件などをきっかけに、同年12月に施行。
国交省の許可が必要な空域や承認が必要な飛行方向を定め、違反者に50万円以下の罰金が科される。
昨年1月以降、18都道府県警が36件を摘発し、書類送検した。
36件の内訳は、「飛行の禁止空域」違反が31件、「飛行の方法」違反が12件だった。7件が重複。
詳しくは、人口密集地域上空での飛行や目の届かない範囲での飛行などの違反で、試しに飛ばしたり花火や祭りを撮影したりといった目的が目立つという。
改正航空法を初適用したのは香川県警で、昨年1月、家屋が密集している高松市の公園周辺上空に無許可でドローンを飛ばしたとして、写真家の男性を書類送検した。
一方、首相官邸や原発などの上空で無断飛行を禁止するドローン規制法も昨年4月に施行。
警視庁によると、この摘発例はない。
出典
『ドローン飛行、昨年36件摘発 花火や祭りの撮影目立つ』
http://www.asahi.com/articles/ASK316F9TK31UTIL04F.html
『生活経済事件 16年ドローン摘発36件』
http://mainichi.jp/articles/20170302/k00/00e/040/277000c
3月3日20時40分に朝日新聞からは、最初の逮捕者が出たのは福岡県という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月3日21時9分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通相の許可を受けずにドローンを禁止区域で飛ばしたとして、福岡県警は3日、北九州市市戸畑区の会社員のS容疑者(男性、58歳)を航空法違反の疑いで逮捕し、発表した。
ドローンの無許可飛行容疑での逮捕は、全国初。
八幡東署によると、S容疑者は、昨年8月21日午後6時半ごろ、国交省がドローンの飛行禁止区域に定める同市小倉北区西港町の上空で、許可を得ずにドローン(26cm四方、1.2kg)を飛ばした疑いがある。
S容疑者は、去年10月ごろ、このドローンを別の場所で飛行させた際に紛失。
今年1月、ドローンをなくしたと、署に届け出た。
その後、同市八幡東区の林でギンナン取りに来た近くの男性が墜落したドローンを見つけ、署に拾得物として届けた。
届けを受け警察が調べたところ、搭載されていたマイクロSDカードに記録された映像に、禁止区域の風景や、ドローンを操縦するS容疑者が映っていたという。
S容疑者は任意の聴取に1度は応じたが、その後、出頭要請に応じなくなったことなどから、逮捕に踏み切ったと、署は説明している。
逮捕後は、「その場所でドローンを飛ばしたのは間違いありません」と、容疑を認めているという。
出典
『無許可でドローン飛ばした疑い 福岡で全国初の逮捕者』
http://www.asahi.com/articles/ASK335DV8K33TLLS007.html
『ドローン無許可飛行で男逮捕 全国初』
http://www.news24.jp/articles/2017/03/03/07355624.html
2016年10月27日18時5分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月28日7時52分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力ホールディングス傘下の送配電会社「東京電力パワーグリッド」は、27日、ヘリコプターで運搬していたダム修繕工事用の資機材を長野県栄村の山林内に落下させる事故があったと発表した。
荷物の落下に伴うけが人や建物被害はない。
同社によると、同日正午ごろ、業務委託したヘリコプター会社のヘリが、渋沢ダム(山ノ内町)の修繕工事で使った草刈り機やファンヒーターなどをシートで包み、ワイヤーでまとめた重量約250kg、約1m四方の吊り荷をダムから直線距離で約5km離れた切明発電所に搬送している途中、約100m下の山中に落下させた。
吊り荷をぶら下げるフックの開閉スイッチに男性副操縦士の体の一部が誤って接触してしまったのが原因とみられるという。
同社は、落下させた吊り荷の回収方法を検討している。
出典
『250キロの吊り荷落とし… 東電系の送配電会社が委託したヘリ』
http://www.sankei.com/affairs/news/161027/afr1610270030-n1.html
『ヘリから250キロの荷物落下…被害確認されず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161028-OYT1T50014.html
2016年10月7日21時50分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月7日20時30分に新潟日報から、10月8日付で毎日新聞新潟版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
