2018年9月5日0時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東日本大震災の津波で亡くなった約9500人分の検視記録について、東北大学が宮城県警からデータの提供を受け、死亡状況の詳しい分析に着手する。
震災の膨大な検視データを活用した初の研究。
救助や避難方法の研究につなげ、津波に巻き込まれても生き延びるための「生存学」の構築をめざす。
震災では約9割が溺死とされたが、日本法医学会の調査報告は、津波に巻き込まれる前後の打撲や水圧による胸部圧迫、長く水につかったための低体温症など、様々な要因が関連した可能性を指摘している。
今後の津波災害では、もし津波から逃げられなかったとしても、どうすれば助かるか考える必要がある。
東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)、門廻充侍(せとしゅうじ)助教(同)と、同大医学部の舟山真人教授(法医学)らがチームを組み、東日本大震災での「致死プロセス」解明に取り組むことを決めた。
県警は、身元が判明した約9500人分について、個人名を除き、性別・年齢や住所、遺体発見場所、死因や所見などのデータを提供。
大学側は、遺族の異議があればデータを削除する方向で調整しており、近く、倫理委員会が結論を出す。
今後、岩手、福島両県警にもデータ提供を依頼する。
研究は、多岐にわたる。
遺体発見場所と津波で浸水した深さ、土砂の分布などを分析し、人が流れ着きやすい場所の特徴がわかれば、発災後の迅速な発見に生かせる。
津波や障害物で頭や胸にどれくらい力が加わるか分析し、避難時に身につけるライフジャケットや防災頭巾の開発につなげることができる。
また、住民約400人が犠牲になった宮城県石巻市南浜地区では、生存者から聞き取りをして、何が生死を分けたか調べるという。
今村教授は、「南海トラフ巨大地震の想定では、津波到達まで数分しかなく、物理的に避難が難しい地域もある。あきらめずに何が必要か、生存の方法を考えたい」と話す。
出典
『津波死9500人の検視記録を分析へ 東北大「生存学」』
https://www.asahi.com/articles/ASL94578TL94UTIL028.html
(ブログ者コメント)
「生存学」とは、初めて聞く言葉。
調べてみると、立命館大学に「生存学研究センター」なる組織があった。
以下は、同センターHPに掲載されている説明文(抜粋)。
東北大学でいうところの「生存学」とは、少しニュアンスが違うような気もするが、ご参考まで。
立命館大学生存学研究センターは2007年度文部科学省グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点の採択を受け、設立されました。
5年間のプログラムとして「生存学」創成拠点では、大学院先端総合学術研究科と人間科学研究所が基幹となり、教員・院生・研究員が組織を超えて連携し、研究・教育活動を展開してまいりました。
今後はこうした実績を踏まえて「生存学」を構想・提言・実践しつつ、さらなる展開を行う国内の中核的研究拠点となります。
また、海外研究者との連携を強め、グローバルなハブ機能をもった拠点として国内外での「生存学」の交信を目指します。
主な活動内容
「障老病異」を基軸とし、4つの学問的課題群としてさらなる飛躍を目指します。
具体的には、
①生存の現代史
②生存のエスノグラフィー
③生存をめぐる制・政策
④生存をめぐる科学・技術
です。
この4つの課題群を交差させつつ展開し、研究会、ワークショップ、国際共同研究会等を開催してまいります。
・・・・・
「生存学」という新しい分野
私たち人間はみな「障老病異」とともに生きています。
障害、老い、病気、そして、たとえば性的なアイデンティティの面で人と異なることなどは誰の身にも起こり得ることです。
それにもかかわらず、これまではその当事者の側に立って調べたり考えたり、その情報を蓄積したりということがあまり行なわれてきませんでした。
医療やリハビリテーションは、基本的に病気や障害を「治す」ための学問です。
そうすると、「治らない状態」はその学問の枠から外されていきます。
では、そうした人のために社会福祉学があるではないかと言われるでしょうか。
けれども、福祉サービスを受ける時間以外の時間にもその人は生きています。
その人たちがどうやって生きてきたか、生きているかを知る、そしてこれからどうして生きていくか考える。
それが「生存学」です。
https://www.ritsumei-arsvi.org/aboutus/aboutus-1/
2018年8月31日13時27分にNHK群馬から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スピードの出し過ぎによる交通事故を防ごうと、急カーブが多い安中市の国道で、路面に丸い点をおよそ10m置きにペイントすることでスピードを抑える効果を狙った試験的な取り組みが始まった。
この取り組みは「オプティカルドットシステム」と呼ばれ、道路を管理する国交省高崎河川国道事務所が、急カーブが多い安中市松井田町の国道18号線のおよそ1.4kmの区間で、今月から試験的に行われている。
この区間では、路面に水玉模様のような丸い点がおよそ10m置きにペイントされ、走行するドライバーは実際のスピードよりも速く感じる効果が期待されている。
この取り組みは、首都高速道路の一部の区間に導入されているが、一般道では全国で初めてだという。
河川国道事務所によると、この区間はスピードの出し過ぎによるトラックの横転や荷崩れなどの交通事故が多く、年に数件の人身事故も起きているという。
高崎河川国道事務所の冨沢・総括地域防災調整官は、「期待される効果が得られれば、今後、他の道路にも設置を検討したい」と話していた。
出典
『国道に水玉模様 事故防止狙う』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20180831/1060002961.html
ちょっと前、2018年7月27日6時0分に上毛新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
碓氷バイパスには見通しの悪いカーブがあり、大型トレーラーが速度の出し過ぎで横転したり、遠心力でトラックの積載物が落下したりして、全面通行止めになる事故が相次いでいる。
標示を施すことで、事故防止が期待される。
同事務所は標示を施した後、実際に速度抑制効果が発揮されるか確認するとともに、雪かきによる標示の摩耗や経年変化といった施工性、経済性を総合的に検証する。
出典
『道路上に水玉模様 国交省が群馬・碓氷バイパスで検証』
https://this.kiji.is/395320843083793505
※オプティカルドットシステムについては2年前、トヨタ自動車のクルマ情報サイトに、下記趣旨の詳しい解説記事が写真付きで掲載されていた。
(2016年5月21日10時分 GAZOO)
「いままでの交通安全対策は、ほとんどが注意喚起なんですよね。もう何十年も進歩がない」
そう話すのは、ステュディオ・ハン・デザインの韓 亜由美さん。
彼女は道路に「シークエンスデザイン」という新たな概念を持ち込みました。
実際に施工された例をもとに、シークエンスデザインとは何か、解説していただきました。
Q.今までの交通安全対策とは、どのような違いがあるのですか?
A.従来は、「ここは危ないぞ」「速度を落とせよ」といったメッセージを言葉・記号などで目を引いて読ませ、「認知→判断→操作」という手順をドライバーに促していました。
シークエンスデザインは、そういった手順を踏まず、直接的な知覚で効果をもたらすものなんです。
Q.どのような場所にデザインするのですか?
