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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年10月1日付の毎日新聞憂楽帳コラムに、下記趣旨の記事が掲載されていた。
ブログ者にとっては初耳の概念につき、紹介する。
 
パイロットが学習する概念に「権威勾配」と呼ばれるものがある。機長と副操縦士が適切な力関係を保つためのマネジメントだ。
 
機長の権威が強すぎると(勾配が急)、機長の判断が誤っていても副操縦士が指摘しにくい。
機長の権威が弱すぎると(勾配が浅い)、運航を管理できない。
ミスを防ぐには、適度な勾配が必要なのだ。
 
実際に1977年に起きたジャンボ機同士の衝突は、機長の間違いに航空機関士が気付きながら、強く主張できなかったのが一因。
 
あるベテラン機長は「昔はパイロットも徒弟制。副操縦士が適切な指摘をしても、機長から一蹴されると、それ以上は言いにくい雰囲気だった」と話す。
機長には、周囲から有用なアドバイスを引き出す能力や人格が求められるのだ。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
3日前、葛丸ダム死亡事故の原因と背景について、過去記事修正連絡したが、その中に「防災航空隊という特殊な業務で、後輩隊員が先輩隊員に意見を言えない雰囲気があり、有意な意見が訓練の改善につながらなかった」という記述があった。
それこそが「権威勾配」というものなのだろう。

 
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2012年2月20日20時19分にNHK長野から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
部品どうしを関節のように結びつける「ベアリング」について、県工業技術総合センターは民間企業と共同で、潤滑油を使わずに動かすことができる技術を開発した。
軽量化や耐久性が求められる次世代の航空機などでの実用が期待されている。


この技術は、長野市にある県工業技術総合センターと御代田町のベアリング製造会社、「ミネベア」が、共同で開発した。
機械部品の関節部分にあたるベアリングは、一般的に耐久性が高い鉄鋼素材が用いられ、接続部分に潤滑油を使うことで、摩擦によるすり減りを防いでいる。


今回、開発された技術は、工業技術総合センターが開発した炭素の結晶である「カーボンナノチューブ」を加えた特殊なチタン合金と、ミネベアが開発したテフロン樹脂の繊維を、ベアリングの軸部分と接触面に使うことで、従来のベアリングに比べて摩擦が5分の1以下に抑えられるという。
これによって、潤滑油を使わずに長時間にわたって機械を動かすことができるうえ、従来のものに比べて重さも半分程度になり、今後は、軽量化や耐久性が求められる次世代の航空機などでの実用が期待されている。

県工業技術総合センター金属材料部長は「軽量化だけでなく潤滑油を使わずメンテナンスする手間も省けるので、今後、次世代航空機をはじめとして様々な機械部品として使われることが期待できる」と話していた。

 
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagano/1015999091.html
 
 
 また、同趣旨の記事が2012年2月21日付の読売新聞長野御版からもネット配信されていた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20120220-OYT8T01220.htm
 


(ブログ者コメント)
 
間接的に安全の確保にもつながる技術だと感じたので、紹介する。

 
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2012年1月24日10時5分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
オホーツク地方で唯一の風力発電施設の北海道興部町風力発電所が修繕費調達難のため、完成から約10年で廃止となった。
福島第一原発の事故後、風力発電が注目されているが、小規模風力発電施設が直面するコスト高の課題を露呈した格好だ。

同町の風力発電所は2001年3月に完成。
風車1基で、建設費約1億9000万円のうち、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」がほぼ半額を、町が約5000万円をそれぞれ負担した。
 
町の農業研究施設に電力を供給、余剰分は北海道電力に売電し、売電収入は約9年半で計6170万円。6430万円の維持管理費とほぼ均衡していた。

しかし10年10月に欧州製の部品が破損。交換には高所作業も必要で、修理に約4000万円かかることが判明した。
修理費は全額町負担で、町は「コスト面で運転再開は困難」として、昨年11月に発電所廃止を決めた。
風車を固定し、モニュメントにする予定だ。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120124-OYT1T00227.htm
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
設備の故障も広義の安全。うすうす感じていたことが現実化した事例でもあるので、紹介する。

 
 
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2011年12月19日3時3分に、読売新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。

長年にわたって深刻な労働災害や環境汚染を引き起こしてきたアスベスト(石綿)の使用や製造が来年3月、国内では完全に禁止されることになった。
例外とされていた製品の代替品への移行が完了したためだ。

アスベストは繊維状の鉱物で耐熱、耐火、防音に優れ、建材などとして一時は「奇跡の鉱物」ともてはやされたが、吸引で中皮腫や肺がんを引き起こす致命的な欠点が発覚。
1970年代から徐々に規制が強化された。

2006年には代替品への置き換えが難しい一部を除き、原則、使用や製造、輸入が禁止となった。
配管の接合部などに使われる「ガスケット」という部品が最後の例外だったが、今年6月に代替品が開発された。
これを受け、厚生労働省は26日の労働政策審議会に、アスベストを全面使用禁止とする政令の改正を諮問し、来年3月の施行を予定している。


