







2019年2月3日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が地図付きでネット配信されていた。
日本近海を漂う微細なマイクロプラスチック(MP)の汚染源が、中国や韓国などアジア諸国から漂着したプラスチックごみだけでなく、国内の河川からのごみも影響しているとの調査結果を、東京理科大の二瓶泰雄教授(河川工学)らのグループがまとめた。
日本近海はMP密度が世界平均より高い「ホットスポット」といわれており、二瓶教授は、身近な生活からプラごみを減らす必要を訴える。
調査は2015~18年、中部、近畿地方を除く、北海道から沖縄までの全国29河川のMP密度を調べた。
全ての河川からMPが検出され、平均すると1m3当たり2.53個で、日本近海の平均3.74個に近かった。
レジ袋や発泡スチロールの容器などが原因とみられる。
最大値は千葉県の大堀川の13.6個。
利根川は8.7個、埼玉県の荒川では4.6個を検出した。
人口密度や市街地率が高い地点ほどMPの密度が高く、都市部での汚染が深刻だった。
MPの大きさの分布を調べると、河川と海でほとんど大きさの差がなく、海に流出する前に相当量のプラスチックが細かく砕けていることが判明した。
二瓶教授によると、熊本市内の河川は、16年の地震の影響で災害ごみが発生したため、数値が高かったとみられる。
二瓶教授は、「これまで、海ごみ対策がクローズアップされていたが、陸上での発生源対策が必要だ。日本も人ごとではない」と指摘。
「例えば、バケツや洗濯ばさみなどのプラスチック製品を長時間屋外に置いていても劣化してMPとなり、空気中を漂って河川の汚染につながる場合もある」と注意を呼びかける。
同種の調査は昨年5~9月、環境問題対策のベンチャー企業ピリカ(東京都渋谷区)も実施した。
関東、関西地方の河川11本26カ所中、25カ所からMPを検出。
最大だった大阪市の大川では、1m3当たり19.8個に上っていた。
出典
『マイクロプラスチック 微細、河川も汚染 日本近海流出 1立方メートル2.53個 東京理大調査』
https://mainichi.jp/articles/20190203/ddm/001/040/141000c
(ブログ者コメント)
ピリカの調査結果については、本ブログでも紹介スミ。
2018年10月19日掲載
『2018年10月13日報道 環境問題に取り組むベンチャー企業が国内の11河川を調べたところ、全ての川からマイクロプラスチックが検出された、愛媛大などの調査でも同様の結果 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8949/
2018年9月20日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8822/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8824/
(2018年11月24日 修正3 ;追記)
産経新聞連載企画「太陽光発電は人を幸せにするか」の続編、№17~20を引き続き紹介します。
(17) 「条例」は無力? ハンファのメガソーラー建設が続く伊東市 続々とほかの業者も
申請
(2018年11月10日8時0分)
「荒々しく工事が進んでいるという印象。残念です」
7日、静岡県伊東市八幡野で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が進む伊豆高原メガソーラーパーク発電所の現場を視察し、報道陣に囲まれた小野達也・伊東市長(55)の顔は、いくぶんこわばっているように見えた。
・・・・・
視察後、小野市長は「県議時代は太陽光発電は一般の方の生活経費を抑制し、良いと理解していたが、ここまで(建設が増える)とは思わなかった」と述べた。
視察に同行した静岡県経済産業部の西島理事は「土砂の流出、伐採木や風で倒れた木の処置を適切にすべき」と述べ、問題点を指摘。
「工事に伴い発生する土砂、伐採木などが、下流域への災害の発生源とならないように適切な処理を行うこと」などとする、静岡県がハンファ側の林地開発許可を認めた際につけた10条件に違反する恐れがあると認めた。
その上で「許可の取り消しもあり得る」と述べたが、一方で「行政指導をするところから始めたい」とも話し、実際に許可取り消しに至るかどうかは不透明だ。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181110/afr1811100001-n1.html
(18) 事態を動かした知事の一声 つくば市民が筑波山の太陽光発電計画を止めたが…
(2018年11月11日8時0分)
太陽光発電所の建設を規制する条例がないのに、建設計画を断念させたまちがある。
茨城県つくば市沼田。
約23万6千人の人口を擁する茨城県南部の学園都市・つくば市にあって、同市中心部から北部に約20キロ離れた、筑波山のふもとに位置する静かな町だ。
平成27年10月、約280世帯の沼田区長の渡辺さん(69)は市の職員の言葉に耳を疑った。
「沼田の傾斜地に太陽光発電所ができるとは。しかも、もう伐採したって…。業者が伐採届けを市に出した段階で、何で知らせてくれなかったんだ」
・・・・・
こうした動きを受け、2月2日、国定公園内に建設を予定していた業者が計画を取り下げた。
そして、2月25日、茨城県は国定公園内に建設を予定していた残り2事業者の太陽光発電所建設計画をいずれも不許可とした。
住民運動が実った瞬間だった。
だが、渡辺さんは「国定公園外の1件は止めることができなかった。現行法令はあまりに業者に対して甘すぎる」と憤る。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/181111/prm1811110015-n1.html
(19)「行政だって訴訟が怖いんです」
(2018年11月17日8時0分)
・・・・・
静岡県伊東市八幡野で計画されている韓国財閥系企業「ハンファエナジージャパン」の大規模太陽光発電施設「伊豆高原メガソーラーパーク発電所」についても今年7月、静岡県の川勝知事(70)は、条件をつけた上でハンファ側の林地開発申請を許可した。
市内に太陽光発電施設がある関東地方の市担当者が話す。
「静岡県の『条件つき許可』は正直、すごいなと思いました。
林発(林地開発許可)や宅造(宅地造成許可)の申請は、書類が整っていたら断れません。
なぜなら行政だって、業者から訴訟を起こされることが怖いからです。
林発も宅造も行政側が住民の反対を理由に不許可とすることは想定されていないのです」
・・・・
茨城県は平成28年7月、筑波山などでの太陽光発電と風力発電を禁止する条例を施行した。
だが、条例が伝家の宝刀となり得ないのは、以前に紹介した山形県飯豊町のケースでも分かる通りだ。
北海道庁の職員時代、産業廃棄物最終処分場の建設に関し、北海道知事の不許可処分を不服とした業者が提訴した裁判に関わった経験がある東海大学の内藤悟准教授(環境法)は「最近の条例は国の再エネ推進と地域の環境保全の間にあって規制としては限界があり、また計画に対する後出しや、自治体が民事裁判の手続により規制することは認められず、業者側が有利」と前置きした上で「自治体が太陽光発電を機に、規制が緩いまま見過ごされていた里山地域の重要性を住民と協議し、早いうちに目的を明確にして土地の管理や規制の準備をしておくことは大切なこと」と指摘する。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181117/afr1811170001-n1.html
(20) 高値で取引される売電権に経産省が切り札 「倒産する」と業者の悲鳴
(2018年11月18日8時0分)
「来年には上場を予定していたのに。これではすべてが台無しです。どうしたら…」
東京都内のビル。
女性は自ら作ったという紙を差し出して、大きく息を吐いた。
女性が怒り心頭に発しているのは、資源エネルギー庁が10月15日に公表した国民負担の抑制案だ。
・・・・・
女性の言い分はこうだ。
経営する会社が西日本に太陽光発電所を計画している。
大きな反対はなかったものの、農家などを中心にインフラ整備などを求める声が上がり、それに対応していたため、着工が遅れた。
「土地購入、連係費用、開発、増設費用を考えただけでも18円では採算が合わない。国は政策をコロコロと変えすぎです。これでは倒産するしかなくなる」と訴える。
平成23年3月の東日本大震災が後押しし、当時の民主党の菅直人政権下で進められたFIT法は同24年の施行時は産業用で1キロワット40円もの売電価格を20年間、保証していた。
そのため中国、韓国、スペインなどをはじめとする外国資本が日本に殺到。
資金が潤沢な会社が関与した特定目的会社(SPC)が数多く作られ、大規模太陽光発電所(メガソーラー)が乱立した。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181118/afr1811180003-n1.html
2018年10月31日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海洋汚染が深刻化しているマイクロプラスチックが世界各地の塩から見つかったと、韓国・仁川大と環境保護団体グリーンピースのチームが発表した。
21の国・地域から集めた39種のうち9割から検出され、アジアの国で含有量が多い傾向にあった。
日本の塩は調査対象外。
これまでに各地の水道水や魚介類などからの検出も報告されており、世界で食卓の微小プラスチック汚染が進んでいる恐れがある。
チームは、「健康と環境のため、企業は率先して使い捨てプラスチック製品の製造や使用を減らす努力をすべきだ」と強調した。
大きさ5mm以下のマイクロプラスチックは海などに大量に存在し、表面に有害物質などを吸着する性質がある。
人の健康への影響は詳しく分かっていないが、日本や欧州など8カ国の人の便からも見つかっている。
チームは、米国や中国、オーストラリア、ブラジルなど21の国・地域の海塩や岩塩、塩湖の塩計39種を調べ、36種からマイクロプラスチックを検出した。
塩1kg当たりに含まれる数は、インドネシアの海塩が突出して多く、約1万3600個だった。
台湾の海塩の約1700個、中国の海塩の約700個と続き、上位10種のうち9種をアジアが占めた。
チームは、プラスチックごみの海への流出がアジアで多いのが要因とみている。
一方、台湾の海塩は、種類によってはマイクロプラスチックがなかった。