A.路面もしくは壁面にパターンを設置していきます。
スムーズな走行を妨げない、というのが従来とは異なる考え方です。
とくに、トンネルや遮音壁に囲われた自動車道路などの閉鎖的な道路に効果が高いと考えています。
ここから実際の道路に施工された具体例を見ていきましょう。
・・・・・
【オプティカルドット システム(首都高速 埼玉大宮線/
美女木ジャンクション付近)】
これは、スピード制御(低減)を目的とした道路施策です。
路面にドット(点)を配置しています。
ここが長い下り坂で、知らず知らずのうちに140~150kmぐらいのスピードになってしまうんですね。
首都高は、これ以前に、警察からの要望で注意喚起策を6種類くらい導入したのですが、まったく効果がなかった。
そこで、オプティカルドットをやってみよう、ということになりました。
この映像ですが、クルマは一定速度で走っています。
しかし、オプティカルドットによって、加速感および減速感を感じることができます。
高速道路の路面はアスファルトが均質で、登っているのか下っているのか分からなくなってしまうんですよね。
このデザインによって、勾配を分かりやすく体感できるんです。
実施前2年間と後の4年間、速度の推移を計測しました。
結果、全体的に中速域(80~100km/h)にシフトし、速度のバラつきが減りました。
つまり、クルマがうまく流れる「整流効果」があったということです。
一般的な注意喚起は、ドライバーの「慣れ」によって効果が薄れていくのですが、オプティカルドットはまったく効果が薄れず、持続した。
これは画期的なことだと思います。
その後、塗装が擦り切れてしまったので、現在は一部を残してアスファルトを打ちなおしています。
・・・・・
出典
『事故を減らし、快適なドライビングを促す「シークエンスデザイン」とは?』
https://gazoo.com/article/daily/160521.html
2018年8月30日6時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
線路わきの畑に倒れていたお年寄りを、列車を止めて運転台から救助に向かったとして、長井署は29日、JR東日本山形運輸区の主任運転士、武田航さん(37)ら2人に感謝状を贈った。
署によると、8月1日午前10時50分ごろ、武田さんはJR米坂線新潟発米沢行き快速列車を運転中、山形県飯豊町小白川で男性が畑であおむけに倒れているのを発見。
列車を緊急停止させ、ワンマンカーのため、「急病人の方がいるので救助に向かいます」とアナウンスして、列車から降りて救護にあたった。
近くで無人駅を巡回していた村上駅助役の高沢光秋さん(58)も連絡を受けて現場に。
氷を運んだり、救急車を誘導したりした。
男性は80代の高齢者。
軽い熱中症で、命に別条はなかった。
列車は約20分間停車したが、約50人の乗客から苦情はなかったという。
武田さんは、「運転士歴15年になるが、今回のような経験は初めて。人命第一と思っての行動だったが、理解してくれた乗客の皆さんに感謝したい」と話した。
阿部署長は、「列車の遅れを顧みない勇気ある行動に感謝したい」と述べた。
JR東日本は、「緊急時には、自らの判断で安全と認められる行動を取るよう指導している。ご迷惑をおかけしたが、誤った判断ではなかった」としている。
出典
『畑に急病人「救助に向かいます」 快速列車止めた運転士』
https://www.asahi.com/articles/ASL8Y41JKL8YUZHB00C.html
※当時の記事は下記参照。
(2018年8月2日12時42分 山形新聞)
1日午前10時50分ごろ、飯豊町小白川のJR米坂線手ノ子~羽前椿間で、新潟発米沢行き快速べにばなの男性運転士が、線路脇の畑で倒れている男性(89)を発見した。
運転士は列車を緊急停車させ、男性に駆け寄って保護し、近くの自宅へ連れて行った。
男性は病院に搬送されたが、命に別条はない。
JR東日本山形支店と西置賜行政組合消防本部によると、男性は線路のそばにある自宅敷地内の畑で倒れていた。
搬送時、意識はあったという。
運転士は、輸送指令に連絡した上で、列車を止めた。
この影響で列車は20分遅れ、約50人に影響した。
出典
『倒れた男性発見、運転士が列車止め救助 飯豊の米坂線』
http://yamagata-np.jp/news/201808/02/kj_2018080200037.php
2018年8月13日5時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
洪水時に避難する難しさや危険性を知ってもらおうと、千葉県野田市の東京理科大で11日開かれたオープンキャンパスに、巨大な装置を使った洪水体験のコーナーが登場した。
参加した高校生らは、ひざ丈ほどの水深でも、「水の重みで足が上がらない」などと口にしながら、歩くのに苦戦していた。
企画したのは、河川工学が専門の二瓶泰雄教授の研究室。
この日は、全長20m、幅1mの大型水路実験装置に、深さ50cmほどの水を張った。
安全のため、流速はゼロにしたが、実際の洪水に近づけるため、水を濁らせ、底には障害物を複数置いた。
参加者は、手にした棒で見えない障害物を確かめ、ロープをつたいながら慎重に歩いた。
埼玉県の高校2年、大高さん(17)は、「浅いので簡単に歩けるかと思ったけど、水圧でなかなか前に進めなかった」。
一緒に来た同市の本間さん(16)は、「高齢の方は障害物がなくても歩くのは難しそう。棒があると歩きやすいことが分かりました」。
茨城県古河市の男子高校生(15)は、「流れがあれば、この深さでも危ないと思った」と語った。
二瓶教授は、「実際の洪水は濁りや流速もあり、プールを歩くようなわけにはいかない。水深50cmでも、歩くのは大変だ。浸水前の避難がいかに大切か、理解してもらえれば」と話していた。
この日、参加者は濡れないように、胸まである胴長靴を着用した。
だが、実際の避難時は、長靴は水が入ると歩きづらいため、「スニーカーなど歩きやすい靴を履いて欲しい」。
また、胴長靴は頭部を下にして浮きやすく危険なため、「避難時に胴長は着用しないで」と二瓶教授は呼びかけている。
出典
『ひざ丈の深さでも歩けない…大学の実験装置で洪水体験』
https://www.asahi.com/articles/ASL8C460KL8CULBJ002.html
(ブログ者コメント)
テレビでも、たまに、大水が出た後などの機会に、水を流した状態で歩行困難状態を体験する実験の映像が放映されることがある。
2018年8月9日19時16分にNHK兵庫から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前、神戸市東灘区の集合住宅で起きた火事。
建物の端から激しく炎があがっている。
亡くなったのは2人。
見つかったのは、いずれも火元から一つ離れた部屋だった。
消防は、炎や煙ではなく、一酸化炭素の充満が原因とみている。
(ここまでは音声のみの情報)
こうした集合住宅の火災では、火災警報器が煙を感知する前に一酸化炭素の濃度が致死量に達するおそれがあることが、神戸市消防局などの実験で分かった。
消防局は、一酸化炭素を感知できる新型の警報器の使用を呼びかけることにしている。
神戸市消防局は、東京理科大学などと共同で、集合住宅で火災が起きた時の一酸化炭素の危険を調べる実験を、3年前から繰り返してきた。
実物の3分の1の大きさのアパートの模型を使った火災の再現実験では、出火からおよそ8分後、火元の2つ隣の部屋で火災警報器が煙を感知して鳴りだしたが、その時点で一酸化炭素の濃度はすでに0.5%を超え、1、2分程度で死亡するおそれがある状態になっていた。
一酸化炭素は、においや色がないため、気づかずに死亡するケースが少なくないということで、消防は“サイレントキラー”=見えない殺し屋と名付けている。
消防局は、実験の結果を受け、逃げ遅れを防ぐために、炎や煙だけでなく一酸化炭素も感知する新型の警報器を使用するよう呼びかけることにしている。
