2017年6月3日17時23分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市のバイオ製品製造業「グローバルエンジニアリング」が、カードをこすり、においをどう感じたかで認知症の疑いを調べることができる簡易キット「もの忘れアルかなチェック はからめ」を販売している。
同社の担当者は、「いきなり病院に行くのはハードルが高いという声が多い。早期発見のきっかけになれば」とPRしている。
同社によると、認知症の人は通常より嗅覚の能力が低下していることが多く、症状が悪化するほど、その傾向が強くなることが指摘されている。
同社が専門家の監修を受けて開発、商品化したのは、食べ物や日用品など日常生活でなじみのあるにおいを付けた10枚のカード。
表面をこすり、どんなにおいがしたか選択式の回答用紙に書き込んで送付すると、10日程度で結果リポートが届く。
自宅で気軽にチェックできるのがメリットだ。
出典
『においで認知症チェック 簡易キット販売 名古屋の業者「早期発見の
きっかけに」』
http://www.sankei.com/west/news/170603/wst1706030068-n1.html
(ブログ者コメント)
こういった研究は多方面で進められているらしく、2017年5月14日2時0分に日本経済新聞電子版からは、エーザイも同様なキットを販売しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
エーザイは、人の嗅覚を利用して認知症の兆候をつかむ簡易検査キットの販売を始めた。
認知症は、一部で、初期段階に嗅覚異常を起こすと分かっている。
正確に臭いを把握できない人を発症の疑いがあるとして、注意を促す。
高齢化によって認知症患者が増えるなか、迅速な検査法の導入によって、早い段階で医師の診察を受けてもらうことにつなげる。
エーザイは、米ペンシルベニア大学が開発した手法「アップシット」に基づいた嗅覚異常の検査キットを発売した。
シートを嗅いでもらい、どんな臭いだったか4種類から選んでもらう。
正確に回答できなかった場合、認知症をはじめ、体の異常を疑ってもらう。
シート10枚入りで約1万円。
一般販売はせず、主に自治体への販売を見込んでおり、健康相談といった高齢者ケアなどに役立ててもらう。
こうした簡易検査キットは、まだ珍しいという。
最近の研究で、認知障害が発症する20年ほど前から脳細胞の衰えが始まり、嗅覚障害や不眠、うつ症状が出ることが分かっている。
国内の65歳以上のうち、認知症患者は2012年に約462万人で、25年には700万人を超すとされる。
出典
『認知症疑い、嗅覚で検査 エーザイがキット販売』
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16363920T10C17A5EA4000/
2017年6月2日0時4分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
クマに殺傷される事故が昨年相次いだ東北地方で、今年も人的被害が続発している。
秋田県仙北市では5月下旬、被害を防ぐ定番とされてきた「クマよけ」用の鈴を身につけていた61歳の女性が襲われ、失血死した。
専門家は、クマに音への耐性がついていたり、逆に音がクマをおびき寄せたりしている恐れを指摘する。
「鈴やラジオなど人工的な音を出せばクマは寄ってこない」という常識は、通用しなくなりつつあるのか--。
秋田県警によると、女性は5月27日早朝、タケノコ(ネマガリダケ)を採るため友人と入山。
途中で別れた後、山懐を走る国道から約30m離れた樹林内でクマに襲われたらしい。
女性には、頭や顔、左腕などにひっかき傷やかまれた痕があった。
女性は鈴を2個身につけていた。
しかし、クマの生態に詳しい秋田県立大の星崎和彦准教授(森林生態学)は、鈴をつけていてもクマと遭遇した例がいくつもあるといい、「そもそも、鈴の音が聞こえる範囲には限りがある」と指摘。
県警の担当者も、「山菜を採るためしゃがんでいれば、鳴らない」と、鈴への過信に警鐘を鳴らす。
秋田では5~6月、ネマガリダケ採りが盛んで、鈴のほか大音量のラジオを流しながら山に入る人も多い。
