2018年8月1日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8645/
(2019年10月13日 修正3 ;追記)
2019年10月7日16時54分に時事ドットコムから、間違った重量を指示した責任者や確認を怠った操縦者らが県警から書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警捜査1課は7日、業務上過失致死傷容疑で、神鋼子会社の「コベルコ建機」(広島市)の社員で現場責任者だった男性(29)とクレーン操縦者の男性(29)を書類送検した。
同課によると、2人とも容疑を認めているという。
送検容疑は、現場責任者が大型クレーンの性能試験で、約130トンの鉄の重りをつり上げる予定だったのに、誤って約10トンの上乗せを指示し、操縦者も確認を怠って試験を継続したためクレーンが倒壊し、作業員らを死傷させた疑い。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100700797&g=soc
10月7日13時3分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
現場責任者である班長代行は「記憶違いで誤った重量を指示した」と供述している。
・・・・・
捜査1課によると、クレーンはアームを含む高さが約180メートルあり、納品前のテストをしていた。
アームの根元付近の固定ボルトが破断して折れ曲がるようにして倒れた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50684020X01C19A0AC1000/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50684020X01C19A0AC1000/
10月7日15時32分にNHK兵庫からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
クレーンでの作業は、法律に基づいてつり上げられるおもりの上限などが定められていて、警察によりますと、当時、おもりの上限は、およそ130トンでした。
しかし、現場責任者は、誤ってこれを11トン超過した141トン余りのおもりをつり上げるよう指示し、クレーンの操縦士は、モニターが異常を示していたにもかかわらず作業を継続していたということです。
警察は、上限を超えたおもりで、クレーンがバランスを崩して事故につながったとして、7日、業務上過失致死傷の疑いで2人を書類送検しました。
これまでの調べに対し、2人は容疑を認めていて、このうち現場責任者は、「おもりの上限を確認していなかった」などと話しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20191007/2020005060.html
10月8日21時48分に神戸新聞からは、労基からも書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫労働局加古川労働基準監督署は8日、労働安全衛生法違反の疑いで、クレーンの製造会社「コベルコ建機」(広島市)と、同社社員の現場責任者の男性(29)=姫路市=を書類送検した。
同監督署によると、クレーンのつり上げ能力を確かめる検査をしており、社員4人が関わっていた。
直前に重りの構成を変えることになったが、現場責任者が誤って、規定を大幅に上回る重量をつり上げるよう指示したという。
同監督署は、重りを間違えたことに加え、クレーンに過度な負荷がかかる角度で旋回したことなどが事故の原因とみている。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201910/0012772898.shtml
10月9日5時30分に神戸新聞からは、下記趣旨の補足的記事が倒壊に至る図解付きでネット配信されていた。
当時、クレーンのつり上げ能力を確認中で、複数の重りを組み合わせて約130トンをつるす予定だったが、検査前に重りの種類を変更。
その際に現場責任者が誤って、約140トンの重りをつるすよう指示したという。
さらに、現場責任者は正午すぎに会議に出席するため現場を離れ、その際に、重さの制限などを記した書類を他の作業員に渡すといった情報共有を行わなかったという。
労働局の妹尾安全課長は、周辺に人がいる状態で検査を続けたことについて「より慎重に立ち入り禁止の措置を取る必要があった」とした。
労働局の説明によると、クレーンは、「主ジブ」と呼ばれるアームを垂直に起こし、重りをつるした状態で旋回を始めた=図(1)。
約50度旋回した時点で、重りを先端でつるす上部のアーム(約85メートル)が破断=図(2)。
バランスを崩し、主ジブ(約95メートル)や、それを支える他のアームも次々と折れ=図(3)、倒壊に至った=図(4)=という。
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/201910/0012772784.shtml
(2020年2月8日 修正4 ;追記)
2020年1月31日21時30分に神戸新聞からは、現場責任者はメールを十分確認しなかった、操縦士は装置誤作動と思い込んだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死傷の罪で在宅起訴された男2人の初公判が31日、神戸地裁(安達拓裁判官)であった。
いずれも起訴内容を認め、「取り返しのつかないことをして申し訳ない」などと謝罪した。
検察側は、2人の過失が重なった状況を指摘した。
指揮監督者が品質保証部門のメールを十分確認せず、記憶違いから、限度を約11・6トン超える重りをつるよう部下らに指示。
クレーン操縦担当は過負荷防止装置の表示が「(限度を)大幅に超えている」と認識しながらも、「装置の誤作動」と思い込んでテストを続けたとした。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202001/0013079235.shtml
(2020年3月13日 修正5 ;追記)
2020年3月12日12時22分に神戸新聞からは、2人に有罪判決が下りた、会社は準備作業の具体的な要領を定めていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
社員の男2人に対する判決公判が12日、神戸地裁であった。
安達拓裁判官は、指揮監督者の男(30)=姫路市=に禁錮2年6月、執行猶予4年(求刑禁錮2年6月)、クレーン操縦担当の男(29)=明石市=に同2年、同4年(同2年)を言い渡した。
安達裁判官は、指揮監督者の男が品質保証部門からのメールを確認せず、記憶を頼りに限度を超える重りをつるすように指示した点と、クレーン操縦担当の男が過負荷防止装置に表示された大幅な重量超過を誤作動と軽信した点を挙げ、2人の過失の競合で事故が起きたことを指摘。
指揮監督者の男について「監督者として慎重さに欠ける」とし、クレーン操縦担当の男には誤作動との思い込みに「軽率のそしりを免れない」とした。
一方、コベルコ建機がテストの準備作業の具体的な要領を定めず、現場の作業員の判断に委ねていた責任にも言及。
会社側の安全管理に疑問を呈し、「2人に全責任を負わせるのは相当ではない」などとして、執行猶予を付けたことを説明した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013187149.shtml
3月12日11時54分にNHK兵庫からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
安達拓裁判官は、「川渕被告が慎重さにかける指示をし、田中被告がクレーン車のモニターが異常を示していることに気がつきながらも誤作動だと軽率な判断をしたために、事故が引き起こされた。2人の刑事責任は重い」と述べました。
そのうえで、「安全管理を作業員だけに任せたコベルコ建機にも事故の責任がある。被告らは罪を認め反省の態度を示している」と述べて、川渕被告に禁錮2年6か月、執行猶予4年を、田中被告に禁錮2年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20200312/2020006715.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。