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2018年6月27日17時42分にNHK神奈川からは、過去の見落とし事例の反省から慈恵医大病院が取り組んでいる再発防止策の内容に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
がんの疑いがあるというCT検査の画像診断の結果が医師の間で共有されず、見落とされるケースが各地の病院で明らかになっているが、東京・港区にある東京慈恵会医科大学附属病院では、以前明らかになったミスを受け、その対策に取り組んでいる。
この大学病院では、去年までの5年間に6人のがん患者の検査結果を主治医などが見落とし、このうち3人が死亡していたことを、去年、公表した。
ミスの原因として、検査した医師と主治医との連携不足だけでなく、主治医が交代する時の引き継ぎが十分でなかったこともあげている。
その上で、病院はミスを防ぐための対策を進めている。
その柱の1つは、情報を共有する複数のルートを作ることだ。
画像を診断した医師は、主治医だけでなく事務職員にも報告し、事務職員は主治医に検査の情報がきちんと届いているかを確認する。
また、CT検査の画像診断を受けた患者に対しても、原則、全員に検査結果を説明し、報告書を手渡すことにしている。
主治医が交代して、万が一、検査情報が伝わらなかった場合、患者側から指摘できるようにするためだ。
東京慈恵会医科大学附属病院の大城戸医局長は、「患者にも情報共有のパートナーになってもらい、医師が見落としていることを防ぐメリットがある」と話している。
さらなる対策として、医師の間で患者の検査結果がひと目でわかるシートも作成した。
このシートを看護師もチェックして、病院全体で見落としを防ごうとしている。
東京慈恵会医科大学附属病院の丸毛病院長は、「医師にすべてを頼るやり方では、重大なミスを減らすことは難しい。医師でなければできないこととそうでないことを切り分けて、医師をサポートする体制を充実させる必要がある」と話している。
がんの疑いがあるという検査結果が医師の間で共有されず、見落とされたことなどから、患者が適切な治療を受けられず死亡したケースが、千葉大学と横浜市立大学の附属病院で、今月、相次いで明らかになった。
見落とされていたのは、いずれもCT検査などの画像診断の結果だった。
このうち、千葉大学医学部附属病院では、平成25年以降、9人の患者の検査で、がんなどの疑いがあったにもかかわらず、医師の間で共有されず、主治医が結果を見落とすなどしていた。
これによって4人の患者の治療に影響が出て、このうち2人が去年、がんで死亡したという。
また、横浜市立大学の附属病院でも、「がんの疑いがある」という検査結果が医師の間で共有されなかったケースが相次いだ。
適切な治療を受けられなかった患者は去年6月までのおよそ1年間に、あわせて12人に上り、このうち2人が死亡した。
電子カルテに記載されていた検査結果の情報について、主治医が確認していなかったことが原因だという。
医療事故の分析などを行っている「日本医療機能評価機構」によると、画像診断についての報告書を主治医などが十分確認せず、病気を見逃して治療が遅れたケースは、平成24年から去年までに64件報告されている。
また、病院などから医療事故の報告を受けている「日本医療安全調査機構」によると、医師ががんの疑いがあると診断したのに、主治医との間の情報共有が不十分だったケースや、患者が痛みを訴えた部位と違う部位にがんの疑いがあった場合に、医師が詳しく確認せず見落としてしまうケースがあったという。
日本医療安全調査機構の木村常務理事は、「AIを含めたシステムなどで、人間のミスを補うための対策に取り組む必要がある。患者側も病院にすべてを任せるのではなく、自分が受けた検査の結果を改めて医師に尋ねるなどして、適切な医療を求めて欲しい」と話している。
出典
『がん画像診断の見落とし 対策は』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180627/1050002904.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。