しかし、星崎准教授は、「近年は、クマが車のエンジン音など、人工音を聞く機会が増えている」と語り、音への警戒心が薄れている可能性を指摘。
一方、NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長は、「ラジオの音に気付いたクマが人間に寄ってきたという事例が複数ある」と警告。
音を聞いたクマが、餌となる物があると考え、おびき寄せられている可能性があるというのだ。
環境省によると、昨年、ツキノワグマやヒグマなどに襲われたとみられる死傷者は全国で105人で、5割超が東北地方に集中。
うち秋田県は、昨年5~6月に鹿角市で男女4人が死亡するなど、岩手県と並ぶ全国最悪の19人で、目撃件数も872件と、10年前と比べて8倍以上に増えた。
今年も、仙北市で死亡した女性のほか、青森、岩手、宮城、北海道などで負傷者が相次ぐ。
米田理事長によると、東北地方の今年の傾向として、2013年と15年に母グマの餌となるブナやドングリの実が豊作だったため、生まれた子グマが順調に成長し、個体数が増えた可能性がある。
今はちょうど子グマが独り立ちし活発に活動する時期で、「遭遇する可能性は高い」とみる。
仙北市は死亡事故を受け、入山許可に当たる入山料の徴収をやめ、入山自粛を訴える。
星崎准教授は、「入山するならば、必ず複数人で離れず、声を出しながら行動して」と呼びかけている。
出典
『クマ 専門家が鈴の効果に警鐘 音に耐性、警戒心薄れる?』
https://mainichi.jp/articles/20170602/k00/00m/040/104000c
6月2日18時33分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし4月、釧路管内の標茶町塘路の山林で、山菜採りをしていた54歳の会社員の男性がヒグマに襲われ、男性は右肩の骨を折る大けがをした。
男性は当時、クマよけの鈴を3つ身につけたうえで、クマにヒトがいることを知らせようと、口笛を吹きながら山菜を採っていたことが警察への取材でわかった。
男性によると、草むらの中で何かが動く音が聞こえたため振り返ったところ、10mほど離れた場所に2頭の子グマを連れたヒグマ1頭が立ち上がっていたということで、男性は近くの木に登って逃げようとしたが、引きずり落とされて、被害にあったという。
ヒグマの生態に詳しい道立総合研究機構、環境科学研究センターの間野勉自然環境部長は、「ほとんどのクマは、人間の存在を知れば未然に避けるが、人間が残飯を捨てるなどして、結果的に餌づけされることが、まずいクマを生んでしまう」と、人間の身勝手な行動がクマを危険な動物にする可能性を指摘している。
さらに、クマに人間の存在を知らせる鈴について間野部長は、「鈴は万能とは言えない。空気を伝わる音は、風の向きや強さによって効果が変わる。鈴を身につけた上で、時々、周りの様子をうかがったり、大声を出したりする工夫も必要だ」と話した。
また、クマのうち、特に子どもをつれている場合には「不用意に接近すべきではない」と、注意を呼びかけている。
ヒグマが数多く生息する道内では、ヒトが襲われる被害が、春から秋にかけての時期を中心にほぼ毎年起きている。
道によると、過去5年間では、平成25年4月に道南のせたな町で山菜採りをしていた52歳の女性が死亡、おととし1月には道東の標茶町で木の枝打ち作業をしていた64歳の男性が死亡するなど、亡くなった人は2人、けがをした人は9人にのぼっている。
このうち、せたな町のケースでは、女性を襲ったヒグマが次の年も別の女性を襲ったことが分かっている。
また、標茶町のケースでは、冬眠中の穴の近くで伐採作業をしたため発生したと見られている。
出典
『標茶町 クマよけの鈴でも被害』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170602/3916441.html
(2017年6月26日 修正1 ;追記)
2017年6月25日10時18分に山形新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
全国各地の猟友会員や野生鳥獣の有識者らが集う「ブナ林と狩人の会:マタギサミットinおぐに」が24日、小国町の北部地区で開幕した。
山を知り尽くし、野生動物の生態にも精通した狩猟のプロらが一堂に会する機会。