7日正午すぎ、三条市原の山林で、東北電力が送電線の鉄塔を建設する工事のため、生コンクリートを専用のバケットに入れてヘリコプターで運んでいたところ、突然、バケットの開閉部が開き、中に入っていた生コンクリートおよそ250ℓ(500kg)が山林へ落下した。
東北電力によると、地上に設置した容器に生コンクリートを移そうとしたところ、開閉部が開かないトラブルが発生したため、作業を中断し、同じ山林の中の約1.3km離れた場所に設けたヘリポートに戻っていた途中に、開閉部が突然開いたという。
生コンクリートは工事現場からおよそ600mほど離れた民有地の山林に、高さ約150mから落下、飛散したが、付近に民家などはなく、けが人や建物への被害は確認されていないという。
生コンクリートは、山中でそのまま固まるとみられる。
8日以降に撤去作業を行う。
東北電力は、「周辺地域にお住まいの皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。再発防止のため原因究明に努めたい」とコメントしている。
国交省は、事故につながりかねない航空重大インシデントに認定。
運輸安全委員会は、原因を詳しく調べるため、7日、調査官2人を現地に派遣した。
出典
『三条でヘリから生コンが落下』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033365721.html?t=1475871086778
『三条の山中でヘリから生コン落下 国交省 重大事態認定』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20161007284055.html
『落下 ヘリから山中に生コン500キロ 三条・送電線工事』
http://mainichi.jp/articles/20161008/ddl/k15/040/147000c
(ブログ者コメント)
以下は、10月7日付の東北電力プレスリリース。
内容的には上記報道と同じだが、バケットの写真が掲載されている。
『新潟県内の送電線新設工事におけるヘリコプターからの鉄塔基礎工事用生コンクリートの落下について』
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1192883_1049.html
(2016年11月7日 修正1 ;追記)
2016年11月5日7時30分にNHK新潟から、安全管理が不徹底だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省が聞き取りなどを行った結果、バケットに不具合があったにも関わらず、適切な修理がされていなかったことがわかったという。
さらに、航空法に定められたバケットの操作に関わる電気配線の検査もされていなかったという。
このため国交省は、4日、安全管理が不徹底だったとして、ヘリコプター運航会社を厳重注意し、2週間以内に再発防止策の報告を求めた。
出典
『生コン落下で運航会社厳重注意』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034142811.html?t=1478376345465
(2018年9月29日 修正2 ;追記)
2018年9月27日10時56分にNHK新潟から、不具合が生じたバケットの修理方法が不適切だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会が27日公表した調査報告書によると、ヘリコプターからつり下げて生コンクリートを運ぶバケットと呼ばれる容器に不具合があったにもかかわらず、適切な修理をせずに正規のものではない電気配線に交換していたことがわかったとしている。
そのうえで、トラブルの原因について、ヘリコプターの使用に適していない電気配線を使ったことで、飛行中にバケットの開閉用のモーターが作動したと見られると結論づけている。
運輸安全委員会は、機材の健全性の確保より運航の継続を優先したと考えられるとして、「Tエアサービス」の安全管理が適切でなかった可能性があると指摘している。
出典
『生コン容器の不具合対応不適切か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180927/1030005173.html
(ブログ者コメント)
以下は、運輸安全委員会報告書(概要)に記載されている内容
本重大インシデントは、同機がバケットに生コンを積載して飛行中、意図せずバケットが開いたため、生コンが地上に落下したものと推定される。
意図せずバケットが開いたことについては、それ以前に発生していた不具合を特定及び修理せずに、正規のものではない逆極性の配線に交換していたため、機上作業員が荷下ろし場でバケットを開ける操作をした際に、制御回路内でバケットを全開させるための電気的保持回路が形成されたが、レセプタクルの一時的な接触不良のためバケットが開口せず、その後、飛行中に接触が回復して通電した際に、開閉用モーターが作動したことによるものと推定される。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2165
