2016年12月13日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後3時50分ごろ、藤枝市の花火製造会社「I社」の工場で、近くの住民から「爆発がしたようで建物が揺れた」などと119番通報があった。
警察や消防によると、工場敷地内の5m四方のテントで爆発があり、同社社長の男性(52)が全身やけどと左手を切断する重傷。
女性従業員(43)が顔や両手にやけどを負った。
2人とも意識はあるという。
ほかの建物への延焼はないという。
現場は、JR藤枝駅から北西約7km。住宅地からは500mほど離れている。
出典
『藤枝の花火工場で爆発』
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20161213/CK2016121302000087.html
12月12日18時56分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月13日12時23分に静岡新聞から、12月13日19時34分にNHK静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
救急隊が駆け付けた時、社長は爆発の衝撃で数mほど飛ばされ壁にもたれかかる格好で、従業員は地面に倒れた状態だったという。
工場敷地内の屋外に設置していた約5m四方のテントは爆発で損壊し、骨組みだけとなった。
周囲の車や作業所の窓ガラスが割れるなどの被害も出ているという。
警察などによると、当時、2人は屋外のテントの中で、花火の製造過程のうち、火薬玉の芯を小型ミキサーのような専用の機械で回転させながら外側に火薬を加えて少しずつ大きくしていく「星掛け」と呼ばれる作業をしていたとみられるという
県消防保安課によると、火薬類取締法では、この「星掛け」の作業は「星掛け工室」と呼ばれる、爆発や火災が起きても周囲に影響が及ばないよう壁や塀などが設置された専用の部屋の中で行うよう定められている。
このため警察は、業務上過失傷害などの疑いもあるとみて、当時の作業手順や作業方法などに問題がなかったか、さらに詳しく調べることにしている。
I社は、創業110年を超える花火製造販売の老舗企業。
社長は、駆けつけた救急隊員に対し、「失敗した」などと話したという。
出典
『花火製造販売会社で爆発、2人が重傷 静岡・藤枝』
http://www.asahi.com/articles/ASJDD62LGJDDUTPB01J.html
『作業中のミス原因か 藤枝・花火工場爆発』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/310270.html
『花火メーカー社長「失敗した」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035200991.html?t=1481659866610
(2016年12月21日 修正1 ;追記)
2016年12月20日付で熱海ネット新聞から、社長が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
全身やけどで入院していた同社社長(52)が、20日、死亡した。
同社は50数年にわたり、熱海海上花火大会をはじめ、市内の花火大会を手掛け、誘客に尽力してきた。
社長は同社の5代目。
出典
『花火工場、社長が死亡』
(ブログ者コメント)
花火大会というキーワードで調べてみたところ、同社は、ハウステンボスで開催された世界花火師競技会で世界一になったり、大曲の花火大会で最優秀賞になるなど、ハイレベルの技術を有する会社だった模様。
そういった、いわば業界の一流会社で、爆発原因は別にして、なぜ社長自ら専用室以外の場所で星掛け作業を行うという、初歩的とも思えるルール違反をおかしていたのだろうか?
(2017年7月15日 修正2 ;追記)
2017年7月12日19時6分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火薬類取締法に基づき、経産省の事故防止対策委員会の専門家と「I社」が合同で調査し、今月とりまとめた事故報告書によると、当時、新作の打ち上げ花火の開発に向け、社長が新たな配合の火薬を型に入れ、木槌で叩く「圧縮」の作業を行った瞬間に爆発が起きたという。
爆発のあとの燃えかすを調べたところ、火薬の原料に、衝撃によって発火しやすいチタンなどの金属が含まれていたことがわかり、報告書では、火薬が発火しやすくなっていたことが爆発の要因の一つと考えられるとしている。
そのうえで再発防止策として、今後は、新たな薬品を使う場合は事前に専門機関に相談するなどとしている。
出典
『花火爆発は発火しやすい金属か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035094391.html
(2017年7月21日 修正3 ;追記)
2017年7月21日7時33分に静岡新聞から、死亡した社長が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
藤枝署は20日、業務上過失傷害の疑いで、試作花火を作成中に事故で亡くなった当時の社長を、被疑者死亡のまま書類送致した。
同社がまとめ、7月上旬に県に提出した事故の最終報告書では、当時の社長が試作花火を作成した際にチタンのような発火しやすい金属を原料に使用していたことが影響したと推測される、と指摘。
発火しやすい金属を含んだ火薬に局所的にエネルギーを加えたことが発火、爆発につながったと結論付けていた。
出典
『死亡の社長を書類送検 藤枝の花火工場、2人死傷爆発』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/382714.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。