県内でクマの目撃や食害が相次ぐ中、各県の猟友会員に、増え続けるクマ被害の実態や注意点、遭遇時の対処法などについて聞いた。
・・・・・
山に入る際、一般的にクマよけの鈴が効果的だと言われるが、高い音だとクマがイライラし、逆に襲われてしまうケースもある。
落ちている枝などで木の幹をたたく方が音が響くし、『人間が来たぞ』と知らせることができる。
クマと出くわしてしまったら、目をそらさずにゆっくりと後ろに下がること。
背中を向けて逃げると追いかけてくる。
山には複数人で午前中のうちに入ったほうが良い。
・・・・・
自分の存在を知らせるためにも、ラジオをずっとつけておくのが良い。
・・・・・
出典
『クマ被害、なぜ?どうすれば? 狩猟のプロたちに聞きました』
http://yamagata-np.jp/news/201706/25/kj_2017062500569.php
2017年5月31日18時25分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は31日、大規模災害の発生時にカーナビなどを通じて一般車両の走行データを集め、通行可能な道路を速やかに割り出すシステムの運用を始めると発表した。
東京23区で震度5強以上、それ以外の地域で震度6弱以上の地震が起きた時や大規模水害時などに稼働させ、人命救助や物資輸送に役立てる。
走行経路のデータを送信できるカーナビを搭載した個人用、業務用の民間車両は約4000万台ある。
これらの車両が被災地を走った場合、自動車メーカーなどでつくるNPO法人「ITS Japan」を通じ、通行できる経路の情報を匿名化して受け取る。
出典
『大災害時の車両走行データ収集へ 通れる道路、速やかに把握』
https://this.kiji.is/242579802597163014?c=39546741839462401
2017年5月31日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事が装置の写真付きでネット配信されていた。
大分県警は、6月1日から移動式の速度違反取り締まり装置を導入する。
固定式は、多くのドライバーが設置場所を知っており、そこだけスピードを落とす抜け穴が指摘されていた。
愛知、富山両県に次ぐ全国3番目の導入で、九州では初という。
移動式は、高さ約1.5m、重さ約20kgで、取り締まりポイントを変更できる。
固定式と同じように,レーザーで速度違反を検知すれば車のナンバーと運転手の顔をカメラで自動撮影し、後日、交通違反切符を切る。
通学路や生活道路は道幅が狭く、違反車両を止める場所が少ないため、警察官による取り締まりが難しかった。
移動式なら、その場で車を止める必要はなくなるため、こうした場所での取り締まりを強化する狙いもある。
県警交通指導課の井上課長補佐は、「これからは、どこで取り締まりをやっているのか分からなくなる。事故減少につなげたい」と話している。
出典
『スピード違反どこでも“パシャリ”移動式取り締まり装置 大分県警が
九州初導入』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/332189/
(ブログ者コメント)
以下の情報と関連した動きなのかもしれない。
2013年12月30日掲載
『2013年12月27日報道 警察庁はスピード違反の取り締り方法を「ねずみ捕り」から生活道路などでの取り締まりに方針転換』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3562/
2017年5月24日5時20分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北朝鮮の核・ミサイル開発に懸念が高まっている。
核兵器の恐ろしさとは何だろうか。
熱線と爆風による大規模な殺傷と破壊、そして放射能汚染はもちろん深刻な脅威だ。
しかし、はるか上空の核爆発で地上に起きる「電気がない世界」の恐怖は想像できるだろうか。
一時的な停電ではなく、国の電力網全体が破壊されて何年も復旧しなくなるような事態だ。
読売新聞調査研究本部の永田和男主任研究員が解説する。
【電磁パルス攻撃は「現実の脅威」】
