2024年11月1日15時0分に読売新聞から下記趣旨の記事が、発電量推移グラフなど付きでネット配信されていた。
2030年代に予想される太陽光パネルの大量廃棄に備え、国や自治体がリサイクル体制の構築を急いでいる。
再資源化コストの高さがネックとなるが、膨大な使用済みパネルがごみとして捨てられないよう、リサイクルの義務化など様々な方法が検討されている。
■1枚3000円
東京電力の子会社「東京パワーテクノロジー」の川崎市内の施設では、年間3000枚の使用済み太陽光パネルをリサイクルしている。
パネルの素材は6割がガラスで、ほかはフレームに使われるアルミやプラスチックなど。
パネルを処理装置に投入すると各素材に分解され、砕かれた粒状のガラスがはき出される。
■太陽光パネルのリサイクルのイメージ
回収したガラスには不純物が多く、アスファルト舗装などに使用される土木資材としてしか販売できない。
収入はわずかなため、リサイクルの依頼主にパネル1枚につき3000円の処理費用を請求している。
ただ廃棄した場合より2倍もコストがかかり、リサイクルの依頼が来ないという悪循環に陥っている。
年間3万枚のリサイクルを目標としているが、パネル不足で稼働しない日もある。
担当者の長島さん(46)は「、高品質のガラスを回収し、付加価値の高いガラス製品に再資源化しなければ、ビジネスとして成り立たない」と語る。
太陽光パネルのメーカーでつくる「太陽光発電協会」でも、パネルのリサイクルに参入する業者が増える一方で、「設備の稼働率が低く、採算がとれない」といった声も多く聞かれるという。
■大半が埋め立て
太陽光発電は東日本大震災後の原子力発電や火力発電に代わるエネルギーとして注目され、政府が12年に再生可能エネルギー由来の電気を固定価格で買い取る制度(FIT)を始めたことを契機に一気に普及した。
環境省によると、パネルの耐用年数は20~30年と長いため、現在の廃棄量は年間10万トンにも満たないが、2030年代後半以降には最大約50万トンに達する見通しだという。
現在、使用済みパネルの大半は埋め立て処分されており、廃棄量が増えれば、処分場が 逼迫する事態になりかねない。
リサイクル促進のため、政府は今年3月、先進的な技術を持つ業者には許可手続きを簡略化して、全国展開しやすくする新法を制定。
9月からは有識者会議を設置し、太陽光発電業者らへのリサイクル義務化のほか、効率のいい回収方法や費用の徴収方法などを検討している。
環境省幹部は「環境に優しい太陽光発電を推進しても、パネルがごみになってしまえば、元も子もない」と話す。
■住民向けに費用補助
独自の取り組みを始めた自治体も増えている。
来年4月から全国で初めて新築戸建て住宅の太陽光パネル設置を義務づける東京都では、住民向けにリサイクルにかかる費用を一部補助している。
福島県は今年夏から、事業者を対象にリサイクル費用を補助する事業を始めた。
福岡県は21年から、パネルの回収業者やリサイクル業者のために、発電事業者からのパネル廃棄の要望や回収予定日の情報を専用サイトで共有する取り組みを行っている。
回収の効率化で運送コストの節約になっているという。
県循環型社会推進課の高木係長は、「リサイクル業者が採算がとれるように、将来的には九州全域から多くの太陽光パネルを回収する体制を整えたい」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241101-OYT1T50050/
2024年9月15日8時2分にYAHOOニュース(THE GOLD ONLIME)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。
今回のテーマは「窓」。
冬暖かく、夏涼しい家にするためには、窓の断熱性能が極めて重要だといわれています。
しかし、日本の窓事情は深刻で「日本最高評価の断熱窓は、海外では違法レベルの低性能」です。
この状況の真相について、詳しく解説していきます。
■実は日本の住宅の断熱性能は、先進国で最低水準
知っている人の間では常識でも、多くの人が知らない事実というのは結構あるものです。
日本の住宅性能、特に断熱・気密性能(冬暖かく、夏涼しく、省エネの家)は、先進国で、突出して性能が低いという事実もそのひとつです。
残念なことに、家を新築する、もしくは分譲住宅の購入を検討している多くの人は、この事実を認識していないようです。
このことを知った上で住まいづくりをするかどうかは、建てたあとの満足度に大きな差が生じます。
■決定的に劣っている、日本の窓の断熱性能
冬暖かく、夏涼しい家にするためには、断熱・気密性能が大切です。
なかでも窓の断熱性能が極めて重要です。
なぜなら、夏に流入する熱のうち74%、また冬に流出する熱の50%は、窓からなのです(図表1)。
そのため諸外国では、窓の断熱性能に厳しい基準を定めています。
U値〔W/m2・K〕は、窓の断熱性能示す値で、小さいほど高断熱であること意味します。
たとえば、ドイツではU値1.3〔W/m2・K〕以下のサッシでないと使うことができません。
中国、米国の基準も下図の通りです。
日本は地域によって基準が違います。
6地域は、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡といった人口が集中する温暖な主要都市を含む地域ですが、この地域の基準は、4.65〔W/m2・K〕です。
他国に比べて、窓の断熱性能の基準があまりに違うことをおわかりいただけると思います(図表2)。
■日本で最高等級の断熱サッシは、他の国では違法レベル
さらに驚くべきことに、日本では、一般社団法人日本サッシ協会が定める窓の断熱性能表示制度では、2.33〔W/m2・K〕の断熱性能で、最高等級の星4つがもらえます(図表3)。
【図表2】を見返してほしいのですが、日本で最高等級の評価が得られる断熱性能のサッシは、他の国に持って行くと、断熱性能が不十分で違法になってしますのです。
このように、日本で普通に家を建てるということは、他の国では考えられない低性能な家になってしまうのです。
窓の性能はわかりやすい例ですが、他にも多くの面で、日本の住宅性能は、他の国に比べて劣っています。
つまり日本では、施主が知識を持ち、意識して性能にこだわらないと、他国の基準に照らして、まともな性能の家にはならないのです。
■アルミサッシは他の国では使われていない
ではなぜ、こんなに窓性能の基準が違うのでしょうか?
背景の一つに、アルミサッシが普及していることと、樹脂サッシの普及の遅れが挙げられます。
他の国々では、基本的にはアルミサッシは使われていません。
なぜなら、アルミと樹脂で比較すると、アルミは樹脂の約1,400倍も熱を通してしまうのです。
つまり、アルミサッシを使っている時点で、十分な住宅の断熱性能の確保は困難なのです。
そのため、他の国々ではアルミサッシはほとんど使われず、樹脂製もしくは木製サッシが主流を占めています。
日本も樹脂サッシの割合が少しずつ高まっていますが、図の通り、新築住宅における樹脂サッシの割合はまだ29%程度で、他国に比べて圧倒的に普及が遅れています(図表4)。
■なぜ、窓の性能向上が重要なのか?
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■アレルギーや喘息のリスクも低減される
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■引違い戸はなるべく避けたい
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■「パッシブデザイン」も意識したい
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■既存住宅の窓の断熱改修の大チャンス!
新築中心に説明してきましたが、アルミの単板ガラス(1枚ガラス)の冬寒く、夏暑い家で、我慢しながら暮らしている人も多いと思います。
窓だけの断熱リノベは、もともとかなり手軽でコスパもいいのでお勧めなのです。
そこに、今年度は、「先進的窓リノベ事業」という国の手厚い補助制度が用意されているため、手軽に居住環境を改善する大チャンスです(関連記事:『 今年の夏こそ涼しく過ごす…朗報!窓の断熱改修の大型補助金「先進的窓リノベ2024事業」募集開始 』)。
窓を高断熱化するだけで、いきなり他国並みの高性能住宅になるわけではありませんが、現在の居住環境に比べれば、劇的に改善します。
ぜひ、冬の寒さ、夏の暑さを我慢する生活から脱却することを強くお勧めしたいと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4012334f3b10a417d08ad13f347d9d0a6c37c29a
2024年7月11日6時49分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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1世紀半近くにもわたって日本の産業支えてきた「産業技術総合研究所」の全面協力のもと、刊行された『「あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション』から、おもしろ発明をご紹介しましょう。
今回は、プルシアンブルーという顔料に着目した新発明を解説します。
なんと、環境汚染の原因とされる窒素化合物ですが、その化合物の一つアンモニアを、顔料で吸着・除去してしまおう、という、なんとも仰天の発明なのです。
*本記事は、『「あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
■なぜアンモニアを除去しなければならないのか?
