本日掲載した第4報がプロバイダーの字数制限オーバーになりましたので、引き続き、新情報を第5報として掲載します。
2018年3月2日19時54分に産経新聞westから、台車枠を削ったやや詳しいいきさつなどが、下記趣旨でネット配信されていた。
「指導票」は作業現場に張り出されていたが、40人の作業員はこれを読ます、責任者も内容を理解していなかった。
一方、業界内の作業基準では、溶接部位に近い場所に限り、鋼材を最大で0.5mm削ることを認めていた。
だが、責任者は「0.5mmまでなら全体を削ることができる」と誤解。
さらに、作業員への指示で「削るのは0・5mmまで」と告げなかったため、底面が広範囲にわたり削られ、中には厚さが基準の7mmを大幅に下回る箇所もあった。
鋼材を削ったのは、「軸バネ座」という部品を接合する際、密着度を高めるためだったという。
出典
『川重の作業責任者、「思い込み」で鋼材削る指示 マニュアルで禁止も理解せず』
http://www.sankei.com/west/news/180302/wst1803020095-n1.html
3月1日付で神戸新聞から、川重は今回の不手際で経営に大きな影響が出るかもといった、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎重工業の鉄道車両事業は、1世紀以上前から業界の先陣を走ってきた。
近年は、新興国を中心に高速鉄道車両を積極的に売り込んで業績拡大を図ってきた同社の看板事業だけに、今回の台車亀裂問題が海外展開に影を落とす恐れも否定できない。
今後の経営への影響が懸念される。
川重の鉄道車両は、造船技術を核に、1907(明治40)年に南海鉄道(現南海電鉄)向けの木製電動車を製造したのが起源。
他社に先駆けて電気機関車を製造し、第2次世界大戦後はディーゼル機関車を開発して旧国鉄などに納入したほか、寝台車や貨車も数多く生産してきた。
国内同様に、海外展開も積極的に図ってきた。
1980年代に進出した北米では、米ニューヨーク市交通局向けの地下鉄で累計2000両以上の納入実績を誇る。
近年は、ワシントン首都圏交通局向けの地下鉄車両も受注している。
今年1月には、ニューヨークで新たに導入される地下鉄車両の受注を勝ち取った。
最大1612両で、受注総額は約37億ドル(約4000億円)に上り、同社の鉄道車両受注案件としては過去最大規模だ。
新興国での受注増が期待されるのが高速鉄道だ。
2012年に台湾で車両を初めて納入した。
16年には、計画を進めるインドのモディ首相が川重兵庫工場(神戸市兵庫区)を訪れ、安倍晋三首相が技術力をアピール。
日本の新幹線方式を採用することで日印政府は合意し、川重は17年に同国の重電最大手と技術協力を結び、車両受注を目指している。
16年度の鉄道車両の国内生産実績では2位のシェアを誇る。
売上高は同年度で約1372億円に上り、川重の連結売上高に占める割合は約9%に当たる。
出典
『川重、看板事業に痛手 海外の車両受注に影響懸念』
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201803/0011027736.shtml
3月2日5時0分に産経新聞からは、溶接部に傷がある台車は川重製が他社製にくらべ8倍以上多いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
こうした溶接部に傷がある台車は、JR西とJR東海の台車製造元の中で川重製に集中していることが、1日、分かった。
川重製では6.9%に上り、他社製(0.8%)の8倍以上だった。
溶接部の傷は亀裂の起点になったとされており、川重のずさんな製造管理体制が改めて浮かび上がった。
JR2社は、同型の台車について、目視できない内部の状態を確認する超音波の探傷検査を実施。
川重製の検査を終え、日立製作所など他社製の検査を継続している。
JR西によると、川重製全303台のうち、溶接部分に微細な傷があったのは22台で、7.2%に上った。
一方、他社製は、検査済みの165台中、2台(1.2%)だった。
JR東海では、川重製で傷があったのは全130台中、8台(6.1%)で、325台のうち2台(0.6%)だった他社製を大きく上回った。
JR2社の台車を合計すると、川重製では433台のうち30台(6.9%)に傷が確認されたが、他社製は現状で490台のうち4台(0.8%)にとどまっており、製造品質に大きな開きがあることが確認された。
同型の台車は、JR西に921台、JR東海に約3900台ある。
出典
『溶接部傷、川重製が突出 JR2社台車、他社製の8倍』
http://www.sankei.com/affairs/news/180302/afr1803020001-n1.html
3月10日付で毎日新聞からは、神奈川と愛知にある台車温度検知装置が事故当日の午前に温度上昇を検知していたという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
博多で折り返す前の下り運行の際、神奈川~愛知県の約200kmを走行する間に台車の温度が約10℃上昇し、他の台車より約15℃高い40℃近くに達していたことが分かった。
異臭や異音として表面化する約4時間半前には、台車で異常が進行していたことになる。
JR東海によると、昨年12月11日午前9時前後に、神奈川県小田原市と愛知県豊橋市に設置した赤外線センサー「台車温度検知装置」で、モーター回転を車輪に伝える「継ぎ手」の温度上昇を記録していた。
基準値内だったため警報は出ず、亀裂発覚後の調査で判明した。
数値は公表していない。
毎日新聞が入手した内部資料によると、小田原で同じ列車の他の台車より突出して高い約30℃を記録。
豊橋では、さらに差が開いて40℃近くに達した。
この後、博多までの約800kmにセンサーはなく、温度変化は把握できていない。
亀裂で台車枠がゆがみ、変形した継ぎ手が高速回転して熱が発生したと考えられている。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 走行中、10度上昇 神奈川-愛知の200キロで』
https://mainichi.jp/articles/20180310/dde/041/040/013000c
3月8日付で毎日新聞からは、JR東海は台車温度検知装置を増設するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は7日、異常を早期発見するため現在沿線2カ所にある赤外線センサー「台車温度検知装置」を2019年度中に増設すると発表した。
検知装置は15年、東海道新幹線の神奈川県小田原市の酒匂(さかわ)川と愛知県豊橋市の豊川の鉄橋に設置された。
増設は東海道新幹線が対象だが、場所や数は未定。
柘植社長は、山陽新幹線についても「JR西日本と連携し、取り付けていきたい」と言及した。
また、今年6月から新幹線の運行を管理する東京、大阪の両指令所に専門の車両技術者を常時配置し、走行中の車両の状態などを確認できる端末も新設する。
4月には、約1500人の乗務員に対し、異常発生時の臭いや音などを体感する訓練も始めるという。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 台車センサー増設 19年度 JR東海、早期発見へ』
https://mainichi.jp/articles/20180308/ddm/041/040/063000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。