「一発の核爆弾が我が国上空のはるかな高さで爆発することで電力供給網と死活的に重要なインフラが崩壊し、何百万もの生命が危険にさらされる。北朝鮮が核弾頭搭載可能なミサイルを持ち、イランも保有に近づく現状を見れば、電磁パルス攻撃は理論上の懸念ではなく、現実の脅威である」。
昨年7月、ドナルド・トランプ氏を大統領候補に正式指名した米共和党大会で採択された綱領に、こんな一項が盛り込まれていた。
電磁パルスは、一定の高度で核爆発が起きた時に起きる電磁波のことだ。
核爆発により放出されるガンマ線が空気分子と衝突することで発生する。
電磁パルスが地磁気に引き寄せられて地上に向かう時に大電流となり、電子機器や送電線などに入り込んで破壊してしまうのだ。
2004年に米議会に提出された専門家委員会の報告書「電磁パルス攻撃の合衆国への脅威評価」によると、電磁パルスは核爆発が地上40~400kmの高さ(30~500kmという説もある)で起きる時に、最も発生しやすい。
大気が適度に希薄なために、ガンマ線が爆発地点から遠方まで拡散するためだという。
爆発地点が米国中部の上空高度400kmなら、地上の影響範囲は全米をすっぽり覆う半径2200kmに達するという試算もある。
【発電施設、スマホ、パソコンを次々に破壊】
10キロ・トン程度の核弾頭(広島に投下された原爆は15キロ・トン)が大気の希薄な高度上空で爆発しても、爆風はほとんど起きず、熱風や放射能の影響も地表には届かないとされる。
したがって爆発の時点では、死傷者も建造物の破壊も発生しないが、その間に電磁パルスによる大電流が送電線などに入り込み、ネットワークで結ばれた発電や変電施設は次々に焼け落ちた状態になる。
スマートフォンやパソコンなどの電子機器部品にも大電流が入り込み、破壊されてしまう。
実は、こうした現象は第2次世界大戦中の核開発初期段階から、開発に携わった物理学者らの間で予想されていた。
1962年に米国が北太平洋上空400kmで行った核実験では、実験場から1300km以上離れたハワイ・オアフ島で停電が発生した。
この実験が米本土上空で行われていたら、全米規模の電力喪失事態が起きていただろうと指摘する物理学者もいる。
ただ、翌63年に大気圏内、宇宙空間での核実験を禁止した部分的核実験禁止条約が発効したこともあり、その後、これほどの高度での核爆発実験は行われていない。
冷戦終結で、米ソなど超大国による核戦争は遠のいたが、最近は、国際条約を顧みない北朝鮮などの「ならず者国家」やテロ組織が核を使用する懸念が着実に高まる。
一方で、電力と電子機器への依存度は、60年代当時とは比較にならないほど増大している。
2001年の同時テロや03年のニューヨーク大停電を経験した米国では、特に、電磁パルス攻撃で起きる国家規模での電力喪失事態への懸念が広まっていると言える。
【電力システム崩壊なら「1年後に9割死亡」】
では、国全体で長期間、電力がまったく使えなくなると、どのようなことが起きるのだろうか。
そのイメージをつかむのに、今年2月公開の日本映画「サバイバルファミリー」(矢口史靖監督)が参考になる。
平凡な一家の視点から、現代人の生活がどれほど電力に依存し、それがないと、どんなことが起きるかがわかりやすく描かれていた。
普段と変わらないある日、原因もわからず電気が止まる。
目覚まし時計もスマホもテレビも、冷蔵庫もガスコンロも水道も使えない。
今何時かもわからないまま外へ出ると、エレベーターも信号機も自動車も電車も、何もかも止まっている。
現金自動預け払い機(ATM)は作動せず、預金データも消えてしまっている。
食料や水、日用品は次第に尽きていく――。
ただ、この作品では、人の死や暴力的な場面はほとんど登場せず、最後には再生に向けたハッピーエンドも用意されている。
一方、米国では近年、電磁パルス攻撃で起きる「電気のない世界」をテーマとした近未来小説が続々発表され、一つのジャンルを形成している。
飢餓や疫病、略奪の横行など、社会秩序崩壊をこれでもか、とばかりに描いた作品がほとんどだ。
先に挙げた04年の議会報告書は、全米規模の電力システム崩壊があった場合、復旧には数年を要し、食料や燃料、医薬品などあらゆる物資の欠乏と衛生確保が困難になることから、飢餓と疫病は免れず、人口3億人余りの米国で「1年後には90%が死亡している」と予測している。
ニューヨークなど大都市で上下水道がまったく使えなくなり、食料がどこからも輸送されてこない状態を考えただけでも、生き残りが容易ではないことは想像に難くない。