フランスの海塩と中国の岩塩も検出されなかった。
出典
『プラスチック危機 世界の塩9割にプラ片 日本対象外 アジア、含有量多く』
https://mainichi.jp/articles/20181031/dde/007/040/029000c
ちょっと前、10月11日7時10分にYAHOOニュース(NATIONAL GEOGRAPHIC)からは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかった。
しかし、調味料として身近な塩にプラスチック微粒子がどのくらい含まれているかについては、分かっていなかった。
新たな研究で、世界の食塩の9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が報告された。
この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する既存研究を活用してまとめたものだ。
食塩に含まれるマイクロプラスチックが地理的にどう広がっているか、プラスチック汚染が起きている場所とどんな相関関係があるのかについて世界規模で調査した研究は、これが初めてだ。
その分析によると、調査対象となった食塩39品目のうち、36品目でマイクロプラスチックが検出された。
韓国、仁川大学の海洋科学教授キム・スンギュ氏は、「海産物経由で摂取したマイクロプラスチックの量と、同じ地域から排出されたマイクロプラスチック量には、強い相関関係があると考えられます」と話す。
分析対象となったのは、欧州、北米、南米、アフリカ、アジアの合計21の国と地域から集めた塩のサンプル。
そのうち、台湾(精製海塩)、中国(精製岩塩)、フランス(天日製塩による無精製海塩)の3品目のみが、マイクロプラスチックを含んでいなかった。
この研究成果は、「Environmental Science & Technology」誌に掲載された。
マイクロプラスチックが含まれている割合は、地域ごとにも違いがあった。
密度が高かったのがアジア産の塩で、インドネシアで販売されたものが、一番、マイクロプラスチックを含んでいた。
アジアはプラスチック汚染が進んでおり、中でも5万4720kmの海岸線を持つインドネシアは、2015年の別の研究でも、世界で2番目にプラスチック汚染がひどい国とされた。
生産された場所別に見ると、マイクロプラスチックの含有レベルが一番高いのが海塩だ。
以下、湖塩、岩塩の順になる。
近年、塩に関しては、スペイン、中国、米国の各チームと、フランス・英国・マレーシアの合同チームによって、4つの研究が発表されていた。
今回の研究は、こうした流れから生まれた最新の成果だ。
米ニューヨーク州立大学フレドニア校のシェリ・メイソン教授は、今回の発見により、マイクロプラスチックの影響を評価する手段が「1つ増えた」と話す。
同教授は、過去、米ミネソタ大学の研究者グループと塩を研究している。
「アジアの塩にマイクロプラスチックの量が多く含まれていたという事実は興味深いですね。以前の研究でも、これらの国で販売されている塩製品にはマイクロプラスチックが含まれていることは知られていましたが、どの程度かまでは分かっていませんでした」
メイソン氏は、次のようにも述べている。
「マイクロプラスチックが世界中に存在することを、研究は示していま
す。英国で塩を買えば安全、というような単純な問題ではありませ
ん」
【体への影響は?】
今回の研究では、平均的な成人が食塩を通して1年間に摂取するマイクロプラスチックは約2000個だと推定している。
ただ、マイクロプラスチックの摂取が人体にどのような影響を与えるかは不明だ。
先日発表された、英ヨーク大学によるマイクロプラスチックによる環境リスク評価の研究によれば、マイクロプラスチックが人体に害であると判断する十分な知識はまだ得られていないという。
研究の共著者の1人、ヨーク大学の地理学教授アリスター・ボクソール氏は、「既存の320の研究を確認して、マイクロプラスチックの影響についての科学的理解には知識上の大きなギャップがあることが分かった」という。
研究対象となっているマイクロプラスチックも、マイクロビーズ、プラスチック片、合成繊維と異なるため、比較できないものを比較する事態が起きているという。
「私たちの分析では、マイクロプラスチックが健康に大きな害を引き起こすと言える証拠は限られています。それでも、厳密で包括的な調査が急がれます。環境中に存在するプラスチック粒子のサイズや材質について、実際の影響を研究する必要があります」
なお、この研究は米国の業界団体「パーソナルケア製品評議会」の支援によるもので、「Environmental Toxicology and Chemistry」誌に掲載されている。
ボクソール氏はさらに、マイクロプラスチックへの関心が高まることで、タイヤの粉塵など、よりたちの悪い環境汚染問題への関心が薄れてしまうかもしれないと付け加えた。
出典
『9割の食塩からマイクロプラスチックを検出』
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181022-00010000-nknatiogeo-env
(ブログ者コメント)
先日、人間の便からマイクロプラスチックが検出されたという情報を紹介したが、その原因の一つが塩だとすれば、人体への取り込みを防ぐのは、かなり難しそうだ。
2018年10月24日10時42分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
世界で海や河川の汚染が深刻化している微小な「マイクロプラスチック」が、日本を含む8カ国の人の便に含まれているのを確認したと、ウィーン医科大などのチームが23日までに発表した。
対象者の少ない、予備的調査の段階だが、1人当たり最大で9種類のプラスチックが見つかったという。
チームによると、人の体内への摂取を確認した研究は、世界で初めて。
食べ物や飲み物を通じて取り込んだとみられる。
ウィーンで開かれた医学関連会合で発表し、研究者は米メディアに「全員から検出されるとは予想していなかった。健康に影響を及ぼすかどうかが重要で、さらなる調査を計画中だ」と語った。
マイクロプラスチックは、プラスチックごみなどが壊れてできる、大きさ5mm以下のものを指す。
これまで、世界各地の水道水や塩、東京湾の魚などで検出されている。
チームは、日本とオーストリア、フィンランド、イタリア、オランダ、ポーランド、ロシア、英国に住む33~65歳の計8人の便を分析。
全員から、大きさが0.05~0.5mmのマイクロプラスチックが見つかった。
便10g当たり、平均20個が検出された。
食品の包装などに使われるポリプロピレンや、ペットボトルの素材のペット樹脂などが多かった。
検出との因果関係は不明だが、食事の記録から、8人全員が、プラスチックで包装された食品や、プラスチック容器に入った飲み物を摂取していた。
6人は魚を食べていた。
米メディアは、「ハウスダストや容器など、何に由来するのか調べる必要がある」との英ヨーク大の専門家の話を紹介した。
動物での研究によると、マイクロプラスチックの中でも、ごく小さいものは、消化器で吸収されて血管やリンパ管に入り込む可能性があるという。
出典
『人の体内に微小プラ粒子 日本含む8カ国、便で検出』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3684888024102018CR0000/
10月25日付で毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
研究チームは、健康への影響を評価するため、大規模な調査を進める必要性を訴えた。
ウィーンで開催中の国際学会「欧州消化器病週間」で発表した。
研究は小規模のため、食行動とプラスチック摂取の関係は分からないという。
同大学のフィリップ・シュワブル医師は、マイクロプラスチックが、消化器の炎症反応を促したり有毒物質を吸着したりして、悪影響を及ぼす可能性もあると指摘した。
出典
『プラスチック危機 プラ片、人体にも 日欧8人の便から検出』
https://mainichi.jp/articles/20181025/ddm/007/040/039000c
(ブログ者コメント)
これまでサンマの内臓を食べた際、ほんの少しだがジャリジャリする食感を感じることがあった。
あれはウロコだとばかり思っていたのだが、中には・・・・。
2018年10月19日18時2分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力は19日、14日に実施した太陽光発電を一時停止する「出力制御」で起きたトラブルについて、制御システムのプログラムの不具合が原因だったと明らかにした。
不具合により、停止する必要がなかった太陽光発電事業者を30分間止めてしまった。
不具合は修正済みで、九電は20日も出力制御を実施する予定で、21日は実施の可能性があるとしている。
九電は2017年9月に、出力制御のためのシステムを導入した。
システムは東芝製で、当日の電力需給を見ながら制御対象数を調整していたが、14日の出力制御の際にトラブルが発生した。
発電事業者の一部に制御を解除する指令を送信したはずが、プログラムの不具合が原因で、実際は届いていなかった。
九電担当者らが手作業で送り直したものの、30分間にわたって、計約17万5000KW分を余分に止めてしまった。
複数回の事前テストでは、確認不足もあり、不具合が発見できなかった。
今後のシステム運用では、当面、監視体制を強化するという。
九電は13日に、離島以外では国内で初めて、出力制御した。
九州では太陽光発電が急増しており、電気が余って供給が不安定になり、大規模停電につながるのを防ぐために踏み切った。
出典
『九電の出力制御トラブル、システム不具合原因』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3669755019102018EA6000/
10月21日21時42分にNHK福岡からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州では、原発の再稼働に加え、日照条件がよいことなどから太陽光発電の導入が増えていて、九州電力は電力の過剰な供給を抑え、大規模な停電を防ぐため、先の土、日に続き、20日と21日も太陽光発電を一時的に停止させる「出力制御」を実施した。
しかし、九州電力によると、21日午前、発電を停止する必要がない福岡と鹿児島の11の太陽光発電所に対し、誤って、出力制御を行うよう連絡していたことが分かった。