出典URL■■■


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2011年10月5日23時18分に、msn産経ニュース神奈川から以下の記事がネット配信されていた。

横浜市保土ケ谷区と旭区にまたがる市内15番目の総合公園「たちばなの丘公園」が5日、一部開園した。
かつて火薬工場だった跡地で、火薬庫につながるレンガ造りのトンネルや土塁、トロッコのレールなどの遺構が点在し、稼働当時をしのばせる。

この日開園した部分は、日本カーリット(東京)の火薬工場跡地。
大正8年、日本カーリットの母体「浅野同族」が、日本で2番目の民間火薬工場として、当時の橘郡保土ケ谷町に建設し、火薬の製造を始めたという。

園内には火薬製造の歴史や自然を説明する案内を設置。市によると、火薬工場跡地が公園となった例としてはこれまでに群馬県の「群馬の森」があるが、歴史の案内表示を付けたのは横浜が初めてという。

爆発事故の影響が周囲に及ぶのを防ぐ土塁が現存しているのは、全国でも珍しく、火薬工場の緩衝林だった雑木林なども残り、緑豊かな環境の中で歴史を感じることができる。

公園に行くには、相鉄線和田町駅から相鉄バス19系統「新桜ケ丘団地」行きに乗り、「県公社住宅前」で下車し徒歩5分。駐車場はない。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

大事故が契機となって移転した?と思い調べてみたが、1955年に異物混入による火薬爆発が原因で3名が死亡、19名が重軽傷を負う事故があった以降は、1995年の工場閉鎖まで、大きな事故は報じられていない。

場所を確認すると新保土ヶ谷ICのすぐそばで、近くには住宅街や大きなマンションなどがある。
思うに、工場建設当時は人っ子一人いない山の中だったものが、周辺の開発が進んだ結果、移転を余儀なくされたものであろう。

時代の変遷を告げる記事としてブログ者の目に止まったので、ここに紹介する。



 

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(2010年8月30日 旧ブログ掲載記事)
 2010年8月28日のネットニュースに、以下の趣旨の記事が掲載されていた。 
2016年度末で耐用年限を迎える多度町のRDF発電所の耐用年限後の事業継続問題について、27日に開かれた県RDF運営協議会で話し合われ、継続する場合は20年度までの4年間とすることが決定された。

継続にかかる費用負担については調整がつかず、引き続き協議予定。

発電所を運営する県企業庁の試算では、事業を4年間継続した場合、維持管理費や施設改修費などで、24億円の負担増になるとのこと。
 
 

(ブログ者コメント)
 
鳴り物入りで始まったRDF事業だったが、設備稼働初期に事故が重なった。それが今回の決定に影響しているのだろうか?
RDF設備の火災、爆発事故については、以下の資料にうまく纏められている。

 
 

(2019年8月20日 修正1 ;追記)

 

2019820100分に伊勢新聞から、今年9月に事業が終了するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

三重ごみ固形燃料(RDF)発電所の爆発事故から19日で16年が経った。

RDF事業は9月に終わるが、懸念されるのは事故の風化。

あらゆる危機管理で事故の反省を生かせるかが問われる。

 

RDF事業に参画する5団体12市町のうち、2団体の4市町は既にRDF搬入を停止しており、残る市町も9月中旬には搬入を終える予定。

9月中には、RDFによる発電所の稼働も終わる見通しだ。

 

事業の参画市町は、処理方法の移行を進めている。

 

桑名市などで構成する桑名広域清掃事業組合は、RDF発電所の隣で可燃ごみ焼却施設を建設中。

9月中に試験運転を始め、来年早々の本格稼働を目指す。

 

多気、大台、大紀の3町でつくる香肌奥伊勢資源化広域連合と伊賀市は、可燃ごみの処理を民間委託する。

 

熊野市など3市町でつくる南牟婁清掃事業組合と紀北町は、RDFの製造を続けて民間処理する。

 

一方、懸念されるのは事故の風化。

 

県は事故を語り継ぐ事業を何らかの形で継続させる予定だが、事故を直接に知る人らも退職などで段階的に現場を去りつつあり、風化を食い止める手だての必要性も高まる。

 

企業庁は、事業終了後に土壌調査を実施するため、発電所の敷地にある「安全記念碑」を移転させる予定。

企業庁の担当者は、「遺族の声を踏まえ、現場から近く、訪れやすい場所に設置したい」と話す。

 

また、県と企業庁はRDF事業の終了後に、最終的な総括をまとめる予定。

平成27年度にまとめた総括との違いが注目されるとともに、県が今後の事業にどのような形で総括を生かすかが問われる。

 

鈴木知事は式典後の取材で、事業の教訓について「勇気ある撤退も時には必要だということや、一回決めたので前に進むことだけが行政の仕事ではないということを念頭に置くべきだと思う」と語った。

 

https://this.kiji.is/536349539302802529?c=39546741839462401

 

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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