静岡県は、防災に関する知識を持った防災士など100人あまりの連絡先をホームページで公開し、アドバイスを受けながら地域や企業で防災訓練を行うなど活用を呼びかけている。
この取り組みは「地域防災人材バンク」と名付け、県が4月から始めている。
県は平成8年から消火や救助活動、それに避難所運営のノウハウを学ぶ講習を受講した人を「ふじのくに防災士」に認定するなど、およそ1700人に防災に関する県独自の資格を与えている。
こうした人たちの知識を生かして、地域や企業で防災訓練を行ったり勉強会を開いたりしてもらおうと、人材バンクには先月末の時点であわせて116人の名前や連絡先、得意な分野が掲載されている。
静岡県地震防災センターのホームページで見ることができ、依頼がある場合は市や町を通して連絡をとるか掲載されている人に直接連絡をとってもよいという。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3034337351.html?t=1368479051111
身近な暮らしに関わる事故の再発を防ごうと、消費者庁に昨年10月に消費者安全調査委員会(消費者事故調)が発足して7カ月。
最初の報告書がようやく6月にまとまる見通しだが、なかなか進まぬ調査に事故の遺族らからはいらだちの声が上がる。
事故調が直面する課題も浮かんできた。
「同じ事故が2度と起きないよう、早急に対策を取ってほしい」。
2011年7月、神奈川県大和市の幼稚園のプール事故で長男(当時3)を亡くした会社員(38)は、夏が近づくにつれ危機感を募らせている。
消費者事故調は昨年11月、調査や評価をする5件を選定。このプール事故も対象になった。
その後、元園長らが業務上過失致死容疑で書類送検され、刑事責任の追及は始まったが、事故の教訓はいまだ生かされていないと感じる。
「事故調の調査は何がどう進んでいるのか見えない。夏に間に合うのだろうか」
調査を求める申し出は、事故の被害者や遺族に限らず誰でもでき、事故調が公共性や多発性などの要件に照らして採否を決める。
3月末までに調査の申し出は計73件。33件は対象としないことを決めたが、残り35件の扱いは決まらないまま。発足7カ月でまとまった報告書はゼロだ。
4月26日の第7回会合で09年に起きた東京都港区のエスカレーター死亡事故の報告書を6月末に公表する方針が固まった。
会合後の会見で松岡猛委員長代理は釈明した。「皆さんから遅いと言われているが、(最初の報告書を)十分しっかりしたものにしたいということでやっている。いたずらに時間を過ごしたわけではない」
なぜ調査に時間がかかるのか。一つに、態勢が整わないまま見切り発車で発足した経緯がある。
消費者庁は、事故調設置の法改正案を昨年2月に国会に提出したが審議が遅れ、成立が8月末にずれ込んだ。
事務局の職員も今年5月にようやく定員の21人を満たした。
事故調の委員は大学教授や弁護士ら7人で、委員長は「失敗学」で知られる畑村洋太郎・東大名誉教授。実際の調査は、研究員や医師ら34人の専門委員があたる。
調査対象は、国交省の運輸安全委員会が担う航空、鉄道、船舶の事故以外の全ての分野。申し出があった事故以外にも、様々なルートからの事故情報を精査する。
関係者からは「あらゆる事故が対象なのに、事務局の人手が足りない」との声も上がる。
運輸安全委と違い、まだ手法の蓄積がなく、「素人の集まり」という指摘もある。
さらに、調査の壁になるのが裁判だ。刑事、民事裁判になった事故が調査対象の場合、被告らに話を聞けないケースが多いという。
先月の会合では、事故調からの情報発信も議題になった。
シンドラーエレベータ製エレベーター事故の民事裁判で遺族の代理人を務める弁護士は「調査の経過報告がなく、今どの段階にあるのかが分からない。情報を公開し、国民の目が届くことで態勢が育っていくものだ」と注文をつける。
<消費者安全調査委員会(消費者事故調)>
こんにゃくゼリーによる窒息やパロマのガス湯沸かし器による中毒など、既存の省庁が対応できなかった消費者事故をきっかけに2009年に消費者庁が発足。
刑事責任の追及とは別に、事故原因を調べ再発防止につなげる機関として昨年10月、同庁に消費者事故調が設置された。
現場保全や資料収集、関係者への聞き取りなどの権限があり、拒めば罰則もある。再発防止策を関係省庁に提言する。年間100件程度の調査が目標。
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また5月13日20時20分に毎日新聞からも、以下のような同趣旨の記事がネット配信されていた。
身近な暮らしにかかわる事故の原因調査にあたる「消費者安全調査委員会」(消費者事故調)は、09年に東京都港区で起きたエスカレーター事故について、6月下旬に報告書を公表する方針を固めた。報告書の公表は、昨年10月の事故調設置後初めて。「消費者目線での調査」を掲げる事故調がどんな評価をするのか、注目される。