神戸市消防局予防課の松田係長は、「建物の構造によっては、火元から離れた部屋にも非常に高い濃度の一酸化炭素が流れ込む可能性があることが分かった。一酸化炭素を感知できる火災警報器があれば、早期の避難につながると考えられる」と話していた。
出典
『警報器感知前にCO致死量おそれ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20180809/2020001222.html
(ブログ者コメント)
実験のきっかけとなった火災事故は下記だったと思われる。
(2015年2月15日13時7分 産経新聞west)
15日午前10時5分ごろ、神戸市東灘区西岡本の木造2階建て集合住宅「T荘」の2階一室から出火、2階の4部屋計150m2が燃えた。
この火災で、2階から救出された男女2人が間もなく死亡。
火元の部屋に住む男性(73)と別の部屋の女性(69)が、それぞれやけどを負い軽傷。
消防によると、死亡した女性は20代ぐらい、男性は50代ぐらいとみられる。
警察は、2人は2階の一室で同居していたとみて、身元の確認を急いでいる。
集合住宅には8世帯が入居。
1階に住む女性(62)は、
「はじめは煙くさいにおいがして、次第にぱちぱちという音がした。玄関を開けるとあっという間に黒煙や火が広がってきた。危機感を感じて、着の身着のままで出てきたが、とても怖かった」
と話した。
現場は、阪急神戸線岡本駅から西へ約1.1kmの住宅街。
消防車20台以上と防災ヘリが出動し、現場付近は、一時、騒然となった。
出典
『集合住宅火災で2人死亡、2人軽傷 神戸・東灘』
https://www.sankei.com/west/news/150215/wst1502150036-n1.html
(2018年8月28日 修正1 ;追記)
2018年8月28日5時30分に神戸新聞から、やや詳しい同趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市消防局などは、実寸台の模擬家屋による実験で、火災時の一酸化炭素(CO)の流れを調べた。
建物構造などの条件によっては、火元から離れた部屋で、煙が薄くても、CO濃度が高くなる可能性があることが分かった。
住宅用火災警報器の設置が義務化されてから12年。
市消防局は、CO警報機能付き(CO警報器)などへの買い替えを呼び掛けている。
実験は、東京理科大学、警報機器メーカー「矢崎エナジーシステム」(東京都)と共同で、1月と6月に北区の市消防学校で実施した。
模擬家屋は木造平屋建てで、屋根裏に耐火性の石こうボードを設置した。
過去に、火元と離れた部屋でCO中毒死があり、その火災を再現した。
家具の配置や風などの条件によって異なるとみられるが、6月の実験では、端の部屋に引火してから約5分後に、2部屋隣のCO警報器が感知。
煙は薄いままで、煙用の警報器が作動したのは、さらに約3分後だった。
その時点で、COは既に致死濃度に達していた。
COは無色、無臭の有毒ガスで、火災時に発生する煙の中に含まれる。
高濃度を吸い込むと、一瞬で意識不明となる危険性がある。
市消防局によると、昨年、市内の火災による死者12人のうち、5人がCO中毒死だった。
住宅用火災警報器は、設置が義務化された2006年は、煙用の警報器がほとんど。
現在では、CO警報器以外に、離れた部屋の火災を知らせる種類もある。
市消防局予防課は、「買い替えの際は、機能が付け加えられている警報器も検討してほしい」と呼び掛けている。
出典
『火災時は火元から離れた部屋でも危険 CO警報機の利用を』
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201808/0011583735.shtml
2018年8月4日17時51分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都多摩市の建設現場で5人が死亡した火災は、断熱材として吹き付けられたウレタンへの引火が出火原因とされる。
石油素材のウレタンにいったん火が付くと、一気に燃え広がる「爆燃」と呼ばれる現象が発生する。
急な延焼で逃げ遅れの死者が出た火災は過去にもあり、業界団体などは、安全管理の徹底を改めて呼びかけている。
【黒煙一気に】
「化学品が燃えるような変なにおいがして、黒煙が一気に広がった。死ぬかと思った」。
火災ビル現場の地下で作業していたとび職の男性(21)は振り返る。
5人の死者を出した7月26日の火災は、地下3階で鉄骨を切断する際に出た火花が、地下4階の天井部分に断熱材として吹き付けられていたウレタンに引火したのが出火原因とみられる。
ウレタンフォーム工業会などによると、熱を伝えにくい特殊な気体をとじ込めた硬質ウレタンは主に建物の断熱材に使われ、クッション性が高い軟質ウレタンは皿洗い用のスポンジやソファの中身に使われる。
硬質には燃えにくい処理を施したものもあるが、完全な不燃化はできないという。
【危険性は認識】
硬質も軟質も、木材などと比べて特に引火しやすいわけではなく、火花を多少浴びた程度では燃えない。
ところが、いったん引火してしまうと、ウレタンが分解されて燃えやすい揮発性ガスを噴出。
一気に燃え広がる「爆燃」が起き、火の回りは早い。
元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は、「今回の現場は地下だったうえに、天井に断熱材のウレタンが貼ってあって熱がこもりやすく、爆燃現象が起きた可能性が高い」とみている。
2009年に発生した神戸市の倉庫火災では、天井のウレタン製の断熱材が原因で爆燃現象が起きたとされ、消防士1人が死亡した。
15年には、北海道のきのこ工場で工事中にウレタンに引火し、4人が死亡した。
今回のビルの建設を請け負った安藤ハザマも、17年に東京都江東区の物流施設の解体工事でウレタンに引火し約5000m2を焼いており、危険性は認識していた。
【階上で火出る作業】
警視庁によると、同社は鉄骨の切断作業前に床にベニヤ板と不燃性のシートを敷き、周辺には水もまいて、ウレタンへの引火を用心していたという。
しかし、作業した地下3階の床には複数の隙間があり、地下4階の天井部分のウレタンに火花が降りかかって引火したとみられる。
大手ゼネコン関係者は、「火気の出る作業は、ウレタンの吹き付け前に済ませるのが一般的」と指摘。
「なぜ、ウレタンがある状態で鉄骨の切断作業をすることになったのか疑問だ」と工程に首をかしげる。
ウレタンフォーム工業会の大川専務理事は、「ウレタンがある場所では火気の出る作業をしないように、何10年にもわたって呼びかけてきた。火災の犠牲者を出さないために、建設現場での安全管理を徹底してほしい」と訴えている。
出典
『ウレタン火災、「爆燃」で急延焼 業界団体が注意促す』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33819760U8A800C1CC1000/?n_cid=NMAIL007
2018年7月15日10時0分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
急速に進化する人工知能(AI)を、津波などの防災に生かす取り組みが広がっている。
膨大なデータを短時間で処理し、行政や住民に提供して、被害を最小限に抑えるのが狙いだ。
西日本豪雨で大規模災害の脅威が改めて認識される中、AI防災への期待が高まっている。
【高精度で津波予測】
川崎市は、昨年秋、富士通や東京大などと協力し、AIを使って南海トラフ地震などの津波を発生直後に予測して、防災に生かすシステムの導入に着手した。
AIは、あらかじめ架空の観測データを使って、川崎市を襲う津波のパターンを無数のシミュレーションで学習しておく。
津波が発生すると、沖合の相模湾や駿河湾にある波浪計で観測したデータと学習成果をもとに、川崎市への到達時間や高さ、浸水域などを高精度に予測する仕組みだ。
スーパーコンピューターで高速計算することで、地震発生の約10分後に、5mの位置精度で浸水域の予測が可能になるという。
市は、南海トラフ沿いで巨大地震が発生した場合、1時間半後に最大で高さ約3.7mの津波が押し寄せると想定。
