2018年6月27日11時52分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪北部地震でブロック塀の下敷きとなった女子児童が犠牲となり、安全対策が叫ばれる中、宮城県の自治体の取り組みが注目されている。
1978年の宮城県沖地震を機に、40年にわたり、塀の改修や生け垣への建て替えに対する助成制度、点検などを行政主導で続け、東日本大震災でも、ブロック塀倒壊による死者は確認されていないからだ。
専門家は、「危険性に関する行政などの対策が、一つの成果として表れた」と評価する。
宮城県沖地震では、ブロック塀や門柱の倒壊で18人が犠牲になった。
倒壊が相次いだ原因として、
(1)建築基準法施行令の構造基準に適合していない
(2)基礎(土台)が浅い
(3)鉄筋や控え壁(支えとなる壁)の不足
などが指摘された。
このため、県は建設業者と「ブロック塀安全対策協議会」を組織。
業者への施行管理強化の指導を行い、小学校周辺の塀の耐震調査などを進めた。
さらに、79年度から3年間、各市町村に助成金を交付し、塀の所有者に補修を促した。
仙台市も、ブロック塀の生け垣への建て替えを促進する助成金制度を設けた。
対策は、その後も継続された。
仙台市は97年から、危険性が認められたブロック塀の撤去費用の一部を助成する事業を実施した。
毎年、市職員がブロック塀の亀裂や傾きなどを目視で点検し、解体の必要性などを判断。
15万円を上限に助成した。
市内854カ所で危険が確認され、830カ所で撤去や改修などが完了したという。
一方、県は2003年度から4年間、ブロック塀補修への助成金制度を再開。
05年度からは、毎年、県内337小学校周辺の調査と戸別訪問指導を進めた。
その結果、02年度に536件確認された危険箇所は、17年度には88件まで減少した。
こうした継続的な対策が功を奏し、震度7を観測した東日本大震災では、県内でブロック塀倒壊による犠牲者の報告はなかった。
仙台市の防災担当者は、「早期からの対応が、減災につながったのではないか」と指摘する。
地震によるブロック塀被害に詳しい東北工業大の最知正芳教授(建築生産工学)は、「ブロック塀補修の助成金制度など、行政による取り組みは一定の効果があった。今後は、塀の低層化を進め、安全性の確保にさらに努めるべきだ」と話している。
出典
『宮城県 「ブロック塀」40年前の教訓継続』
https://mainichi.jp/articles/20180627/k00/00e/040/256000c
(ブログ者コメント)
大阪北部地震後、ブロック塀の補修・撤去に補助金を出す自治体が、少なからず出てきている。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。