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アンモニア吸着機能が発見されたのは、ただのブルーではなく、プルシアンブルーだというのである。
なぜ、ほかのブルーではダメなのか?
そんな素朴な疑問にとりつかれた探検隊は、産総研のナノ材料研究部門に出向いた。
高橋顕さんと川本徹さんに疑問をぶつけるためだ。
■じつはPM2.5の半分をアンモニアが占める
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■「窒素循環量の増大」で起こっている大問題
悪臭をなくしたいのはわかるが、研究の目的は、じつはそれだけでなかった。
その背景には、もっと大きな問題が横たわっていたのだ。
それは、「窒素循環量の増大」である。アンモニアの化学式は「NH₃」で、Nは窒素。
つまり、アンモニアは窒素化合物だ。
いま地球上では、その窒素が循環している量の増大によって、さまざまな問題が起きているという(前回記事のレポートを参照してほしい)。
人口が増加すれば食糧の生産量が増えるので、アンモニアの使用量もこの50年間で、およそ10倍になりました。
そのため、地球環境を循環するアンモニアも増え、それが多くの問題を引き起こしています。
大気中では酸性雨や地球温暖化、海では赤潮、青潮、アオコなど富栄養化の原因にもなっているのです」(高橋さん)
それに加えて、アンモニアはPM2.5の主要生成物だと考えられている。
農業によって排出されるアンモニアが、工業によって排出される窒素酸化物や硫黄酸化物と空気中で結合して、アンモニウム塩(硝酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなど)になり、その小さい粒子がPM2.5になるのだ。
いまや世界人口の95%はWHOの基準値を超えるPM2.5濃度の環境下で生活しているという。
「群馬県で採取されたPM2.5の組成を調べたところ、半分以上がアンモニウム塩だったという報告もあります(図「群馬県で採取されたPM2.5の組成」)」
「農作物や家畜などの食料生産を増やせば増やすほど、PM2.5による健康リスクが高まります。
アメリカでは、食料輸出によって得られる利益よりも、それに伴うPM2.5による健康リスクのほうが大きいとする研究結果も発表されています」(高橋さん)
EUでは、PM2.5を減らすのにもっとも効果的な手段は「アンモニアの削減」であるという考えのもと、2030年以降に大気中のアンモニアを19%削減する(2005年比)という目標が掲げられた。
環境問題で「削減すべきもの」といえば二酸化炭素(CO₂)のことしか頭になかったが、窒素削減もまた重要なテーマだったのだ。
「それ以外でも、アンモニア除去技術の必要性は高まってきています。
たとえば、実用化が進んでいる水素燃料でも、アンモニアの処理が課題の一つです。
分解すると水素と窒素になるアンモニアは、エネルギーキャリアになりえます。
水素は貯めるのが難しいけど、アンモニアの状態で移送してから現地で分解すれば、水素をつくれますから」
「その意味ではアンモニアは役に立つのですが、つくった水素の中に不純物としてアンモニアが残ってしまうのは困るんです」(高橋さん)
もちろん、「悪臭」の除去もアンモニアをめぐる大きな課題の一つだ。
社会の高齢化が進むとともに、病院や介護施設などのにおいについても、何とかしたいという需要はますます高まっているという。
■大事なのはプルシアンブルーの「穴」
・・・
■プルシアンブルーは「穴だらけ」だった
プルシアンブルーの分子構造を見ると、あちこちに「空隙(くうげき)サイト」と呼ばれる空洞がある。
「サイト」は「場所」ぐらいの意味だと思えばいいだろう。
要するに、「穴」がたくさんあるわけだ。
金属を置き換えて色を変えるときも、この穴に金属イオンが取り込まれることが重要となる。
セシウムもまた、穴に入ることで吸着されることがわかった。
高橋さんらは構造解析などによってその原理を解明し、企業と協力して無機ビーズ、着色綿布など、多様な形態のセシウム吸着材を開発した。
「この研究の過程で、プルシアンブルーの結晶構造の中には水を吸着する空隙サイトがたくさんあることがわかったのです。
アンモニアのことを考えたのは、それからですね。
じつは、水とアンモニアはよく似た性質を持っています。
だから、水がくっつくプルシアンブルーにはアンモニアもくっつくのではないかと着想したのです」
「日本は化学肥料の多くを輸入に依存しています。
もしアンモニアを吸着して回収し、肥料として再利用することができれば、少しは自給率を高められるのではないかと思いました。
もっとも、単なる思いつきで提案しただけで、当初はコスト計算も何もしていなかったので、川本にボコボコにダメ出しされましたけど」(高橋さん)
こんどは隣で苦笑する川本さんであった。
しかし、このプルシアンブルーの空隙サイトが、このアンモニア吸着という発明の大きなポイントなのだ。
※こちらの次回記事は、7月11日(木)の公開予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e1e7fc9d102b6b75a574028dc5217077903354f?page=1
2024年5月7日16時17分にYAHOOニュース(HTB)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道知床半島沖の携帯電話の圏外解消に向けた工事で太陽光パネルが設置されることに対し、日本自然保護協会は7日、国に「設置は慎重に検討すべき」という意見書を提出しました。
2022年4月、知床沖で小型観光船「KAZUI」が沈没した事故では、船長の携帯電話を通信手段としていましたが、航路の大半は圏外でした。
事故を受けて国や携帯電話事業者4社らは、知床半島に新たに基地局を設置し、来年3月までに知床半島での圏外エリアを解消させる見込みとしています。
今回の工事で知床岬灯台に携帯基地局のアンテナを設置する予定ですが、電源設備がないため、およそ2km離れた文吉湾に太陽光パネルを設置する予定です。
敷地はおよそ7000平方メートルで、太陽光パネルは264枚設置されるということです。
この工事について7日、日本自然保護協会は国に対して、設置は慎重に検討すべきと意見書を提出しました。
意見書では、「利用者の利便性よりも、不便さを伴う非日常の自然体験こそが優先されるべきであり、海域も含め携帯電話の通信強化を知床半島の核心部および周辺の海域で進めるべきではない」などとしています。
日本自然保護協会保護・教育部・大野部長はHTBの取材に対し、「知床は国立公園の特別保護地域、世界自然遺産で厳正な自然が残されたことに意味がある。そこに太陽光パネルがひかれるというのはもっと慎重に考えるべき」、「世界自然遺産の普遍的な価値を損なうかどうかが焦点になると思う」としています。
※日本自然保護協会意見書
https://what-we-do.nacsj.or.jp/2024/05/20370/
https://news.yahoo.co.jp/articles/79735c8046d2a0e4ccebe490e693f2fd1f541b83
(ブログ者コメント)
以下は知床半島先端の地図。
灯台と文吉湾の位置関係はこちらを参照。
2024年4月7日13時25分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山形県内初のご当地サーモン「ニジサクラ」の幼魚飼育を担う公益財団法人「県水産振興協会」(鶴岡市)が、余った幼魚約1000匹を鶴岡市の赤川支流に放流していたことが、県や同協会への取材でわかった。
ニジサクラは誕生したばかりで自然界への影響がわからず、県のマニュアルでは放流しないよう定めていた。
ニジサクラはニジマスとサクラマスを交配させ、当時の県内水面水産試験場(米沢市)で2017年に誕生した養殖用の品種。
同協会は県から委託を受け、内水面水産センター(遊佐町)で幼魚を育て、県内の養殖業者に出荷している。
同協会などによると、放流したのは昨年12月中旬。
複数の養殖業者から引き取りのキャンセルがあり、水槽の許容量の限界に達する恐れがあったため、500グラムほどまで育った幼魚約1000匹を赤川の支流・青龍寺川に放した。
そのままではどんどん大きく育つ上、降雪期では運搬も困難になると判断したという。
赤川では3月から、サクラマス釣りが解禁された。
釣り人のSNSへの投稿の中で、サクラマスとは外見が異なる魚の画像があったため、複数の釣り人から県に問い合わせがあった。
