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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20161212日付で読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

愛媛県今治市の産婦人科診療所で、昨年までの3年以内に妊産婦2人の死亡が相次ぎ、日本産婦人科医会が指導に乗り出した。

 

妊産婦に重い障害が残った例も含め、深刻な事態が続発しており、同医会は11日、役員らが現地を訪れて事情を聞き、改善策としてリスクの高い帝王切開は行わないなどの方針を確認した。

同医会が医療機関へ直接指導に踏み切るのは初めて。

 

同医会は、開業医を中心とする全国約1万2000人の産婦人科医が加入する専門職団体。

厚労省によると、日本の妊産婦死亡率は出産10万件に3.8人と、極めて低い。

 

同診療所での出産は年間約130件。50歳代の男性医師が一人で診療にあたっていた。

 

特定の診療所で短期間に死亡や重度障害が続発するのは「通常ない深刻な事態」(同医会)で、異例の対応に踏み切った。

 

同医会は、問題の可能性があるとの情報が寄せられた出産4件を調査。

カルテを調べたところ、2012年に産後に大出血した女性が死亡、3年後の15年には、帝王切開を受けた女性が死亡していた。

09年には、帝王切開後に脳梗塞を起こした女性が半身マヒの重い障害を負ったほか、16年には、帝王切開後の女性が出血性ショックで重症となったが、他の病院に搬送され、命を取り留めた。

女性4人は、いずれも当時30歳代。

 

この日、松山市で取材に応じた同医会は、過失の有無は不明としたが、出血や血圧の管理、急変時の対応など、診療に不十分な点があったとの見方を示した。

また、妊産婦が死亡した場合、詳細を報告するよう医療機関に求めているが、同診療所は、1件について簡単な報告をしただけだった。

 

指導を受け、同診療所では、今後、帝王切開は近隣の病院に任せ、正常分娩も、来年3月までとする方針。

 

同医会は、同4月にも、改善策が実行されているか実地調査を行う予定だ。

同医会の石渡・常務理事は、「もっと早く情報を把握し対応すべきだった。産科医療の信頼回復や地域医療の立て直しに真剣に取り組みたい」としている。

 

出典

愛媛の診療所、妊産婦の死亡・障害続発…産科医会が初の直接指導

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161212-OYTET50023/ 

 

 

1213110分に朝日新聞からは、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。

 

この診療所で子宮筋腫の手術を受けた女性が大量出血する事案が2件起きていたことが、13日、分かった。

診療所の男性医師(56)が明らかにした。

 

医師によると、2008年、通院していた60代(当時)の女性が、子宮筋腫の手術後に大量出血して死亡した。

遺族とは、示談が成立したという。

 

医師は、「輸血のストックがなかったため、輸血が間に合わなかった。全力を尽くし、過失はなかったと考えている」と話している。

 

05年には70代女性が大量出血して、県内の総合病院に搬送された。

医師は、「筋腫をはがす手術に時間がかかり、出血が多くなった」と話した。

 

 

出典

愛媛・今治の産婦人科、子宮筋腫手術でも女性死亡

http://www.asahi.com/articles/ASJDF36M1JDFPFIB005.html

 

 

1212日付で毎日新聞東京版夕刊からは、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。

 

愛媛県今治市の産婦人科で、出産直後の女性の死亡などの重大事故が相次いでいたことが明らかになった。

 

医療事故を繰り返す「リピーター医師」は、重大な医療事故が多発した1999年ごろから問題視されるようになった。

厚労省は、2007年度から行政処分を受けた医師の再教育を義務付けたが、事故の繰り返しは明るみには出にくく、是正制度は十分とはいえない。

 

医療事故に備えて、医師や医療機関の多くは保険に加入し、開業医には日本医師会が契約する医師賠償責任保険がある。

過去の機関誌によると、73~95年に患者側から100万円を超える損害賠償を2回以上請求された医師は511人に上る。

 

厚労省の審議会は、02年、刑事事件にならなくても明らかな注意義務違反があった医療ミスを医業停止などの行政処分対象とする方針を示したが、実際に処分したのはわずか2件。

ミスの繰り返しを理由としたのは、12年の戒告1件だけだ。

 

昨年10月から医療事故調査制度が始まり、従来は特定機能病院などに限られていた死亡事故の報告義務が、全ての死亡事故に拡大された。

しかし、事故の繰り返しをチェックしたり、外部が是正を求めたりする仕組みにはなっていない。

 

一方、日本産婦人科医会は、04年から会員に重大事故の報告義務を課し、調査や改善指導する独自制度を作った。

年間100~600件台の報告があるが、報告するかどうかは医師の判断任せで、同医会に業務停止などを命じる権限もない。

 

リピーター医師の排除は難しいのが現状だ。

 

出典

産科重大事故 リピーター医師、排除困難 チェック制度不十分

http://mainichi.jp/articles/20161212/dde/041/040/029000c

 

 

1215日付で毎日新聞東京版朝刊からは、指導を強化するという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本産婦人科医会は、14日、事故を繰り返す医師に対する直接指導を制度化する方針を示した。

 

従来は、都道府県の産婦人科医会が対応していた。

今後は、積極的に報告を求め、問題があった場合は医療安全の担当者を派遣。地元の医師会や大学病院などと連携して、助言や指導を行う。

 

石渡常務理事は、「技量が不足している医師には、母体救命処置などの研修を促していく」と話した。

 

出典

愛媛・今治の産婦人科事故 事故を繰り返す医師へ直接指導 日本産婦人科医会

http://mainichi.jp/articles/20161215/ddm/012/040/092000c 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

医療ミスは、原則、本ブログ掲載対象外だが、本事例は特異な事案だと感じたので紹介する。

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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