防潮堤が機能しないなど、最悪の事態での浸水域を予測し、きめ細かい情報を住民に提供して、最適な避難につなげる。
防災対策を助言する東大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は、「駿河湾のある地点で観測した津波は、川崎を襲う津波とよく似ており、非常に高精度で予測できそうだ。成功すれば、このモデルを全国や世界に広げられる」と話す。
ただ、AIやスパコンに頼りすぎるのは危険だ。
狭い路地に流れ込む津波や、木造家屋の倒壊は計算結果に反映されないため、予測には限界もある。
富士通研究所の大石シニアリサーチャーは、「技術的には2、3年後の完成を目指すが、そもそも、精度100%のAIはない。不確定さが伴う情報の性質を理解して活用すべきだ」と強調する。
【重要な投稿を抽出】
被災者がツイッターや無料通話アプリ「LINE(ライン)」などの会員制交流サイト(SNS)に寄せた投稿をAIの言語処理で分類し、救助や避難などに役立てる動きも本格化している。
西日本豪雨でも、多くの被災者がSNSを通じて、救助要請や被災状況の報告を行った。
ただ、東日本大震災では、発生当日だけでツイッターへの投稿が約3300万件に達しており、膨大な情報から重要なものを、いかに取り出すかが課題だ。
そこで情報通信研究機構は、災害に関連するツイッターの書き込みをAIでリアルタイムに抽出し、内容や地域ごとに分類して表示する情報分析システム「D-SUMM(ディーサム)」をインターネット上で公開。
昨年7月の九州北部豪雨では、JR久大線の鉄橋流失を伝える投稿をいち早く把握し、大分県が対応に動くきっかけを作った。
【秋に電脳防災訓練】
南海トラフ地震の津波被害が予測されている自治体や住民、ラインの運営会社などは、今年秋、ディーサムを使った“電脳防災訓練”を計画している。
訓練では、住民が臨時のインターネット掲示板やラインに救助要請や被害の状況などを投稿。
ディーサムで重要な情報を分類し、災害対策本部のスクリーンに表示して、対応に役立てる。
訓練を実施する「電脳防災コンソーシアム」は4月、AI防災の実現に向けた提言も公表。
AIとSNSを組み合わせることで、困窮した被災者や避難所を早期に見つければ、災害関連死の防止にもつながるとしている。
コンソーシアムの共同代表を務める慶応大の山口真吾准教授(情報通信政策)は、「ファクスやホワイトボードによる情報集約では不十分だ。AIを使えば、100万人の住民と自治体とのコミュニケーションを確立できる」と話す。
出典
『進化するAI防災 膨大なデータ 避難や救助に生かせ』
http://www.sankei.com/affairs/news/180715/afr1807150001-n1.html
2018年7月13日19時57分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
従業員が高齢化し、職場で転倒するケースが増えてきた。
愛知労働局管内では、2017年に1524件の転倒災害が発生し、労災に占める割合が過去最多の22%超に達した。
60代以上が4割を占め、男性よりも女性が多いのが特徴だ。
休業4日以上の転倒災害は、13年(1361件)から1割増えた。
業種別では、商業が336件で最も多く、次いで製造業が327件、保健衛生業が166件だった。
休業した日数は、60日未満が1127件、60日以上が395件だった。
対策を徹底しているのが、衣料用ナイロン繊維などをつくる東レの愛知工場(名古屋市西区)だ。
「手摺(てすり)ヨシ!」。
工場内の階段に、注意喚起の表示を掲げている。
階段を使う時は手すりをつかむのがルール。
書類を見ながら歩くのは禁止で、階段脇には書類やノートパソコンを入れる手提げ袋が置かれている。
携帯電話で話しながらの歩行も厳禁。
同社環境保安課の吉竹さんは、「無災害を続けて、まもなく10年。日常生活で当たり前にしていることも、工場内では(安全のために)禁止している。繰り返し刷り込んで、意識を変えていくしかない」と話す。
出典
『職場の転倒災害増加 愛知で1524件、60代以上4割』
https://www.asahi.com/articles/ASL735HRQL73OIPE026.html
2018年6月22日12時47分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部豪雨を教訓に、国は、全国の中小の河川の5800か所で低価格の水位計の設置を進めているが、豪雨からまもなく1年となる今も、設置を終えたのは4つの県の13か所にとどまっていることがわかり、国は各自治体に設置を促すことにしている。
40人が犠牲となった去年7月の九州北部豪雨では、福岡県が管理する中小の河川が氾濫して大きな被害が出たものの、大半の川に水位計がなく、地元の自治体は水位の情報がないまま住民避難の判断を迫られた。
このため国交省が、都道府県が管理する全国の中小の河川を対象に点検を行ったところ、浸水の危険性が高いおよそ5800か所で水位計がないことがわかり、国が各自治体に費用を支援する形で低価格の水位計の設置を進めている。
ところが国交省が、豪雨からまもなく1年となる6月20日の時点で確認したところ、設置を終えたのは4つの県の13か所にとどまっていることがわかった。
このうち、福岡県は69か所で設置を計画しているものの、設置を終えたのは豪雨で被災した朝倉市と東峰村のあわせて3か所にとどまり、県は、設置場所の調整などに時間がかかっているためだとしている。
国は、各自治体に設置を促したうえで、6月中に58か所、今年度中に3000か所以上、今後3年以内に5800か所のすべてで設置を終えたいとしている。
(音声情報;福岡県河川管理課談)
全国的に発注を一斉にかけているようで、なかなかモノが手に入らない。
どこにつけるかというのは、やはり市町村との協議が必要。
そういったところで、なかなか設置位置が定まらないというところもある。
出典
『水位計設置は5800のうち13』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20180622/0001235.html
※以下は、国交省HPに掲載されている平成29年12月20日付の水位計設置に関する記事。(冒頭部分のみ転載)
国土交通省では、中小河川における水位観測網の充実を図るため、革新的河川管理プロジェクト(第1 弾)として、民間企業12 チームと「洪水時に特化した低コストな水位計」の開発を進めてまいりました。【資料1】
各チームの機器について、今台風期の洪水による試験計測により性能等が確認できたことから、同プロジェクトによる機器開発を完了します。
今後、「中小河川緊急治水対策プロジェクト」に基づき、開発した水位計の設置を促進することにより、中小河川においても洪水時の避難判断の目安となる、リアルタイムでの水位状況の把握が可能となります。
・・・・・
出典
『「洪水時に特化した低コストな水位計」の機器開発を完了! ~水位計の中小河川への普及を促進し、的確な避難行動を支援します~』
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000059.html
2018年6月21日19時10分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が写真や図解付きでネット配信されていた。
水位計のある場所の「点」でしか伝えられなかった河川の水位情報を「線」で伝えるシステムを、国交省が開発した。
流域の自治体や住民が洪水の危険性を的確に把握し、迅速な避難につなげられるようにするのが狙い。
一部の河川でテスト運用を始めており、7月から流域自治体に対する情報提供を始める。
2015年9月、関東・東北地方を襲った豪雨で鬼怒川の堤防が決壊。
茨城県常総市では、避難が遅れた住民ら1000人以上がヘリコプターで救助された。
浸水地区の一部では、決壊時点でも避難指示が出ておらず、同市の検証報告では、「避難勧告・指示の決定にあたって、依拠すべき判断材料に事欠いてしまった」とされた。