九州電力は、出力制御を行う場合、前日までに対象とする太陽光発電所に、メールや自動音声の電話で連絡するシステムを使っているが、このシステムに不具合が発生したということで、すぐに、事業者に直接電話をかけて訂正したため、実際には太陽光発電を制御することはなかったと説明している。
九州電力は、10月14日にもシステムの不具合で、必要ないのに3000を超える太陽光発電所を30分にわたって停止させるトラブルを起こしている。
九州電力は、「トラブルが続き、大変申し訳ありません。原因を早急に調べ、再発防止にあたります」と話している。
出典
『九電が太陽光出力制御で誤連絡』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20181021/0002602.html
10月21日23時47分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力は21日、太陽光発電の一部事業者に発電の一時停止を指示する再生可能エネルギーの出力制御を、前の週末と20日に続き、実施した。
制御対象は最大93万KWで、過去の実施日の中で最も大きい規模となった。
一方で、発電を停止する必要のない福岡、鹿児島両県の11設備に、一時制御の指示を出すシステム障害も発生。
九電によると、すぐに訂正の連絡をしたため、実際に制御した事業者はなかった。
制御を指示したのは午前9時~午後4時で、対象は出力10KW以上の事業者。
21日は過去の実施日よりも気温が上がらず、冷房使用が少なくなったとみられ、需要が一段と低下した。
(共同)
出典
『九州電力 最大規模の太陽光出力制御 2週続けて土日実施』
https://mainichi.jp/articles/20181022/k00/00m/020/030000c
(ブログ者コメント)
13日に実施した初の出力制御は、本ブログでも紹介スミ。
2018年10月13日19時15分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州電力は、電力の供給が需要を上回り需給のバランスが崩れ、大規模な停電につながるおそれがあったとして、全国で初めて、太陽光発電を一時的に停止させる「出力制御」を13日、実施した。
13日の九州地方は、晴れて日照量が多く、太陽光の発電量が増えると見込まれた一方、冷房の利用や工場の稼働などが減って、日中のピーク時には供給が需要を43万KW上回ることが予想されていた。
このため九州電力は、電力の需要と供給のバランスが崩れ、大規模な停電のおそれがあったとして、午前11時半から午後4時にかけて、太陽光発電の一部の事業者に一時的に発電の停止を求める「出力制御」を、離島以外では全国で初めて実施した。
九州電力によると、13日の出力制御の実施に伴うトラブルはなかったという。
九州では、日照条件などが良いことから太陽光発電の導入が増えていて、発電量は、再生可能エネルギーの買い取り制度が始まった6年前に比べ、7倍に増えている。
さらに、ことし6月までに佐賀県と鹿児島県にある原子力発電所で、あわせて4基の原発が再稼働し、電力の供給量が高まっている。
14日の九州地方は晴れが予想されていて、九州電力は14日も、日中のピーク時に供給が需要を62万kw上回ることが予想されるとして、出力制御を行うことにしている。
出典
『九電が初の出力制御を実施』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20181013/0002529.html
10月13日21時22分に産経新聞westからは、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
離島を除き、全国初の本格実施となった九州電力の再生可能エネルギー出力制御。
再生エネが順調に拡大すれば、他の電力会社も、今後、同様の対応を迫られる可能性がある。
政府は、温室効果ガスを排出しないなどの利点を持つ再生エネを主力電源に育てる方針だが、再生エネの大量導入に対応した電力網の増強や大型蓄電池の開発促進が欠かせない。
「電力需要が低くなることが、(再生エネの出力制御の)最大の理由だ」。
九電の和仁・系統運用部長は、12日の福岡市内での記者会見でこう説明した。
日照条件が良く再生エネの適地が多い九州では、以前から、気温が低下し冷房使用が減る今秋の出力制御の可能性が取り沙汰されてきた。
秋のほか、春やゴールデンウイークなど、「電力需要が低い時期は、可能性が否定できない」(和仁氏)という。
出力制御について経産省は、「自然条件によって出力が大きく変動する再生エネが増えれば、電力の需給バランスを保つために必然的に起きうる」とする。
海外では、アイルランドやスペインなど、欧州を中心に実施されているという。
政府は、7月に改定したエネルギー基本計画で、再生エネについて「確実な主力電源化への布石としての取り組みを早期に進める」とした。
総発電電力量に占める再生エネの比率は、水力を含めると直近で15%程度だが、2030(平成42)年度には22~24%に引き上げる方針。
経産省幹部も、「再生エネを、コストを下げながら大量に導入していくことが重要だ」と指摘する。
一方、再生エネを利用しやすくする上では、余った電力を他地域に融通する送電線の拡充や、再生エネでつくった電気を充放電できる大型蓄電池の開発促進が急がれる。
九州は、総面積や総人口、電力消費量などが、それぞれ全国の1割程度を占め、日本の「1割経済」とも呼ばれるが、太陽光や風力の導入量は全国の2割弱を占めており、関東の31%に次いで2番目に大きい。
和仁氏は、「そうした(急速な)スピードで入ってきたことに設備増強が追いついていない」とも述べた。
ただ、設備増強には相応のコストがかかり、最終的には、家計や企業が負担する電気料金に跳ね返る。
少子高齢化などで、国内の電力需要が増える余地は、それほど大きくない。
再生エネの拡大に伴って生じるコストにどう折り合いを付けるのかも課題となる。
出典
『再生エネ、主力電源化の壁 九電の太陽光出力抑制』
http://www.sankei.com/west/news/181013/wst1810130033-n1.html
10月13日3時1分に大分合同新聞からは、事業者側の意見を報じた記事が下記趣旨でネット配信されていた。
大分県内の関連事業者からは、発電が制限されることに伴う収入減少への不安や、今後も制御が頻繁に発動される可能性を懸念する声が上がった。
「秋は発電の効率がよくなり、売電収入が上向く時季なので困る」。
太陽光発電事業を手掛ける県内の不動産会社の担当者は、戸惑いを隠さない。
九州電力の示す基準によれば、全発電量の3分の2が出力制御の対象になる可能性がある。
昨年度の売電収入は約3億4千万円あったが、発電が制限されれば減収につながりかねない。
この担当者は、「クリーンな再生可能エネルギーを抑える前に、九州電力はまず、玄海、川内の原発を止めるべきでは」と訴えた。
出力制御の頻度に気をもむ声も。
別府市の事業者は、「1日だけと決まっていればいいが、長期間にわたり続くような事態になれば厳しい。設備を導入した借り入れの返済もある」と肩を落とす。
調剤薬局を展開する大分市の「そうりん」は、豊後大野、臼杵両市で50KW未満の太陽光発電設備10基を運用している。
現状は制御の対象にならないが、藤井社長は、「われわれも、いつそうなるか分からない」と警戒する。
九州電力は対象を決める手続きや過程を明らかにしておらず、「どの事業者にどうやって決まるのか。オープンにしてほしい」と要望した。
電力売買業・新電力おおいた(由布市)の山野社長は、「太陽光発電量は増え続けており、出力制御は想定内。ただ、対象決定のプロセスはある程度、公にしないと、公平感が担保されているのか疑念を生む」と述べた。
出典
『九電出力制御 大分県内の事業者戸惑い』
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/10/13/JD0057407735
2018年9月11日1時31分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
経産省は、事業者や家庭から買い取る太陽光発電の価格を大きく下げる。
1KWhあたりの買い取り価格を、事業用は2022年度、家庭用は25年度にも半額にする目標を掲げる。
太陽光発電は、コストの一部を消費者が負担している。
膨らむ負担を抑えるため、コストの抑制を促す。
同省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を見直す。
安価な電力を調達する「入札」の対象を、2000KW以上のメガソーラーから、19年度にも50KW以上に広げる案を検討する。
入札制では、事業者は、国が示す上限価格よりも低い価格で売電しなければならない。
この仕組みを通じ、22年度には買い取り価格を1KWhあたり8円程度とすることを目指す。
18年度は18円だった。
地産地消型の小規模太陽光などは例外とすることを検討する。
家庭用の太陽光も、25~27年度までに11円程度まで下げる方向だ。
太陽光発電を買い取る費用の一部は、電気料金に上乗せされている。
18年度の上乗せは2.4兆円だが、30年度には3.1兆円に達する見通し。
政府はエネルギー基本計画で、再生エネの「主力電源化」を目指している。
事業用は発電にかかるコストを25年度に7円と、現在より6割下げる方針だ。
価格が下がれば、太陽光への新規参入が滞る可能性はある。
一方で、これまでの高額買い取りは事業者のコスト削減を遅らせてきた。
再生エネの普及には、事業者が参入しやすい環境整備も課題だ。
国は全国に電力を送るための送電網の増強や、効率の良い送電の技術開発を進める必要がある。
欧州などの太陽光発電では、10円以下でも利益を出している地域も多い。
事業者は、発電効率の高い太陽光パネルの活用や、IT(情報技術)などを利用した保守管理の効率化に取り組む必要がある。
出典
『太陽光発電、買い取り価格半減へ 経産省方針』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35173060Q8A910C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
(ブログ者コメント)
昨今、太陽光発電については、施設建設による環境破壊など、負の側面もクローズアップされてきた。
今回の買取価格大幅ダウンには、そういった事情も多少なりとも絡んでいるのだろうか?
