2016年12月15日19時57分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
管楽器の内部には、台所の排水口を上回る密度のカビが生息――。
そんな実態を、大阪市立自然史博物館の浜田信夫・外来研究員が調べた。
学校でも、近年、人気が高い吹奏楽。
浜田さんは、「中高生のほうが、年長者より、掃除を怠る傾向が強かった。手入れの習慣を身につける必要があります」と呼びかけている。
人間の生活環境にいるカビの研究を続ける浜田さんは、9~10月、関西の中学、高校、大学の吹奏楽部や社会人が使う管楽器、計165台を調べた。
楽器内に水分がたまりやすい3カ所を綿棒で拭き取ってもらい、付いたカビを培養。
楽器の使用年数や頻度、掃除の仕方も聞き取った結果、金管楽器100台のうち88台、木管楽器65台のうち35台から、カビが検出された。
金管楽器のうち、
▽ユーフォニウム(10台)は、調査部位1cm2あたり、平均で7487個
▽テューバ(13台)は4037個
▽トランペット(28台)は819個
▽ホルン(21台)は791個
▽トロンボーン(28台)は341個。
平均は977個で、最多はテューバの18万個。
1000個を超えた56台のうち、33台が1000~9999個だった。
木管楽器は、
▽サクソフォン(16台)が73個
▽クラリネット(32台)は29個
▽フルート(13台)は13個。
平均で、金管楽器の28分の1だった。
また、金管楽器の調査対象者のうち、「普段あまり掃除をしない」とした人が5割に達し、カビの数も多かった。
掃除が月1回以下の楽器と週1回以上掃除される楽器とでは、カビの数は10倍以上の差があった。
浜田さんの過去の調査では、台所のシンクの排水口付近が244個、浴室壁面の目地が688個、浴室の排水口で3190個。
楽器内は住宅の水回りに匹敵する数値だった一方、多くが金属製のためか、室内によくあるカビとは種類が異なっていたという。
今夏、英国のバグパイプ奏者が楽器からカビ胞子を大量に吸い込み、アレルギー性疾患で死亡したとみられる事例が報告された。
浜田さんは、「死亡例はこの1件で、実際には健康へのリスクは高くないと思う。だが、衛生的に問題なのは明らかで、注意は必要です」と話す。
研究成果は、16日、茨城県つくば市である室内環境学会で発表される。
出典
『管楽器にカビ生息、台所の排水口以上 最多はテューバ』
http://www.asahi.com/articles/ASJDD7TD9JDDPLZU007.html
(ブログ者コメント)
言われてみれば、さもありなん。
しかし言われるまで、奏者は、そんなことを考えてもみなかったのではないだろうか?
安全の分野でも、まだまだ、そんなことがあるのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。