2016年12月12日1時50分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月12日2時5分に毎日新聞から、12月12日6時3分に産経新聞から、12月12日12時46分に読売新聞から、12月13日付で朝日新聞北海道総合版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後5時20分ごろ、北海道函館市元町の「函館山ロープウェイ」の山麓駅で、従業員が機械に体を挟まれたと119番があった。
従業員は重傷を負い、搬送先の病院で12日未明に死亡した。
救助や点検のため、ロープウェイは運行を停止。
ゴンドラに閉じ込められた客はいなかったが、運行会社は11日の運行を取りやめ、函館山(334m)の山頂付近で観光客約1000人が、一時、足止めされた。
函館山は国内有数の夜景の名所で、ナポリ、香港と並んで「世界三大夜景」の一つに数えられる。
山麓と山頂を結ぶ車道は冬季閉鎖中で、観光客は、運行会社が手配し臨時に通行を許可されたタクシー約30台に分乗するなどし、11日午後10時ごろまでに全員が下山した。
警察や消防などによると、従業員の男性(26)が、ワイヤにたまった油を清掃中、駅に到着したゴンドラの滑車とゴンドラを止めるダンパーの間に両太ももを挟まれ、11日午後7時ごろ、救助された。
腰の骨を折る重傷で、病院に運ばれたが、12日午前0時10分ごろ、死亡した。
同社によると、同日午後4時過ぎ、乗客から「滑車から油が落ちて衣服についた」と指摘があったため、男性が、運行の合間に点検や清掃作業をしていたという。
通常は、暗くなってからの作業は行わないが、「客に迷惑がかかるかもしれない」と、急きょ、男性が1人で作業をしていたという。
事故当時、ロープウェイは5分間隔で運行。
乗降時に停止している時にしか、作業はできないという。
同社幹部は、「乗客が多く運行間隔の短い夜間に無理してやる作業ではなく、翌朝などにすべきだった」としている。
事故が発生した時間帯は夜景観光で利用者が多く、川崎市から来た女性(49)は、「詳しい説明もなく長時間待たされた。お年寄りや小さい子どももいて大変そうだった」と話した。
山頂駅で懐中電灯を借り、一家6人で登山道を約40分歩いて下山したという函館市の会社員(41)は、「山頂では、展望台の施設からあふれるくらい多くの客がいて、いつタクシーに乗れるか分からなかった。こんなことは初めて」とため息をついた。
下山した観光客の多くは山麓駅で運賃の払い戻しを求め、スタッフが対応に追われた。
運行会社は、「ご迷惑をかけ、おわび申し上げる。事故の状況を調べ、再発防止に努める」としている。
12日以降の運行は未定という。
札幌管区気象台によると、函館市内の午後6時の気温はマイナス5℃で、山頂付近はさらに寒かったとみられる。
出典
『函館山のロープウエーで事故、従業員死亡 観光客一時足止め』
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040012_R11C16A2000000/
『函館山 山頂展望台駅足止めは1000人 下山に4時間半』
http://mainichi.jp/articles/20161212/k00/00m/040/083000c
『従業員死亡、道警が安全管理を捜査』
http://www.sankei.com/affairs/news/161212/afr1612120002-n1.html
『函館山ロープウェイ、再開めど立たず…死亡事故』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161211-OYT1T50096.html
12月12日19時43分に共同通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ゴンドラ運転中の作業を運行会社が内規などで明確に規制していないことが、12日、分かった。
同僚も、男性の作業状況を詳しく把握しておらず、警察は、運行会社の安全管理について調べている。
警察などによると、駅構内のワイヤに固定された車輪止めから潤滑油が漏れ出すため、従業員が定期的に清掃作業をしている。
通常、ゴンドラが駅で停止中に行うことになっているが、11日は乗客から「油が服に付いた」と苦情があり、急きょ、男性が清掃を始めた。
出典
『運転中の作業に規制なし、函館 ロープウェイ事故』
http://this.kiji.is/180993621200617480?c=39546741839462401
(2017年6月22日 修正1 ;追記)
2017年6月21日14時54分にNHK北海道から、油を取り除く際は起動装置を停止し鍵をかけるなどの規則を守っていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
函館労基署は、必要な安全対策を怠ったとして、運行会社と会社の50代の安全管理者を労安法違反の疑いで書類送検した。
同署によると、ワイヤーの点検や清掃を行う際は、ゴンドラが動かないよう起動装置を停止させ鍵をかけるほか、作業中の表示板を取り付ける規則になっているが、ゴンドラは稼働したままで、対策はとられていなかった。
この事故では、警察も業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。
出典
『ロープウエー死亡事故で書類送検』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170621/4463641.html
(2017年9月24日 修正2 ;追記)
2017年9月22日20時8分に毎日新聞から、警察からも書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道警は22日、運営会社のT社長ら役員2人と、当時、安全管理責任者だった索道部長の計3人を、業務上過失致死容疑で書類送検した。
容疑は昨年12月11日夕、同駅で、従業員のNさん(当時26歳)にゴンドラをつるすワイヤ付近の清掃作業をさせる際、事前に具体的な安全管理の方法を定めていなかったほか、作業時もゴンドラを停止させないなど、事故を防ぐ措置を講じなかったとされる。
出典
『函館山・死亡事故 運営会社社長ら3人書類送検 北海道警』
https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/040/061000c
(2019年9月30日 修正3 ;追記)
2019年9月27日5時0分に北海道新聞から、社長などが不起訴になったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死容疑で書類送検された同社の竹村社長のほか当時の取締役と担当部長について、函館地検は26日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
地検は不起訴理由について「起訴するための証拠が足りなかった」と説明した。
また、函館労基署が労安法(機械の運転停止義務)違反容疑で、法人としての同社と担当部長を書類送検していたが、地検は同容疑についても同日付で嫌疑不十分で不起訴処分とした。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/348847/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。