電磁パルス攻撃を扱う近未来小説も、この報告書の見通しを参考にしているものが多い。
(2/2へ続く)
キーワード;太陽フレア
(1/2から続く)
【電磁パルス攻撃扱う小説、ベストセラーに】
代表的なのが、08年発表の第1作以来ベストセラーとなり、今年完結した作家ウィリアム・フォースチェン氏の3部作(いずれも邦訳なし)だ。
1作目『ワン・セカンド・アフター(1秒後)』では、米国全土で一瞬にして電力が失われ、正に1秒前まで電力を当たり前のように享受していた人々は途方に暮れる。
未曽有の惨状の一部を紹介しよう。
・・・・・・・・・・
2作目『ワン・イヤー・アフター(1年後)』、3作目『ファイナル・デイ(最後の日)』では、米国再生を願う主人公と軍の元同僚らの奮闘と、超大国・米国が事実上消えてしまったことで起きる世界の混乱が描かれる。
ささやかなハッピーエンドはあるが、そこに至るまでの描写は壮絶だ。
1作目にはトランプ大統領の有力支持者でもあるニュート・ギングリッチ元下院議長が巻頭文を寄せ、電磁パルス攻撃は政府機関や専門家の研究の裏付けがある「本物の脅威だ」と強調。
「攻撃後、最初の1週間で数百万人が命を落とすことになる」と警告している。
【北朝鮮も「電磁パルス攻撃」を想定か】
核とミサイルの開発を続ける北朝鮮は、米国に到達する大陸間弾道弾(ICBM)の取得を視野に置いているとみられ、米国も深刻な脅威と受け止めている。
ただ、共和党綱領でも核兵器を電磁パルス攻撃に使うとの懸念を指摘されていた北朝鮮は、既にミサイルを地上40~400kmに打ち上げる技術は備えている。
5月14日に打ち上げた中長距離弾道ミサイルの高度も2000km以上に達したとみられている。
弾頭を小型化してミサイルに搭載する技術も、すでに習得しているとの見方もある。
電磁パルス攻撃は、核保有国の中国、ロシア、そして米国も冷戦期以来、研究を続けているとされる。
北朝鮮も、電磁パルス攻撃という核の使い方を認識していると考える方が現実的だろう。
むしろ、保有する核弾頭の数が限られている国や独自には核開発能力を持たないテロ組織にとって、小型核一発でも相手国に致命的打撃を与える可能性がある電磁パルス攻撃は、効果的な攻撃方法の一つとみることもできる。
軍事専門家によると、テロ組織が核弾頭を上空に打ち上げようとする場合、貨物船舶で標的とする国の沿岸に接近し、船内に隠し持つ発射装置を使うやり方などが考えられる。
観測用気球で弾頭を上空40km程度まで運び、遠隔装置で起爆することも可能だと指摘する専門家もいる。
米議会では、電磁パルス攻撃を想定した重要インフラ防護に関する法案が15年に下院に提出されたが、まだ成立をみていない。
昨年の共和党綱領は、この法案の早期成立を訴えるとともに、連邦政府と各州政府に対しても、重要インフラ施設の保護に乗り出すよう求めている。
トランプ大統領は就任前、「サイバーその他の手段による攻撃から死活的に重要な社会インフラを守る」と語ったことがある。
インフラ投資や国防関連予算の増額に強い関心を示すトランプ氏が、今後、電磁パルス攻撃を念頭に置く施策を打ち出すかどうか注目される。
日本でも、電磁パルス攻撃への対策を訴えた研究機関による提言がある。
一般社団法人「日本戦略研究フォーラム」が昨年発表した「高高度電磁パルス攻撃によるインフラ破壊の脅威への対処」は、電磁パルス攻撃を「大震災をはるかに超える広範囲の社会インフラ等の破壊をもたらす新たな緊急事態」として認識することを国民に警告した。
その上で、
(1)核兵器の全廃と拡散防止を目指す外交的取り組み
(2)各国間のテロ組織などの情報共有や、攻撃が起きた際の相互態勢作り
(3)国内インフラの防護体制構築
の3点を対策として提示した。
【電磁パルス現象は「太陽嵐」でも発生】
実は、電磁パルス現象は核爆発だけでなく、太陽表面の巨大爆発で起きる磁気嵐(太陽嵐)が地球を直撃した場合にも発生する。
観測史上最大の1859年の磁気嵐直撃では、普及し始めていた電信機器などに深刻な被害が及んだ。
近年も、1989年にカナダで磁気嵐によるとみられる停電が起き、2012年にもかなりの規模の太陽嵐が地球近くを通過していたことが、米航空宇宙局(NASA)の観測でわかっている。
この時、直撃していれば、人類存続に関わる危機になっていた可能性も取り沙汰されている。
