2023年3月16日15時56分にYAHOOニュース(北海道放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市の中心部、北海道の赤れんが庁舎前に建設中の地上26階、地下2階の複合高層ビルで、施工不良と虚偽報告が発覚しました。
地上15階まで組まれていた鉄骨などは全て撤去され、工事は、ほぼ“やり直し”となる、前代未聞の事態です。
【写真を見る】赤れんが庁舎前の複合高層ビル、建設工事“やり直し”の異常事態…施工不良と虚偽報告発覚、大成建設の取締役ら辞任へ
施工不良と虚偽報告が発覚したのは、札幌市中央区北1条西5丁目に建設中の地上26階、地下2階の複合高層ビルです。
この複合ビルは、アメリカのホテル運営大手、ハイアットが札幌市に初進出する他、オフィスや店舗などが入居し、2024年2月に完成予定でした。
しかし、事業主のNTT都市開発によりますと、1月末の現地視察の際、発注したものと違うボルトが使われていたことがわかりました。
さらに、調査をすすめると、鉄骨の柱の水平度のズレ、コンクリートの厚さ不足などの施工不良も発覚。
鉄骨については、722か所のうち、70の不良箇所が見つかり、ズレの最大値は21ミリに達しました。
また、コンクリートの厚さ不足は、最大で14ミリ、245箇所にも上ったということです。
こうした施工不良に関し、工事を担当した大手ゼネコンの大成建設が、計測値を正常なものと偽るなど、NTT側に虚偽の報告をしていたことも判明しました。
このまま工事をすすめると、建築基準法に違反するおそれがあるとして、NTT都市開発は、すでに地上15階まで組まれていた鉄骨などを全て撤去し、工事を、ほぼ最初から“やり直す”ことを決めました。
すでに工事の進捗率は、23%に達していましたが、完成は2026年6月末まで、大幅に遅れる見通しです。
虚偽報告も発覚した大成建設は、HBCの取材に対し「作業、品質管理を担当していた社員が、施工不良の指摘を受けた際、他の工事との調整で工期が遅れると懸念し、数ミリ程度なら問題ないと考えた」と説明。
この担当社員は、今回の施工不良を上司などに報告しておらず、組織的な関与、不正などはないとしています。
また、大成建設が関わる他のビル建設で、同様の施工不良も確認されていないということです。
大成建設は、今回の事態の責任を取り、建築部門の責任者である寺本取締役らの辞任を発表しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a38118e1346f21cdba85aced755e849066640f7d
3月16日22時1分に読売新聞からは、発注元の社員がボルトが規定より小さいことを発見したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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今回の問題を受け、完成は2年4か月遅れる見込み。
大成建設によると、発注したNTT都市開発の社員が今年1月、鉄骨同士を組み合わせるボルトが規定より小さいことを発見。
大成建設が調べたところ、鉄骨70か所で平均4ミリ、最大21ミリのずれがあったほか、床・天井のコンクリート245か所の厚みが規定より平均6ミリ、最大14ミリ薄かったことが判明した。
大成建設の品質管理担当の社員は社内調査に、数値改ざんを認めた上で、「工期の遅れを恐れた。数ミリ程度の精度不良なら品質上問題ないと考えた」と話したという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230316-OYT1T50306/
3月16日19時0分にFNN PRIME(北海道文化放送)からは、品質管理を行った担当者は今回が初めてのビル担当だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大成建設の社員で、現場に配属されていた品質管理の担当者は「工期が厳しくなるため、数ミリのズレであれば、問題ないと思った」として、虚偽の報告をしていたということです。
この担当者が品質管理を行ったビルは、今回が初めてだったということです。
https://www.fnn.jp/articles/-/500888
(ブログ者コメント)
〇工期の遅れを心配するのは品質管理担当者の仕事ではない。
なぜ、自分だけで不具合情報を抱え込んでしまったのだろう?
そういった、ミスの背景まで掘り下げて分析しておかねば、また同じようなトラブルを起こす恐れがありそうな気がした。
〇それにしてもNTT都市開発の社員。
よくもまあ、ボルトが規定より小さいことに気づいたものだ。
工事進捗確認チェックリストでもあるのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。