それはともあれ、負の側面については、今年8月から産経新聞で連載されている記事がよくまとまっていると感じたので、以下、抜粋して紹介する。
『太陽光発電は人を幸せにするか』
(1)法の規制を受けず 反社会勢力、外国の土地買収…このままでいいのか
(2018.8.25 09:00)
・・・・昨今、国内では様々なトラブルが発生している。景観被害、大雨の際の土砂崩れ。
平成23年3月の東日本大震災の混乱が残る中、施行された固定価格買い取り制度は「太陽光バブル」をもたらし、乱開発ともいえる状況が生まれた。
反社会的勢力と疑われる人物が関与したり、住宅地に迫る急傾斜地に太陽光パネルが敷き詰められても、住民にはなす術がない。
太陽光発電は人を幸せにするのだろうか。
・・・・・
https://www.sankei.com/life/news/180825/lif1808250003-n1.html
(2)土台がドラム缶の太陽光発電所 ぬりかべのように迫るパネル… 「地球にやさしいまち」はいま
(2018.8.26 08:00)
・・・・平成21年秋に選定された自治体にはNEDOから認定証が授与された。
北杜市は全国有数の日射量を利用し、「太陽光発電」の華々しい先進地に躍り出たのだ。
・・・・・
https://www.sankei.com/life/news/180820/lif1808200026-n1.html
(3)気付いたら家が太陽光発電所に囲まれていた… 突然の計画に戸惑う住民
(2018.9.1 08:00)
・・・・人口5万人に満たない北杜市の30人に1カ所の割合にまで太陽光発電所が増えた結果、「平穏な生活を侵害された」として、ある民事訴訟が提起された。
・・・・・
http://www.sankei.com/life/news/180901/lif1809010001-n1.html
(4)3メートル以上の高さのパイプに太陽光パネル 豪雨、強風に耐えられるのか
(2018.9.2 08:00)
・・・・前回までにドラム缶を架台にした発電所、「ぬりかべ」のようなパネルを並べた県道沿いの発電所、民家の周囲に次々と建てられ、ついに訴訟となった発電所を紹介した。
「まだまだ、問題だと思われる施設はあるんですよ」と、中さんはさらに車を走らせた。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020003-n1.html
(5)伊東の港のそばに韓国系企業がメガソーラー 「海に土砂が流れ込む」 「反対の声」にも計画は進み…
(2018.9.8 08:00)
・・・・ここに太陽光発電所の建設計画が持ち上がった。
計画の主体は韓国・ハンファグループの日本法人「ハンファエナジージャパン」(東京都港区、ハンファ)と太陽光関連事業会社「シリコンバンク」(東京都中央区)が出資して作った「伊豆メガソーラーパーク合同会社」。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/180908/prm1809080003-n1.html
(6)想定外だった?反対運動 韓国系財閥企業は「甘くみていたんだ」 静岡・伊東
(2018.9.9 08:00)
・・・・取材を進めると、このメガソーラー計画には複雑な事情があることが分かってきた。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/180906/afr1809060115-n1.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
(7)なぜ海は突然濁ったのか 軟らかい地盤…予想される難工事 メガソーラーができたらどうなる
(2018.9.15 08:00)
・・・・平成29年11月、伊東市八幡野の伊豆高原メガソーラーパーク発電所の建設予定地そばの尾入山の山頂に、穴が開いたように黄土色の地面がむき出しになった無残な姿があった。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/180911/prm1809110009-n1.html
(8)積極誘致姿勢だった佃弘巳前市長の「影」が徘徊する静岡県伊東市
(2018.9.16 08:00)
伊豆メガソーラーパーク合同会社の発電所を建設すれば、住民の主張通り条例違反なのか、違うのか。
・・・・・
http://www.sankei.com/premium/news/180916/prm1809160002-n2.html
(2018年9月24日 修正1 ;追記)
その後に掲載された記事も紹介する。
(9)静岡・伊豆高原のメガソーラー関係者には逮捕歴がある人物も 外国資本への転売をいぶかる住民も
(2018.9.22 08:00)
「メガソーラーなんて言ったって、設計図すらまともに書ける奴なんていないんだから」
静岡県伊東市の喫茶店で、その男性は吐き捨てるように言った。
総面積100ヘクタールの大規模太陽光発電所(メガソーラー)に従事したのは「ブローカーとしか言いようのない怪しげな人物もいた」(前出の男性)という。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/180922/prm1809220016-n1.html
(10)川勝平太静岡県知事も、小野達也伊東市長も最初は歓迎だった太陽光発電 想定外の開発に「ここまでになるとは…」
(2018.9.23 08:00)
「あんたたちマスコミは反対の声ばかり取り上げて。あんな二束三文だった使い勝手のない山が役に立つんだから良いじゃない。反対しているのはごく一部の活動家よ」
伊豆高原メガソーラーパークの計画地の一部を所有していた静岡県伊東市の不動産業者は怒っていた。
この会社が伊雄山の地権者を賛成でまとめた。
・・・・・
http://www.sankei.com/affairs/news/180923/afr1809230001-n1.html
(2018年11月4日 修正2 ;追記)
(11)際限がない建設計画 千葉・鴨川では250ヘクタールが
(2018.10.20 08:00)
房総半島の南東部。太平洋が眼前に広がる漁業と観光の町。
人口約3万3千人を擁する千葉県鴨川市で大きな太陽光発電所建設計画が持ち上がっている。
・・・・・
鴨川市を南北に流れる加茂川でシラスウナギ漁を昭和28年から続けている佐藤さん(男性、83歳)は、「メガソーラーの土砂は加茂川を通って海に流れます。私の知る限り、2回、この川は氾濫しています。西日本豪雨を見ても分かる通り、今後、必ず大きな水害が起きる。そのとき、取り返しがつかないことになる」と強く反対する。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/181020/prm1810200014-n1.html
(12)中国系企業も参加 千代田区1個分を外資が開発へ
(2018.10.21 08:00)
スペイン系のエネルギー関連会社「UNIVERGY(ユニバージー)」(日本本部、東京都港区)が山形県内の2カ所に東日本最大規模の太陽光発電所を計画している。
・・・・・
建設予定地は森林保護区である上、保安林が計画地内に複数箇所ある。
また、土砂災害警戒区域に指定された急傾斜地でもあり、山形県の水資源保全条例の指定地域でもある。
こうしたことから同町の抑止区域内に当たり、町長の同意なしに建設できないことになっている。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/181021/prm1810210016-n1.html
(13)雪深い土地にメガソーラー 「雪崩が起きたら…」 困惑する住民たち
(2018.10.27 08:00)
国内最大級の規模となる北国の太陽光発電所計画は山形県飯豊町と大石田町の町民に賛否両論を巻き起こした。
・・・・・
「あそこは地滑り危険地区に指定されている。山を整地したら沢を伝って土砂が小白川(川の名前)に入る。下流域は萩生です。地元は反対が多いですよ」
・・・・・
会社側は「冬期はパネルの除雪作業を地元でやってもらう。それが雇用を生む」と説明したそうだが、地元住民は「雪が深くて、行ったら遭難しちまうよ」と笑って、本当にメガソーラーができるのか半信半疑なのだ。
https://www.sankei.com/affairs/news/181027/afr1810270001-n1.html
(14)後藤幸平・飯豊町長「外資の高い目線、許せない」「『圧力』もあった」
(2018.10.28 08:00)
・・・・・
Q.山形県は雪深く、太陽光発電所も少ない県です。なぜ、山形の飯豊町にこれほど大きなソーラーを?
A.「私に同社職務執行者の鍵川さん(UNIVERGY社長)が言ったのは『山形県では、太陽光発電は環境影響評価(環境アセスメント)の(注1)対象外であることと、ある有力者からの紹介があった』ということです。地域の活性化に資するし、今必要な電力を供給できる。是非、受け入れてほしいと言われました」
・・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/181025/prm1810250011-n1.html
(15)賛成の自治体も反対へ 「地元軽視」外資への募る不信
(2018.11.3 08:00)
・・・・・
さらに決定的な出来事があった。平成29年8月、山形県村山総合支庁に合同会社側が違法伐採を指摘されたのだ。
「林地開発許可を得ずに、林道を作業路として拡幅したというものです。原状復旧を命じる行政指導を行いました」(同支庁の森林整備課)
https://www.sankei.com/premium/news/181103/prm1811030013-n1.html
(16)業者は工事を強行 決め手がない伊東市は住民と業者の板挟みに
(2018.11.4 08:00)
「市長たちはどちらを見ているのか。業者の方ばかり見ているんじゃないか」
10月24日夜、静岡県伊東市八幡野の八幡野コミュニティセンターで小野・伊東市長(55)出席のもと、行われたタウンミーティングは怒号も飛び交う激しいものとなった。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181104/afr1811040001-n1.html
キーワード ;太陽光発電は人を幸せにするか
2018年9月2日17時41分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
世界13カ国の水道水のほか、欧米やアジア産の食塩、米国産のビールに、地球規模の汚染が問題になっている微小な「マイクロプラスチック」が広く含まれていることを、米ミネソタ大などの研究グループが2日までに突き止めた。
水道水の検出率は81%と高く、ほとんどは繊維状で、繊維製品由来とみられる。
日本の水道水は調査していない。
マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響は分かっていないが、研究グループは、「日常生活で避けられない水道水の汚染が世界に広がっていることは、大きな懸念材料だ」と警告している。
米国や英国、キューバ、インドなど14カ国で集めた水道水159サンプルを分析した。
イタリアを除く13カ国でマイクロプラスチックが見つかった。
米国のサンプルからは、最多となる1ℓ中、約60個を検出。
インドやレバノンも多かった。
形状は98%が繊維状で、平均の長さは0.96mm。
0.10mmのものもあり、フィルターで完全に除去するのは難しいとみられる。
ほかに、小さな破片やフィルム状のものもあった。
欧州、アジア、米国などの産地表示がある市販の食塩12種と、米国で醸造されたビール12種の全てからもマイクロプラスチックを検出。
米国のボトル入りの水3サンプルにも含まれていた。
米国人の標準的な消費量に基づくと、水道水と食塩、ビールから年間5800個のマイクロプラスチックを摂取する計算になる。
水道水由来が全体の88%を占めた。
汚染がどう広がったかは明確ではないが、繊維状のものは、化学繊維製の衣服から洗濯などを通じて大気中に飛散した可能性も指摘されている。
グループのマリー・コスース博士は、「人が口にするもののマイクロプラスチック汚染が深刻化している。プラスチックに含まれたり吸着したりした有害な化学物質が人体に与える影響などを詳しく調べる必要がある」とし、使い捨てプラスチック製品の削減が重要だと指摘した。
〔共同〕
出典
『微小プラ、世界の水道水に 食塩・米国ビールにも』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34889340S8A900C1CR8000/
※調べたところ、同様な内容の記事が1年前にAFPから報じられていた。
元記事にしては時間が隔たりすぎているが・・・?