消費者事故調は、電化製品による欠陥事故や食品による健康被害、エレベーターや遊具による事故など、消費者事故全般について原因を調査するため、昨年10月に消費者庁内に設置された。
今回の報告書の対象は、09年4月に港区のビルで、会社員の男性(当時45歳)が、下りエスカレーターの手すりに背中が接触。そのまま手すりに巻き込まれる形で体が後ろ向きに手すりに乗り上げ、吹き抜け部に転落して死亡した事故。
国交省の「昇降機等事故調査部会」は、事故はエスカレーターの構造や管理に起因していないとの結論を出している。
消費者事故調は、国交省の結論が適切だったかどうかを評価する。
男性の父(79)は「大いに期待している」と話す。
一方、消費者庁内にも「プロ集団である国交省の結論を覆せるとは思えない」などと、いったん国交省が結論を出した事故を、事故調がどこまで調べられるのかを疑問視する声も上がっている。
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ちなみに2013年5月18日付で朝日新聞(聞蔵)からは、遺族らからの申し出がない立体駐車場事故も調査対象にするという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消費者事故調は17日、機械式立体駐車場での事故を新たに調査することに決めた。
昨年10月の発足以来、遺族らの申し出を受けてエレベーターの事故など5件を調査対象としてきたが、今回初めて、申し出のない事故を選定する。
(ブログ者コメント)
港区のエレベーター事故については、既に国交省から報告書が出ている由。
福島原発事故もそうだったが、複数の公的報告書が出て、その内容や結論が違っていれば混乱も生じる。
事故の再発防止のため、違う切り口で原因を調査するのは大切なことだが、後発報告書では先行した報告書との関連を明らかにしておいてほしいものだ。
この点、今回は、国交省の結論を評価するという位置付けらしいが、情報量の違い、また省庁間の縄張り意識や面子などを考えると、どこまで評価できるだろうか?お手並み拝見というところだ。
川崎市川崎区の部品加工会社「ワイ・エス・エムコーポレーション」が、木造住宅の耐震性を高める金具を開発した。柱と土台などをつなぐL字金具と、抜けにくい特殊なボルト。
実験では、直角から内外に20°変形させてもボルトは抜けず、金具も元の形に戻るほどの強度だという。
東日本大震災で、1階部分がつぶれて2階が落ちた木造住宅の映像を見た須永社長(79)が、「時間や体調などの事情で逃げられないこともある。2階が落ちないように補強できれば、助かる確率が上がるのではないか」と開発した。
L字金具は焼き入れ加工を施し、バネ鋼にした。折れづらく、元の形に戻りやすい。
ボルトは、打ち込むと爪のようにとがった8本のピンが6~8mm外側に飛び出し、抜けにくい構造にした。
県産業技術センターと福山大構造・材料開発研究センター(広島県福山市)で試験をした結果、この金具で直角に固定した2本の材木は、70°~110°まで変形させても、元に戻った。
昨年10月、「接合部材及び接合構造」として特許を取得した。
固定金具は、柱1本用セットで4万円以下。一般的な木造住宅の1階の柱を補強すると、20カ所程度の工事が必要だという。
国交省の認定は受けておらず、自治体の耐震補強助成の対象にならない。
問い合わせは、同社(044-344-4709)。
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原子力規制委員会は3日、今年7月に施行される原発の新しい安全基準について、「規制基準」と呼び方を改めることにした。
今後は、規制委の文書はすべて規制基準に統一する。
規制委の田中俊一委員長は3日の定例会で「安全基準だと、基準さえ満たせば安全だという誤解を呼ぶ」とし、安全を担保するには電力会社による不断の改善が必要との見解を示した。
規制委が電力会社に対して求めるのは規制だとして、規制基準と呼ぶべきだとした。ほかの委員4人も了承した。
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(ブログ者コメント)
4.安全という用語の使用
安全及び形容詞としての用語の使用は避けるべきである。
その理由は、特段、有益な情報を提供しないからである。
加えて、安全という用語は、リスクから解放されている、ということを確実にするような印象を与えやすい。
推奨されるアプローチは、できるだけ目的を示す用語を使用することで安全という用語に置き換えることである。
このため最近では、たとえば昔の呼び方「安全帽」は「保護帽」という呼び方に変わってきている。
今回の田中委員長の見解も、こういった考え方に基づいたものではないかと感じた。
茨城県警交通企画課は、今年県内で発生した、夜間、歩行者が車にはねられる死亡事故29件(昨年12月16日現在)のうち、「半数の事故はライトを上向きにしていれば防げた可能性がある」という調査結果をまとめた。
