2016年12月15日10時37分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年8月、沖縄県粟国村の粟国空港で、第一航空の小型機、DHC6型機が着陸した際、滑走路を右に大きくそれてフェンスにぶつかり、乗客11人が軽いけがをした事故について、国の運輸安全委員会は、15日、報告書をまとめた。
それによると、当時は副操縦士が、機長に昇格する訓練のため操縦を任されていたが、離陸後の前輪を固定する操作が不十分で、飛行中に前輪の向きが右側に偏ったと見られている。
副操縦士は、これに気付かないまま着陸したうえ、着陸の直後に航空機が右にそれ始めた際にブレーキを踏むなどの対応が遅れたことが原因になったと見られると結論づけている。
報告書では、副操縦士の小型機の運航に対する知識不足を挙げるとともに、指導する立場にあった機長がすぐに操縦を代わるなどの対応をとらなかったことも、事故に影響した可能性があると指摘している。
このため運輸安全委員会は、第一航空に対して、定められた訓練が適切に実施できるよう、訓練体制の改善を勧告した。
出典
『沖縄 粟国空港の事故 前輪の向きに気付かず着陸が原因』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010807551000.html
12月15日13時11分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は、着陸の際、前輪が右に向いた状態だったのを副操縦士が確認せず着陸の操作をしたことが事故原因とした。
この副操縦士は、座学を修了していない状態で会社に資格を与えられ、知識不足のまま操縦していた。
当時、この機体は路線に就航したばかりで、運輸安全委員会は、第一航空が、訓練よりも予定通り就航させることを優先したとして、訓練体制の改善を勧告した。
出典
『粟国空港着陸事故「副操縦士の知識不足」』
http://www.news24.jp/articles/2016/12/15/07349151.html
12月15日15時56分に読売新聞も、同趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書は、前輪が正面を向いているかどうかを副操縦士が着陸前に確認せず、機長も必要な指摘をしなかったため、前輪が右を向いたまま着陸したと分析。
副操縦士は知識不足で適切な減速操作などができず、機長の対応も不十分だったことから、衝突した可能性があるとした。
副操縦士は地上訓練の時間が足りず、機長の教官としての訓練も適切に行われていなかったことも、事故の一因になったと指摘した。
出典
『粟国空港事故、原因は前輪曲がったままでの着陸』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161215-OYT1T50109.html
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2135
(2018年5月31日 修正1 ;追記)
2018年5月30日19時22分にNHK沖縄から、機長らが書類送検されたが不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、当時、訓練のために操縦していた65歳の副操縦士と、その指導にあたっていた60歳の機長について、ことし2月、業務上過失傷害と航空危険行為処罰法違反の疑いで書類送検した。
2人について那覇地方検察庁は、「起訴できる十分な証拠が足りなかった」として、30日までに不起訴にした。
事故のあと、第一航空は那覇と粟国を結ぶ便の運休と再開を繰り返したが、国と県それに村の補助金が打ち切られ、先月から再び運休している。
第一航空は来月末に沖縄から撤退する方針で、那覇と粟国を結ぶ路線が再開するめどはたっていない。
出典
『粟国空港での事故 操縦士不起訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20180530/5090002935.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。