(2017年9月7日10時12分 AFP)
水道水から人の体内に入ってくるプラスチック粒子は、年間3000~4000個に上る恐れがあるとする研究結果が6日、発表された。
14か国で収集したサンプルに基づく結果だという。
プラスチック粒子を体内に取り込むことによる健康リスクは不明だが、過去には、害を及ぼす可能性のある化学物質や細菌がこれら粒子に吸収・放出される可能性があるとの研究結果も発表されている。
米ミネソタ大学と米ニューヨーク州立大学の研究チームによる調査を基に、NPO「オーブ・メディア(Orb Media)」が作成した報告書「Invisibles: The plastic inside us(目に見えないもの:人体内のプラスチック)」によると、対象となった水道水サンプル159のうち、「83%にプラスチック粒子が含まれていることが分かった」という。
研究の多くは、湖や川、海、大気などを対象にプラスチックごみ汚染の影響を調べたものとなっているが、実際に人が飲む水に光が当てられることは、これまでなかった。
水道水を対象とした今回に調査について、研究チームは世界初と主張している。
水道水サンプルの収集期間は今年の1~3月で、採取した場所はウガンダのカンパラ、インドのニューデリー、インドネシアのジャカルタ、レバノンのベイルート、エクアドルのキトの各首都、および米国と欧州7か国の複数の都市だ。
全てのサンプルは、米ミネソタ州ミネアポリスにあるミネソタ大で分析された。
分析の結果、見つかった粒子の大半は、長さが0.1~5mmのプラスチック繊維だった。
水道水1ℓに含まれる粒子は0~57個で、平均すると1ℓ当たり4.34個だった。
「水道水の単位体積当たりのプラスチック粒子密度が最も高かったのは北米で、最も低かったのは、総合的に欧州7か国だった」と、研究チームは記している。
【その他の飲食物からも摂取】
男性の場合、1日の飲料水摂取量として推奨されている3ℓを基準とし、飲み物をすべて水道水か水道水で作ったものにすると、毎日14個のプラスチック粒子を摂取する可能性があると、報告書の執筆者らは説明している。
女性では同2.2ℓの摂取で、1日当たり約10個の粒子を体内に取り込むことになる。
「この日々の粒子摂取量は、1年間では、男性で4000個以上、女性では3000個以上となる」と、研究チームは報告書に記している。
さらに、「これらのプラスチック粒子は、海塩、ビール、シーフード、その他の食品によって摂取される可能性のあるプラスチックに追加される」ことも指摘された。
1月に発表された研究では、欧州で甲殻類を食べている人の場合、それだけで年間最大1万1000個のマイクロプラスチックを体内に摂取している恐れがあるとされた。
研究チームは、潜在的な汚染源および汚染経路、そして人の健康リスクなどに関するデータをさらに収集するために調査を重ねる必要があると呼びかけている。
出典
http://www.afpbb.com/articles/-/3142010
2018年6月14日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8453/
(2018年7月4日 修正1 ;追記)
2018年6月27日12時15分にNHK大分から、条例案が可決されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
別府市で、民間事業者による温泉発電の開発が相次ぐ中、温泉の資源を保護するため、許可権限を持つ県とは別に、市が「掘削を回避すべきエリア」を独自に指定できるようにする条例の改正案が、市議会で可決された。
27日、最終日を迎えた別府市議会で可決されたのは、温泉資源を保護するための条例の改正案だ。
別府市では、平成24年ごろから、民間の事業者によって温泉の熱を利用した「温泉発電」の施設の設置が進められ、現在、市内47か所にこうした施設がある。
今後も、新たな施設を設けるため源泉の掘削が続くと、既存の源泉に悪影響を及ぼすおそれがあることから、今回の改正案では、掘削の許可権限を持つ県とは別に、市が「掘削を回避すべきエリア」を独自に指定できるとしている。
また、「回避すべきエリア」で掘削しようとする事業者に対しては、モニタリング調査を行って近くの源泉に影響が出ないかを確認することを義務づけ、事業計画などとともに、結果の提出を求めている。
条例の改正案は、採決の結果、賛成多数で可決され、ことし10月に施行されることになった。
市が28年度に行った調査では、市内40か所の源泉のうち、およそ7割で熱量が30年前に比べて減っていることが確認されているため、新たな条例が温泉資源の保護につながるか、注目される。
出典
『掘削に歯止め “温泉保護条例“』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180627/5070000948.html
2018年6月21日13時04分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地球規模の海洋汚染が問題になっているプラスチックの微小粒子「マイクロプラスチック」が、東京湾や沖縄県・座間味(ざまみ)島の海岸の二枚貝の中に蓄積していることを、東京農工大の高田秀重教授らのグループが確認した。
グループは、過去に東京湾のカタクチイワシの体内から見つけているが、貝は海外で検出例があるだけだったという。
生物の体内に取り込まれやすい直径0.02~0.08mmのごく小さな粒子が多く、「貝の生息や生態系への影響を詳しく調べる必要がある」としている。
2015~17年に東京都と川崎市の東京湾でムラサキイガイとホンビノスガイを、座間味島ではイソハマグリを採取し、体内を調べた。
採取した27個の貝の全てから、マイクロプラスチックが見つかった。
粒子の数は座間味島の貝が最多で、身の重さ1g当たり23個。
東京湾は河口部で数が多く、川崎市のムラサキイガイで同10個だった。
国内の生物からほとんど検出例がない繊維状のマイクロプラスチックも確認された。
座間味島の海岸は、アジア諸国からのものを含め多数のプラスチックごみが漂着しており、貝に粒子が多い原因らしい。
英国では今月、ブルネル大などのグループが、市販のイガイに多くのマイクロプラスチックが蓄積していると発表。
貝類の汚染は、世界の広範囲に及んでいる恐れが強い。
マイクロプラスチックは、海に出たごみが細かくなるなどして生じる直径5mm以下の粒子。
今月の主要7カ国首脳会議では、欧州連合とカナダが海のプラスチックごみ削減に向けた数値目標を盛り込んだ文書を採択したが、日本と米国は署名を拒み、改めて注目が集まっている。
【マイクロプラスチック】
大きさが5mm以下の微細なプラスチック。
ごみとして海に流れ込んだ包装容器などのプラスチック製品が、壊れて細かくなったものが多い。
洗顔料などに使われるマイクロビーズや、化学繊維のくずもある。
海外では、魚介類に加え、岩塩やペットボトルの水から見つかった例もある。
環境中の有害化学物質を吸着する性質があり、誤飲した鳥や魚などへの影響が懸念される。
(共同)
出典
『海洋汚染 微小プラスチック、国内の貝にも 沖縄や東京湾』
https://mainichi.jp/articles/20180621/k00/00e/040/239000c
2018年6月7日20時53分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国有数の温泉地の別府市で、温泉の熱を利用した「温泉発電」のための開発が相次いで進められる中、市は、温泉資源を保護するため、掘削を回避すべきエリアを指定できるなどとした条例の改正案を、近く議会に提出することになった。
これは、別府市の長野市長が7日、会見で明らかにした。
温泉の熱を利用した「温泉発電」については、県の許可が下りれば開発を進めることができるが、条例の改正案では、市が温泉資源を保護するため、発電に向けた地中の掘削を回避すべきエリアを独自に指定できるとしている。
そのうえで、発電事業者がエリア内で掘削を希望する場合、近くの源泉に影響を及ぼさないかを事前に調査したり、事業計画を市に提出したりすることを求めている。
市によると、この数年、市内で温泉発電に向けた掘削工事が相次ぐ一方で、一昨年度の市の調査では、40か所の源泉のうちおよそ7割に当たる27か所で、30年前に比べて熱量が減少していることが確認されたという。
このため市の審議会が、鶴見岳や伽藍岳に近いエリアで掘削が進むと、市内の温泉全体に悪影響が出るおそれがあるとして、掘削を回避すべき地域を指定するよう答申していた。
市では、条例の改正案を今月14日に開会する議会に提出する予定。
長野市長は、「別府の将来のため、今やらなければならないという危険水域に達しているので、しっかりと取り組んでいきたい」と話している。
出典
『温泉発電の掘削回避エリア指定へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180607/5070000802.html
6月7日付で日経ビジネスからも、下記趣旨の詳しい記事がネット配信されていた。
固定価格買取制度(FIT)が生んだ太陽光発電バブルは、バイオマス発電、小型風力、そして温泉発電へと飛び火している。
温泉地が不安を募らせるなか、日本一の泉源数と湧出量を誇る別府市が動いた。
同市が6月議会に提案する条例改正案は、FITによる開発ラッシュに一石を投じるものだ。
「今回の条例改正は、日本を代表する温泉資源がある別府市からのメッセージ。一言に温泉といっても、泉質や文化的な背景、観光業への影響は様々。これを契機に、価値の高い温泉資源をいかに保護し、後世に引き継ぐのかを考えてほしい」。
大分県別府市の猪又副市長は語る。
温泉の定義は、源泉温度が25℃以上、または19の特定成分のうち1つ以上が規定濃度を超えていること。
火山国である日本は、深く掘り進めれば、どこでも温泉が出るといっても過言ではない。
ただ、温泉の質は場所によって差が大きい。
そこかしこで蒸気が立ち上り、源泉の温度が高く、特定成分が多数含まれる別府は、いわば五つ星だ。
別府の主産業が観光であるのはもちろん、江戸時代から続く調理方法「地獄蒸し」など、市民生活との関わりも深い。
「温泉は日本の文化。MANGAと同じように、海外ではONSENと言われている。温泉発電のすべてを反対しているわけではないが、生活に密着し、観光資源として活用されている温泉を、わざわざ発電に使う必要はない。その地域にあった活用方法を考えるべき」と、猪又副市長は続ける。