同課は、対向車や先行車がいないときの「上向きライト」を呼びかけている。
同課によると、16日現在、日の出~日没の歩行者の死亡事故は13件(前年同期比8件減)、日没~日の出の夜間帯は29件(同10件減)。
同課は、それぞれの事故の実況見分の結果から、下向きライトと事故との因果関係について、速度と照射距離、道路の形態などを調査した。
その結果、29件中15件で、ライトを上向きにしていれば、早い段階で前方の歩行者を発見することができ、ブレーキやハンドル操作で事故を回避できた可能性があったことがわかった。
下向きライトの照射距離は約40mで、時速約60kmの停止距離とほぼ同じだ。
歩行者がライトに照らされてからブレーキを踏んでも事故を防ぐのは難しいとされる。
一方、上向きライトは照射距離が約100mで、歩行者などの早期発見に有効だといい、同課は「こまめにライトを上下に切り替えて運転するとともに、歩行者、自転車は反射材を付けてほしい」と呼びかけている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121230-OYT1T00017.htm
(ブログ者コメント)
産業安全に直接関係するものではないが、以前から指摘されていたことについての定量的な情報として紹介する。
火災対策上の不備が指摘される原発が、全国に十数基あることが分かった。原子力規制庁と経産省の関係者がそれぞれ明らかにした。
配線に可燃性電気ケーブルを使用したり、安全上重要な機器が近接して設置されたりして延焼の恐れがあるという。
事態を重視した経産省資源エネルギー庁は既に調査を開始し、原子力規制委員会も近く電力各社からヒアリングする。
経産省は、ケーブル交換や設備改修に時間がかかり数年単位で再稼働が遅れたり、高コストから廃炉になったりするケースがあると想定している。
原発の許認可を巡っては75年12月以降、安全上重要な部分に燃えにくい「難燃性」と呼ばれるケーブルを使用し、延焼を防ぐために適切な距離をおいて機器を設置することなどが定められた。
ただそれ以前の原発には規制がなく、改善するかどうかは事業者任せで対策が放置されてきた。
電力各社に取材したところ、安全上重要な部分にビニールやポリエチレンなどの素材でできた可燃性ケーブルを使用しているのは全国50基のうち13基=表参照。
ケーブル表面に延焼防止剤と呼ばれる特殊な樹脂などを含む塗料を塗っており、各社は「難燃性ケーブルと同等の性能がある」と説明する。
しかし規制庁と経産省の関係者は、「延焼防止剤自体は燃えないが中の可燃性ケーブルは燃える。経年劣化もありうる。同等と認められず、防火上大半に問題があり、改修が必要だ」と話す。
制御棒の操作や炉心冷却、事故時の計器監視など「安全系」と呼ばれる重要な装置を作動させるシステムへの火災対策に問題があるケースもある。
安全系では、一つの電気系統で火災が起きダウンしても、もう一方を生かす「系統分離」が重視されている。
しかし、一部の原発では2系統の電気ケーブルがすぐ近くに敷設されたり、冷却用ポンプなど重要機器が並ぶように設置されたりして同時に燃える危険性がある。
規制庁と経産省の関係者は、いずれも十数基で不備が見つかるとみている。
難燃性ケーブルと系統分離は、規制委が7月までに策定する新安全基準に盛り込まれる見込み。
ケーブルの長さは1基当たり1000〜2000km。このうち安全上重要なものだけで数百kmある。改修が必要なら1年以上かかり費用も高額。コストが回収できず、廃炉に追い込まれるケースも想定されるという。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130101k0000m040076000c.html
(ブログ者コメント)
難燃ケーブルの判定基準は、たとえばJIS水平燃焼試験では「60秒以内に自然に消えること」とされている。これなら安心。
http://www.nihondensen.co.jp/?p=372
他方、延焼防止剤は、塗ることによって可燃性ケーブルの表面を空気と遮断するのが目的であるが、一旦燃えると、燃焼断面は常に空気と接触することになる。また、経年劣化でヒビ割れ・剥離したりすると性能は落ちてくる・・・・そういったことを規制庁は指摘しているのではないかと、ブログ者は推察している。
全国の通学路や生活道路で交通事故が多発する中、政府や自治体の対応はなかなか進まない。
生活道路対策の第一人者である久保田尚・埼玉大大学院教授に現状と対策を聞いた。
通学路で児童が犠牲になる事故が相次いでいます。
◇路肩で車のぎりぎり真横を歩くなど、子供たちは非常に危険な状況で通学している。交通事故被害者の命運を分けるのは車の速度。時速30kmなら10人中9人が助かる。時速50kmになると10人中8人が亡くなる。通学路や生活道路は時速30kmにとどめるべきだ。
どのような対策が有効でしょうか。
