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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201812182132分にTBS NEWSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

18日午後3時半ごろ、東海第2原発の敷地内にある屋内開閉所と呼ばれる建物の外で、43歳の男性作業員が倒れているのを同僚が見つけた。

男性は病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。

 

日本原子力発電によると、男性は協力会社の作業員で、同僚と2人で電気機器の点検作業をしていたという。

 

安全に作業を行うために、仮設のアース線を設けて作業をしていたが、事故が起きた時には、アース線のコネクト部分が外れていたという。

 

警察や日本原子力発電は、感電した可能性が高いとみて、原因を詳しく調べている。

 

東海第2原発は首都圏唯一の原子力発電所で、先月、原子力規制委員会から20年の運転延長が認められ、再稼働を目指している。

 

出典

東海第二原発で作業員死亡、感電死か

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3552671.html 

 

 

12182039分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

作業は17日から行われており、送電は停止されていたという。

 

出典

東海第2原発で作業員死亡 放射線管理区域外で感電か

https://www.sankei.com/affairs/news/181218/afr1812180037-n1.html

 

 

12182135分に時事ドットコムからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

男性は開閉所の壁付近に倒れていた。

 

出典

東海第2原発で作業員死亡=感電か、定期点検中

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121805675&g=soc 

 

1219日付で毎日新聞茨城版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

原電や警察によると、男性は同日朝から作業員2人で、原子炉建屋の外にある別の施設で絶縁抵抗測定と呼ばれる電気系の点検作業をしていた。

 

出典

東海第2原発 電気設備点検の男性作業員死亡

http://mainichi.jp/articles/20181219/ddl/k08/040/082000c 

 

 

 

(2018年12月28日 修正1 ;追記)

 

20181227183分にNHK茨城から、誘導電圧現象が原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本原電は、「アースの役割を果たす線を外したため、感電したとみられる」と、事故の原因を明らかにした。

 

日本原電によると、作業は電線の通電を止めた上で行われていたが、男性が倒れていた場所から10mほどのところにある別の電線には高圧電流が流れていたため、離れた電線にも電流が流れる「誘導電圧」と呼ばれる現象が起きたとみられるという。


現場では、こうした事態に備えて、アースの役割を果たす「接地線」と呼ばれる電線を引いていたが、何らかの理由でこれを取り外したため、感電した可能性が高いという。


東海第2原発の保志副所長は、「事故を重く受け止め、二度と同じような事故を起こさないという決意のもと、対策を講じていく」と述べ、今後、接地線を簡単に取り外しができないものに変更したり、安全教育を徹底したりすることにしている。

 

出典

原発作業員“アース”外し死亡か

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20181227/1070005038.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、日本原電HPに掲載されている資料の抜粋。

 

添付写真や図によると、作業員の上方、約10mの位置に屋内開閉所のコンクリート壁を貫通した高圧電線が通っている。

 

■原因調査結果

 

作業にあたっては、予め東海原子力線2号を停電させるとともに、隣接している東海原子力線1号(受電中) からの誘導電圧※3を考慮し、屋内開閉所内に本接地を行い、地面に電気が流れるようにしていた。

 

当日は、屋内開閉所内の機器を点検する際に干渉する本接地を外すため、作業場所から離れた屋外に代替接地を行い、屋内開閉所内で点検作業を続けていた。

 

他の作業員への聞き取り調査の結果から、被災者は、屋内開閉所での点検作業中に何らかの理由で屋外の代替接地箇所に移動し、当該接地を外したことで誘導電圧が加わり感電したものと推定される。

 

また、被災者は、点検作業前の確認※4において、他の作業員に対し「屋外の代替接地には触れないこと、外さないこと」等を周知していることから、接地についての知識や理解が十分あったものと推定される。

 

このため、被災者が代替接地を外した理由を究明することができなかった。

 

 

■再発防止対策

 

代替接地は不具合があった場合、重大事故につながるおそれがあることから、人命を必ず守るという強い決意の下、個人のいかなる振る舞いがあった場合でも、接地線を外すことを防止する対策を検討した。

 

1.ハード面の対策

 代替接地を伴う作業中は、簡単に当該接地を外せない対策を
 講じる。

(1)代替接地(接地極側)を先に外すことができない構造を持つ器具の採用

(2)代替接地が不用意に外れないカバーの設置

 

2.ソフト面の対策

特別高圧の作業に従事する者に対して、代替接地の重要性を
 繰り返し認知させる対策を講じる。

(1)社内規程への反映

代替接地を実施する場合は、代替接地を外してはいけないという注意表記を行うことや、すべての代替接地接続箇所に「操作禁止」表示を行う旨、社内規程に明記する。

(2)作業請負会社への要求事項の明確化と当社による確認

①作業請負会社への要求事項として、作業前の確認において、代替接地を外さないこと、誘導電圧に関する安全配慮を情報共有する旨明記するとともに、当社はこれらの要求事項が確実に実行されていることを日報等により確認するとともに、適宜立会い、当社からも注意事項を伝える。

②作業請負会社への要求事項として、許可なく代替接地に接近させないため、専従の監視人を配置する旨明記するとともに、当社が適宜現場を確認する。

③作業請負会社への要求事項として、特別高圧の作業に従事する者に対して、誘導電圧が発生する仕組みや災害事例及び接地取扱手順等を教育する旨明記するとともに、当社がその教育内容及び教育実績を確認する。

さらに、今回の事故を教訓として安全文化醸成の観点から、所長を含めた管理職、所員が現場に出向き会話することで、「予定から外れた場合には必ず立ち止まること」「安全に関し言い合える職場風土を醸成すること」の重要性を発電所で働く者全員に対して浸透させていく。

 

出典

『東海第二発電所 屋内開閉所における作業員の死亡事故について (再発防止対策等の取りまとめ)』

http://www.japc.co.jp/ 

http://www.japc.co.jp/news/press/2018/pdf/301227.pdf

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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