猪又副市長の発言の背景には、別府市のジレンマがある。
温泉発電のために、市内で新たに温泉を掘削する事業者がいても、市は止めることができないのだ。
温泉発電は、FITの区分でいうと15000KW未満の小型の地熱発電に相当する。
いわゆる地熱発電は、地下深くに存在する熱水溜まり(貯留層)まで井戸を掘り、150℃以上の高温高圧の熱水と蒸気を取り出し、これを使って蒸気タービンを回して発電する。
一方、温泉発電は、地表近くの源泉から湧出する80℃以上の温水や蒸気を使うバイナリー発電を指す。
温泉発電は、FITにより、40円/KWh(税別)で15年間の買取が保証される。
太陽光発電の買取価格が低下する中、温泉発電の条件は、再エネ発電事業者にとって魅力的に映る。
「県外の事業者が大分県や熊本県にやってきて掘削しているが、止めるためのルールがない」(関係者)。
温泉の新規掘削の許認可は都道府県が行うため、地元自治体は指をくわえて見ているしかない。
環境省が管轄する「温泉法」には、温泉開発に制限のある「特別保護地域」などの定めがある。
だが、制定から時間が経過しているうえ、掘削を止める強制力という面でも心もとない。
そこで別府市は、“抑止力”として条例を活用する方法を考えた。
止めることができないなら、「面倒臭さ」で事業者に別府での開発を回避してもらおうという作戦だ。
【別府の温泉資源は減衰している】
別府市は2016年5月、「温泉発電等の地域共生を図る条例」を施行した。
条例は、国および県の環境アセスメントの対象外である10KW~7500KW未満の温泉発電が対象だ。
発電設備の設置前に、事前協議開始および完了の届出、周辺環境の影響調査、モニタリングの実施、事故発生時の報告義務、地元説明会の開催などを求める。
温泉発電の開発ラッシュを懸念した複数の自治体が、この時期に温泉発電を手がける事業者に向けた条例を定めた。
だが、「別府市の条例は、他の自治体に比べて手続きなどの項目が多く、事業者にとって面倒なもの。今度の条例改正では、輪をかけて面倒にする」と別府市環境課の堀・課長補佐兼環境企画室長は説明する。
実は、今回の条例改正の背景には、別府市の抜き差しならない事情がある。
条例改正に先立って30年ぶりに実施した温泉資源の調査で、市の想像をはるかに超える温泉資源の減衰が明らかになったのだ。
【アボイド・エリアという新発想】
別府市が実施した源泉調査データの結果は、別府市・温泉発電等対策審議会で精査し、分析・評価を行った。
この審議会の座長は、日本の温泉研究をリードしてきた由佐悠紀・京都大学名誉教授が務める。
日本一の泉源数と湧出量を誇る別府には、京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設があり、由佐会長は30年前の源泉調査も手がけている。
今回、30年前の調査時と同じ源泉を調査したところ、約7割で熱量が低下。
掘削し直した源泉でも、約半数で熱量が低下していた。
また、掘削し直す際には、以前の源泉よりも深く掘らないと、同程度の泉温が確保できない状況であることが分かった。
「由佐会長は、調査データが示した温泉資源の減衰に強い危機感を示し、温泉発電の開発が進む今、より積極的に重要な源泉を守るための方策が必要だという議論になった」(堀室長)。
それが、温泉開発を避けるべき地域として「アボイド・エリア」を定めることだ。
審議会は、源泉調査のデータを基に、熱源である伽藍岳と鶴見岳に近い明礬温泉の一帯や鉄輪温泉の一部地域などを、アボイド・エリアに指定。
このエリアで温泉発電を開発する事業者に対して、FIT申請や県への掘削手続き、かねて条例で定めている市への事前協議の届出を行う前に、温泉発電審議会の事前審査を受けることを義務付ける。
・・・・・
出典
『別府市が温泉発電に「待った」、込めた意思 地域の資源を取り戻す戦いが始まった』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/022700115/060100118/
2018年6月7日5時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
きたみらい農協は、タマネギの表皮を炭化させ、暖房の燃料に活用する計画を進めている。
北見市西相内で、来年夏にも本格稼働する集出荷施設に導入する計画。
施設内は、主に灯油を使って暖めてきたが、タマネギの炭の併用で、灯油の年間使用量を7%に抑える効果を見込む。
同農協は、「環境への取り組みもアピールし、北見産タマネギの付加価値を高めたい」とする。
タマネギの表皮は、大きさを選別する集出荷施設の選果場で大量に発生し、現在は大半が廃棄されている。
同農協によると、新設の集出荷施設内に、表皮を乾燥、破砕、炭化させるプラントを設置する。
1日で400トンのタマネギを処理し、数100kgの炭を製造できる能力がある。
炭はプラント内の炉で燃焼させ、人力による作業が中心となる約3500m2の選果場で温風を循環させる仕組みだ。
表皮の有効活用策では、えんゆう農協(湧別)が2010年から、表皮をペレット化し暖房の燃料にする試みを始めた。
炭化したものは、土壌改良材として使う例が兵庫県などであるものの、暖房の燃料としては「おそらく全国で初」(きたみらい農協)という。
タマネギの選果は冬をまたいで行われるため、灯油代がかさむのが悩みの種だった。
来年夏にも稼働する集出荷施設は、国内最大規模の1万4000m2。
同農協は、灯油とタマネギの炭を併用する暖房は、灯油だけの暖房に比べ、灯油代を年約150万円節約できると試算する。
同農協は、「今回の導入結果を踏まえ、今後改築を予定している他の選果場にも、タマネギの表皮による炭の暖房を導入したい」としている。
出典
『タマネギ表皮を燃料に活用 きたみらい農協 集出荷施設の暖房利用へ』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/196983/
2018年5月26日5時0分に沖縄タイムスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ベンチャー企業のチャレナジー(東京)は、台風などの強風時でも発電できる風力発電機の実証実験を、8月から石垣市内で始める。
出力は10KWで、制御システムなどを琉球大と共同研究する。
2020年をめどに、台風の多い東南アジアなどに出荷する計画。
沖縄は、実験だけでなく、アジアに近い地理性を生かし、部品供給の拠点としての展開も検討している。
同社の風力発電機は、地面と垂直の三つの円筒が風車の代わりに回転する「垂直軸型マグナス風力発電機」。
突風を受けても円筒の回転数を抑えることができ、台風時でも発電を続けることができる。
16年から南城市で、出力1KWの発電機の実証実験を実施している。
石垣市で実験する10KWの発電機は全長18mで、風車にあたる円筒は高さ10m。
風速40mでも耐えられる設計という。
琉大とは、風車の動きを制御するモーターシステム、円筒部分を支えるアームの強度を研究している。
早ければ20年までに実証実験を終え、実用化させる方針。
台風などの強風が多く、小規模で発電コストの高い離島地域を抱える沖縄や、フィリピンなどの東南アジアへの展開を目指している。
南城市の実験では、デジタル衛星放送の「スカパー!」を運営するスカパーJSATと協力して、風力発電機で発電した電気を使って衛星通信システムを稼働させる実験も開始。
風力発電機の操作やデータ収集を遠隔で実施する。
石垣市でも、衛星通信の実験を実施する。
発電機を独立して稼働させることで、通信環境の整備が行き届いてない離島や山間部での通信システム構築にもつなげたい考え。
チーフストラテジストの水本氏は、「沖縄で得た知見を生かして、アジアへの展開を目指したい」と話した。
出典
『台風でも風力発電、沖縄で実証実験 強風多いアジア離島へ展開狙う』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/255506
※ちょっと前、2018年2月6日7時0分にITmediaからも下記趣旨の、かなり詳しい記事がネット配信されていた。
長文につき、冒頭部分のみ紹介する。
次世代風力発電機を開発するチャレナジーは2018年2月2日、事業成果報告・記者発表会を開催し、これまでの実証の成果と今後の事業計画を発表した。
2018年8月には10KWの試験機による実証を開始し、2020年以降には量産販売を開始する方針だ。
チャレナジーは2014年創業の、「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するテクノロジースタートアップ。
一般的に普及している水平軸プロペラ式の風力発電機と異なる機構を持つ垂直軸型マグナス式風力発電機は、円筒を気流中で回転させた時に発生する「マグナス力」を利用し、風車を回転させる。
また、垂直軸の採用により、強度の確保や全方位から吹く風の発電利用が可能になった。
この垂直軸型マグナス式を採用する風車は、従来の水平軸プロペラ式では低効率、もしくは発電が困難だった風速・風向が頻繁に変わる状況でも、安定して発電ができるという。
(関連記事:台風に負けない風力発電に挑戦、バイオマスで島のCO2を減らす)
同社は現在、1KW試験機を沖縄県南城市に設置し、実証を行っている。
2017年には、3個の台風によって試験場が強風域に入り、その中の台風22号(2017年10月28日)が直撃した。
最大瞬間風速は毎秒33mにもおよび、試験機と同地域に設置されている水平軸プロペラ式風力発電機は故障防止のため風車を停止させたが、同社の試験機は安定して連続発電ができたという。
同社CEOの清水氏は、「設計上、風速70mまで耐えることができる」と語り、台風やハリケーンが多く発生する地域や新興国で、台風を資源化する“台風発電”を目指すとしている。
既に、30を超える国や地域からの問い合わせがあり、2017年10月にはフィリピン国家電力公社と、同国での共同実証に関する合意書を締結している。
・・・・・
出典
『台風発電は実現するか、チャレナジーが風車を2020年に量産へ』
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1802/06/news038.html
2018年5月23日19時21分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
稚内市内に建設された風力発電用の小型の風車に撤去命令が出された。
