2015年9月9日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正4として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5196/
(2018年8月2日 修正4 ;追記)
2018年7月25日19時24分にNHK北海道から、モーターの取り扱い説明書どおりに配線工事しなかった整備士が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会などの調べで、車両デッキに止めていた冷凍機付きトラックの冷凍機にある冷却用モーターの配線の一部がショートしていたことが、火が出た原因とみられている。
室蘭海保の調べによると、このモーターが火事の4年5か月前に交換されていたことがわかった。
さらに、モーターを交換する際は、冷凍機のメーカーの取り扱い説明書で、配線を電源部分からすべて換えることとされていたが、整備士は配線の一部を切断し、電源部分からの配線とつなぎ合わせていて、それが接触不良を引き起こして発熱し、火が出た可能性があるとしている。
出典
『苫小牧沖フェリー火災で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180725/0001793.html
7月26日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
室蘭海保は25日、火元となったトラックの冷凍機モーターを交換した整備士の男(52)を業務上過失致死などの容疑で書類送検した。
容疑は11年2月ごろ、勤務先の整備工場でモーターに送電する配線をつなぐ際、発火の危険性があるねじり接続をして発火を誘発し、乗組員1人を死亡させたとしている。
国の運輸安全委員会が16年9月に公表した経過報告書は、火元のトラックのモーターへの配線にショートした痕跡があり、配線に手作業でねじり合わせた形跡があったと指摘。
ここから出火した可能性が高いとみていた。
出典
『北海道・苫小牧沖のフェリー火災 整備士書類送検 15年に発生』
https://mainichi.jp/articles/20180726/ddm/041/040/074000c
(2018年9月29日 修正5 ;追記)
2018年9月27日12時39分に北海道新聞から、フェリー会社の消火体制にも不備があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省運輸安全委員会は27日、調査報告書を公表した。
火元は、一昨年公表した経過報告書で出火による損傷を確認した、車両甲板のトラックの冷凍機と指摘した。
火災は、消火体制や装備の不備が重なり、延焼を防ぐ作業が的確に行われなかったために起きた可能性があるとし、実践的な消火訓練などの再発防止策を求めた。
安全委は原因究明のため、トラックを所有する運送会社に再三、聞き取りへの協力を要請したが、断られたという。
このため、出火当時を再現し、さまざまな条件で結線部分の発熱や出火の状況を調べる検証実験も実施。
結線部分に発熱や出火の可能性があると確認し、冷凍機を火元と推定した。
ただ、出火要因の特定までには至らなかった。
また、冷凍機を搭載したトラックがあった甲板の一つ階上の甲板では、トレーラーの荷台に引火性高圧ガスを含む小型ガスボンベ1056本が「雑貨」として積まれており、火災で破損した。
安全委は、ボンベが熱で破裂し、ガスに引火して延焼被害が拡大したとみている。
出火や延焼に至った原因について、調査報告書は、乗組員が消火の装備や設備を的確に使えず、冷凍機の火元の消火が行えなかったなどの可能性を指摘した
火災に伴う有毒ガスの危険性に対する、乗組員への教育不足もあったとした。
安全委は再発防止策で、フェリー会社に船内の消防設備や用具の習熟訓練、トラックを持つ運送会社に冷凍機の定期点検を求めた。
フェリー会社が危険物のボンベを船内に積み込むことを把握できなかったことから、荷送人は荷物の明細書の提出が必要とした。
出典
『火元はトラック冷凍機 消火体制に不備 苫小牧フェリー火災で運輸安全委』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/232269
9月27日10時1分にNHK北海道からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
燃え広がったあとも、防火服などを身に着けずに消火にあたっていたため、近くから効果的な放水ができなかった可能性があるとしている。
出典
『フェリー火災“消火の訓練不足”』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180927/0004312.html
9月27日付で毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同委員会は、再三、冷凍車を整備した会社に経緯を確認したが、会社側は調査への協力を拒否したという。
出典
『北海道・苫小牧沖のフェリー火災 防火訓練の不足指摘 運輸安全委』
https://mainichi.jp/articles/20180927/dde/041/040/038000c
(ブログ者コメント)
運送会社、整備会社ともに事故調査に協力しなかった由。
とても信じられず、理由に言及した記事がないか探してみたが、見つからなかった。
以下は、運輸安全委員会報告書(概要)に記載されている内容
・・・・・
乗組員が消火ホースからの放水による消火及び延焼の拡大を防止できなかったのは、消防員装具を装着した上で組織的な消火作業が行われなかったこと、乗組員の固定式加圧水噴霧装置の使用方法についての理解が不足し、加圧水噴霧ポンプの能力を超えた5区画に噴霧させたこと、及び安全かつ適確な消火作業を行うために必要な空所が確保されていなかったことによる可能性があると考えられる。
乗組員による消火及び延焼防止が適確に行われなかったのは、商船三井フェリー(株)の乗組員に対する実践的な教育及び訓練が不足していたことによる可能性があると考えられる。
本件火災により二等航海士が死亡したのは、大きな危険を伴う火災現場において、所在が不明な甲板員を探すなどの職責を果たす際に、火災発生場所の風下に立ち入り、一酸化炭素を吸い込んだことによるものと考えられる。
・・・・・
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/ship/detail.php?id=7956
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。