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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202310301932分にYAHOOニュース(新潟総合テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

今年9月、新潟県上越市の小学校でアレルギー物質を含む給食を食べた児童が救急搬送された問題で、市が市議会で経緯を説明しました。

10月30日、上越市議会で市が謝罪したのは、給食のアレルギー事故です。

9月、上越市内の小学校で食物アレルギーのある児童に、アレルギー物質を含む給食が提供され、児童が救急搬送されました。

原因は思い込みと確認不足でした。

まず、栄養教職員が献立の作成時に「冷凍クリームコーン」に「乳・乳製品」が使用されていないと思い込み、配合成分表を取り寄せず、未確認のまま発注。

その後、調理員も原材料の脱脂濃縮乳の記載を見落としたほか、配合成分表を受け取っていないにもかかわらず、リストに確認済みのチェックを入れたといいます。

給食を口にした児童は腹痛を訴えましたが、担任はすぐにはアナフィラキシー症状だと気づけず…。

上越市 市川・教育部長;
「当該校は、全ての児童の給食に乳・乳製品を使用しない主菜・副菜を提供していたため…」

思い込みと確認不足が重なった結果、発症後、しばらく経ってエピペンを投与。

救急搬送も遅れ、命を失う危険もありました。

児童は今も十分に給食が食べられないなど、学校生活に支障をきたしているということです。

上越市は11月にも緊急時の対応研修会を開き、再発防止に取り組むとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c1e9feb7b86eea694121efa9de4ddeba171c2482

 

ちょっと前、1014日付で上越ジャーナルからは、事故時の詳細な時系列ならびにアレルギー専門医による研修会が1ケ月前に行われたばかりだった、配合成分表は今回に限らず取寄せていなかった、同市では数年前にも同様な事故を起していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

複数の関係者への取材をもとに経過を時系列でまとめると、次のようになる。

午後015分頃 児童が給食を食べ始めた。
乳の成分が入ったスープに違和感を覚え、途中で飲むのをやめた。

午後025分  給食を3分の1ほど食べたところで、腹痛を担任に伝えて一人でトイレに行った。

午後030分  担任がトイレをのぞいたが、声をかけかなかった。

午後035分  児童が戻って来ないことから、別の教員がトイレに行った。
教員はドア越しに「給食を片付けていいか」という主旨の質問をしたが、ドアを開けて児童の姿を確認することなく、教室に戻った。

児童は、一人で自力で教室に戻った。
すでに顔が真っ赤で足もふらつく状態だった。

学校側が異変に気づいて対応を始めたのは、この時点だった。

教員たちはアナフィラキシー症状を抑える「エピペン」を用意したものの、ただちに注射しなかった。
担任らが児童に「打ちますか」「救急車呼びますか」「気持ちは」「今、どんな感じ」「どこに打ちますか」などの質問を繰り返した。

午後043分 担任と養護教諭がエピペン注射。

午後048分 学校が救急車を要請。

午後18分  救急車が到着。
その後、児童は市内の病院に搬送され入院した。

・・・

今回の上越市のケースでは、発症後エピペンを注射するまで18分かかっている。

緊急性の高いアレルギー症状がある場合の基本的な対応を定めた上越市のマニュアルでは、「5分以内に判断する」「子供から目を離さない。一人にしない」とされ、今回のように我慢できない強い腹痛があるときには「ただちにエピペンを使用する」などとされているが、いずれも実行されていない。

「まったく逆なことをしていて、死なせようとしていたとしか思えない」──。

こう憤るのは、小児アレルギー専門医で児童の主治医でもある「小児科すこやかアレルギークリニック」院長の田中泰樹医師だ。

田中医師は、アレルギーについて各地の自治体で研修や講演なども行っている。

今回のケースでは、少なくとも次の点の対応が問題だったという。

・給食時なので誤配膳、誤食を疑うべきなのに見過ごしていた。

・症状を訴えている児童を一人でトイレに行かせた。

・トイレに行った教員はドアを開けて確認しなかった。

・エピペン注射をただちに行わなかった。

いずれもマニュアルに反している。

田中医師は、事故の1か月余り前に、この学校にアレルギー対応研修の講師として招かれている。

研修は、今回被害にあった児童への対応を含め、開催されたものだった。

当日は、アレルギー事故が起きた際の緊急対応を中心に養護教諭や教職員らに詳しく説明したというが、今回の事故対応では研修の内容は生かされなかった。

・・・

児童が原因物質を食べた後の緊急対応もずさんだったが、原因物質が給食に出された経緯もずさんだった。

マニュアルでは、加工品について栄養教職員が配合成分表を納入業者から取り寄せることになっていたが、今回のクリームコーンに限らず、取り寄せを怠っていた。

同市では20188月に給食誤配食によるアレルギー事故があり、対応マニュアルを見直したが、その後もマニュアルに沿った対応がなされず、同じ生徒に対し20225月に誤配食事故を起こしている。

昨年5月の事故の際は、保護者が氏名などを除いて詳しく公表するよう求めていたにもかかわらず、市教育委員会は当初、詳細に公表しなかった。

アレルギー専門医の田中医師は今回のケースについて、「児童が途中で気づいて食べるのをやめたことが大きい。全部食べていたら死亡事故になっていた可能性が高い」と話す。

「誤配膳・誤食などのミスは起きるということを前提としても、すぐに察知して正しく対応すれば命は助かる。上越市の体質がこのままだとしたら、次にいつ死亡事故が起きてもおかしくない」と、早急な改善を訴えている。

https://www.joetsutj.com/2023/10/14/060000  

 

10311928分にYAHOOニュース(テレビ新潟)からは、乳製品アレルギーが重症な人は牛乳換算で0.01ccも摂れないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

アレルギーを専門とする田中泰樹・医師;
「重症の人は、誤食するとアナフィラキシーは起きてしまう。
牛乳で換算すると、0.01ccもとれない。
市の栄養士長さんが確認してみると、途中で食べるのをやめたと考えても、だいだい牛乳でいうと20~30ミリリットルとらせた。
私が認識している(症状を)起こす量の2000倍とってしまった。
専門家から言わせると、死ななくてよかった」

・・・

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c8bd794e856b5ed6b49749349a83873a6ccaf05 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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