県が同協会に確認し、放流が発覚したという。
ニジサクラはすべて雌。
染色体の数が通常より多い影響で卵巣が発達せず、生殖能力はないという。
だが、品種誕生から日が浅く、自然界への影響の有無がわかっていないことから、県は「生産・出荷マニュアル」で自然界への散逸防止に努めるよう定めている。
一方、水産庁は、ニジサクラを含む人工的に作られた魚について、当初は国などの試験研究機関を除いて放流を行わないよう要領を定めていたが、生態系への影響が確認されなかったことから、2022年に廃止した。
同協会は、水産庁の要領を参考に、問題がないと判断したという。
県のマニュアルについては、養殖池での管理に関するものと解釈していた。
しかし、水産庁研究指導課によると、要領の廃止によって放流が推奨されるわけではなく、都道府県に適切な管理を求めているという。
同課の担当者は「ニジサクラの場合は、県がマニュアルを定めているので、それに従って管理すべきだった」としている。
県水産振興課は、交雑などで生態系に影響を与える可能性は低いとみているが、「埋却や焼却による殺処分が適切だった」とし、同協会にマニュアルの順守と再発防止を求めたという。
同協会の笠原・業務執行理事は「認識が甘かった。県などに広く対応について意見を求めるべきだった」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240404-OYT1T50009/
4月3日18時32分にYAHOOニュース(山形放送)からは、県のマニュアルはブランド魚としての流出防止のため放流しないよう求めている、水産庁は生殖能力のない魚について放流禁止ルールを廃止していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ニジサクラの生産や出荷を定める県のマニュアルでは、ブランド魚として流出を防ぐためにニジサクラを放流しないよう求めています。
一方で水産庁は、ニジサクラなどの人工的に掛け合わされた生殖能力のない魚の取り扱いについて、おととし、放流しても生態系への影響はないことが確認できたとして、放流を禁止したルールを廃止しています。
協会は、ルールの廃止に伴い、放流しても問題ないと判断したということです。
協会の担当者はYBCの取材に対し、「協会として独自に判断するのではなく、県に相談すべきだった」とコメントしています。
一方、県の担当者は、「生殖能力がないとしても自然界で何を食べるかが分かっていない」として、生態系への影響をまったくは否定できないとしています。
県は、もしニジサクラが釣れた場合は放流せず、どこで釣れたのかなど情報提供してほしいと呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3e44f05d85ff54d85af46ce0ffa4ceca9dd75f9
4月3日18時3分にNHK山形からは、県のマニュアルでは「いかなる場合も自然界に放たないよう努める」と定められているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「ニジサクラ」の生産方法などをまとめた県のマニュアルでは「いかなる場合においても自然界に放たないよう努める」と定められていることから、県は団体に対し、マニュアルを順守するよう指導しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240403/6020020183.html
(ブログ者コメント)
報道によれば、県のマニュアルでは放流禁止は「努力義務」になっているとのこと。
「いかなる場合でも」と定めているぐらいなら、なぜ一歩踏み込んで、「放流してはならない」と定めなかったのだろう?
2023年12月20日13時31分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海洋プラスチックごみ問題の一因とされる漁業由来のごみ「ゴーストギア」の実態調査が、9月から静岡県西伊豆町で行われている。
海を漂う漁網やブイなどの漁具は、船舶のスクリューや生物に絡むこともあり、漂着する海洋プラスチックごみの重量の4割を占めると言われる。
世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が国内の現状を調べようと実施しているもので、市民ダイバーの協力を得て、7月に「ゴーストギア調査隊」を発足。現在、2回目の調査をしている。
西風が吹くと波が寄せ、ごみが集まると言われる同町の女郎島沖で実施された調査では、地元ダイバー2人がカメラやGPS(全地球測位システム)などを使い、水深10メートルほどの海底を40分ほど捜索。
岩礁に絡まったロープなど人工物6点を確認した。
今後、調査場所を増やしていくという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231220-OYT1T50097/
※2ケ月ほど前、2023年10月10日20時12分に毎日新聞からは、9月に行われた1回目の調査結果や西伊豆町では計4回調査予定など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンは、9月に静岡県西伊豆町の沿岸で実施した、海に流出してごみになった漁具「ゴーストギア」の1回目の潜水調査結果を発表した。
ロープ13点と網の一部とみられる3点の計16点の海底ごみが見つかった。
調査は、海洋プラスチックごみ問題の一因とされるゴーストギアの実態を把握するのが狙いだ。
西伊豆町では計4回実施する予定。
1回目となった9月29日には西伊豆町安良里の岩場で、長さ約160メートルの区間の海中にダイバー2人が約40分間潜って調査した。
見つかった16点の素材は不明で、漁業に使われたものかどうかは分からないという。
発見場所は記録しており、専門家の意見を踏まえ、必要に応じて回収、処分する。
潜水調査を担当した黄金崎ダイブセンターの高木社長は、「別の場所で行った試験的な調査と比べると、ごみが多かったという印象がある。たまりやすい場所が点在しているのかもしれない」と話した
https://mainichi.jp/articles/20231010/k00/00m/040/248000c
2023年6月25日13時47分に読売新聞から回収作業の写真や排出量推移の棒グラフ付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
温室効果ガスの一種で、エアコンや冷蔵庫などの機器の冷媒に使われる「代替フロン」の排出増加が止まらない。
地球温暖化を引き起こす温室効果は二酸化炭素(CO2)の最大1万倍超もあり、削減が不可欠だが、機器廃棄時の回収が進まないためだ。
代替フロンは、オゾン層を破壊する特定フロンに代わり普及してきたが、国や自治体は、回収の徹底や代替フロンに代わる新冷媒の開発促進に力を入れる。
【「Gメン」巡回】
東京都内の自動車販売店の解体工事現場に2021年3月、都環境保安課の通称「フロンGメン」が立ち入り検査に入った。
エアコンの配管が切断されているのを見つけ、検知器を近づけるとランプが点灯。
解体業者に「代替フロンが漏れています」と告げた。
フロン排出抑制法は、業務用の冷蔵庫やエアコンを廃棄する際、機器からフロン類が大気中に漏出しないように回収を義務付けている。
機器のユーザーは、都道府県の登録業者に依頼して、代替フロンを吸引・回収し新製品の冷媒に再利用するか、無害化して廃棄する必要がある。
都は、自動車販売店や解体業者に再発防止を図るよう勧告するとともに、警視庁に通報。
業者らは同法違反容疑で書類送検され、全国初の立件となった。
都は20年度、代替フロンの調査担当を2人から12人に増員し、「フロンGメン」と名付けた。
都内全ての解体工事現場に足を運び、昨年10月までに約1万3000件を調査。
代替フロンを回収せずに機器を廃棄したり、未登録業者に引き渡したりするなどの違反を38件見つけた。
都は、30年までの代替フロン削減目標を、14年度比65%減としている。
同課の渡辺課長は、「目標達成には、回収を徹底するほかない。排出削減の重要性を理解してもらうため、粘り強く指導を続けたい」と話す。
【4倍超】
代替フロンは、オゾン層を破壊するとして生産が禁じられた特定フロンに代わって、1990年代から世界中に使用が広がった。
しかし、CO2の数百~1万倍超の温室効果があるとわかり、97年採択の京都議定書で、排出削減義務の対象となった。
