2018年7月27日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後1時50分ごろ、東京都多摩市唐木田1で建設中のオフィスビル(鉄骨造り、地上3階地下4階)の地下3階から出火した。
警察などによると、現場では当時、約320人の作業員が働いていたが、逃げ遅れた男性作業員5人が煙を吸うなどして死亡した。
負傷者は約40人に上り、このうち約25人は症状が重いという。
消防が出火原因を調べている。
警察は、業務上過失致死傷などの容疑で捜査を始めた。
警察などによると、作業員2人が地下3階でガスバーナーを使い鉄骨を切断していたところ、近くにあったウレタンの断熱材に火花が飛んで、出火したとみられる。
作業員は、消火器を使うなどして消火を試みたが、火の回りが早く、瞬く間に燃え広がったという。
死亡した5人は、地上3階と地下4階で1人ずつ、他の3人は地下から発見された。
建設中のビルは、企業の事務所などが入居するオフィスビルとして、三井不動産(東京都中央区)が100%出資する南多摩特定目的会社(同)が発注。
安藤ハザマ(東京都港区)が施工していた。
同社によると、工事は2016年10月に着工し、今年10月に完成する予定だった。
26日は、内装工事を中心に作業していた。
消防などによると、この火災で約70台の消防車や救急車が出動。
延べ床面積約1万7600m2のうち約5000m2が燃え、約6時間後にほぼ消し止めた。
現場は火災による黒煙が広範囲に立ち上り、周辺は一時、騒然となった。
出典
『東京・多摩の建設現場火災 5人死亡 作業員40人けが』
https://mainichi.jp/articles/20180727/ddm/001/040/159000c
7月26日21時45分に朝日新聞からは、出火当時の状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
捜査関係者らによると、出火当時、地下3階で工事用作業台の鉄骨をガスバーナーで切断する作業をしていた。
その際に火花が出て、床下のウレタンの断熱材に引火して燃え広がったと、作業をしていた男性2人が説明しているという。
1人が切断、もう1人が火花を水で消す役割だったという。
2人は、近くにあった消火器や水で初期消火にあたったが間に合わず、地下3階のさらに下にある免震装置が置かれた階にいた作業リーダーに「もうダメだ」などと報告し、避難を始めたという。
出典
『東京・多摩の建築現場で火災 5人死亡、約25人が重傷』
https://www.asahi.com/articles/ASL7V4SXWL7VUTIL032.html
7月28日付で毎日新聞東京版からは、地下4階にいた人の役割が下記趣旨でネット配信されていた。
作業員3人が地下3階で、鉄骨の柱をガスバーナーで切断していた。
3人のうち、バーナーで切断していたのは1人で、他の1人は飛び散った火花を水で消す担当、もう1人は1.5m下の地下4階から火花が火災にならないように作業を見張っていた。
出典
『東京・多摩の建設現場火災 断熱材引火、昨年にも 施工会社、別の工事で』
https://mainichi.jp/articles/20180728/ddm/041/040/113000c
7月27日22時18分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地下3階でガスバーナーを使用した作業員は、「引火しないよう、周囲に防火シートを敷いていた」と話しているという。
出典
『床の隙間から火花落下、引火か 東京・多摩のビル火災 施行会社、昨年も出火』
http://www.sankei.com/affairs/news/180727/afr1807270033-n1.html
7月26日21時12分に朝日新聞からは、作業員たちが煙に巻かれながら避難した状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
作業員たちは建物内に取り残され、煙に巻かれながら避難した。
現場で何があったのか。
「ウレタン、ウレタン!」「火事だ!」
ウレタンが燃え、出火元とみられている地下3階。
電気工事をしていた男性(38)は叫び声を聞き、とっさに上階へ続く階段を探した。
一瞬で焦げ臭い煙に包まれた。
逃げる途中、うつぶせで倒れている人がいた。
「頑張れ、死ぬぞ」と起こし、何とか見つけた階段を駆け上がった。
外に出ると、大勢の作業員がせき込んで座り込んでいた。
見当たらない同僚を捜す人も。
「まるで戦場のようだった」と振り返った。
地下3階の下にある免震階で空調設備工事をしていた男性(44)も、火災の知らせを聞いた直後に黒煙にのみ込まれた。
停電して、辺りは真っ暗。
ヘッドランプの明かりと通路に並ぶ黄色いコーンを目印に、階段に向かった。
黒煙は、地上階の作業員も巻き込んだ。
3階で内装作業をしていた男性(36)は、「10cm前も見えなかった」と言う。
煙が抜ける瞬間を見計らって1階へ逃げた。
約1カ月前からこの現場で働くが、「火災の際の逃げ方などは教えてもらったことはない」と話した。
3階にも多くの作業員が取り残された。
地上でクレーンを操っていた男性(41)は、かご付きのクレーンを3往復させ、10人くらいを3階から下ろした。
「指示はなかったが、緊急時なのでやるしかないと思った」と言った。
出典
『黄色い煙「吸ったら死ぬ」破裂音の中逃げた 多摩の火災』
https://www.asahi.com/articles/ASL7V5SMLL7VUTIL05Q.html
(2/3へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。