2016年12月13日9時23分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月15日19時18分にNHK首都圏NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
竜巻は予測が難しい。
「竜巻注意情報」が発表された区域で実際に突風が発生した割合は、数%にとどまる。
最新の科学的知見と高性能レーダーの活用で、この予測精度を改善する技術を気象庁が開発した。
15日から運用を始める。
竜巻注意情報は、積乱雲の発達状況などから、竜巻やダウンバーストといった激しい突風が発生しやすい段階で、気象庁が発表する。
2011~14年は、毎年600回前後で推移している。
ただ、精度は低い。
14年の場合、竜巻注意情報の発表回数のうち、その区域で突風が発生した回数(的中率)は、2%にすぎない。
また、突風が発生したときに、その区域に竜巻注意情報が出ていた回数(捕捉率)は、27%にとどまる。
11月8日に秋田市内で竜巻が発生して住宅など計13件の被害が出たときは、竜巻注意情報は出ていなかった。
竜巻注意情報は08年に始まった。
06年9月に宮崎県延岡市で3人が死亡し、143人が負傷する竜巻が発生。
11月には北海道佐呂間町の竜巻で9人が犠牲になったことがきっかけだ。
予測が難しいのは「現象が小さいから」(気象庁予報部)。
短時間に発生し、現象の範囲が狭く、250m四方のレーダーでは、原因の渦を正確にとらえることができないという。
気象庁では、これまでの調査研究から、渦の発生過程をモデル化。
温度や湿度などの膨大なデータを当てはめることで、発生する区域を絞り込めるようになった。
さらに、国交省の高性能レーダーの観測データを活用することで前兆現象を見つけやすくし、予測精度を向上させた。
12年4月~14年9月のデータを当てはめて検証したところ、約3%だった的中率は約14%に、約40%だった捕捉率は約70%に向上。
これまでより30分早く竜巻注意情報を発表できる場合もあるという。
主に都道府県単位だった注意情報の対象区域も、「県西部」「県北部」などと絞り込む。
たとえば関東地方では、これまでの2倍近い「17」の地域に細分化されて発表される。
出典
『竜巻の予測、精度アップへ 的中率が3%→14%に』
http://digital.asahi.com/articles/ASJCP5W0ZJCPUTIL034.html?rm=252
『竜巻注意情報細分化 関東では』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161215/5050741.html
(ブログ者コメント)
〇『250m四方のレーダーでは、原因の渦を正確にとらえることができないという』と報じられている件、表現が少し分かりにくいが、観測したデータの解像度が250mだということらしい。
『高解像度降水ナウキャストとは』
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/highres_nowcast.html
気象庁は全国20箇所に気象ドップラーレーダーを設置して、日本全国のレーダー雨量観測を行っています。
このドップラーレーダー観測網は、局地的な大雨の観測精度の向上を図るため、平成24~25年度にレーダー観測データの距離方向の解像度を従来の500mから250mに向上させるための機器更新を行いました。
〇12月16日、気象庁HPにアクセスしたところ、竜巻予測に関し、以下の解説があった。
記事中、12月15日から新システムで運用開始、といった記載はないが、「予測の適中率は7~14%」とか「捕捉率が50~70%」という表現があるので、報道された内容どおり、すでに運用が開始されているものと思われる。
『竜巻発生確度ナウキャストとは』
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado3-1.html
竜巻などの突風は、規模が小さく、レーダーなどの観測機器で直接実体を捉えることができません。
そこで、竜巻発生確度ナウキャストでは、気象ドップラーレーダーなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、これを発生確度という用語で表します。
竜巻発生確度ナウキャストは、竜巻の発生確度を10km格子単位で解析し、その1時間後(10~60分先)までの予測を行うもので、10分ごとに更新して提供します。
竜巻発生確度ナウキャストは、分布図形式の情報として防災機関等に提供するほか、気象庁ホームページでも提供します。
また、民間事業者による携帯コンテンツサービスも準備されており、屋外活動での利用も可能になります。
発生確度2となった地域で竜巻などの激しい突風が発生する可能性(予測の適中率)は7~14%です。
発生確度2は竜巻注意情報の発表に繋がることから、できるだけ絞り込んだ予測としていますので、 発生確度1に比べて予測の適中率が高い反面、見逃し(予測できない突風事例)が多くなります。
発生確度2の捕捉率が50~70%というのは、実際に発生する突風事例のうち、50~70%の事例を予測できるということであり、言い換えると見逃す事例が30~50%あるということです。
発生確度1は、発生確度2で見逃す事例を補うように設定しており、広がりや出現する回数が多くなります。
このため、発生確度1以上の地域では、見逃しが少ない反面、予測の適中率は1~7%と低くなります。
発生確度1以上の捕捉率は80%程度で、言い換えると見逃す突風事例は20%程度となり、発生確度2よりも少なくなります。
それぞれの特徴を踏まえた竜巻発生確度ナウキャストの利用については、「竜巻発生確度ナウキャストの見方」をご覧下さい。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。