国内では、フロン回収・破壊法(現・フロン排出抑制法)が施行された2002年から、回収の義務化がスタート。
しかし環境省によると、代替フロンの年間排出量(CO2換算)は05年度から右肩上がりに増え続け、21年度には5360万トンと、4倍超に達した。
温室効果ガス全体では減少傾向だが、ガス種別で代替フロンだけが増加している。
原因の一つが、21年度時点で40%にとどまる回収率の低さだ。
ユーザーから機器を引き取った業者が部品だけを転売し、代替フロンを不法投棄するケースが後を絶たず、政府は16年、20年度の回収率を50%とする目標を掲げたが、達成できなかった。
新たな計画では、30年度の排出量を1450万トンに抑制するべく、回収率75%を目標とし、解体業者らを対象にした研修会で法律の周知徹底を図る。
しかし同省フロン対策室は、「目標と現実に隔たりがあるのは事実。達成は大変厳しい状況だ」と、危機感を隠さない。
国際社会では、さらに、代替フロンの生産規制も進む。
16年のモントリオール議定書締約国会議で、日本を含む先進国は36年までに85%を削減することになった。
将来の使用可能量が減るため、同省は今年度、温室効果の小さいアンモニアや水などの「自然冷媒」を用いた機器の購入費用を一部補助する事業を始め、代替フロンの使用抑制を図る。
しかし自然冷媒は、エアコンに使用できないなど、技術的な課題があり、当面は、限りある代替フロンの再利用を繰り返す必要がある。
一般財団法人「日本冷媒・環境保全機構」の高島専務理事は、「代替フロンは社会生活を支えるインフラだ。適切な回収を進めなければ、将来、エアコンや冷蔵庫が使えなくなる恐れもある」と警鐘を鳴らす。
◆代替フロン
フロン類の一種で、水素、フッ素、炭素が結合した「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」を主に指す。
液体や気体に変わる際に熱を吸収・放出する性質を利用し、温度を制御するエアコンや冷蔵庫の冷媒に使われる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230625-OYT1T50028/
2023年6月13日10時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
三重県熊野市と和歌山県新宮市の県境にかかる三和(みわ)大橋で、大規模な補修工事が進んでいる。
1976年完成の橋をドローンで上空から撮影すると、熊野川にかかる橋長287メートルの3分の1が木製の板で覆われ、山の新緑の中に不思議な光景が広がっていた。
木の囲いは、橋のさび防止の塗装をする前に、産業廃棄物ともなる表面の古い塗膜をはがす際、川に落下させないための措置。
中はシートで覆われ、二重になっている。
ボルト交換を含めた補修工事は2021年12月に始まり、完了は24年度の予定。
橋の色はクリーム色から濃い茶色になる。
三重県熊野建設事務所によると、総事業費は約7億円で、三重県と和歌山県が半分ずつ負担するという。
https://www.asahi.com/articles/ASR6D43CTR66UQIP00Z.html
2023年6月7日12時51分にNHK徳島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
徳島市が資源として再利用できる紙類の分別意識を高めようと、可燃ごみの名称を、先月「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に変更すると発表したところ、そのユニークな呼び方にネット上で注目が集まりました。
市民からは賛否両方の声が上がっています。
徳島市では、先月15日、可燃ごみの呼び方をこれまでの「燃やせるごみ」から「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に変更すると発表しました。
そのユニークさから、市の公式ツイッターの投稿には、7日午前の時点で260のコメントが寄せられ、「リツイート」も1万7000にのぼり、大きな注目を集めています。
ごみの名称を変えた背景には、徳島市で資源として再利用できる紙類のリサイクルが十分に進んでいない事情があり、一昨年度の可燃ごみの内容を調べたところ、4割近くを紙類が占めたということです。
市は、チラシやお菓子の箱などの紙類は可燃ごみとして捨てず、雑がみの回収袋に入れるなどして分別するよう呼びかけていて、新たな名称をきっかけに分別意識を高めたいねらいです。
これについて市民からは「意識が高まる」と評価する意見があがる一方、「名前がややこしく、伝わりづらい」など疑問の声もあり、賛否が分かれています。
市は、今後もSNSや広報紙などを通じ、新しい名称の周知や、分別意識を高めるねらいを説明していきたいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20230607/8020017701.html
(ブログ者コメント)
名称が長すぎるという意見に対しては、「頑張り不足ごみ」といった略称にする手もあるように感じた。
2023年3月27日20時37分に産経新聞から下記趣旨の記事が、打ち切り見込みの年度別事業件数の一覧表付きでネット配信されていた。
自身が関係する会社の資金を横領したとして、東京地検特捜部に27日、業務上横領罪で起訴された三浦被告(43)は、手掛けていた複数の太陽光発電事業が思うように進まず、資金を流用したとされる。
背景には、用地買収や事前調査に手間取り、認定を受けたのに事業が頓挫する事例が全国で多発している現状があるとされる。
政府は今月末から、6万件超に上るこうした「塩漬け」された事業の認定を順次打ち切る方針だ。
【「FIT」により割高価格で販売】
太陽光発電は、平成24年7月に始まった国の固定価格買い取り制度(FIT)により、発電した電気を通常より割高な固定価格で一定期間、電力会社に販売できるようになった。
経済産業省資源エネルギー庁によると、制度開始前には国内の全発電電力量の0・4%だった太陽光発電は、多種多様な業種からの新規参入が進んだことで、令和2年度には7・9%に拡大した。
一方で、太陽光発電は太陽光パネルを設置する土地の確保や、周辺環境に悪影響を及ぼさないことを確認する調査などを終えない限り、着工できない。
関係者によると、こうした準備には年単位でかかる場合もあり、資金繰りなどで中断されるケースも多い。
【認定打ち切りで業者倒産の可能性も】
問題となっているのは、家庭や工場に電力を届ける送電網につなげられる太陽光発電の量に一定の「枠」があることだ。
認定の段階で、この枠は埋まってしまい、その後、事業が中断しても、その事業分の枠が空かない仕組みのため、有望な新規案件があっても送電網につなげる枠が足りず、断念する場合もあるという。
このため政府は、一定の条件で「塩漬け事業」を段階的に打ち切れるよう、令和2年に関連法を改正した。
今月末に最初の打ち切り期限が訪れるが、同庁によると対象は今年2月時点で6万2122件に及ぶ。
打ち切りで枠が空くことを見越し、新規参入する業者もある一方、打ち切り対象となる事業を抱える業者は「あと1年あれば運転が始められるのに、あまりに杓子(しゃくし)定規。このままでは多くの業者が倒産する可能性がある」と打ち明けた。
(2023年5月8日 修正1 ;追記)
2023年5月8日5時0分に日本経済新聞からは、滞留していた事業5万件が失効したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国から太陽光発電の事業者として認定を受けていながら、いつまでたっても発電を始めない。
未稼働のまま滞留していた5万件が、この春、国の認定を失った。
再生可能エネルギーを高額で買い取る制度は多くの事業者を呼び込み、「権利バブル」と言える状況を生んだ。
再生エネ振興のあり方に課題を投げかけている。
認定を失ったのは、再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)で期限までに運転開始への進捗が見られなかった案件だ。
・・・
(以降は有料)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA020670S3A500C2000000/?n_cid=NMAIL007_20230508_A
2023年2月18日6時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国立研究開発法人土木研究所の寒地土木研究所(札幌市)が、オホーツク海の冬場の波の力が10年あたり12~15%増大していることをデータで証明した。