◇制度自体は整備されてきた。96年、時速30kmに制限し交通弱者に配慮する「コミュニティ・ゾーン」がスタート。5年後、速度抑制に有効な対策として路面の一部を盛り上げる「ハンプ」や車道幅を部分的に狭める「狭さく」が道路構造令に盛り込まれた。昨年、一定地区に時速30km規制をかける「ゾーン30」も始まった。
出典URL
http://mainichi.jp/feature/news/20121108dde041040050000c.html
(ブログ者コメント)
ブログ者が勤務していた工場でも、構内は30km以下というルールがあったが、当時、その根拠について考えることはなかった。
それが今回、この情報。目からウロコが、また1枚とれた。
ルールが決められた理由、背景を知っておくのと知らないのとでは、ルールを守ろうとする意識も違ってくる。
当時、もっと調べておけばよかったと反省しきりだ。
三菱重工業長崎造船所は25日、長崎市飽の浦町の旧船型試験場に、社内向けの研修施設「安全伝心館」を開館した。
来年9月までに、長崎造船所に勤務する約6000人の社員に過去の災害事例を踏まえた安全教育を実施し、労災事故撲滅を目指す。
労災事例を示した研修施設は、全国でも珍しいという。
安全伝心館では、知識不足や技術不足などに伴う災害約35事例を、コンピューターグラフィックスや模型で再現して紹介。
さらに、労災事故の要因のひとつ、「人為的ミス」を学び、危険を予知する能力を養うトレーニングも行うことができる。
また、災害三悪といわれる「墜落」や「はさまれ」「崩壊」などを擬似体感できる施設もある。
総事業費は約1億4000万円。
開所式で所長は、「施設を通じて労災のつらさ、悲惨さを心で感じることができると思う。一人一人が心と体で考え安全文化を醸成させてほしい」と訓示した。
同社によると、長崎造船所で労災の死傷者は、1970年以降、約2170人(うち死者44人)で減少傾向にあった。
しかし、2000年以降は、団塊の世代など熟練社員の退職、協力企業への業務の発注などにより、死傷者は約157人(同7人)と増加に転じていた。
出典URL
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20121026ddlk42040473000c.html
http://news24.jp/nnn/news8741711.html
東ソー南陽事業所のプラントで昨年11月に起きた爆発・火災事故で、徳山労基署が同社に対し、安全管理の徹底を求めてプラントの運転マニュアル改善などの行政指導をしていたことがわかった。
一方、東ソーは、事故が起きた11月13日を「安全の日」と定め、全社を挙げて再発防止に努めていくという。
事故では、作業員1人が死亡した。
同労基署は当初、労安法違反での立件を視野に関係者の事情聴取などを進めたが、「法律に抵触するような重大な違反は見受けられなかった」として、書類送検などは見送り、今年5月に行政指導を実施。設備やマニュアルの改善、労働者への安全教育などを求めた。
同社の事故調査対策委員会の報告書などによると、事故が起きたプラントでは、塩酸塔の温度が上昇し、塩化水素をためるタンクに可燃物が混入するなどして爆発に至ったという。
一方、運転マニュアルには、温度管理を具体的に定めるなど、トラブル時の停止手順が記載されていなかった。
行政指導では、異常時の停止作業手順などを定めるよう、求めたという。
指導を受け、同社は、実施済みの再発防止策や今後の計画などを盛り込んだ報告書を、同署へ提出した。
東ソーは、「安全の日」と定めた来月13日、午後3時24分に東京の本社や全国の4支店、2事務所などで全社員が黙とうする。
また、同事業所で社長が「安全の誓い」を宣言し、安全のモニュメントを設置する。
南陽・四日市の両事業所では、社外の安全関係の専門家による従業員向けの講演会を開く。
同事業所の教育研究センターでは、事故が発生した第2塩ビモノマープラントのタンクの破片を保存、展示する。
同社は、制定の理由について、「安全な会社、事業所をつくる決意を全従業員が共有し、事故の教訓を風化させないため」と説明している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20121025-OYT8T01257.htm
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20121024ddlk35040357000c.html
国の研究機関などが大規模な木造建築物を燃やす実験を行った結果、新たな火災を起こすおそれがある直径数cmほどの「火の粉」が、およそ700m離れたところまで飛んだことが確認された。
市街地に延焼するおそれがあるため、研究グループでは、火の粉が飛びにくいような設計や材料の研究を進めることにしている。