こうした経験を踏まえ、国交省の国土技術政策総合研究所(国総研)は15年から、水位計のある場所以外の水位情報も提供するシステムの開発を進めていた。
新システムでは、河川事務所が数年に一度、約200mごとに測量する川の断面や堤防の情報を活用し、水位計がない場所の水位もコンピューターで推測。
「危険水域まで1m」、「堤防の高さを超えている」などと地図上の河川を色分けして、水位の状況を分かりやすく伝える。
データは10分ごとに更新する。
堤防が決壊した場合の浸水域も、ハザードマップのデータを基に表示し、危険な地域がどこか、一目で分かるようにする。
このほか、水位計のある場所では、6時間先までの水位変化の予測も示す。
荒川(東京都など)、山国川(大分県など)、川内川(鹿児島県など)の3河川については、6月から地方整備局でシステムのテスト運用を開始。
国交省は、台風シーズンに向けて7月下旬にも、3河川流域の自治体に対する情報提供を開始する。
19年4月からは、インターネットでの一般公開も目指す。
国が管理する他の1級河川についても、各地の整備局などが河川情報の入力を進めており、19年秋の公開を目標にしている。
当面は、河川事務所が持つ水位計データを基に水位を推測するが、将来は、自治体などが豪雨に備えて設置する「危機管理型水位計」のデータも取り入れて、精度を高める。
国総研水循環研究室は、「自治体が的確に避難指示を出せるようにするだけでなく、一般の住民も河川氾濫の危険性を把握できるようになる。安全な避難に役立ててもらいたい」と話している。
出典
『河川の水位把握、点から線へ 洪水避難に活用』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32069880R20C18A6CR8000/?n_cid=NMAIL007
2018年6月14日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
分譲マンションの外壁は、仕上げにタイルが張られていることが多い。
マンションの維持管理に詳しい建築士によると、最近、築10数年の物件で、タイルの浮きが想定以上に見つかるケースが増えているという。
タイルがはがれて落下する事故も相次いでおり、検査を専門家に依頼するなど、先回りした対策を取りたい。
名古屋市内の10数階建てのマンション。
完成から10数年がたち、初の大規模修繕工事のため、周囲に足場が組まれていた。
工事の設計監理を請け負ったマンション維持管理機構(名古屋市)理事長で、建築士の下会所豊さんと足場を上ると、あちこちの外壁タイルが修理のため、はがされている状態だった。
浮いたタイルが多い8階へ行った。
下会所さんが先端に丸い金属の玉が付いている打診棒でタイルを軽くたたいたり、表面をこするように滑らせたりすると、タイルによって音が違う部分があった。
「音が違うところが浮いている部分。落下する危険があります」
修理は、タイルが浮いた部分に樹脂を注入したり、浮いている割合が多い場合は張り替えたりする。
このマンションの場合、全体の13%が浮いており、修理に2000万円以上かかる。
想定外の出費で、予定していた屋上の防水シートの張り替え工事を延期するなどしてやりくりするという。
建築の際、外壁タイルは建物本体のコンクリートに下地のモルタルを塗り、さらに張り付け用のモルタルで張る「湿式工法」が一般的。
過去にはメンテナンス不要と考えられていたが、タイルとモルタル、コンクリートが、日光の熱などで長年、膨張と収縮を繰り返すことで材料間に疲労が蓄積し、コンクリートとモルタルの間に隙間ができることが分かってきた。
タイルが落下する事故が相次いだため、国交省は2008年、湿式工法の外壁タイルは10年ごとの打診検査を義務化した。
問題は、経年劣化でタイルの浮きが生じるだけでなく、施工不良が原因の場合もあることだ。
このマンションの場合、築年数から想定される割合を超えており、施工不良が疑われる。
外壁タイルは、工期短縮やコストダウンを目的に、下地モルタルを省略した「直張り工法」で施工されていた。
「直張りする場合は、建物本体のコンクリートの表面に高圧の水を噴射するなどして凹凸を付け、より強固に張り付くようにする『目荒らし』をすることが普通なのですが」と下会所さん。
大手建材メーカーは1990年代から、直張り工法の場合は目荒らしをすることを推奨。
だが、このマンションのコンクリートの表面は滑らかで、工程を省いた可能性がある。
下会所さんは、「築10数年のマンションで、同じような施工がされているケースがほかにもあり、潜在的に外壁タイルの問題を抱えているマンションは多そうだ」と話す。
管理組合理事の男性(68)は、「タイルを張る工事に問題があったと思う。マンションの販売会社と話し合いをしたい」と語る。
マンション購入では、隠れた欠陥があった場合に販売会社に損害賠償請求ができる瑕疵(かし)担保責任がある。
ところが、10年を超えた物件の場合、「請求できる期間を過ぎているため、民法の不法行為責任を追及することになる」と説明するのは、日本マンション学会中部支部長の花井増実弁護士。
11年の最高裁判決では、タイルの剥離は通行人らに被害を及ぼす可能性があり、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」と認定。
施工不良が立証できれば、完成後、時効までの20年間は損害賠償を請求できると考えられる。
花井弁護士は、「壁面ごとにタイルの浮きの割合を計算し、基準より多い部分は修理費用を請求できる可能性は高い」と話す。
出典
『マンション外壁タイルの浮き 築十数年で想定以上発生』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201806/CK2018061402000197.html
2018年6月9日付で愛媛新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
周辺部の救急体制確保のため、一般行政事務職員らを兼務させる「准救急隊員」制度を4月に全国で初めて導入した愛媛県西予市は、8日、運用状況を公表した。
5月末までの出動は68件で、平日夜間と休日の救急隊現場到着時間は、城川地域で平均13分、明浜地域で平均19分、それぞれ短縮。
30分前後早くなった地区もあり、市消防は「救命率向上が図られていると感じている」としている。
8日の市議会一般質問で二宮一朗氏(こころざし)の質問に、佐藤消防長が答弁した。
両地域には、これまで平日日中のみ救急隊を置いていたが、救急出張所を新設。
それぞれ救急隊員7人に加え、一般行政職員と一般募集の任期付き職員らで構成する准隊員5人を配置し、平日夜間や休日をカバーしている。
消防によると、68件中37件が平日夜間や休日の出動。
城川地域は18回で、従来より最大15分短縮したが、2分遅い事例もあった。
明浜地域は19回で、最大31分短縮。
田之浜、高山、宮野浦の3地区は効果が大きく、俵津地区は従来と変わらない。
現場到着が約30分早くなった地区では、救急搬送患者の親族から「脳梗塞になる一歩手前で早く対応していただき、本当に助かった」との言葉も寄せられたという。
市消防は、「運用期間が短く、件数が限られている。データを蓄積し、あらためて具体的な分析や課題の検証を行いたい」と説明している。
出典
『到着30分短縮も 准救急隊員、始動は上々 西予市が運用状況公表』
※ちょっと前、2018年4月23日付で西予市HPに、下記趣旨の記事が掲載されていた。
平成30年4月1日から、明浜町・城川町の救急出張所において、准救急隊員を含む救急隊による、救急搬送業務の24時間運用を開始する予定です。
【准救急隊員とは?】
准救急隊員は、消防職員OBや一定の教育課程を修了した一般行政職員及び一般公募により採用された方により構成されています。
従来であれば、救急搬送業務は資格を有する隊員(消防吏員)が3人で実施しなけらばなりませんが、当市のような過疎地域における条件不利地域では、救急隊員3人の内の1人は、新たに定められた「准救急隊員」により運用できるよう、規制緩和が行われました。