海氷・流氷が減り、海上風が強まったことが主な要因。
地球温暖化による海氷・流氷の減少は今後も続くと見込まれており、高波被害防止のためにも、長期的な波浪予測のさらなる精度向上が課題になりそうだ。
寒冷沿岸域チームの岩﨑研究員が日米欧の3種類の観測データを使い、1980年代から現在までの40年間の波浪シミュレーションを行い、波の力の長期傾向を解析した。
その結果、オホーツク海域の12月から2月にかけての波の力は、平均すると10年間で12~15%増加していた。
もともと、海氷・流氷には波の力を減衰させる効果がある。
それが減少していることに加え、海氷・流氷が減って海面気圧が低下したことで、周辺の海上の風が強まったと考えられるという。
岩﨑氏は「氷があるオホーツク海は世界的に珍しく、波の予測が難しい海域。これまで研究は少なかったが、防災の観点からもさらに研究を続けたい」と話している。
論文は13日、世界的学術出版社「シュプリンガー・ネイチャー」が発行するオンライン誌に掲載された。
https://www.asahi.com/articles/ASR2K520TR2KIIPE001.html
※関連情報調査結果、世界の平均気温が4℃上昇すると北海道では波の高さが最大で1割ほど高くなるという研究結果が同じ研究所でまとめられたという、下記趣旨の記事もネット配信されていた。
(2022年12月5日12時12分にNHK北海道)
道内では、気候変動で世界の平均気温が4度上昇すると台風の影響が強まって波の高さが最大で1割ほど高くなるおそれがあるとの推計を、寒地土木研究所などの研究グループがまとめました。
研究グループは、気候変動によって道内沿岸の波の高さがどう変化するか調べようと、▽太平洋側の苫小牧港と、▽オホーツク海側の紋別港、それに▽日本海側の留萌港について、過去の気象データをもとに50年に1度起こりうる高波の高さを推計しました。
その結果、世界の平均気温が4度上昇した場合、波の高さが最大で▽苫小牧港ではおよそ9%、▽紋別港ではおよそ6%、▽留萌港ではおよそ2%高まる結果となりました。
一方、気温の上昇を2度に抑えられた場合、波の高さは最大で▽苫小牧港でおよそ2%、▽紋別港でおよそ3%、▽留萌港でおよそ1%となり、高まりを抑えられる結果となりました。
波が高くなる原因としては、特に台風の影響が大きいということで、寒地土木研究所の平野上席研究員は「数十年かけて段々と波が高くなることに備え、防波堤のブロックの並べ方を工夫するなど対応策の検討につなげたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221205/7000053095.html
2022年11月30日18時56分にYAHOOニュース(福島放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
こちらには様々なプラスチック製品が並んでいます。
普通のプラスチックは石油が原料ですが、実は、これらの製品の原料の一部には、コメが使われているんです。
どのようにして、コメがプラスチック製品に生まれ変わるのでしょうか。
【内田記者リポート】
「ビニール袋にスプーンやフォーク。さらにプラスチック製のおもちゃなど、これらの全てにコメが使われています」
「ライスレジン」は米と石油系の原料を混ぜて作られた、新しいプラスチックです。
古いコメや、精米時に砕けたコメなど、通常なら廃棄してしまうコメを活用して作られています。
【バイオマスレジン福島・今津社長】:
「最大で70%まで、コメを混ぜることが可能です」
「使用されている、石油由来の割合が減りますので」
「環境に配慮された製品だと思っている」
このプラスチックを製造する「バイオマスレジングループ」は、国内3ヵ所目の工場を浪江町に建設し、30日、竣工式を行いました。
【内田記者リポート】
「透明の筒の中、コメと石油系の材料が落下しているのが見えます。
それぞれ、こちらの機械で一緒になり、水などを使って加熱されます」
工場の中は、まるでご飯を炊いているかのような香りに包まれています。
【バイオマスレジン福島・今津社長】 :
「餅をイメージしてもらうと、分かりやすいかと思うが、コメは熱を加えると、柔らかくなって伸びるじゃないですか。
その性質を利用して、プラスチックとコメを混ぜて、伸ばしていくような形」
熱を加えて混ぜた物体を冷やし固め、細かくすると完成です。
【内田記者リポート】:
「こちらが完成したペレットです。
まだ温かく、煎餅のような香りがします。
このペレットが様々な製品に加工されるという事です」
このプラスチックを使った製品の種類は800アイテム。
スプーンやフォークは大手ハンバーガー店で、包装紙は、全国に流通しているパックご飯のパッケージに採用されています。
【バイオマスレジン福島・今津社長】:
「一般のプラスチックと、同等の品質が保てますので」
「かなり幅広く用途が、見込めますので、そういった意味で、我々も期待している」
この工場が浪江町に進出したのには、こんな理由も…。
【内田記者リポート】:
「浪江町の加倉地区です。
こちらの水田でプラスチックの原料にするコメを栽培しています」
原発事故の影響で、コメの作付けが中断してしまい、耕作放棄地も多い双葉郡。
その土地を有効活用し、新しい産業を作り出す事も期待されています。
【バイオマスレジン福島・今津社長】:
「人口の減少や雇用の創出など、様々な地域課題を抱えているので、そういった課題解決に、我々の工場が寄与できればいいなと考えている」
浪江町の工場では1日5トンのプラスチックを製造する予定で、将来的には1日10トンまで増やしたいとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0699eb9717e7aa7865683d1b345e90c8ce9344b0
11月30日17時41分にYAHOOニュース(福島民報)からは、コメの割合は50~70%など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
コメを原料にしたバイオマスプラスチック「ライスレジン」を製造するバイオマスレジン福島の工場は、福島県の浪江町北産業団地に完成した。
30日、竣工(しゅんこう)式を行い、操業を始めた。
ライスレジンの製造を通じ、二酸化炭素の削減、石油資源の使用抑制に加え、原発事故被災地の遊休農地活用を図る。
工場は鉄骨一部2階建てで、延べ床面積1776平方㍍。
コメと石油系の樹脂を混ぜ、プラスチックの材料となるライスレジンを製造する。
生産量は1日当たり5㌧から始め、最大10㌧を目指す。
年間約3000㌧を見込んでいる。
ライスレジンは、ごみ袋やレジ袋、おもちゃ、歯ブラシなどに加工される。
コメの割合を50~70%にすることで、石油由来の素材の使用を抑える。
また、原料のコメの栽培を通じ、二酸化炭素を吸収する。
コメはくず米など、非食用を中心に利用する。
原発事故によって遊休地になっていた浪江町や飯舘村の農地を再生し、作付けされたコメもある。
同社は今後、相双地方の耕作放棄地解消にもつなげていく。
竣工式ではバイオマスレジン福島の渋佐代表取締役、井出副知事、吉田浪江町長、宮下経済産業省福島新産業・雇用創出推進室長らがテープカットし、脱炭素と復興を後押しする新工場の門出を祝った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30e08129ac1901069925efd59967b8791ffe73c3
2022年10月14日9時0分にYAHOOニュース(Forbes)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本を含む世界中で広く食べられている牡蠣。
2020年の牡蠣類の養殖収穫量は国内だけで15万8900トンに上り、生産量1位の広島県は9万6000トンにもなる。
そんな人気のある牡蠣だが、養殖する過程での環境汚染が深刻な問題になっていることを知っている人は、そう多くはない。
今回は、牡蠣養殖のプラスチックパイプが引き起こす問題を見ていこう。
【牡蠣の養殖パイプが流出】
牡蠣養殖用のプラスチック製パイプは、種苗を付着させるホタテ貝を筏から吊るす際、一定の間隔を確保するために使用される。
広島湾だけで、使用される牡蠣パイプの数は2億本以上と推定されている。
