2018年7月23日20時35分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後2時すぎ、高知市の潮江小学校のプールで、この小学校に通う3年生の女児(8)が、深さ1m20cmほどの水中に沈んでいるのを同級生が見つけた。
女児は救助された当時、意識のない状態で、病院に搬送されて治療を受けている。
学校や警察によると、小学校は夏休みに入っていて、23日がプール開放の初日で、当時は児童およそ30人が泳いでいた。
警察によると、プールサイドに教員はおらず、保護者や学生のアルバイト合わせて10人ほどが監視にあたっていたが、児童が溺れている様子は確認できなかったと話しているという。
潮江小学校の田内校長は、「今はとにかく、児童が回復することを祈っている。監視員もつけて安全管理に気をつけていたが、このような事態になってしまい残念だ。再発防止に向けた見直しを進めていきたい」と話している。
出典
『小学校のプールで女児が意識不明』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20180723/8010002675.html
7月25日8時36分に高知新聞からは、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
【安全対策にばらつき】
高知市の潮江小学校のプールで3年の女子児童(8)が意識不明の重体になった23日の事故を受け、監視員を務める保護者らに動揺が広がっている。
監視のルールや安全対策が明確に定められていない学校が多く、「事故があった時に責任が取れない」と不安がる声も。
この夏休み中のプール開放を取りやめる学校も出ている。
高知新聞の調べでは、プール開放を主催する責任者は、市町村によって自治体だったり学校だったりと、まちまち。
高知市の場合はPTAが主催している。
複数の市町村教育委員会や学校によると、監視員は保護者やアルバイトの学生らが務めるのが一般的。
泳力テストや救命講習の受講を課す所もあるが、事前準備などはなく、監視方法を「よく見ること」などにとどめる所が多いようだ。
監視態勢について、「プールの底まで見通せるので不安はない」、「子どもの動きは把握できる」などの声がある一方、監視員経験がある高知市内の女性(42)は、「いざというときに誰が対応するのか分からなかった」と、不安を口にする。
他にも、「監視エリアが決まっているわけではなく、監視員の人数は多くても自信はない」といった声もある。
動揺が広がる中、潮江小に近い潮江東小は、今年の夏休みのプール開放を取りやめた。
安全対策を改めて見直したいという判断からで、PTA会長の近藤さん(男性、48歳)は、「素人では、(子どもが)潜っているのか沈んでいるかの判断は難しい。しっかり監視できる態勢をつくりたい」。
横浜新町小は、熱中症対策も考慮し、この夏休みのプール開放を取りやめた。
他に、少なくとも高知市内だけで5校が、熱中症対策などでプール開放を見合わせる措置を取った。
事故は23日午後、大小2つのプールをPTAや大学生ら計10人が監視する中で発生。
3年の女児が25mプールの水深約1.2mの場所で見つかり、PTAの男性が心肺蘇生を行った後、病院に搬送された。
女児は意識不明の状態が続いているという。
【専門家「監視限界」 見張り技術向上を】
子どもの傷害予防の啓発活動に取り組むNPO法人「セーフキッズジャパン」(東京)の山中龍宏理事長=小児科医=は、プール事故について、「監視には限界がある。太陽が水面に反射すると底が見えなくなり、係員がいても、監視が機能しない場合がある」と指摘する。
監視にはテクニックがあるとも話し、子どもに赤や黄色の帽子をかぶってもらい、色別に見張る方法があると説明。
光の具合で監視する位置を変えることも重要という。
「今回は、約10人が見張っていても事故が起きた。原因を詳しく調べ、再発防止へフィードバックすることが必要だ」と語った。
出典
『プール監視基準あいまい...保護者ら困惑 高知市潮江小事故受け』
https://www.kochinews.co.jp/article/201868/
(ブログ者コメント)
1年前にも四日市市の小学校で、プール開放中に小3男児が溺れる事故があった。
その時は7人で監視。
当該記事中、監視業務の問題点や注意点などが解説されているので、改めて紹介する。
2017年8月24日掲載
『2017年8月16日報道 四日市市の学校プール溺れ事故にみる学校プールの開放問題、過去にも学校プールでの事故はあり、監視費用や責任問題などあって開放プールの数は減少している』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7497/
(2019年4月20日 修正1 ;追記)
2019年4月19日21時1分にNHK高知から、各校の安全基準にばらつきがあるため、統一したガイドラインの作成が今年のプール開きには間に合わないという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
一時、意識不明となった女子児童は現在は回復しているが、事故を受けて、高知市教育委員会は監視員の人数や監視の方法、それにその日の気温や水温次第でプール開放を中断するルールづくりなど、安全なプール開放に向けたガイドラインを今年度中にとりまとめることにしている。
高知市では通常、プール開放をするかどうかは、学校とPTAとが話し合って決めているが、高知市の校長会の関係者によると、各学校でプール開放の安全性を確保する基準にばらつきがあり、ガイドラインの策定を待ってから開放すべきだという意見が相次いだという。
このため、高知市の39の公立小学校と小学生課程がある2校の義務教育学校は、この夏、プール開放を見合わせることを決めた。
出典
『高知市の小学校プール開放中止へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20190419/8010004872.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。