出典
『准救急隊員を含む救急隊に関する西予市消防本部救急業務実施計画の公表について』
http://www.city.seiyo.ehime.jp/kakuka/shobo_honbu/osirase/3588.html
2018年5月18日9時27分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災を消し止めるときに使う粉末消火器にできるだけ近づけてリアルな感じを出そうと、和歌山県橋本市消防本部が開発した消火訓練用のアイデア消火器が、平成30年度の科学技術分野における文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)を受けた。
開発にあたった同本部の芝浩民消防司令補(44)と中谷栄司消防士長(31)が17日、平木市長から表彰状を受け取った。
同本部によると、現在の消火訓練は、一般的に実際の火を消す粉末消火器ではなく、環境などを考慮した水消火器を使用。
しかし、空気圧によってまっすぐ噴射されるうえ、音が小さかったため、参加者からは「水鉄砲みたい」「リアリティーがない」といった指摘が出ていた。
そのため、芝さんらが市販のパイプを使って消火器の中身を改良。
水と空気が混ざってノズルからスプレー状に噴射できるようにし、噴射音の大きさも粉末消火器に近づけた。
芝さんらは、「評価していただけて、うれしい。この消火器によって初期消火の大切さが住民にも広まれば」と話していた。
出典
『リアルな粉末、訓練用アイデア消火器で文科相表彰 和歌山・橋本市消防本部の消防士2人』
http://www.sankei.com/west/news/180518/wst1805180023-n1.html
(ブログ者コメント)
〇ブログ者も訓練時に数回使ったことがあるが、ホント水鉄砲みたいで、これでは本物の消火器を使う訓練にはならないのではないか?と感じていた。
今回調べたところ、実際に噴射する動画は見つからなかったが、どんな感じなのだろうか?
〇一方、本件は橋本市のHPでも紹介されていた。
そこにはpdf資料として、改造消火器の構造図や改造費などが詳細に解説されている。
http://www.city.hashimoto.lg.jp/guide/shobohonbu/oshirase/1500024843402.html
2018年3月7日21時42分に産経新聞から、下記趣旨の記事が訓練風景の写真付きでネット配信されていた。
東日本大震災から11日で丸7年を迎えるのを前に、不動産各社が、再開発を手がける東京都心部の主要エリアで大規模な防災訓練を実施している。
企業と周辺住民の双方を巻き込んだ“大家”ならではの動員力に加え、仮想現実(VR)といった先進技術などを活用したリアル感が特徴だ。
都市機能が大打撃を受けた震災の教訓を呼び起こす効果のほか、エリアの価値向上につなげる狙いもある。
「火事だ!」。
東京・日本橋の東京メトロ三越前駅の地下歩道に切迫した声が響いた。
三井不動産などが7日開催した防災訓練。
VRゴーグルを着けた小学生が消火器を引き寄せ、仮想の炎を消し止めた。
これを体験した小学6年の女児(12)は、「炎が本物みたいで、ちょっと焦ったけど練習になった」と満足そうにうなずく。
訓練はVR体験のほか、時間制限内に部屋から脱出するアトラクション、震度7を体験できるシミュレーターなどによる「体験型」が特徴だ。
正午前からは老舗店によるアオサ汁などの炊き出しも行われ、通行客らが行列を作った。
近隣企業の社員や地元住民、来街客まで「多様なプレーヤーを巻き込めた」(同社日本橋街づくり推進部)のは、日本橋に深く根を張る三井の呼びかけあってこそ。
地元町会の室町一丁目会・清水会長は、「互いに助け合えることが街の防災力。働く人と住民が顔見知りになる効果は計り知れない」と、意義を強調する。
住友不動産が2日、複数の再開発に参画する東京都文京区の後楽地区で実施した防災訓練も、同社の呼びかけで、オフィスビル7棟のテナント企業などから約1200人の参加があった。
テナント企業の協力でVRを使った模擬訓練も行い、「災害に強い街づくり」をアピールした。
新開発の災害情報プラットホーム「災害ダッシュボード」を活用して9日に大手町や丸の内、有楽町の企業による情報連携訓練を実施するのは、同エリアでビル事業を展開する三菱地所。
エリア内の駅周辺や施設における帰宅困難者の滞留人数や負傷者対応状況などの情報を集約でき、街全体で人員や物資などの配置を最適化していく。
明治大学危機管理研究センターの市川宏雄所長は、「地域の災害対応力を高めるには、先進技術の導入や幅広い連携が前提。政府も責任範囲に関する法制度整備で企業参加を後押しする必要がある」と話している。
出典
『不動産各社がリアル体験型防災訓練…VRで消火訓練、震度7の揺れ体験も』
http://www.sankei.com/affairs/news/180307/afr1803070053-n1.html
(ブログ者コメント)
VRを使った訓練については過去に本ブログでも何件か紹介スミ。
2018年2月28日7時49分に読売新聞から、図解付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高齢ドライバーらのブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防ごうと、各地の町工場が生み出した安全装置が注目を集めている。
熊本県玉名市の鉄工所が開発した両機能一体型のペダルは、購入補助金を出す自治体もあり、納期が半年待ちの状態。
大手自動車メーカーが先進技術で自動ブレーキなどの開発を進める中、町工場発のアイデアが事故防止に一役買っている。
「ブレーキもアクセルも踏み込む動作は同じ。だから踏み間違いが起きるんです」。
同市の「ナルセ機材」の鳴瀬益幸社長(82)は力説する。
約30年前、オートマチック車で踏み間違い事故を起こしそうになった経験から、装置の開発に着手した。
事故は、アクセルをブレーキと思い込み、強く踏み込むことで起きる。
そのため、両方の機能を一つのペダルに集約。
踏み込めばブレーキがかかり、ペダル右側のレバーを足で外側にずらせば加速する仕組みに行き着いた。
「ワンペダル」の商品名で1991年から販売。
取り付け工賃込みで約20万円で、2014年頃までに売れたのは300台ほどだったが、踏み間違い事故の増加で問い合わせが増え、15年以降は毎年100台を生産している。
低価格で後付けできる手軽さに自治体なども注目。
地元の玉名市は購入者に5万円を補助しており、岡山県美咲町も昨年、購入者への15万円の補助制度を設けた。
大手自動車販売会社は昨年6月、タクシー業界の高齢化対策を見据えて、乗務員らを対象に搭載車の試乗会を実施。
評判は上々だったという。
現在、生産が追いつかないといい、新年度からの増産を目指し、2社と委託生産を交渉中だ。
埼玉県川口市の設備工事業「ナンキ工業」は、一定以上の力でアクセルを踏むと警告音が鳴り、ブレーキがかかる「STOPペダル」を8年前に開発。
昨年末、関東のタクシー会社と契約、実用化にこぎ着けた。
約10万円で後付けが可能で、南平次社長は「電子制御ではないので誤作動の心配もない。手軽さをアピールし、普及させたい」と話す。
いずれの装置も特許を取得しており、これまで事故の報告はないという。
国交省自動車局によると、ペダルの付け替えは自動車の改造にあたらず、ワンペダルなども車検の基準をクリアできているという。
九州大の松永勝也名誉教授(交通心理学)は、「自動ブレーキなどの先進技術は開発途上で、性能にばらつきがある。一方、踏み間違い事故に特化した町工場の装置は構造もシンプル。自治体などが活用を促す動きもあり、普及が期待される」と話している。
出典
『踏み間違えない「ワンペダル」、生産追いつかず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180227-OYT1T50139.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