それらのパイプが事故や破損によって漂流し、漂着ごみとして問題になっているのだ。
瀬戸内海に接しているほとんどの地域で、牡蠣養殖用のパイプの漂着が確認されており、悪臭で人間にも悪影響を及ぼしている。
【プラスチックの分解にかかる時間】
自然環境に放置されたプラスチックは、分解されるまでに400年~1000年以上かかると言われている。
微細な破片にはなっても、完全に分解されることはない。
目に見えないほどの小さな「マイクロプラスチック」となり、海や川、そして大気中を漂い続けるのだ。
マイクロプラスチックは有害な化学物質を吸着しやすい性質があるため、マイクロプラスチックを誤飲した魚を食べることで、私たちが健康被害を被る可能性も指摘されている。
【養殖パイプの回収制度】
牡蠣のプラスチックパイプを回収する取り組みも進んでおり、広島かき生産対策協議会は500円/5kgで買い取っているそうだ。
広島県のカキ養殖業者が漂着パイプを回収した際には、その量に驚いた方も多かったようで、排出者側の認識の薄さが問題を大きくしていると考えられる。
【牡蠣養殖をサステナブルに】
開発が進められている生分解性プラスチックのパイプは、従来のパイプより分解が早いとされており、問題の改善に一役買う可能性がある。
しかし、2019年時点ではまだまだ課題が多く、実際に使用できる状態ではなかったそうだ。
【養殖が引き起こす環境問題】
また、普通のプラスチックより早く分解されるとしても、環境を汚染することに変わりはない。
岡山県では、牡蠣養殖の1つの工程で養殖パイプの代わりにロープを使っており、プラスチックごみを削減できているため、ほかにもサステナブルな代替手段を探っていく必要がある。
【養殖が引き起こす環境問題】
ここまでは牡蠣の養殖に注目してきたが、養殖業全体ではどのような問題が起きているのだろうか。
養殖は計画的に魚を育てることができる一方で、養殖場を作るために沿岸の自然を壊したり、化学薬品や与える餌によって海を汚したりすることがある。
さらに、養殖場から出る排水や廃棄物は赤潮や青潮の発生原因となり、環境汚染を引き起こすとともに、海や河川の環境を変えてしまう恐れもあるのだ。
【養殖業との向き合い方】
養殖業は、安全・安心な魚介類を食卓に届ける産業だ。
しかし、一部の養殖業では使っている道具が劣化し、海に流出してゴミになっている現状がある。
レジ袋やストローといった目に見えるプラスチックのほかにも、牡蠣の養殖パイプのような見えないところで発生しているプラスチックがたくさん存在する。
日常の何気ない消費行動における裏側の問題にも目を向け、納得できる選択を意識していこう。
その輪が広がることで、問題点が明確になり、解決へのスピードも早まるだろう。
【参考】
・OPRI海洋政策研究所
https://www.spf.org/opri/newsletter/447_2.html?latest=1
・瀬戸内海に漂流漂着するカキ養殖パイプ類の実態
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/77/1/77_1_23/_pdf
※この記事は、2022年7月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/223283bb27bc9ecf51bb800e9a6a198b5060e4bc
2022年7月16日12時25分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県相模原市南区の市南清掃工場の焼却炉から、約31キロの金と銀が回収された。
金銀の販売で市が手にした2021年度の売却益は約3700万円。
本村市長も思わぬ収入にご満悦だった。
一般ごみとして捨てられる小型家電類の基盤などには貴金属が含まれ、焼却炉メーカーの「神鋼環境ソリューション」(神戸市中央区)が金銀を回収する技術を編み出したという。
南清掃工場の焼却炉は同社が設計、建設した「流動床式ガス化溶融炉」。
高温で炉内を流れる砂にごみを入れ、ガスと炭化物などに分解する。
通常は鉄やアルミを回収するが、同社は2018年度から金銀が回収出来ないかを検討。
3基ある炉の底に積もった比重の重い砂から金銀を回収する技術を編み出したという。
本村市長は6月中旬、神鋼環境ソリューションの大濱社長と懇談。
「都市鉱山とも言われる廃棄物の中の貴金属資源を取り出し、有価性が上がれば市にも貢献出来る」と説明を受けた本村市長は、「最初は驚いた。SDGsや脱炭素の意味でも価値ある取り組み。歳入確保策としても大きい」と喜んだ。
31キロの金銀は時価1億円相当。
特許を持つ同社の収益などを引いた約3700万円が同工場の雑収入になった。
維持管理費に使われる。
市によると、鉄とアルミの売却による20年度の同工場の雑収入は68万円だった。
同社は、回収する金銀の濃度や質について長期的に調査し、パラジウムや白金、レアアースなども含まれていないかを研究する方針。
https://www.asahi.com/articles/ASQ7H6X4VQ6HULOB004.html
2022年5月11日20時35分に毎日新聞から、『「もうライオンは飼いません」変わる動物福祉の現場』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市動物園を歩くと、こんな掲示が目に入る。
「ライオンの飼育を行いません」。
あの百獣の王は、もう見られない。
飼育員の好き嫌いで決めたのでも、人気投票で決めたのでもない。
大学と連携した研究機関でもある動物園が、最新の知見から出した結論だという。
京都市動物園はライオンに限らず、飼育している動物についてユーチューブやブログ、インスタグラムなどで詳しく解説している。
「なんだか説明の多い動物園だな」。
そう感じた記者は、園のからくりを探った。
・・・
動物園は、まだまだ多くの「工夫」であふれている。
それは、動物の心身の健康の状態をより良くしていく「動物福祉」が実践されているからだ。
「ライオンは飼いません」宣言も、その試みの一つ。
園が野生の生態を考慮して議論した結論だ。
ライオンはネコ科では珍しく群れで暮らし、狩りも協力して行う。
動物園としては、小規模な敷地を考えれば、群れの飼育は難しい。
とはいえ、以前はライオンを飼っていた。
最後の1頭、雄の「ナイル」は20年に死んだが、ナイルを巡っては、老いた姿がある議論を呼んだ。
17年ごろ、海外からの来園者らから指摘された。
「悪い環境での飼育は残酷だ」
「安楽死させるべきだ」
高齢だったナイルは痩せていた。
さらに、長年連れ添った雌「クリス」が17年1月に死んで以来、1頭きりだった。
園によると、クリスといた時の方がしゃんとしていたように見えたという。
指摘に対し、園は獣医師らのサポート態勢があることを説明。
来園者に向けても、解説文を掲げた。
「いちじるしく生活の質が低下しない限り、安楽死はしない」。
高齢のナイルが落ち着いて暮らせるよう、単独飼育を続けることも示した。
・・・
動物福祉を進める主席研究員・山梨さんは、「園として、最期までサポートすると決めましたが、ナイルにはそれなりの苦痛があったと思います。園の決断が正しかったのかは分かりませんが、安楽死を選ばなかった判断が間違いだったとも思いません。動物福祉に正解、不正解という考え方はそぐわないように思います」と話す。
飼育員でも獣医師でもない研究者を抱える動物園は珍しい。
京都大学と連携して研究を続けてきた京都市動物園は13年、園に研究拠点「生き物・学び・研究センター」を設けた。
センターは18年、国の「科学研究費(科研費)」を申請可能な研究機関に指定されている。
現在、動物の認知能力を分析する「比較認知科学」や動物園の教育機能、ゲノム科学など5人の研究者がいる。
研究テーマの一つ「動物福祉」とはなんなのか。
山梨さんは「動物の心身の健康状態のことです。科学的な手法でその状態を評価し、向上のための実践にいかします。理想はいくらでも描けますが、限られた敷地や資金、人材でどう実践していくのか。そのバランスが難しいです」と話す。
もともと、動物福祉の考え方は欧州で生まれた。
畜産から動物園の飼育動物へ広がり、世界の潮流になっている。
国内でいち早く取り入れた京都市動物園で、山梨さんが17年から始めている試みに、動物の飼育状況をチェックする評価シートの導入がある。
飼育担当者が、「採食環境」や「人との関係」などの項目を5段階や3段階で評価して記録する。
個人の感情ではなく、動物の視点から飼育環境の課題に気付けるようにするためだ。
・・・
園は戦前から昭和中期にかけ、チンパンジーにエンターテインメントショーをさせていた。