2016年8月5日21時21分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月5日18時5分に産経新聞westから、8月6日19時7分にNHK奈良からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『関電鉄塔工事用の鉄板落下』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160805/4639272.html
『ヘリから800キロ鉄板落下 関電資材運搬中に山中へ』
http://www.sankei.com/west/news/160805/wst1608050067-n1.html
『関西電力の鉄板落下 現地調査』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2054653261.html?t=1470517803774
5日昼前、奈良県十津川村で、関西電力の鉄塔工事に使う重さおよそ800kgの鉄板がヘリコプターから落下した。
関西電力によると、鉄板は山の中で見つかり、けが人などの被害はなかったという。
関西電力によると、5日午前10時すぎ、十津川村長殿付近の山林で、鉄塔の建て替え工事に使う鉄板1枚がヘリコプターから落下した。
鉄板は縦およそ1.5m、横およそ3m、厚さ約2cmで重さがおよそ800kgあり、クレーンの下に敷いて安定させるのに使われるということで、鉄板が見つかった山の中には近くに住宅などはなく、けが人もいなかったという。
関電によると、ヘリコプターはA社(東京都江東区)が運航するスーパーピューマAS332L。
鉄板はヘリコプターからワイヤーでつり下げ、ヘリコプターのフックに掛けていた。
五條市内のヘリポートから約3km離れた十津川村の工事現場に運ぶ途中で、高度は約200mだったという。
機長が飛行中に落下に気付いた。
関西電力の工事では、去年10月にも、福井県高浜町でヘリコプターから資材を入れた木箱が落下したほか、ことし3月には福井県美浜町でも、重さおよそ800kgの資材がヘリコプターから落下している。
また、今回、鉄板を落下させたヘリコプターは、美浜町でトラブルを起こしたヘリコプターと同じ航空会社が運航し、機体も同じだったという。
国の運輸安全委員会は調査官2人を派遣し、6日、現地で原因の調査を行った。
これまでの調査では、ワイヤーからすり抜けて鉄板が落下した可能性があるという
(ブログ者コメント)
美浜町での事例は、下記参照。
2016年3月8日掲載
2016年3月1日 福井県美浜町で鉄塔工事現場に機材をヘリで吊るして運搬中、フックに通していたロープが外れ機材が落下、フックは過去の事故を受け改良したものだった (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5711/
今回のトラブルも、同じような原因だったのだろうか?
ただ当時、原因はフックのロックがかかっていなかったということで、フックのタイプを変更する対策をとったはずだが・・・。
(2016年8月20日 修正1 ;追記)
2016年8月15日18時12分にNHK関西NEWS WEBから、水平だった鉄板が風を受けて傾き、鉄板に巻き付けていたワイヤーが緩んで落ちたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月15日17時37分にNHK奈良から、8月15日18時17分に読売テレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
『関電“ワイヤーが風で緩む”』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160815/4832261.html
『関電”風で鉄板が傾く”』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2054832251.html?t=1471294145682
『ヘリから鉄板落下 強風でワイヤずれが原因』
http://www.ytv.co.jp/press/kansai/D13331.html
関西電力は、鉄板をつるすために巻きつけていたワイヤーが風で緩んだとみられるとして、今後は、鉄板の四隅に穴をあけてワイヤーを通す方法に改めると発表した。
関西電力と、ヘリコプターを運航していた「A社」が、15日、奈良市で行った会見によると、鉄板は、2本のワイヤーで鉄板を1周ずつ巻きつける「あだ巻き」という方法で水平に釣り下げられていたが、風を受けて鉄板が傾いたため、ワイヤーがずれて緩み、落下したとみられるという。
ヘリコプターを運航する「A社」は、当時、離陸時の風が、内部規定の上限である風速15mよりも弱いことを確認し、運搬に問題はないと判断したという。
再発防止策として、今後はワイヤーがずれないよう、板に穴をあけて通す方法に切り替えることを明らかにした。