この実験は、防火のため法律で認められていない木造3階建ての学校の校舎の建築を認める場合に、どのような基準が必要か調べるために、国の研究機関と大学などの研究グループが、ことし2月、実物大の校舎をつくって行った。
実験では、火が建物内をどのように回るかや、火の粉が飛び散る状況などを調べていて、このうち火の粉についての分析がまとまった。
火の粉は、出火してから30分近くたって建物全体に火がまわると周辺に飛び散りはじめ、45分ほどたって3階の屋根が燃え落ちた段階で、炎とともに上空に吹き上げられた。
このとき風速4mほどで、その結果、細かいもので火の粉は火元から1.6km離れたところまで広がり、新たな火災を起こすおそれがある直径数cm程度の火の粉は、およそ700m離れた場所まで達していたことがわかった。
研究グループでは、屋根が燃え落ちて火の粉が煙突から吹き出されるような形で、大量に飛び散ったと分析している。
また市街地に延焼するおそれがあるため、火の粉が飛びにくいような設計や材料の研究を進めることにしている。
建築研究所の林吉彦上席研究員は「今回の実験ではじめて、大規模な木造建築の燃え方が明らかになった。今後は、同時に燃えたり、屋根が燃え抜けたりしないよう研究を重ねていきたい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20120913/4970281_20120913172013_e2809ce781abe381aee7b289e2809defbc97efbc90efbc90efbd8de58588e381bee381a7e9a39be695a3.html
(ブログ者コメント)
新たな火災を起こす恐れのある火の粉の大きさは、直径数cm程度とのこと。
これまでブログ者は数mm程度かな?と思っていたが、思ったより大きいものだ。
「軽自動車だからと、軽油を入れた」-。こんな勘違いや確認ミスで、給油の際に燃料の種類を間違えるトラブルが今年5、6月の2カ月間に全国で256件起きていたことが、日本自動車連盟(JAF)の調査で分かった。熊本県は7件で、ワースト10位。
JAFが2008年度から毎年、救援依頼を調べている。
全国では前回調査より77件減ったが、熊本は増減なし(前回はワースト11位)。
場所や態様の内訳は、セルフ式スタンド4件、有人スタンド2件、自宅1件。「ガソリン車に軽油を給油」が4件、「ディーゼル車にガソリン」2件。「ディーゼル車に灯油」が1件あった。
理由は「軽油が一番安かったから」「自宅にあった農機具用の燃料を使った」など。
全国では、ガソリン車のレンタカーを使用した際に、マイカーと同じ軽油を入れたケースや、確認ミスなどが目立ったという。
JAF熊本支部によると、燃料を誤ると、入れ替えは簡単ではなく、エンジンが故障する恐れもある。「赤はレギュラーガソリン、黄色はハイオク、緑は軽油と、給油ホースの色が分けられている。しっかり確認してほしい」と呼び掛けている。
出典URL
http://kumanichi.com/news/local/main/20120806006.shtml
(ブログ者コメント)
この手のトラブルは、知ってはいたが、ついウッカリ・・・といったヒューマンエラーによるものだと思っていたが、思いのほか、無知ゆえに起きるトラブルも多いようだ。
労災事故によるけが人が増えているのを受け、岡山労働局は、建設や運輸などの業界で労災事故の防止にあたっている団体と連携して事故を減らす運動に取り組むことになり、24日、運動の実施本部を立ち上げた。
同局で開かれた実施本部の初会合には、建設や運輸などの業界で労災事故の防止にあたっている団体の代表などおよそ30人が出席した。
同局によると、去年1年間に労災事故で死亡したり、4日以上仕事を休んだりした人は最終的に1900人を超えると推計され、2年連続で前の年より5%前後増える見通しになっている。
会合で同局の局長は「極めて憂慮すべき事態で、皆さんと一緒に全力で労災事故の撲滅に取り組みたい」と述べ、労災事故を減らす運動への協力を求めた。
実施本部では、
□毎月1日を「安全点検の日」と定めて、県内のそれぞれの職場で安全点検を徹底するよう呼びかける
ほか、
□製造業や建設業など、労災事故の多い現場でのパトロールや、経営者への指導を強化する
ことにしている。
24日は同局に実施本部の看板も掲げられ、局長は「労災事故の増加傾向に歯止めをかけるため、関係機関が連携して事故防止の取り組みを進めたい」と話していた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/okayama/4025383241.html
2011年12月7日12時30分に、NHK名古屋から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力は、高性能のマイクとカメラを使い、変電所や送電線などで故障が起きた時に発生する異常な音などを特定できる装置を新たに開発した。
