2018年1月4日に掲載した第3報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正4として掲載します。
第3報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7916/
(2018年3月10日 修正4 ;追記)
2018年2月24日5時55分に神戸新聞から、新幹線台車の設計基準などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線の台車は、目視で確認できる傷ができてから破断するまでに約16万km走行できる設計になっている。
亀裂発覚の昨年12月11日から、この走行距離をさかのぼると10月上旬ごろで、この間、11月に電気配線などを点検する「交番検査」と、12月11日運行前の「仕業検査」があった。
発覚時に亀裂は破断まで残り約3cmだったことから、保守作業に詳しい鉄道関係者は、「検査時点で、傷は相当の大きさになっているはず。見逃すとは考えにくい」とする。
両検査から亀裂発覚までの走行距離は、それぞれ約2万7000kmと約2500kmで、いずれも設計基準の約16万kmに達していない。
鉄道関係者は、「当日の運行中にできた亀裂が急速に進行したのでは」とも指摘する。
出典
『のぞみ台車亀裂は強度不足 製造段階で溶接不備か』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0011013132.shtml
2月27日15時9分に神戸新聞から、亀裂断面の模様から亀裂は急速に進行したと考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台車は川崎重工業が2007年に製造。
同時期に製造されたのは計160台あり、うち10数台で同様の作業をしたとみられる。
亀裂の断面にできたスジ模様の間隔は、亀裂が進行するのにかかった時間を示すとされる。
徐々に圧力がかかって亀裂が進んだ場合は模様の間隔は狭く、数も多くなるが、今回のケースでは間隔が広く、数も少なかった。
さらに、亀裂の断面に酸化や汚れがないことからも、亀裂が新しく、急速に進行したと考えられるという。
国交省が定めた台車枠の検査マニュアルでは、台車枠の亀裂は「急激には進展しないことが明らか」としており、今回の台車も、目視できる傷があっても約16万kmの走行が可能なように設計されている。
また、同マニュアルは「亀裂を小さいうちに発見して処置できれば、脱線などの重大事故が防止できる」としている。
亀裂発覚の当日朝に行った点検で傷は確認されておらず、今回のケースが極めて異例であることがうかがえる。
出典
『のぞみ台車亀裂 強度不足、ほかにも数十台』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0011022703.shtml
2月28日22時43分に毎日新聞からは、台車枠に部材を溶接で取り付ける際に台車枠を削ってしまったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、過去記事ともどもタイトルも修正した)
メーカーの川崎重工業は28日、台車枠の製造過程で底部を不正に削り、鋼材の板厚が最も薄い箇所で基準の7mmを下回る4.7mmとなり、溶接不良もあったと発表した。
いずれも、亀裂の原因になったとみられる。
基準を下回る台車は、JR西日本と東海で他に計146台。
JR西は100台(1両に2台)あり、超音波検査の結果、強度に問題はないとし、運行を続けながら順次交換する。
JR東海の46台も安全性を確認しており、年内に交換する。
他のJR3社では該当がなかった。
川崎重工やJR西によると、2007年、兵庫工場(神戸市)でコの字形鋼材同士を合わせてロの字形の台車枠に溶接した際、コの字鋼材の曲げ方が不足し、底部が平面にならなかった。
「軸バネ座」と呼ばれる部品を溶接で取り付ける必要があり、本来の作業手順にない削る対応で平面にし、板厚が基準を大幅に下回った。
さらに溶接の際、底部2カ所の鋼材内部を傷付けるミスも加わった。
台車枠の鋼材は、製造の際、削る加工を原則禁じる決まりがあるが、同工場の班長が従業員約40人に徹底させなかった。
従業員は軸バネ座をしっかり取り付けようと削ってしまい、そのまま出荷したという。
台車枠は、運行を続けるうち、溶接不良で傷付いた2カ所を起点に金属疲労が進み亀裂が広がった。
起点は亀裂発覚の相当前に生じたとみられるが、その後は一気に広がったとみられる。
亀裂が生じた台車以外にも、基準以下の100台の台車で7mm未満に削り込まれていた箇所が見つかり、最も薄いもので4mmだった。
JR東海も46台のうち、6.5mm未満の箇所が確認された16台は優先して3月中に交換する。
出典
『のぞみ亀裂 川崎重工、台車146台交換へ JR西・東海』
https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00m/040/115000c
3月1日16時40分に毎日新聞からは、現場には製造時の注意事項などを記した「作業指導票」が張り出されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎重工業が台車枠の底部を不正に削った2007年当時、現場の兵庫工場(神戸市)に台車枠の削り込みを禁止する社内規定が文書で張り出されていたことが分かった。
しかし、現場では、溶接部の最小限の削りを許容した別の規定を誤って適用。
ずさんな製造工程や品質管理体制で、欠陥製品が出荷されていた。
問題となった台車枠は、設計上、鋼材の板厚8mm、加工後は7mmと決められている。
しかし、川重が鋼材と部品を溶接する過程で、最も薄い箇所は4.7mmまで削られ、強度不足で亀裂が早く進んだと考えられている。
川重によると、製造時の注意事項などを記した「作業指導票」は、台車枠の鋼材を削ってはいけないと規定していた。
指導票は作業現場の掲示板に張り出され、担当の作業員約40人全員が見られる状態だった。
一方、台車枠以外の鋼材も含めた一般的な「組立溶接作業基準」で、溶接部付近は0.5mmまで削ることが許容され、作業員を統括する班長が拡大解釈して削り込みを指示。
さらに作業員がこの制限を超えて削り、最も薄い箇所で4.7mmにまで加工したことも班長は把握していなかった。
当時の作業員は底部に部品を溶接しようと削り込んでおり、規定に反しているとの認識はなかったという。
同社は、「部品をきっちり付けることと、削ってはいけない規定のどちらが重要か、作業員は分からなかった」と説明している。
さらに班長は完成した台車枠の確認をしておらず、作業の指示規定を作った生産技術部門も完成品の確認をしなかった。
JR西日本は、定期的に車両を解体して行う「台車検査」や「全般検査」で、磁気を利用する検査法で傷やひび割れがないか調べている。
ただ、台車枠の検査箇所は荷重が特に集中する8カ所に絞られ、今回の亀裂部位は対象外だった。
出典
『のぞみ亀裂 現場に「削り禁止」張り紙 川重兵庫工場』
https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00e/040/298000c
『のぞみ台車トラブル 亀裂問題 川重、発覚まで10年 作業手順現場任せ』
https://mainichi.jp/articles/20180301/ddm/002/040/108000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。