関西電力などは、これまでに調査結果を国交省東京航空局に報告したという。
この事故を巡っては、国の運輸安全委員会も原因について調査を行っている。
(ブログ者コメント)
8月15日付で関西電力HPに、より詳細な内容の記事が図解付きで掲載されていた。ポイントのみ転載する。
『川原樋川線の鉄塔建替工事にかかるヘリコプターからの運搬物の落下に関する原因と対策について』
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0815_1j.html
2.推定原因
運搬中に風の影響を受け、鉄板のバランスが崩れ、あだ巻きしたワイヤに対して吊り荷の自重が掛からなくなったことでワイヤがずれ、落下した。
2016年3月1日20時41分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月1日22時16分に読売新聞から、3月2日7時0分に福井新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前10時8分ごろ、関西電力の発注を受けて福井県美浜町竹波の山中で、上空約100mを飛行していた関電の協力会社のA社(本社・東京)のヘリコプターが、鉄塔に設置する陶磁器製の碍子(がいし)54個入りの木箱(計約800kg)を落とした。
けが人はいなかった。
国交省は、事故につながる恐れのある「重大インシデント」と判断。
同省運輸安全委員会が、1日、航空事故調査官2人を現地へ派遣した。
関電によると、ヘリは美浜町内のヘリポートを離陸し、2.1km離れた送電線の鉄塔建て替え工事現場に向かっていたが、ヘリポートを出て数分後、約700m飛行したところで、運搬用のナイロン製ネット(約4m四方)ごと木箱を落とした。
ネットは、ワイヤロープ(直径14mm、長さ約8m)で吊り下げていて、ネットの四隅を絞る「玉掛け用ワイヤロープ」の片方が、ヘリ下部につり下げたフックから抜けていたという。
(別報道)
フックに通していたワイヤロープの輪っかのうち、一つが外れたのが原因とみられるという。
飛行前、A社の担当者がワイヤロープの両端をヘリの金属製フックに固定したが、飛び立って数分後に落下した。
鉄塔は、関電美浜原発から変電所に向かう送電線を支えるもの。
A社のヘリは、2010年12月にも、同県おおい町の山中と海に、2回にわたり、資材などを落下させている。
同社西日本航空支社の支社長は、取材に「事故を受け改良したフックを使用していたが、再び発生させ申し訳ない」と陳謝した。
また、関電発注の空輸を巡っては、昨年10月にも同県高浜町で、別の協力会社がヘリから空の木箱を関電施設内の庭に落下している。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160302/k00/00m/040/067000c
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160301-OYT1T50135.html
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/90525.html
3月2日19時28分にNHK福井からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調査官は、2日朝9時ごろから、A社の操縦士など関係者から聞き取り調査などを行った。
調査官は、ヘリコプターの機体から木箱をつり下げるフックに異常がないかや、どういう状態で木箱がつり下げられていたのかなど、当時の状況を確認していた。
T調査官は、「機体の状況を見る限りでは、荷物が外れないよう正常にロックが作動していて、特に問題はみられないが、今後、さらに聞き取りを行い、1年以内をメドに事故原因の報告書をまとめたい」と話していた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053331971.html?t=1456953032642
(2016年3月21日 修正1 ;追記)
2016年3月18日7時0分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2016年3月17日20時0分にNHK福井からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力とA社は、17日、資材を吊り下げていたフックのロックがかかっておらず、ワイヤーが抜け落ちたと推定されると発表した。
ヘリ機内でロック完了を示すライトが誤って点灯し、操縦士が気付かなかったという。
資材は、端が輪になったワイヤをフックに通し運搬する。
ヘリが上昇してフックに重さがかかることで自動的にロックがかかり、機内のライトも点灯する仕組み。
同社が同型フックで検証したところ、ワイヤがねじれてフックのキーパー(ワイヤが抜けないようにする装置)にかかった場合、キーパーが持ち上がってロックがかからないことがあった。
