2020年2月11日付で河北新報から下記趣旨の記事が、海岸に沿って1列に並ぶ風車の写真と地図付きでネット配信されていた。
秋田市の北隣にある潟上市で、昨年夏ごろからテレビの受信障害が起きている。
海沿いに立ち並ぶ風力発電所の影響とみられる。
事業者はアンテナ交換など対策を講じるが、問題が解消しない家庭もあり、住民からは不満の声が上がる。
日本海に面した両市の県有保安林には、昨秋までに事業者のエーウインドエナジー(秋田市)が17基、秋田潟上ウインドファーム合同会社(潟上市)が22基の風車を相次いで建設した。
ともに風力発電を推進する県の公募で整備された。
受信障害は、テレビの電波を送る大森山送信所(秋田市浜田)から風車を挟んで北側に位置する潟上市天王の周辺で発生している。
天王地区に住むパート従業員の女性(66)の自宅では、昨年夏ごろからテレビ画面にノイズが入ったり音声が途切れたりするようになった。
ひどい時には全く受信できない。
相談を受けた事業者は対応策として今年1月にブースター(増幅器)を設置したが、障害は解消されず、今でも時折、映像が乱れる状態が続く。
女性は「好きな番組の録画もできない。テレビを見る楽しみが半減した」とこぼす。
潟上市によると、昨年8月ごろから関連の苦情が寄せられるようになった。
2事業者には1600件を超す問い合わせなどがあったという。
市は12月、改善への働き掛けを強めるよう、県に要望書を提出した。
エーウインドエナジーは11、12月に住民説明会を開き、アンテナの位置調整やブースター設置を進める。
担当者は「3月末までの収束を目指す」と話し、秋田潟上ウインドエナジーも「『映りが悪い』などの連絡があれば、その都度対応する」との考えを示す。
電波障害について、2事業者は風車の着工前に自主的に調査し、「障害は発生しない」と結論付けていた。
総務省東北総合通信局は、「風車の影響に加え、海の波で電波が弱くなるなど、さまざまな要因が重なった可能性がある」と指摘する。
東北6県には昨年末時点で計753基の風力発電用の風車がある。
秋田は250基で青森の280基に次いで多く、沖合では洋上風力発電の計画も進行中だ。
県資源エネルギー産業課は、「風力先進地となって風車が大型化するのに伴い、受信障害への影響は予測しにくくなっている」と対応の難しさを説明する。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202002/20200214_43026.html
(ブログ者コメント)
総務省HPには、以下の情報が掲載されていた。
風車設置地区では、結構、起きている現象なのかもしれない。
【風力発電による放送受信への影響防止についてのご協力の
お願い】
・・・・・
想定される中継局等への障害事例
1.風車が回転することにより、放送波を断続的に遮断することから、テレビの画像にブロックノイズ(右画像参照)が断続的に発生します。ひどいときにはブラックアウトしてしまいます。
2.他の放送局や放送中継局で送信された電波を受信してさらに中継している場合については、中継された電波を受信している広範囲の住民に影響が生じる可能性があります。(注1)
3.このような中継局への影響は、環境アセスメント対象規模に満たない、小規模の風力発電施設でも発生する可能性があります。(注2)
・・・・・
https://www.soumu.go.jp/soutsu/tohoku/bc-huryoku.html
(2020年3月15日 修正1 ;追記)
2020年3月14日10時33分に毎日新聞からは、洋上風車設置で影響を受ける可能性がある地域など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
付近にある日本海沿いの県の保安林では、17年から風車の建設が進み、沿岸10キロ以上にわたり、風車が林立している。
テレビ電波については、建設前の環境影響評価の対象外だが、両社は自主的な調査も行い、事業化したとしている。
受信の乱れは、受信側装置の老朽化などでも発生しうるが、受信障害は潟上市内で多く発生。
発生地域は、風車を挟んだ先にある大森山送信所(秋田市)から電波を受けており、風車の影響も否定できないという。
両社は各世帯からの問い合わせを受け、工事代金を負担するかたちで、受信アンテナの調整や、電波の強さを調整する機器「ブースター」の取り付けなどを実施。
いずれも3月中をめどに、対応を急いでいる。
ただ、天王地区に住む女性(49)宅は、築5年だが、画面が止まったり乱れたりし、アンテナを高くしなければ正常な受信ができないという。
2月中旬までに業者が複数回訪れたが、「屋根に傷を付け、それでも映りが悪かったらどうするのか」と、工事をためらっていた。
【「洋上」でも発生する可能性が】
総務省東北総合通信局によると、同様の受信障害は、県内で計画が進む洋上風力発電でも発生する可能性があるという。
潟上市沖や由利本荘市沖は、国が進める洋上風力発電の推進計画で「有望な地域」とされている。
これらの海域では風車の建設計画が持ち上がっているが、電波の反射がもたらす受信障害や、大森山送信所との直線上にある男鹿市南部やにかほ市で、受信障害が発生する恐れがあるという。
県資源エネルギー産業課の担当者は、「風車の配置計画が立たないと具体的には言えない」としながら、「事前の調査など、事業者側の配慮は必要」としている。
https://mainichi.jp/articles/20200314/k00/00m/040/050000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。