2021年1月13日11時1分にYAHOOニュース(JBpress)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国国会は1月8日、労働者が仕事中に死傷した場合に会社の代表者と経営責任者を処罰するという「重大災害処罰などに関する法律(重大災害法)」を可決した。
この法律案が国会に提出された段階で、韓国の経済7団体は国会近くにある中小企業中央会で共同記者会見を開き、「重大災害法は世界に例がない過剰立法だ」として法制化の中断を求めていた。
そうした経過もあって、同法案は与野党の協議で一部修正されていたが、本会議を通過した。
成立した重大災害法は、論議に火をつけた正義党案より後退したという評価がある一方で、経済団体からは「企業に厳しすぎる」との悲鳴が上がっている。
【反企業体質を隠そうとしない文在寅政権】
文在寅(ムン・ジェイン)政権は、「最低賃金を上げれば、消費が増え国民所得も増大する」とする所得主導成長政策を掲げている。
しかし、これは世界の経済専門家にはまず見向きもされない発想だ。
それなのに文政権は、労働生産性を引き上げることもしないまま、最低賃金を最初の2年間で29%引き上げてしまった。
その結果、案の定と言うべきか、多くの自営業者や中小企業は廃業や倒産に追い込まれ、非正規雇用を中心に失業者が増大した。
人々が直面したのは、政権の意向とは裏腹に、所得格差の拡大という悲劇であった。
今回の法律は、労働者や市民団体の声に押されたという点で、最低賃金引上げと根は同じだ。
深刻な労働災害が相次ぐ韓国で、企業や経営者に安全管理の徹底を促すという点では評価できるが、特徴は、産業現場の責任者のみならず、事業主・経営者の責任まで追及しようとしている点だ。
もちろん、事業主や経営者は、安全な労働環境の整備に責任を持たなければならないが、韓国国会で成立した重大災害法は、その基準も明確でなく、事故が起きた時に、恣意的に経営者や事業主の責任が追及されかねないとして、財界などから猛反発が起きている。
最低賃金の引き上げでは民間企業が大打撃を受けた。
そのため、「韓国に投資するものは愛国者」というキャッチフレーズが叫ばれなければならないほど韓国への投資を敬遠する動きが広がったのだが、今回の法律の導入によって、今度は韓国から脱出する企業が続出しそうなのである。
【「全ての責任を企業に取らせ、過度の刑を科す」重大災害法】
重大災害法では、事業主らが安全教育・対策不備や不注意による事故で労働者が死亡した場合、安全対策を怠った事業主や経営責任者は、1年以上の懲役または10億ウォン(約9500万円)以下の罰金刑となる。
法人や機関にも50億ウォン以下の罰金が科せられる。
労災で複数人が大けがをした場合には、経営責任者を7年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処すことも可能となった。
さらに、法律には重大な労働災害を起こした事業主と法人に対し、最大5倍の懲罰的損害賠償を課すという内容も含まれた。
ただ、5人未満の事業所は法の適用対象から外し、50人未満の事業所には3年の猶予期間を与えた。
労働組合などの支持を受け、本法案を推進した政党「正義党」は、「全国の事業体のうち5人未満が79.8%だ」として不満を述べ、採決を棄権した。
法案の国会通過に経済界では衝撃が走った。
中小企業中央会は最後まで「事業主処罰条項の下限だけでも上限に変えてほしい」と要求したが、無視された。
また財界側は「事業主が守るべき義務規定の具体化と一部免責」を求めたが、これも実現しなかった。
中小企業団体は「このまま法が施行される場合、元請け・下請け構造などで現場の接点になる中小企業はすぐにも法律違反者になるかもしれないという不安感に常に苦しむ」と、途方に暮れている。
【企業が韓国から逃げ出す】
経済7団体の長は「ひどすぎる」と一斉に反発の声を上げた。
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【危機管理ができない韓国政府】
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【株価指数の上昇はバブル崩壊の前兆】
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【バブル下で、なおもばら撒き画策の危険性】
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https://news.yahoo.co.jp/articles/0a6cc145c08f202fa9c5c3c726fc2b6ba8dd5b7b
※ちょと前、2020年12月21日17時2分にYAHOOニュース(ジャーナリストの寄稿文?)からは、この法律の制定を求めて国会前で断食闘争まで行われていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
毎日平均6人が労働災害で亡くなる韓国。
企業の経営効率化により繰り返される犠牲を食い止めるための法案をめぐり、激しい運動が起きている。
韓国社会の「闇」とも言える部分をまとめた。
【国会前で断食闘争中】
「労働者を軽くあしらうような、人間の価値がお金より低い世の中にならないよう、国は責任を果たすべきだ」
今月13日、ソウル市内の国会議事堂玄関前でキム・ミスクさんは筆者にこう語った。
この日はキムさんを含む産業災害(日本における労働災害)の遺族と市民運動家、そして第二野党・正義党の姜恩美(カン・ウンミ)議員を含む数人が『重大災害企業処罰法』の制定を求める断食闘争を始めて、4日目となる日だった。
ちょうど2年前の12月11日、キムさんの息子で当時24歳だったキム・ヨンギュンさんがテアン火力発電所で石炭運送用のベルトコンベアに挟まれ命を落とした。
見回り作業の途中の出来事で、発見されるまでの約4時間のあいだ、遺体は放置されたままだった。
この発電所は韓国西部発電という公共機関が管理する国の施設であるにもかかわらず、守られるべき安全規則が無視されていた。
ヨンギュンさんは、本来ならば二人一組でやるべき作業を1人で任され、夜6時から翌朝7時半まで休憩時間もなかった。
事故が起きたのは午前3時20分過ぎだった。
本来ならば同僚が緊急停止スイッチを作動させ防げたはずのヨンギュンさんの死。
現実では、誰にも気づかれないまま、発電所は稼働し続けていた。
その後、明らかになったところによると、テアン火力発電所では2010年から8年間、12人の労働者が墜落など様々な事故で亡くなっていた。
さらに驚くことに、今年9月にも同発電所では貨物車の運転手が圧死している。
雇用労働部が同じ時期に同発電所の労働環境を監督したところ、10日間で377件の産業安全保健法違反が見つかっていた。
2年前の死は、その凄惨さに加え、キム・ヨンギュンさんが生前に非正規雇用者の待遇改善を求め、文在寅大統領に面会を求めるキャンペーンに参加していたことで、社会的に大きな関心を呼んだ。
死者1571人。
新型コロナウイルス感染症によるものではなく、今年1月から9月まで、韓国で産業災害(日本における労働災害。死亡者には事故と疾病を含む)により亡くなった労働者の数だ。
韓国の労働者は、2017年1952人・18年2142人・19年2020人(事故855人、疾病1165人)と、毎日平均6人が亡くなる異常な環境に置かれ続けている。
OECD(経済協力開発機構)諸国のうち、韓国の産業災害死亡率はトルコ、メキシコと並び、世界最悪の水準だ。
リベラルを謳う文在寅政権下でも、この大問題は放置され続けてきた。
これこそが、キム・ミスク氏が断食闘争を行ってまで『重大災害企業処罰法』の制定を求める理由だ。
「毎日『行ってきます』と仕事に出かけたまま、帰ってこられない人がいる」という切実な訴えを支持する人々は増え続けている。
そして昨日、断食闘争は10日目を迎えた。
国会のある汝矣島は中州であるため、冷たい風が吹くので有名だ。
20日、キム氏は体調を尋ねる筆者に「力が入らない」としながらも、記者会見では「こんな心が国会議員の皆さんに伝わっているのか、とてももどかしい」と声を張り上げた。
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。