この装置は、中部電力が信州大学や建設会社と共同で開発したもので、中部電力の施設で6日、報道関係者に公開された。
装置には、高性能のマイク2台と小型のカメラを備え、音の周波数に応じて色の異なる円の画像をディスプレイ上に表示して音の種類を区別するとともに、複数の音の発生源までの距離を最大70mまで測定できる。
6日の実験では、10mから40mほど離れた場所で3種類の音を発生させると、色の異なる円がディスプレイに表示され、音までの距離を示していた。
(ブログ者コメント)
この手の技術開発が進んでいるとは聞いていたが、ようやく実用レベルにまでこぎつけることができたのかもしれない。
騒音が大きい産業現場で、普段と違う異常音を早期に判別できれば、事故の未然防止につながることが期待できる。
2011年12月6日19時1分に、NHK大津から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火事の発生を未然に防ごうと、消防隊員らが火事の原因の調査結果を報告し合う研究会が守山市で開かれた。
この研究会は、湖南広域消防局が火事の原因についての情報を共有し、防火に役立てようと毎年、開いているもので、消防隊員など、およそ100人が参加した。
この会の中で、去年5月から今年8月までに起きた5件の火事の原因などについて報告され、このうち、今年5月に草津市で起きた住宅火災では、風呂のボイラーの点検に使った器具が付けたままになっていたため、空だきを防止するセンサーが作動せず、火事になったことがわかったと報告された。
また、今年1月に栗東市で起きた住宅火災では、現場で撮影した写真を何度も、ていねいに確認した結果、ストーブの近くにあった衣類から発火したとみられることなどが報告された。
調査した火事の原因などはインターネットで公表したり、広報活動をしたりして、住民の防火活動に役立ててもらうことにしている。
湖南広域消防局は「原因の研究を重ねて火事の発生を減らし、市民の安全な生活につなげたい」と話していた。
電柱で作業に当たる際の事故やトラブルを想定して、少しでも危険に対して敏感になってもらおうと6日、北陸電力が初めて行った研修会が福井市で開かれた。
福井市にある北陸電力の訓練場で行われた研修会には若手社員、約30人が参加し、電柱からの墜落や電線のショートなど4つの事故を体験した。
電柱からの墜落体験は、不意に命綱が外れるという想定で行われ、訓練用の電柱にのぼった参加者が命綱を頼りに、後ろに体重をかけた状態で命綱が切り離され、高さ1mほどの位置から墜落する体験をした。
北陸電力では、去年石川県内で墜落事故があったということで、落下の衝撃に驚きながら真剣に取り組んでいた。
(ブログ者コメント)
座学で教えられた危険は、頭の中に知識としては残るものの、自分には関係はないものと思ってしまうことがある。
その点、この研修会のように自分で墜落してみて、その時の恐怖を体験しておくことは有用だ。
交通安全の確保のため、新設と更新に力を入れてきた信号機について、警察庁は必要性が低くなったものについては「撤去」を検討するよう都道府県警に指示したことが20日、分かった。
財政難で、老朽化する全国約20万基の信号機の更新が進まず、このままでは信号機の半分を撤去せざるを得ない。
警察庁は更新に全力を挙げる一方、「メリハリのある信号機施策が必要」と撤去の検討という新方針を打ち出した。
警察庁によると、全国に設置されている信号機は20万1878基(平成23年3月末時点)。
経年劣化を考慮し、19年が経過したものを更新対象としている。
対象すべてを更新するには毎年、全体の5.3%を更新しなければならないが、実際は2.6%(20~22年度の3年間の年間平均)と半分程度。
現状で推移すれば、将来的には信号機の51%を撤去せざるを得ないと試算している。
すでに、老朽化で心臓部である「制御機」が故障し、信号が切り替わらなくなる例が散見されるほか、腐食で柱が倒壊したり、「灯器」が落下したりする事故も起きている。
信号機のうち、灯器と制御機は都道府県の予算と国からの補助金、柱は都道府県の予算で賄われている。
平成に入ってからの交通安全施設(信号機、横断歩道、規制標識など)の事業費は、5~10年度に1400億円前後(都道府県予算と国の補助金の合計)が充てられていたが、23年度は約665億円と半分以下の水準に落ち込んでいる。
このため警察庁では、10月に全国の警察本部に対して更新の予算獲得に全力を挙げる一方、必要性の低くなった信号機の撤去も検討するよう指示した。
具体的には廃校となった小学校や中学校の周辺交差点などを想定しているという。
警察庁では、「人口が頭打ちとなっていることなどから、これまでのように信号機を大量に新設する必要はない」と指摘。その上で「交通量にも配慮しながら必要性の低くなった信号機は撤去するとともに、新たに必要性の生じた交差点には新設するなど、メリハリのある施策が必要だ」と話している。