その際、機内のライトが誤って点灯する異常もあった。
操縦士は、ロックがかかっていないことに気付かず運搬を始め、ワイヤが抜け落ちたと考えられるという。
A社のヘリは2010年12月にも同県おおい町で資材などを落下させており、今回のフックはロック機能を追加する改良を加え、14年8月から使用。
これまで、ライトの異常の報告はなかったという。
関電は、再発防止策として、フックを手動でロックするタイプに変更。
運搬前にロックがかかっていることや、ワイヤのねじれがないことを目視で確認するよう、マニュアルを変更する。
他の協力会社にも周知した上で、来週にもヘリ輸送の作業を再開する。
原因と対策は、14日に国交省東京航空局に報告。
16日に福井県と美浜町、敦賀市に説明した。
出典URL
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/91669.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053779421.html?t=1458252221454
(2017年8月3日 修正2 ;追記)
2017年7月28日付で朝日新聞福井全県版(聞蔵)から、ワイヤのねじれが原因と推定した調査報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会は27日、資材を吊り上げるワイヤが飛行中にフックから外れ落下したと推定する調査報告書をまとめ、公表した。
報告書によると、ヘリコプターは資材2個を、それぞれワイヤでフックにひっかけて飛行していた。
うち1個は、ワイヤがねじれたままフックに取り付けられたため、持ち上げられる過程でワイヤがねじり戻され、フックに正しく掛からなかった可能性があるという。
通常は、荷物を持ち上げるとフックはロックされる仕組みだが、ワイヤがねじれていたため、フックへの荷重のかかり方が変わり、ロックされなかった可能性も考えられるという。
報告書では、作業実施要領にロックの位置を確認する手順が盛り込まれていなかったこと、作業員に時間的な余裕がなく、ねじれを直す作業が不十分だった可能性も指摘している。
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-inci/AI2017-3-1-JA9678.pdf
おととし10月3日午後0時15分ごろ、清川村宮ケ瀬のキャンプ場に、東京・江東区の「T航空」の資材運搬用ヘリコプターが墜落して炎上し、当時47歳の機長が死亡、整備士の26歳の男性が腰の骨を折るなど約3ケ月の大けがをした。
ヘリコプターは、資材を運ぶための長さ7mのワイヤーを垂らしたまま飛行していて、警察の捜査の結果、ワイヤーがテールローター(後部回転翼)に接触してプロペラが壊れ、機体が操縦不能になった疑いが強いという。
警察は、ワイヤーの動きを十分確認せずに速度を上げて飛行したことなどが事故につながったとして、16日、航空危険法違反と業務上過失傷害の疑いで、死亡した機長を容疑者死亡のまま書類送検した。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056668671.html?t=1368737309787
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1305160041/
(2011年1月14日 旧ブログ掲載記事)
一昨日アップした昨年12月の「関電ヘリ資材落下」記事を、以下のとおりに全面改訂しました。
(理由)2011年1月12日に毎日新聞福井版から、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていたため。
関西電力の送電鉄塔資材を運搬していたA社のヘリコプターが昨年12月、福井県の山林と海に計900kgの資材を落下させた事故で、両社は11日、ヘリのフックと荷物を吊るすワイヤーをつないだ作業手順に原因があったと発表した。
事故当時の状況から、飛行中にフックからワイヤーが外れたと判断。
再現実験から、以下の可能性があると推定した。
□ワイヤーの穴がフックの取り付け部を通過して外れやすくなる「またがかり」
□ワイヤーのねじれ
□フックのストッパー部に異物が挟まった
再発防止策
□フックとワイヤーの間に直径が小さいリングを挟んで「またがかり」を防ぐ
□荷物とワイヤーの間も、ロック式のフックでつなぐ
国交省航空局によると、リングの必要性は1990年代から指摘されていたという。
A社は、米国のフック製造元から2004年にリングを使用するよう推奨されていたが、「ワイヤーの掛け方に注意すればリングなしでも問題ない」と判断し、使用していなかったという。
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110112ddlk18040493000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。