2018年7月23日5時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
保育園や幼稚園のプールで子どもが溺れる事故を防ぐために、「ながら監視」は絶対にやめてほしい・・・。
プール監視の専門家が、保育士らに呼びかけている。
「溺れる時はバシャバシャと音をたてるイメージを持っていませんか?」
6月末、横浜市内で開かれたセミナーで、河波弘晃さん(42)が約20人の保育士らに呼びかけた。
河波さんは、18歳からプールで監視役を務めるベテランのライフガード。
溺れた人が水中で必死にもがいても、静かに泳いでいるように見えることが多いので、注意が必要と説明した。
河波さんが強調したのは、担当者は監視に専念すること。
道具の片付けを同時にするといった「ながら監視」は、事故に気づけなくなるため、「絶対に避けてほしい」。
園児数に対して監視が何人必要かは「一概には言えない」としつつ、「重要なのは、水面、水中、水底の全てで死角をなくすようにすること。複数人が理想です」。
子ども同士が重なったり、太陽の光が反射したりして、死角ができることもある。
「監視には、相当な集中力が求められる。30分を限度に交代したほうがいい」と指摘する。
視覚の他には、音に気をつけることが重要。
「特に、音が聞こえなくなった時に敏感になって」。
バシャバシャという音がしなくなった時は何か起きている可能性があると考え、子どもに声をかけて、異変が起こっていないか確認することが大切という。
事故が起きた時は、すぐに119番通報。
自動体外式除細動器(AED)やポケットマスクをプールサイドに準備し、事前に使い方の講習を受けておく必要がある。
AEDは、自動的に必要かどうかを判断した上で、心臓に電気ショックを与える装置。
ポケットマスクは人工呼吸をするための道具で、口と口を直接つけることがないため、感染を防いだり、精神的負担を減らしたりする。
河波さんは、「安全確保はお金がかかるもの。『予算がないから』は通用しない」と話す。
【水を入れない状態で監視位置を確認】
2011年に神奈川県大和市の幼稚園で3歳の男児が水死し、その後も事故がなくならないため、消費者庁の消費者安全調査委員会は、今年4月、指導役とは別に監視役を置き、プールの外に監視役を置けない時はプール活動を中止するよう、呼びかけた。
各園も工夫している。
まいた保育園(横浜市)は、プールシーズン前の数日間、ボールプールなど水を入れない状態で遊ばせて、職員の監視位置を確認している。
町田園長は、「子どもの背後が死角になることもある。課題を事前に把握できる」と話す。
習熟度別に3つのグループに分けているのは、志木どろんこ保育園(埼玉県志木市)。
園児の希望も聞き、水が顔にかかるのが苦手な子は「カメ」、潜れる子は「イルカ」といったグループを作る。
保育士の羽澤さんは、「活発な子と落ち着いている子が混ざらず、グループ内で遊び方が似るので監視しやすい」という利点を挙げる。
映像を検証することで監視方法の改善につなげている保育園もある。
五反田保育園(神奈川県藤沢市)は、昨年、プールがある屋上にカメラを設置。
防犯だけが目的でなく、プールに入る園児や監視役の姿を録画している。
重大な事故を防ぐために、ヒヤリとしたことがある場合は映像を確認し、監視の方法を考える材料にしている。
【プール活動を監視する時のポイント】
・目立つ色のビブス(ゼッケン)を着て、子どもに「監視の先生には話しかけない、一緒に遊べない」と伝える
・規則的に目線を動かし、全体を見る
・水深が浅い場所にも注意する
(消費者安全調査委員会のチェックリストから一部抜粋)
出典
『「ながら監視」絶対ダメ 園児のプール事故、音にも注意』
https://www.asahi.com/articles/ASL7M54C6L7MUTFL00N.html
(ブログ者コメント)
保育園でプール遊び中、監視員が目を離したスキに園児が死亡した事故が、昨年、さいたま市で起きている。(本ブログでも紹介スミ)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。