しかし、いったん設置した信号機の撤去には、地元住民からの反発も予想される。今後、地元自治会やPTAなどの理解を得る努力も求められそうだ。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
ブログ者の住んでいる市には、4方向全てが見通しの良い、田んぼのド真ん中の交差点にまで信号機が設置されている。
まったくの無駄。停止線一本引けば済む話しだ。
何故こんな場所に?事故が過去に何回か起きたからだろうか?それにしても・・・と、前からいぶかしく思っていた。
そのような場所につき、スピードは落とすものの、赤信号で突っ切っている車をしばしば見かける。
悪法でも法は法なのだが、この場合は運転者の気持ちがよく分かる。
なぜならブログ者も、そのような場所に信号機を設置したことに納得がいかず、突っ切りたい衝動に駆られたことが何回もあったからだ。
産業現場も同様、ルールを作る場合は、当事者が納得できるルールを作らないと、いずれルールを破る者が出てくる。
また、守らなくても問題ないルールがあると、守るべきルールまで守らなくてよいと誤解する者が出てくる。それは、双方のルールに明確な境界線がないためだ。
こういった状態を放置しておくと、今後、事故の遠因になる恐れがあるだろう。
とまあ、そんなことが、この情報に接した際に頭に浮かんだ。
(雑感)
この問題といい、23日に書いた、橋の補修費が確保できなくなりつつある問題といい、箱モノ行政のツケが一気に噴き出しているようだ。
設備を作れば、その設備が存在する限り、毎年一定の補修費がかかり、また数10年ごとに設備更新の要否判断を迫られることは当たり前の話しだ。
この点、イケイケドンドンで作っていた当時の責任者は、どのような収支計算をしていたのだろうか?
2011年11月17日12時20分に、NHK鹿児島から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
年末年始に増える傾向にある労働災害を防ごうと、鹿児島労働局などは建設現場の安全対策などを確認するパトロールを行った。
鹿児島県建築協会で17日、鹿児島労働局や建設業界の関係者約40人が出席して出発式が行われ、席上、県建築協会の会長は「専門家の目からみて欠点があれば注意してもらい改善していって欲しい」と述べた。
式のあと一行は建設現場のパトロールに出発した。
このうち鹿児島市立西紫原中学校の体育館の建設工事現場では、労働基準監督官などが
・建築資材が作業員の通行の邪魔になっている
・足場が不安定になっている
ことなどを指摘し、事故防止のための改善を指導していた。
局によると、今年に入って建設工事で死亡したり、けがをしたりした人は先月末までに85人に上っていて、去年の同じ時期より13人増えている。
局長は「年末年始は作業員も油断しやすい時期なので災害防止の意識を改めて確認してほしい」と話している。
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2011年11月4日18時59分に、NHK滋賀から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
滋賀県警が交通渋滞の緩和を目的に新しいシステムの信号機を県内4か所の交差点に設置したところ、設置した交差点に交わる、ほぼすべての道路で逆に渋滞が悪化していたことがわかった。
同県警では、ことし3月、警察庁のモデル事業として「ムーブメント信号制御」と呼ばれる新しい信号機を1億4000万円かけて、栗東市と野洲市の国道の4か所の交差点に設置した。
この信号機はセンサーで交通量を読み取って、渋滞しそうな道路側の青信号を自動的に長くすることができ、渋滞の緩和に役立つと期待されていた。
しかし、同県警がことし9月までの半年間、設置した交差点に交わる10本の道路の渋滞時間を調べたところ、9本の道路で昨年度より渋滞の時間が延びていたことがわかった。
最も渋滞が悪化した道路では1か月あたりの渋滞時間が半年間の平均で4時間18分延びていたという。
同県警では、新しい信号機では右折専用の青信号だけでしか右折できなくなり、右折レーンが短い道路では右折車が走行車線にまで連なってしまったことなどが渋滞が伸びた原因ではないかとみている。
ただし、交差点での事故は新しい信号機の設置後、まったく発生していないという。
警察庁は、「今後、詳しく調査を行い信号機の効果を検証したい」とコメントしている。
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(ブログ者コメント)
□右折専用レーンが短いと渋滞することが多いのは、ブログ者もよく経験しているところだ。道路交通のプロが検討段階で、なぜ、そこに気がつかなかったのだろう。危険予知以前の話しだ。
□今年1月4日付で下野新聞から、栃木県での同様な取り組みが下記趣旨で報じられている。片やセンサー設置、片や信号の時間設定変更。各地バラバラな動きではなく、警察庁が音頭をとって日本全国でいろいろ試しているということであればいいのだが・・・。
