2018年10月31日17時5分に日本経済新聞から下記趣旨の記事が、高松市の被害写真付きでネット配信されていた。
豪雨や台風で、太陽光発電パネルが破損する被害が相次ぐ。
2018年は、少なくとも全国44カ所の太陽光発電所が被災した。
設備が斜面から崩れ落ち、二次災害を起こしたケースもある。
11年の東日本大震災後に全国で急増した太陽光発電。
災害に対する弱さが浮き彫りとなり、経産省は設置基準などの見直しを進めている。
「災害時の停電はよくあるが、太陽光パネルによる、あんな大きな被害は聞いたことがない」。
四国電力の広報担当者が振り返る。
9月4日、台風21号の強風で高松市香川町の住宅街の斜面に設置されていた出力約20KWの太陽光パネルが土台ごと吹き上げられ、上の道路を塞いだ。
電柱1本が折れて高圧線が断線。
周辺の延べ510戸が最大6時間40分停電し、撤去完了まで6日間を要した。
現在も仮復旧状態で、電柱を建て直す完全復旧は11月中になる見通しだ。
四国電力は「適正に設置されていた」ことを確認し、設置者に損害賠償は求めないという。
今年7月以降の豪雨や台風で、全国の太陽光発電施設が被害を受けた。
50KW未満は経産省に事故の報告義務がなく、被害の全容は不明。
ただ、資源エネルギー庁によると、岡山や広島など5県の50KW未満の発電施設のうち、224件で西日本豪雨後に発電量の大幅な落ち込みがみられた。
経産省のまとめでは、50KW以上では、少なくとも西日本豪雨で19カ所、9月上旬の台風21号で21カ所が被災した。
続く24号でも3カ所が被害にあったほか、北海道地震で1カ所が故障した。
豪雨被害は土砂崩れや水没によるもので、台風では強風でパネルが飛ばされる例が多かった。
太陽光パネルは、電気事業法で設置基準が定められている。
15年の関東・東北豪雨や16年の熊本地震などで被害が出たこともあり、経産省は10月に基準を見直し、設計段階で、従来よりも最大2.3倍の風圧に耐えられる能力が必要だとした。
さらに、斜面では平地より厳しい設置基準の適用、50KW未満の小規模設備の監視強化などの検討も始めた。
同省電力安全課の担当者は、「どんな小さな発電所も、設置者に保安義務がある」と、注意を呼びかけている。
7月の西日本豪雨で斜面の太陽光パネルが崩落し、下を通る山陽新幹線が運休する二次災害が起きた神戸市。
「太陽光パネルの現状は放置できない」(久元市長)として、政令指定都市で初の太陽光パネル設置規制条例案を12月議会に提出する方針だ。
【パネル、かけらになっても発電 感電に注意を】
太陽光パネルは、本体や周辺機器が破損しても、光が当たると発電するため、不用意に触ると感電する恐れがある。
環境省は、設置している住民や回収業者に、「取り扱う場合は、感電対策を徹底してほしい」と呼びかけている。
同省によると、ゴム手袋や絶縁処理された工具を用意したうえ、パネル表面を下に向けるなどして発電を止めることが重要。
パネルに含まれる有害物質の流出を防ぐため、屋外で保管する際はブルーシートなどで覆う。
一般的には、産業廃棄物として有料で処理されるが、災害時は災害廃棄物として自治体が無償で回収するケースもある。
総務省が2017年にまとめた調査で、有害物質を含むパネルを遮水設備のない処分場に埋め立てるなどした不適切な事例が判明した。
環境省は、業界団体を通じて適正な処分方法の周知を急ぐほか、リサイクルも推奨している。
出典
『太陽光パネル、台風・豪雨に弱く 経産省は規制強化へ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37169690R31C18A0000000/?n_cid=NMAIL007
(ブログ者コメント)
太陽光パネル関連の事故や損傷時の注意点などについては、本ブログでも過去に何件か紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。