稚内市は、設置場所を住宅から一定の距離以上離すとした市の条例に違反しているとしている。
撤去命令が出されたのは、京都府内の業者が稚内市の西浜地区に建設した2基の小型風車。
稚内市の条例では、出力が5KW未満の風車は住宅から50m以上離して設置することが定められているが、市によると、2基の風車は最も近い住宅からの距離がおよそ30mと、基準を満たしていないという。
去年12月に条例が施行されたあと、業者に対し撤去命令が出されるのは初めて。
風力発電を巡っては、大型の風車が設置前の環境アセスメント実施が法律で義務づけられるなど、規制が厳しいのに対し、小型風車は比較的設置しやすいことから、稚内市内でも数が増えている。
市は、騒音被害などを心配する市民の声を受けて条例を制定していて、今回の2基については、2か月後の7月23日までに撤去するよう、業者に求めていくことにしている。
一方、業者はNHKの取材に対し、「条例では、近隣住民の同意があれば設置が認められることになっている。住民の理解を得られるよう努力したい」と話している。
出典
『小型風車 稚内市が初の撤去命令』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180523/0000227.html
5月23日7時50分に読売新聞からは、下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。
同市などによると、京都府の事業者は昨年12月頃、西浜地区で6基の小型風力の鉄柱を建設。
条例違反が確認されたのは、うち2基で、鉄柱に出力3KWの風車が取り付けられている。
出典
『50m未満で住宅に近すぎ、風力発電に撤去命令』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180523-OYT1T50041.html
※本件、ちょっと前の情報だが、2018年3月29日付で日本経済新聞から、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
稚内市が小型風力発電を規制する条例を制定して、3カ月半がたった。
建設や運転時の基準を定めて、違反した場合は是正を勧告し、事業者名を公表する拘束力がある内容で、トラブルを未然に防ぐ狙いだ。
それでも、電力の固定買い取り価格の引き下げを控えて、駆け込みで建設する動きが後を絶たない。
「土地の買い取りを持ちかけられている」
「隣の空き地で風車の建設工事が突然始まった」
市には、小型風力に関する市民からの問い合わせが、2017年の夏から急増した。
建設工事や土地買い取りを積極化しているのは、市外の企業だ。
国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度で、出力20KW未満の小型風力発電の売電価格は、現在、1KWh当たり55円と、20KW以上の大型風力(21円)より2倍以上高い。
18年度から大型風力と同じ20円に引き下げられる予定で、その前に駆け込みで申請する動きが相次いだ。
市には1社で50~100基規模の小型風車を建設する計画が持ち込まれ、乱立の様相を呈している。
市はトラブル防止に向けて、17年12月13日に条例を施行した。
条例は、風車の設置場所を住宅や学校、事業所などから50~100m以上引き離すよう規定。
計画段階で住民説明会を開き、住民の理解を得ることも求めている。
違反した事業者に指導・勧告・命令を行い、従わない場合は事業者名を公表する。
「無秩序な建設では第二の空き家問題が生じる」。
市環境エネルギー課の佐伯課長は、発電のトラブルや所有者の変更、事業期間終了などで施設が放置され、市の景観などに悪影響を及ぼすリスクを懸念する。
条例施行後、市には建設を計画する企業や、同じ問題を抱える自治体から問い合わせが相次ぐ。
4月以降、設置工事が本格化すると予想され、市は条例に基づき監視を強める構えだ。
山本建設(稚内市)は、雪氷冷熱に続く新エネルギー事業として、約3000万円を投じて、市内に出力5KWの風力発電を4基建設中だ。
4月以降に北海道電力に売電する。
10年で投資を回収し、11年目から年250万円の利益を見込む。
菊池社長は、「買い取り価格が下がる前に事業を始めたかった」と話す。
4基の建設を請け負うのは、大東石油販売(稚内市)だ。
風力発電大手エコ・パワー(東京・品川)と共同出資で事業会社を設立し、市内に風車4基を稼働させた。
15年に小型風力に参入し、出力5KWの風車を市内と猿払村に計16基設置した。
14億円の売上高のうち、風力発電事業は5000万円を占める。
大東石油販売の大村社長は、「買い取り価格が下がれば、売電収入に基づいたビジネスモデルが難しくなる」とみる。
稚内市の条例は、野放図な開発にブレーキをかけつつ、いかに円滑な導入を図れるか、多くの自治体が注視している。
出典
『稚内市の小型風力規制条例 乱立抑止、問われる実効力 駆け込み急増 監視を強化』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2869166028032018L41000/
(ブログ者コメント)
条例施行が昨年12月13日。
業者が建設したのが昨年12月頃。
条例施行前に駆け込みで建設したが、完成が間に合わなかったということだろうか?
2018年4月23日8時15分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市は、昨年11~12月に市内のスーパーで、賞味・消費期限が近づいた食品を店頭に並べる期間を通常より1日延長し、廃棄量がどう変化するか調べた実証実験の結果を発表した。
前年同期と比べて廃棄量を約1割減らせる効果が確認できたといい、市は「食品ロス削減に取り組む店舗の認定制度をつくるなど、さらに機運を高めたい」としている。
実験は「イズミヤ」「平和堂」が運営する市内5店舗で、牛乳やヨーグルト、食パン、豆腐など15品目で実施。
各店舗が賞味・消費期限の1~2日前に設定している販売期限を1日延ばし、売れ残って廃棄された量を前年同期と比較した。
実験期間中、15品目の売上数量計39万4910個に対して廃棄されたのは606個で、廃棄率は0.15%。
前年同期は計37万4242個に対して618個が廃棄され、率は0.17%だった。
実験期間中の売上数量は前年同期より約2万個増えたが、廃棄数と率は減少し、販売期限を延ばした効果がみられた。
さらに、前年同期の売上数量が実験期間中と同じだったと仮定し、廃棄率を0.17%として計算。
前年同期の廃棄数は671個となり、取り組みによって65個(9.7%)少なくなったとしている。
この取り組みは市民の理解を得やすい、という調査結果も。
実験に合わせて市内の20歳以上の男女1062人にインターネットで行ったアンケートでは、92%が「良いことだと思う」と回答。
「取り組みを進めるために必要なこと」(複数回答)は、「適切な値引」が63.9%で最も多く、「期限の近づいた商品を集めて販売」(57.6%)、「目的を十分伝える」(40.9%)が続いた。
一方、市内の小売業者に対する調査では、各店舗が独自で賞味・消費期限当日よりも早い期限を設定している実態が明らかに。
回答があった30社のうち、16社が「常温加工食品・乳製品」で設定し、その理由(複数回答)は「過去からの踏襲」が最多の53%だった。
市ごみ減量推進課は、「販売期限の延長に好意的な消費者が多く、企業が独自に設定している期限は、必ずしも消費者ニーズを踏まえたものではないともいえる」と分析。
今年度、賞味・消費期限の当日まで販売するなど、食品ロス削減に積極的な店舗の認定制度をつくる予定で、「先進的な取り組みを広く情報発信し、消費者と企業双方の理解を深めていきたい」としている。
出典
『販売期限1日延長、食品ロス1割減…京都市実験』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180421-OYT1T50134.html
(ブログ者コメント)
以下は京都市からの広報資料(2018年3月29日付)。
【広報資料】販売期限の延長による食品ロス削減効果に関する調査・社会実験の結果について
http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000235121.html
2018年2月17日13時11分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地球温暖化対策として拡大が期待される再生可能エネルギーの発電コストが2010年からの7年間で大幅に下がり、世界平均で太陽光は73%、陸上の風力は23%下落したとの報告書を、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)がまとめた。
20年までに太陽光のコストはさらに半減する可能性があり、一部の太陽光と陸上風力は、火力発電より安くなると予測。
アドナン・アミン事務局長は、「再生エネへの転換は、環境への配慮というだけでなく、今や経済的な選択だ」と指摘した。
10年時点の太陽光の発電コストは、世界平均で1KWh当たり36セント(約39円)だったが、17年には10セントに下落。
陸上風力は8セントから6セントになった。
技術の進展や入札制度の導入などによる価格競争の促進、参入企業の増加が要因という。
石炭や石油など温暖化をもたらす化石燃料を使った火力発電のコストは5~17セント(約5~18円)で、同機関は、「太陽光と陸上風力の下落傾向は続く。20年までに化石燃料のコストを下回るケースも出る」と予想する。
日本国内について経済産業省は、14年時点で太陽光の発電コストは24円、陸上風力は22円と試算。
設備利用率や耐用年数などによって変わり得るとした上で、「今の価格は14年時点より下がっているものの、世界平均よりも高い」と話す。
他国と比べ設備費や工事費が高いのが原因で、経産省は、競争の促進や保守点検の効率化などによる価格引き下げを目指す。
業界団体などは、30年に太陽光を7円、陸上風力を8~9円まで下げる目標を立てている。
(共同)
出典
『再生エネ 太陽光コスト7年で73%減 風力も23%下落』
https://mainichi.jp/articles/20180217/k00/00e/040/226000c
2018年1月9日22時33分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