安全ペダルについては、過去にも名張市のメーカーの開発事例を紹介している。
2017年4月24日掲載
2017年4月18日報道 ブレーキの踏み間違い事故は、パニック時の反射行動で、つい慣れているアクセルを踏んでしまうことが原因と識者は指摘、名張市の会社では防止装置を開発した
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7030/
(2018年6月18日 修正1 ;追記)
2018年6月14日23時21分に山陽新聞から、岡山県美咲町が「STOPペダル」を取り付ける高齢者に補助金を出すという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県美咲町は、車のブレーキとアクセルを踏み間違える高齢ドライバーの事故を防ぐ特殊なペダルの整備費を補助する事業をスタートさせた。
アクセルを一定以上踏み込むとアクセル機能が解除され、ブレーキが作動する仕組み。
町によると、同種事業の導入は県内の自治体では初めて。
県警によると、県内でペダルの踏み間違いが原因とみられる人身事故は、昨年67件(うち65歳以上21件)発生。
今年は、5月末までに27件(同13件)あり、美咲町でも美咲署西川駐在所に高齢者の車が突っ込むなど、大きな課題となっている。
ペダルは埼玉県のメーカーが開発した「STOPペダル」。
特殊な金具でつながれたアクセルとブレーキの各ペダルを、アクセルペダルだけを外す格好で取り付ける。
両ペダルとも、通常は単独で利用できる。
補助事業の対象は65歳以上の高齢者とし、ペダル本体と取り付け費用計約14万円の3分の2以内を町が負担する。
整備補助費150万円(10台分)を予算計上して、5月に受け付けを始めた。
これとは別に、公用車1台には既に装着している。
ペダルの踏み間違え事故を巡り、美咲町は2017年10月、衝突回避のための自動ブレーキや車線をはみ出した際の警報装置などを備えた「先進安全自動車」の購入促進策を導入。
装置の搭載数によって新車1台につき3万~5万円を補助し、17年度中に62件(299万円)の申請があった。
本年度も200万円(40台分)を予算化している。
町によると、65歳以上の運転免許証保持者は58.97%(17年末)。
町情報交通課は、「ペダルの場合、新車を買う必要がない。お年寄りによる重大事故の抑止につながれば」としている。
出典
『踏み間違え防止ペダル整備に補助 岡山県内初、美咲町が事業開始』
http://www.sanyonews.jp/article/732411
2018年1月26日10時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月25日18時40分にNHK奈良からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
コンセントとプラグの間にほこりがたまって発火する「トラッキング現象」による火災を防止する特殊なコンセントが奈良市の薬師寺に設置された。
愛知県の電気設備メーカーから寄進されたもので、25日に公表した薬師寺の村上太胤管主は、「コンセントからの出火は普段あまり考えないこと。寺への設置をきっかけに多くの人に知ってもらい、防火対策を見直してもらえれば」と呼び掛けた。
コンセントは愛知県の電気設備メーカー、河村電器産業が開発。
同社などによると、プラグをコンセントに差し込んだまま放置すると、間にたまったほこりと湿気で放電が発生し、発熱・発火につながる恐れがある。
開発したコンセントは、放電時に発生するガスを検知するとアラーム音で警告し、自動的に電気を遮断して発火を未然に防ぐという。
薬師寺では、国宝の薬師如来像が安置されている金堂などで、仏像を照らすライトが長時間ついていることが多いということで、同社は「貴重な文化財を守る助けになれば」としている。
同社は2006年に販売を開始し、一般住宅を中心に普及しつつあり、文化財・文化施設でも、建仁寺(京都市)と古川美術館・為三郎記念館(名古屋市)が導入している。
県内の寺社に寄進されたのは薬師寺が初めてで、金堂や大講堂、東院堂に計52個が取り付けられた。
26日は文化財防火デーで、村上管主は「寺院がいちばん恐れているのは火災なので、よく使われるコンセントから防火対策をしました。ほかの寺院にも広がってほしいと思います」と話していた。
出典
『薬師寺 特殊コンセントで「トラッキング現象」火災対策』
https://mainichi.jp/articles/20180126/k00/00e/040/226000c
『薬師寺に防火コンセントを設置』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2054499181.html
2018年1月18日21時52分にYAHOOニュース(時事通信)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で18日、荒波にさらわれた少年2人がドローン(小型無人機)による救助活動のおかげで無事助かった。
ドローンによる水難救助は世界でも初とみられるという。
オーストラリアでは水難救助にドローンを活用する試みが進められており、各地の海岸でドローン数10機の実用テストが行われている。
少年2人は東部沿岸のレノックスヘッドの沖合で遊泳中、3mの波にさらわれた。
目撃者らから通報を受けたライフセーバーは、すぐにドローンの操縦士に連絡。
直ちに現場海域にドローンが派遣された。
ライフセーバーの監督者であるジェイ・シェリダンさんは、地元紙ゴールドコースト・ブリテンに対し、「ドローンを現場まで飛ばし、(ドローンから)1~2分で救命用具を投下することができた」と語った。
シェリダンさんによると、通常では、ライフセーバーが救助などを必要としている人の元に到着するまで、もう数分かかるという。
救助された2人は、やや疲労が見られるものの、けがなどはないという。
出典
『世界初か、波にさらわれた少年2人をドローンで救助 オーストラリア』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180118-00000050-jij_afp-sctch
1月18日23時18分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
オーストラリアの海岸で、沖合に流された男の子2人が、小型の無人機、ドローンで運ばれた救命用具につかまって救助され、ドローンを活用した新たな人命救助の方法に関心が集まっている。
オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州の海岸で18日、10代の男の子2人が沖合に流されているのが見つかった。
海岸近くでは、当時、ライフセーバーの団体が州政府と合同で人命救助用のドローンの操作訓練を行っている最中で、通報を受け、ドローンに救命用具を搭載して現場に向かわせた。
ドローンのカメラの映像には、高さ3m以上の波にのまれる男の子たちの姿が捉えられ、ドローンを操作したライフセーバーは、この映像を頼りに、男の子たちのすぐ近くに、空気で膨らむ棒状の救命用具を投下し、無事かどうか監視を続けた。
地元メディアによると、男の子たちは、救命用具につかまって沖合およそ700mの地点から海岸まで泳いで戻り、大きなけがはなかったという。
ドローンは現場に70秒ほどで到着したということで、州政府の担当者は、ライフセーバーが泳いで向かうのに比べて、6分の1の時間で、到達できたとしている。
州政府は、ドローンを活用した初めての人命救助だとしていて、各国のメディアがこの救助劇を取り上げ、関心が集まっている。
出典
『ドローンが子どもを救助 沖で救命用具を投下』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180118/k10011293981000.html