日本戦略研究フォーラムの提言は、核による電磁パルス攻撃への備えは、近い将来、再び起こる可能性が高い太陽嵐直撃への備えにもなると強調する。
研究グループ代表を務めた鬼塚隆志氏(元陸上自衛隊化学学校長)は、「コンピューターやインターネットの長所を追い求めるだけでなく、負の面にも気づくべきだ」と指摘。
電子機器依存の高まる現代社会で、突然、電力が失われた時に起こる事態を想定しておくことは、国土強靭化を語る上で、ぜひ必要な視点だと力説する。
鬼塚氏は、電磁パルス攻撃からの防護を、国土全体の社会インフラに対して施すのは困難でも、一部の地域で発電、送電施設を電磁パルスの影響が及ばない地下に埋設したり、パソコンなどの電子機器に十分な防護を施したりしておくことも提唱する。
拠点的な都市や地区だけでも電力が生きていれば、全土の復旧に向けた足がかりになるはずだ。
「電気のない世界」という、一見、絵空事のような事態が、実は十分に起こり得るのだと認識し、それが起きた時、どのような影響が市民生活と社会全体に及ぶのかを産官学一体で協議してみることが、有効な対策の出発点だろう。
核弾頭やミサイルを使う電磁パルス攻撃という人為的脅威を踏まえて、国際社会がテロとの戦いや核拡散防止体制を講じる中で、「電気のない世界」をもっと深刻な問題として話し合うべきではないだろうか。
出典
『高度上空の核爆発で起きる「電気がない世界」の恐怖』
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170523-OYT8T50051.html?from=y10
(ブログ者コメント)
SFの世界だけかと思っていた電磁パルス攻撃、それが現実の脅威だったとは・・・。
キーワード;太陽フレア
2017年5月22日12時35分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模な災害が起きたときに、避難所で簡易のベッドや間仕切りなどとして使える段ボールを優先的に届ける協定が、広島県と段ボールの製造業者でつくる団体の間で締結された。
広島県庁で行われた協定の締結式には、広島県の担当者と西日本段ボール工業組合の丹羽副理事長が出席した。
段ボールは、大規模な災害で避難所での生活が長くなる際に、簡易ベッドや間仕切りなどとして利用されることが多くなっている。
中でも簡易ベッドは、簡単に長さ1m90cmのベッドを組み立てることができるほか、物入れが備わっていて、避難者が快適で衛生的に過ごすことができるようになっている。
協定では、災害時には組合に加盟する事業者などが必要な数だけ優先的に段ボールを避難所に届けることになっている。
西日本段ボール工業組合の丹羽副理事長は、「段ボールは短時間で大量に生産できるので、災害時にはすぐに供給できる。業界を挙げて社会貢献に取り組んでいきたい」と話していた。
また、広島県健康福祉局の菊間局長は、「段ボールベッドなどの有効性は十分浸透しており、避難所に早期に供給できることは、災害の備えという面で大変、安心できる」と話していた。
出典
『県と段ボール組合が災害時の協定』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170522/3490471.html
5月23日12時47分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県と西日本段ボール工業組合(大阪市)は22日、災害時に組み立て式の段ボールベッドなどを避難所などに優先提供してもらえる協定を結んだ。
段ボールベッドは長さ約190cm、幅約90cm、高さ約35cmの組み立て式。
仕切りやベッドの上に敷くシートもある。
災害時に県から連絡を受けた組合が必要な数を72時間以内に届け、県が買い取る仕組み。
県によると、平成26年8月の広島市の土砂災害では、組合から避難所に段ボールベッドの支援を受けたという。
県庁で協定の締結式があり、県健康福祉局の菊間局長と組合の丹羽副理事長が調印した。
県の担当者は、「2次的な健康被害をなくすためにも有効に活用していきたい」と話していた。
出典
『災害時に段ボールベッド提供 広島県と西日本段ボール工業組合が協定』
http://www.sankei.com/west/news/170523/wst1705230031-n1.html