県警が県内主要幹線道路の一部区間で2010年、通勤時間帯の渋滞解消などを目的に青信号の時間を長くするなどの対策に取り組んだ結果、1区間(平均約5・4km)通過にかかる所要時間が平均で2分40秒短縮できたことなどが県警のまとめで分かった。
県警は「時間短縮で運転者が心に余裕を持つなど、安全安心な交通環境を提供するのが最大の目的」と強調。「青信号の時間を2、3秒変えるだけでも影響があり、時間配分が難しい面もある。実態に即した信号制御を図っていきたい」としている。
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(2011年12月5日 修正1 ;追記)
2011年12月3日18時49分にmsn産経ニュース滋賀から、新システム信号4ケ所のうち3ケ所の運用を休止するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
交通量の多い車線に優先的に青信号を出し、渋滞解消をはかる新型信号機「ムーブメント信号」の設置で逆に渋滞が悪化したとして、滋賀県警は今年2月に設置した4カ所のうち、3カ所の運用を4日から休止することを決めた。
予想外の“効果”に、県警は「渋滞解消に向けた別の解決策を探したい」と困惑している。
県警によると、新型信号機は車両感知器で交差点周辺の交通量を測定。混雑した車線の青い矢印信号の点灯時間を長くすることで、渋滞解消を図る。県内4交差点に約1億4千万円かけて設置した。
ところが、今年10月に県警が実態調査したところ、いずれの交差点でも逆に渋滞が悪化。栗東市にある辻交差点の北進方向では、1日の平均渋滞時間が5時間58分になり、前年より4時間40分延びた。
交差点の右折車線が短いため、県警は直進の矢印信号が点灯している間に、右折待ちの車列が後方の直進車線にまで伸び、車の流れを妨げていると分析。
設置した4カ所のうち、右折車線の延伸工事で渋滞解消が見込める1カ所を除いて休止することを決めた。
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2011年10月12日18時4分に、NHK宮崎から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公共工事が増える年末に向けて、建設業者が安全対策を徹底するための会議が宮崎市で開かれた。
この会議は国交省宮崎河川国道事務所が国の発注する工事を請け負う建設業者とともに工事の安全対策を推進しようと、毎年、この時期に開いていて、12日に宮崎市で開かれた会議には工事関係者およそ180人が出席した。
会議では、宮崎労働局の担当者が県内の建設現場での労災事故は去年1年間で215件にのぼり、ことしも重機にひかれたり、トラックが路肩から落ちたりする事故が相次いでいることを説明。
その上で「路肩に鉄板をしいて崩れないようにしたり、死角の多い重機が動くときは、近づかないようにしたりするなど、基本を守ることが大切だ」と指摘した。
宮崎河川国道事務所によると事務所が発注した工事でもことし4月からの半年間で5件の事故が起きていて、すでに昨年度1年間と同じ件数になっているという。
同事務所は「会議を通じて安全対策を徹底して事故がないように取り組んでいきたい」と話していた。
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(ブログ者コメント)
このような会議は各地であると思うが、一つの情報として掲載する。
2011年10月4日19時13分に、NHK水戸から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
震災で被害のあった墓石を復旧する作業中に作業員がけがをする労災が相次いでいることから、石材業のさかんな桜川市で業者を対象にした講習会が開かれた。
講習会には石材業者のおよそ40人が参加し、筑西労基署の担当者から、桜川市や筑西市における石材業の労働災害の発生状況について、けがを伴う労災がことし3月から8月末の間に去年の倍にあたる8件発生したことなどが説明された。
また、事故の発生形態をみると、現場に複数の墓石が倒れているために十分な広さの通路が確保できず、吊上げに使うクレーンと墓石の間に作業員が挟み込まれてしまうケースや作業を急ぐあまりクレーンを固定し忘れて転倒するケースが目立つという。
石材業者の団体によると、茨城県内では被害のあった墓石の復旧作業にはまだ数年かかる見込みだという。
筑西労基署の安全衛生課長は「墓石の復旧作業は通常の据え付け作業に比べて足場の悪い環境で行うために事故につながる危険が多い。危険な箇所を把握し、事故を防いでもらいたい」と話していた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。