英政府は9日、生態系への影響が懸念される微細なプラスチック粒子「マイクロビーズ」を含んだ製品の製造を同日付で禁止したと発表した。
環境保護が目的で、英紙ガーディアンによると、7月からは、粒子が使用された製品の販売も禁じる。
粒子は、汚れや古い角質を落とす目的で、洗顔料や歯磨き粉などの一部に添加されてきた。
下水処理施設で回収されず、河川や海を汚染し、粒子を食べた魚や貝の中に蓄積すると指摘され、環境団体などが使用禁止を訴えていた。
ガーディアン紙によると、マイクロビーズは年に数1000トンが海に流出。
米国では、2015年に製品への使用を禁じる法律が成立した。
出典
『英、マイクロビーズ製造を禁止 7月から製品販売も』
https://this.kiji.is/323436590125991009?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
日本の動きについては、以下の情報が見つかった。
『平成28年度化学物質安全対策(マイクロプラスチック国内排出実態調査)報告書
平成29年2月』
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000116.pdf
日本は出遅れているという情報もあった。
(2016年10月18日10時53分 産経フォト)
http://www.sankei.com/photo/story/news/161018/sty1610180006-n1.html
しかしながら、規制を検討しているという情報は見つからなかった。
国として実態は調査しているが規制はなく、業界の自主規制のみ・・・というのが現状のようだ。
2018年1月9日17時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大会を通じて、環境や人権などを大切にする社会を体現できるか。
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて課題も見える。
問題になっているのが、競技施設の土台のコンクリートを固める型枠に使う木材だ。
新国立競技場の工事をする大成建設などは、「軒庇(のきひさし)」と「屋根集成材」は森林認証を得た国産材を使う方針だが、型枠には、マレーシア・サラワク州の熱帯林乱伐で地域の先住民と紛争が多発している企業「シンヤン」グループの合板が使われていた。
事業主体の日本スポーツ振興センターは、「指摘の型枠合板は国際的な認証を取ったもの」と説明する。
だが、国内外の環境NGOは、木材がどこで伐採されたかを特定したり、熱帯林の木材の使用をやめたりするよう、調達基準の改定を求めている。
昨年9月には、連名で大会組織委員会や国際オリンピック委員会(IOC)などに書簡を送った。
昨年12月、NGOの代表らがIOCと組織委の担当者と会い、調達基準の改定などを申し入れた。
インターネット電話で参加したIOCの担当者は、「指摘は重要で、組織委と議論している。対話を続け対応していきたい」と答えたという。
熱帯材を使った型枠合板は、コンクリートの表面が滑らかになったり、繰り返し使う回数を多くできたりするため、業者に好まれる。
ただ、熱帯林の破壊を懸念する国内の木材業者は、国産などの針葉樹を使った合板の開発を進めている。
ある木材業者の幹部は、「新国立の建設にサラワク州産をわざわざ使う必要はない。リスクのある木材を避ける努力が足りない」と話す。
NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク」(本部・米国)のハナ・ハイネケンさんは、「東京大会は、熱帯材から別の木材に切り替える機会だ」と訴える。
選手村の食堂や競技場のフードコートなどの食材に使う水産物の基準にも、「不十分」という指摘がある。
基準では、魚などの水産資源を守るための管理ができていると第三者機関の認証を受けたものを使うとしている。
国際的な水産物の認証制度「海洋管理協議会(MSC)」と「水産養殖管理協議会(ASC)」のほか、日本独自の認証制度があてはまる。
一方で、認証を受けていなくても、国や都道府県の指針に沿って漁業者が作る資源管理計画などがあれば、使用を認める。
背景には、国内では認証を受けた漁業者が少ないという実情がある。
高いレベルの認証のMSCは3件、ASCは2件しかない。
水産資源の保護を進めるコンサルタント会社「シーフードレガシー」の花岡社長によると、国内では資源管理計画が約1900もあるが、多くは目標年度や目標数値が定められていないという。
花岡氏は「五輪は水産資源の管理を見直す機会だが、いまの資源管理計画を調達基準で認めるのでは生かせない。目標年度や目標数値を計画に定めることが求められる」と話す。
12年ロンドン大会では、MSCの認証水産物が多く使われた。
大会後、ロンドンを中心に認証水産物が消費者に浸透し、五輪が広めた代表的なレガシー(遺産)となった。
【「脱炭素」へ進まぬ計画】
五輪では、地球や人間が「持続可能」な大会運営は義務だ。
IOCは、開催都市との契約で、その戦略や計画をつくるよう求めている。
資材や食材などの調達基準だけではない。
大会の準備中や開催中に出る二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを減らす方策、ゴミの処分方法や廃棄場所などを示し、報告することも求めている。
これを受け、組織委は「持続可能性に配慮した運営計画」の第2版をつくっており、今月16日までパブリックコメントで幅広く意見を募っている。
計画では、自然エネルギーを増やしたり排出量取引制度を使ったりして、(CO2)を実質ゼロにする「脱炭素五輪」をめざす。
東京都も、五輪とパラリンピックの開閉会式(計4日間)の都内の(CO2)排出量(約72万トン)を、都の排出量取引制度を使って、実質ゼロにすると表明している。
小池知事は、「持続可能性のバトンを(後の大会に)つなげたい」と語る。
計画ではほかに、ゴミを減らし、再利用やリサイクルを進めるほか、長時間労働の禁止や人権保護なども盛りこむ。
五輪では初めて、使い終わった携帯電話などの部品から取り出した金属を再生してすべてのメダルをつくる試みも、昨年から始まった。
課題もある。
組織委が(CO2)の排出量取引制度を利用する際に必要な資金のめどが立っていない。
「選手村で使う食器は再利用できるものにすべきだ」という声も出ている。
だが、洗浄力や乾燥力の高い機械を備えるには費用がかかる。
検討すべき点が多く、計画の第2版策定は、当初予定の3月から6月にずれ込んだ。
【視点 次代に伝えるビジョンを】
最近、紙やパーム油の調達基準を考える大会組織委員会のワーキンググループ(WG)で、環境NGOの関係者がこんな指摘をした。
「グリーンウォッシュになってしまう」。
うわべだけ環境に良いと装い、中身が伴っていないという意味だ。
東京大会の持続可能性に関するWGなどは、報道陣に原則、すべて公開されている。
環境、人権分野のNGO関係者や弁護士、大学教授らのメンバーが、厳しい指摘を投げかける。
組織委の担当者が答えに窮する場面もあり、議論はなかなか前に進まない。
「グリーンウォッシュ」には、そんないらだちが混ざっている。
組織委側にも事情がある。
持続可能性への認識が乏しい日本で、現実とかけ離れた理想で目標を作っても、計画倒れになる。
1兆3500億円の総経費もさらなる削減が求められ、資金にも限界がある。
一方で、何を発信したいのか、ビジョンが見えない。
組織委の答えは「ロンドン大会では」など、過去の例が目立つ。
「経済効果の話は盛んだけど、持続可能性はIOCから言われて受け身なのではないか」と指摘する関係者もいる。
東京大会は、地球や人間が持続できる社会を作るきっかけになる。
2020年以降の道しるべになるような計画を作り、未来を担う子どもたちへ伝えたい。
出典
『新国立の建設、熱帯林の木材使用に批判 東京五輪に課題』
https://digital.asahi.com/articles/ASL147CYVL14ULZU00Q.html?rm=488
2017年12月4日4時39分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大気中の二酸化炭素が海に溶け込むことで起きる「海の酸性化」が地球全体で急速に進んでいることが、気象庁の解析でわかった。
生態系や地球温暖化に大きな影響を与えるとされ、気象庁は解析結果を公開するとともに、今後も注意深く監視を続けることにしている。
気象庁などによると、海は大気中の二酸化炭素を吸収する性質があり、地球温暖化の進行を抑える役割を担ってきた。
しかし、長年にわたって二酸化炭素を吸収し蓄積してきたことで、本来は「弱アルカリ性」を示す海水が少しずつ酸性に変化する「海の酸性化」が各地で起きていると指摘されてきた。
これについて気象庁が、平成2年から去年までに世界各地で観測された海面のデータを集めて詳しく解析した結果、海の酸性化が地球全体で急速に進んでいることがわかった。
具体的には、値が低くなるほど酸性化していることを示す「pH」の地球全体の平均値が10年当たりで0.018低下していたということで、これは産業革命以降のおよそ250年間の10年当たりの平均値に比べて4.5倍のペースで進行しているという。
海の酸性化が進むとサンゴやプランクトンなどの成長が妨げられ、生態系に大きな影響を及ぼす可能性があるほか、海の二酸化炭素を吸収する能力が低下し、地球温暖化がさらに進行するおそれがある。
気象庁は、解析結果をホームページで公開するとともに、今後も注意深く監視を続けることにしている。
出典
『「海の酸性化」地球全体で急速に進行 温暖化に拍車も懸念』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171204/k10011245211000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001
(ブログ者コメント)
以下は、11月27日付の気象庁報道発表資料。
資料中、世界の海のPH分布が7.96~8.20の範囲で、赤いほど酸性、青いほどアルカリ性として色分け表示されている。
『海洋酸性化が全球で進行していることが分かりました~世界で初めて全球の海洋酸性化の監視情報について提供を開始~』
http://www.jma.go.jp/jma/press/1711/27b/20171127ph.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。