1月19日18時42分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同州は昨年12月、海の安全へのドローン活用に43万豪ドル(約3800万円)の予算を使うと発表。
ビーチの近くに人間を襲うサメがいないかを海上から見つけるのが大きな目的だが、海難救助にもつながった。
南半球の豪州は現在、夏。
各地のビーチは海水浴を楽しむ人たちでにぎわうが、昨年6月末までの1年間に全国で50人がおぼれて亡くなった。
出典
『世界初?ドローンから海面に浮輪、少年2人を救助 豪州』
https://www.asahi.com/articles/ASL1M4CTTL1MUHBI01B.html
(ブログ者コメント)
以下は、Japan Today-News配信のユーチューブ映像。
https://www.youtube.com/watch?v=hHtdc25Z2ic
2017年10月18日3時0分に朝日新聞千葉版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工事現場などでの労災事故を防ごうと、千葉市美浜区で17日、仮想現実(VR)を体験できる機器を活用した講習会があった。
建築現場や工場で働く約70人が参加した。
専用のゴーグルとヘッドホンを着け、30階建てのビルからの転落、金属の切断時に火花で目をけがする事故といったことを仮想体験して、安全策の重要性を学んだ。
機器は視覚だけでなく、風音や足場の不安定な感覚も再現し、参加者が思わず叫び声を上げる場面も。
恐怖から途中でリタイアする人もいた。
習志野市の食品会社で働くKさん(男性、55歳)は、「危険性がよくわかった。日頃から注意したい」と話した。
人形を使った実験もあり、5mの高さから落ちた人を受け止めた網がどれくらいたわむかを確認した。
束にした電気コードが熱を帯び、火災の危険があることも実物で試した。
講習会は「あんしん財団」(東京都新宿区)が、電気機器メーカーの明電舎(東京都品川区)と協力して開催した。
明電舎は普段から、企業向けに講習会を開いている。
問い合わせは同社(03・6420・8540)へ。
出典
『千葉)労災事故防ぐため VRで転落事故体験 千葉市』
http://digital.asahi.com/articles/ASKBK4FQ3KBKUDCB004.html?rm=353
10月17日13時32分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
VR=バーチャルリアリティーの技術を使って、高層ビルからの転落事故を疑似体験して労災事故の防止に役立てる研修会が、千葉市で開かれた。
研修会は、労災事故の防止に取り組む財団法人が開き、東京や千葉県内の建設会社やコンサルティング会社などから30人あまりが参加した。
バーチャルリアリティーの技術を使って高層ビルからの転落事故を疑似体験するブースでは、専用のゴーグルをつけて歩くと足場から足を踏み外してしまう状況を、現実さながらの映像を見ながら体験することができる。
中には、思わず声を出してしまう参加者もいた。
厚労省によると、去年1年間に全国で労災で亡くなった人は928人にのぼっていて、このうち墜落や転落による事故で亡くなった人は232人と、最も多くなっている。
東京のエネルギーのコンサルティング会社で働く40代の女性は、「思った以上にリアルで本当に怖かった。改めて命綱の大切さを感じました」と話していた。
同じ会社の50代の管理職の男性は、「高い所にはよく行きますが、落ちることを前提に安全対策をしなければならないと実感しました」と話していた。
出典
『VRで労災事故を疑似体験』
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/20171017/1080000371.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像を見ると、ゴーグルを装着した被験者が、地面に置かれた足場板の上を歩くなどしていた。
報道された内容と合わせ考えると、かなりリアルな疑似体験ができるのかもしれない。
2017年10月15日0時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1981年以前の旧耐震基準で建てられたホテルや病院、小中学校などの建物のうち、一定規模以上の約8700棟の耐震性を診断したところ、約16%が震度6強~7の地震で倒壊や崩壊の恐れがあることがわかった。
国交省は改修などの対応を求めており、施設側は対応に追われている。
診断は、2013年11月施行の改正耐震改修促進法に基づくもの。
震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しないとする新耐震基準(81年6月導入)以前に建てられた3階建て5000m2以上の宿泊施設や病院、店舗、2階建て3000m2以上の小中学校といった、多くの人が利用する建物などが対象。
所有者が15年末までに診断を受け、報告を受けた自治体が結果を公表することが求められている。
国交省などによると、10月現在で北海道と東京都、和歌山県は公表に至っていないが、ほかの44府県の各自治体(大津市を除く)は結果を公表した。
棟数は計約8700棟で、その約16%にあたる約1400棟が現行の耐震基準を満たさず、震度6強~7の地震で倒壊、崩壊する危険性が高い、もしくは危険性があることが判明した。
県民会館や市民体育館、百貨店なども含まれ、診断結果を受けて廃業したホテルもある。
耐震工事に向けて動き出す施設も多い。
千葉県鴨川市の鴨川シーワールドは、9月から来春まで、耐震不足とされた一部施設を展示中止にした。
沖縄県恩納村のホテルみゆきビーチは、来年6月、一部建物の建て替えを予定。
岐阜・下呂温泉の老舗旅館「水明館」も、数億円規模の費用をかけ、一部の建物の改修を予定しているという。
一方、広島市こども図書館は改修の時期は未定で、「必要不可欠な施設」(同市の担当者)なため休館せず、今も運営を続けている。
自治体による補助はあるが、費用面の不安から改修に踏み切れない建物もあるようだ。
今回の診断対象は、倒壊すれば大きな人的被害の恐れがある建物のため、国交省は、耐震不足と診断された場合、改修や建て替え時期の報告も求めている。
具体的な建物の診断内容は、結果を公表している県や市など各自治体のホームページで確認できる。
出典
『耐震不足、旧基準建物の16% 「6強以上」倒壊の恐れ』
http://www.asahi.com/articles/ASKBG5FTXKBGUTIL01T.html
2017年9月15日14時29分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鉄塔など高所作業や重機使用での注意点を若手社員に確認してもらおうと、関西電力滋賀電力部は、同社の大津電力所(大津市秋葉台)で、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)などを用いた体験研修を行った。
発電所、変電所の送電設備などで保守保全作業にあたる12人が参加した。
2年前に長浜市での荷吊り作業で、吊り上げた1.6トンの鉄板とトラックの荷台の壁に作業員が挟まれた事故をモデルとし、教訓を学ぶ研修も実施。
参加者は、実際に宙づりにされた約600kgの荷物の横で待機し、空中で揺れる重量物が当たった場合の衝撃などを体感した。
そのほか、VRを利用した研修では、上空から工具が落下してくる映像などを体験。
「これは気付いても避けられない」などの声があがり、注意点を確認した。
山口さん(男性、25歳)は、「リアルな体験をして、実感がわいた。事故にあう危険性を常にもつ当事者として、リスクヘッジを行っていきたい」と話した。
出典
『上空から工具落下…VRで危険をリアルに体感、関西電力滋賀電力部が研修会』
http://www.sankei.com/west/news/170915/wst1709150058-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。