服を着せ、二本足での歩行や竹馬乗りなど、人間のような振る舞いを学ばせた。
来園者に人気だったようだが、そうしたチンパンジーはチンパンジーらしさを失い、交尾も子育てもできなくなるケースがあることが分かった。
園は1969年に「演芸場」を廃止した。
反省を生かす。
これも動物福祉の大事な視点だ。
・・・
https://mainichi.jp/articles/20220510/k00/00m/040/272000c
(ブログ者コメント)
「動物福祉」関連の情報は、本ブログでも最近になって紹介し始めている。
2022年3月29日4時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市が、動物がそれぞれ本来の行動をとれるようにする「動物の福祉」を重視した動物園条例の制定を目指している。
制定されれば日本初となる見込みで、市円山動物園のゾウ舎では先行して取り組みを進めてきた。
きっかけは、ある動物の死だった。
【自然での姿、動物園のなかでも】
「ゾウがここまで自然の中にいる時と同じ姿を見せてくれるようになるとは」。
ミャンマーでアジアゾウの導入を交渉し、生息地を視察した同園飼育展示課の朝倉係長(51)は目を細めた。
2019年に約30億円をかけて新設された円山動物園のゾウ舎で飼育されている4頭には、それ以前に見られた、ストレスなどの影響で同じ行動を繰り返してしまう「常同行動」も確認されていない。
ゾウ舎では、ゾウに負担がかからないよう、さまざまな工夫が凝らされている。
床はコンクリートではなく、砂を約1メートルの深さで敷き詰め、生息地の足場を再現。
水深3メートルのプールに潜って水浴びもできる。
ゾウには直接エサを与えず、「複数の穴が開いた壁の向こう側に置く」「砂の下に埋める」などしたエサを自ら探さなければならない。
野生のゾウは一日の大半をエサを探して過ごすことから、ゾウ舎内でもその習性のまま行動できるようにしているという。
【襲われたマレーグマ「動物虐待」】
市が、早ければ5月の定例市議会に提出する「動物園条例」の素案は、動物が肉体的・心理的にどういう状態にあるかを科学的に把握し、本来の行動をとれるようにする「動物の福祉」を重視。
諸外国が生物多様性保全に取り組み、動物の福祉が注目されていることが背景にあり、同園ではゾウ舎がその先進事例となっている。
市が条例制定に動き出したのは、15年7月に同居訓練中だった高齢の雌のマレーグマ「ウッチー」が若い雄に攻撃され、その後死んだ事故がきっかけだった。
同年6月から複数回行われた訓練の度に、ウッチーと若い雄が争う様子が確認され、死の前日も約20分間にわたり攻撃されるウッチーの姿が確認されていたが、訓練は続けられた。
事故を調査した市動物管理センターは「ネグレクト(放置)型の動物虐待」と指摘。
その後も動物の死が相次ぎ、同園の専門的ノウハウの蓄積・継承不足が浮き彫りになった。
市は対策に乗り出す。
17年に「動物専門員」を新たに設け、19年度から動物の飼育は全て動物専門員が担うことになった。
また、同園は飼育する動物の種類を減らす方針で、2月末時点で飼育する155種のうち32種は、個体が死んだり他の園に転出したりしたら飼育を終了する。
市はアジアゾウの受け入れに当たり、「ゾウ導入基本方針」を14年にまとめ、「動物にとって豊かで充実した環境を整えることが重要」としていたが、事故が相次ぐ結果となった。
同園経営管理課の森山晃係長(41)は、「飼育員は動物にとって良い環境にしようと努力してきたが、それを個人に委ねてしまっていた」と話す。
【自然保護の視点欠け 国内法は未制定】
「動物の福祉」を重視する法律は国内では未制定だ。
日本動物園水族館協会は13年、動物園水族館法制定について要望書を環境相に提出。
「多くが動物観覧や集客を目的に運営されている」、「地方自治体が設置しており、国や県に所管する部署がない」として法整備を訴えた。
17年には種の保存法が改正され「動物園が種の保存に重要な役割がある」と明記されたが、包括的な法制定の動きはない。
環境省の動植物園の検討会に委員として参加した滋賀県立大の上河原献二教授(環境法・環境政策学)は、「動物園が自然保護の役割を果たすべきだという認識が欧米にはあるが、日本では理解が十分に広がっていない」としたうえで、「仮に法律を制定すると新たに規模の大きい予算が必要になる。それもちゅうちょする一つの要因ではないか」と指摘する。
森山係長は、「『どこかが始めないと国内の状況が何も変わらない』という思いがあった。札幌の取り組みが全国に広がり、理解が進んでくれるのが理想です」と話す。
【札幌市が動物園条例制定を目指す経緯】
2014年11月…市が「ゾウ導入基本方針」まとめる。「動物の福祉」明記
2015年 7月…円山動物園でマレーグマ「ウッチー」が死ぬ。市動物管理センターは「ネグレクト型の動物虐待」と指摘
2015年 8月…グラントシマウマ、マサイキリンが相次いで死ぬ
2015年10月…元旭山動物園長の小菅氏が市環境局参与に就任
2016年 4月…市が円山動物園の休園日を年末3日間から年35日間に増やし、開園時間も短縮
2017年 4月…市が「動物専門員」職を新設
2019年 3月…ゾウ舎オープン。円山動物園でのゾウの公開は07年以来12年ぶり
2019年 4月…市が動物専門員を増員。飼育を担当する常勤職員は全て専門員に
2021年12月…市が動物園条例の素案を市議会総務委で示す
(2022年6月7日 修正1 ;追記)
2022年6月6日18時23分にNHK北海道からは、条例が可決・成立したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
「動物の福祉」の観点から動物園の役割や責任を定める札幌市の「動物園条例」が、6日の市議会で可決・成立しました。
いわゆる「動物の福祉」を掲げた条例は、全国でも初めてです。
「札幌市動物園条例」は、6日午後開かれた市議会の本会議で全会一致で可決・成立しました。
条例では、札幌市の円山動物園で誤った飼育方法により動物が死ぬ事故が相次いだことへの反省などを踏まえ、動物が、苦痛や不安を感じず本来の行動がとれるようにする、いわゆる「動物の福祉」を確保し、生物多様性の保全に貢献するなどとしています。
動物の尊厳を尊重するため、ヒツジやモルモットなどと触れ合う施設を除いて、餌やりなどで動物に利用者が直接接することや、動物に人を模したような格好や行動をさせることはしてはならないと定めています。
また、専門的な知識や経験を持つ職員の確保や、動物の病気の予防や治療を適切に行える医療体制の整備なども盛り込まれています。
市によりますと、こうした「動物の福祉」を掲げた条例は全国でも初めてだということです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220606/7000047221.html
2022年3月16日10時28分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、新クマ舎の写真付きでネット配信されていた。
長崎県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」で、クラウドファンディング(CF)で集まった支援金で施設の改修が進んでいる。
動物が心身共に快適に過ごせる環境を整えるためにCFを実施したところ、コロナ禍で苦しむ飲食業界などからも善意が寄せられ、目標を上回る1200万円超の支援金が集まった。
同園はこれまで、動物のストレスを軽減するため植栽やジャングルジム設置などを、飼育員らによる手作りで対応してきた。
しかし、大がかりな改修には資金が必要なことから、CFで支援を呼びかけた。
目標額は、クマ舎の改修(850万円)、ペンギン館の環境改善(120万円)、キリン展示場へ屋根の設置(130万円)の計1100万円。
昨年7月19日にCFを開始したところ、約2カ月間で佐世保市内の飲食業者、社会福祉法人、企業をはじめ、東京、大阪などから計1235万8816円が集まった。
CFで集まった資金を活用し、コンクリート張りだったクマ舎は盛り土して自然石を設置し、カシを植栽するなどして里山風に改修。
ペンギン館では、平地を歩くことで生じる病気「趾(し)瘤(りゅう)症」を防ぐため、コンクリート床に玉石を敷いた。
また、キリン展示場には雨や日差しを防ぐ屋根を今月中に設置予定だ。
CFを提案した「森きらら」の福田・事業部次長は、「支援金と共にツイッターに熱い応援メッセージが寄せられ、多くの方に支えられていると実感した。クマもペンギンもストレスは減っているはず」と喜んでいる。
