2016年12月14日13時28分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鏡などに反射した太陽の光が1点に集中して起きる「収れん火災」が、先月、和歌山市で起きていたことが分かり、消防が注意を呼びかけている。
「収れん火災」は、太陽の光が反射したり屈折したりして、1点に集中することで起きる。
先月末、和歌山市の住宅の2階に置かれていた座布団から火が出ているのを、この家に住む人が見つけ、すぐに消し止めた。
部屋には火の気がなかったため、市の消防局が詳しく調べたところ、カーテンの隙間から入った太陽の光が卓上にあった凹面鏡に反射し、60cmほど離れた場所の座布団の一部に集まって出火した可能性の高いことが分かったという。
消防が、鏡と座布団を使って再現実験を行ったところ、開始後、僅か10秒で煙が出始めて、5分後には激しく立ちのぼり、消防では、近くに紙などの燃えやすいものがあった場合は大きな火災につながったおそれもあるとみている。
収れん火災は、水の入った透明な花瓶やペットボトルなどでも引き起こされるということで、消防では、冬の時期には太陽の位置が低く、部屋の奥まで光が差し込みやすいとして、注意を呼びかけている。
和歌山市消防局の糸川消防司令補は、「鏡などは日の当たらない場所に置き、外出時はカーテンをしっかり閉めることで火災を防いでほしい」と話している。
出典
『太陽光の「収れん火災」に注意』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2045184161.html?t=1481749992756
(ブログ者コメント)
〇収斂火災に関する情報は、本ブログにも何件か掲載しており、最近も12月12日に甲府市の事例を掲載したばかりだ。
〇今回の事例については、和歌山市のHPに詳しい状況が、実験写真付きで以下のように掲載されている。
『鏡で火災!?』
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/syoubou/bousai_yobou/1007724/1013872.html
平成28年11月、和歌山市内の民家において、火の気のないところから、座布団が焼損するという事案が発生しました。
幸いにも、在宅していた家人が早期に発見し、初期消火を行ったことから、大きな火災にはならず、負傷者も発生しておりません。
どうして火災になったの?
焼損した座布団の近くには、卓上鏡が置いてあり、よく調べてみるとカーテンの隙間から入ってきた太陽光をこの鏡が反射させ座布団に照射したことで、火災が発生したと分かりました。
また、この鏡は、顔などを拡大して映す『凹面鏡』でした。
凹面鏡は、拡大して映す性質のほかに、太陽光を収束して反射させる性質があります。
太陽光を収束して、集中的に座布団に照射したことにより発火温度に達したものと考えられます。
このような火災を『収れん火災』といいます。
火災当時の状況を再現して、実験してみました。
なお、鏡と座布団にあっては、火災現場にあったものを所有者の方からお借りしてきました。
夏場は日差しが強く、このような火災事案が多いのかと思いがちですが、冬場あるいは夕方は、太陽の位置が低く、光が部屋の奥まで差し込みやすいため、特に注意が必要です
鏡以外でも火災になります!
室内で「収れん火災」の原因となるものは次のとおりです。
ステンレスのボール
花瓶
金魚鉢
水晶玉
ペットボトル
吸盤など
いずれも身近なものばかりです。
予防対策
・レンズ及び凹面鏡の役割を果たす可能性のある物体は、直射日光の当たらない場所に置くこと。
・外出時は、カーテンをちゃんと閉めて室内に直射日光を入れないことなどが有効である。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。