https://mainichi.jp/articles/20220316/k00/00m/040/068000c
2021年12月7日19時37分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市が制定を目指す「動物園条例」。
市は7日の市議会で、条例の素案を示しました。
動物が苦痛や不安を感じず、本来の行動がとれるようにする「動物の福祉」の観点から、動物園の役割や責任を定めるもので、市によりますと、こうした条例は全国で初めてだということです。
「札幌市動物園条例」の素案は7日の市議会の総務委員会で示されました。
札幌市の円山動物園では6年前、マレーグマがほかのクマに襲われて死ぬなど、誤った飼育方法により動物が死ぬ事故が相次ぎました。
条例は、こうしたことへの反省などを踏まえ、動物園に求められる役割や責任を定めようと、市が制定を目指しています。
7日示された素案では、動物園の活動について、動物が、苦痛や不安を感じずに本来の行動がとれるようにする、いわゆる「動物の福祉」を確保しながら、野生動物を守り、「生物多様性」の保全に貢献するなどとしています。
そのうえで、それぞれの動物の生態にあわせた飼育環境を整備するほか、動物の尊厳を尊重するため、野生動物への直接の餌やりなどは原則行わず、動物に人を模したような格好や行動をさせることはしないと定めています。
市によりますと、こうした観点を盛り込んだ条例は全国で初めてだということです。
このほか素案には、専門的な知識や経験を持つ職員の確保や、動物の病気の予防や治療を適切に行える医療体制の整備なども盛り込まれています。
市は、来月中旬から市民に意見を募ったうえで、早ければ来年5月にも条例案として市議会に提出する方針です。
【ポイントは動物の福祉と生物多様性】
今回の条例、ポイントとなるのが「動物の福祉」、そして「生物の多様性」です。
動物園はこれまで、市民の憩いの場として、娯楽的な機能を求められる傾向がありました。
実際、円山動物園でも、開園当初は動物に芸をさせたり洋服を着せたりしていた時期がありました。
しかしいま、さまざまな生態系が存在する「生物の多様性」を守ろうという動きが国際的に広がる中で、動物が苦痛や不安を感じず本来の行動がとれるようにする「動物の福祉」の観点が重要視されるようになっています。
円山動物園でも、こうした理念に基づいた飼育方法の導入が始まっています。
ミャンマーから来たアジアゾウ4頭が飼育されているゾウ舎は、おととし建設された際、ゾウにストレスをかけないよう、さまざまな工夫が施されました。
たとえば、ゾウ舎の床は足にかかる負担を減らそうとコンクリート製から砂に変えたところ、立ったまま寝るとされていたゾウが、ミャンマーにいたときと同じように横になって寝る姿が確認されたということです。
またゾウ舎には、いつでも水浴びができる屋内プールを設置したほか、1日10時間以上、食事するゾウのために夜中でも自動でエサを与える設備も導入するなど、動物が本来の行動をとれるような「動物の福祉」に配慮した飼育環境を実現しようとしています。
円山動物園の佐々木経営管理課長は、「『動物園条例』は、飼育しているすべての動物の福祉を向上させていくことに動物園がしっかり取り組むことの宣言になる。市民にも生物多様性の保全について理解してもらい、何ができるか考えるきっかけにしてほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211207/7000040954.html
2021年11月15日6時36分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地球温暖化の原因となるメタンの濃度について県環境創造センターが調査した結果、楢葉町では、原発事故ですべての住民が避難していた2013年当時、事故前の2010年と比べ、およそ5%低下していたことが分かりました。
発生源となる水田や畜産の牛が減ったためとみられています。
メタンは二酸化炭素に比べ、大気中の濃度は低いものの、25倍もの温室効果があるとされ、日本での発生量のおよそ7割が水田で発生する細菌や畜産の牛が出すゲップなどに起因しています。
県環境創造センターは、原発事故によって県内のメタンの濃度がどう変化したか調べるため、事故から2年後の2013年のデータを、事故前の2010年と比較しました。
調査したのは会津若松市と須賀川市、それに2013年当時、すべての住民が避難していた楢葉町の3か所で、会津若松市と須賀川市ではメタンの濃度に大きな変化が見られなかったものの、楢葉町では、事故前の2010年と比べて、およそ5%低下していることがわかったということです。
住民の避難によって、メタンの発生源となる水田や畜産の牛が減ったことなどが原因とみられています。
県環境創造センターは、「原発事故はメタンの濃度を下げるほどのインパクトがあったとわかった。現在は避難指示の解除が進み、生産活動も再開されていて、濃度は元に戻りつつある」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20211115/6050016349.html
2021年9月27日5時0分に読売新聞から神戸市の現場写真と事故件数の棒グラフ付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
傾斜地にある太陽光発電施設が豪雨などで崩落する事故が相次いでいる。
自治体が条例で独自に立地規制する動きが広がる中、環境省は法令で土砂災害の危険性のある場所での新設を抑制する方向で検討に入った。
【新幹線ストップ】
「あんな危険な場所に太陽光パネルがあるとは、事故が起きるまで知らなかった」。
神戸市の担当者は、こう振り返る。
同市須磨区では2018年7月の西日本豪雨による土砂崩れで、太陽光パネルが山陽新幹線の線路近くまで落下した。
人的被害はなかったが、新幹線が一時運休するなどの影響が出た。
施設は線路からわずか10メートルほどの斜面にあったが、市は事故まで施設の存在を把握していなかった。
事業者は経済産業省から事業計画の認定を受ける必要があるが、立地自治体への報告や届け出は不要とされているためだ。
事態を重く見た市は19年7月、太陽光発電施設の立地を規制する条例を施行した。
出力10キロ・ワット以上の施設を新設する場合は市への届け出を義務づけ、土砂災害警戒区域などは禁止区域とし、勾配が30度以上の急傾斜地や住宅地、鉄道用地から50メートル以内などは許可制とした。
事業者には排水設備の整備といった安全対策や、パネルの撤去費用の積み立てを求めている。
市の担当者は、「全国的にも厳しい規制で、新設を断念する事業者もいるが、事故を繰り返さないためには止むをえない内容だ」と話す。
【自治体1割に設置抑制条例】
住宅の屋根置きなどを除いた全国の太陽光発電施設数は、3月末時点で、過去最多となる約66万5000か所に上る。
増加に伴い、パネルが落下する事故が各地で相次いでいる。
西日本豪雨では19か所の太陽光発電施設でパネルなどが損傷し、うち11か所は土砂崩れが原因だった。
経産省によると、太陽光パネルが飛散、落下するなどした事故は、19年度に135件起きている。
自治体が条例で規制する動きも広がっている。
土砂災害警戒区域内に約30の施設があると推計される山梨県では10月、県土の8割を占める森林や地滑りの恐れがある傾斜地などでの新設を許可制にする条例を施行する。
経産省によると、太陽光など再生可能エネルギー施設の設置を抑制する条例数は16年度に26件だったが、20年度には134件と5倍に増え、全国の自治体の1割近くを占めている。
【法令で新設抑制】
環境省も急な傾斜地などでの新設を法令で抑制する検討に入った。
きっかけは、7月に静岡県熱海市で起きた大規模な土石流災害。
土石流との因果関係は確認されていないが、崩落現場近くに太陽光パネルが設置されていたことで、傾斜地での安全対策に注目が集まった。
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https://www.yomiuri.co.jp/national/20210926-OYT1T50132/
(ブログ者コメント)
今年7月に山梨県でも条例が成立し10月から施行されたなど、関連情報は本ブログでも何件か紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。