2017年5月20日1時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
国内でおなじみの貝「サザエ」は実は学名がない「新種」だったことを岡山大の研究者が突き止め、19日発表した。
18世紀に欧州の学者が残したスケッチと記述をもとに付いた名が使われていたが、これが実は中国産サザエだったという。
新学名は「サザエ」になった。
サザエは、日本、韓国沿岸の種と中国南部沿岸の種に大別され、とげの長さや並び方など、外見で容易に見分けられる。
日本のサザエはこれまで、1786年に英国の博物学者が付けた「トゥルボ・コーヌトス」とされていた。
しかし、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が原典をインターネットで調べたところ、そのスケッチは明らかに中国産の特徴を備え、産地も「中国」と書かれていた。
以降、1995年までにサザエについて記されたほぼ全ての文献を精査、日本沿岸のサザエには正式な学名がないことを論証した。
名前がなかった背景には
①持ち帰られた標本を中心に研究された
②当時、日本は江戸時代で鎖国をしており、日本のサザエが欧州人に入手困難だった
③ネットが普及するまでは、古い文献の閲覧が非常に難しかった
ことなどがあるという。
福田さんは、日本沿岸のサザエを「トゥルボ・サザエ」と命名。
16日、国際学術誌に掲載されて正式名になった。
「こんな身近な貝に名前がなかったとは思わなかった」と驚いている。
出典
『日本のサザエ、「新種」だった 学名あったのは中国産』
http://www.asahi.com/articles/ASK5M5J3ZK5MPPZB00D.html
5月20日付で毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
食用として日本で広く知られている貝類のサザエには正しい学名が付けられず、事実上の新種だったことを、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が突き止めた。
研究者の先入観や思い込みの結果、約170年間も中国産の「サザエ」と混同されたままの状態が続き、学名が空白になっていたという。
福田准教授は、今回初めてサザエの学名を「トゥルボ・サザエ」と命名。
日豪共同発行の専門誌(電子版)に掲載され、これで日本の食卓になじみ深いサザエがやっと新種と認定された。
福田准教授によると、きっかけは1786年に中国産サザエの学名として定められた「トゥルボ・コルヌトゥス」。
1848年に、日本産を調べた英国の貝類学者リーブは、サザエをコルヌトゥスと混同。
さらに、トゲのないサザエについても、よく似たモーリシャス産の別種のサザエと混同した。
1995年になって、日本人の研究グループが中国産サザエをコルヌトゥスと区別して、「新種」のナンカイサザエと命名。
一方、日本のサザエはコルヌトゥスに混同される誤解が引き継がれていたが、福田准教授が調べた結果、日本のサザエはこれとは別種で、学名がないことが分かったという。
コルヌトゥスは実際にはナンカイサザエのことで、日本産よりもトゲの長さが短く、間隔も狭いなどといった特徴があり、日本のサザエとは全く異なる。
福田准教授は、「サザエはアニメの主人公の名前になるぐらい有名なのに、学名がなかったこと自体が驚き。学名を巡って、学者らによる世紀を越えた『伝言ゲーム』が原因になった」と指摘している。
出典
『サザエ学名違ったよ 中国産と170年混同、やっと新種と認定 岡山大准教授が調査』
https://mainichi.jp/articles/20170520/dde/041/040/013000c
5月19日18時23分にNHK岡山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
食用としてもなじみの深い貝類の「サザエ」にこれまで学名がなかったと、岡山大学大学院の准教授が発表した。
准教授は、過去の研究者たちの思い込みが原因の1つだとしている。
これは、岡山大学大学院環境生命科学研究科の福田宏准教授が19日、記者会見をして発表した。
それによると、これまで「サザエ」の学名として使われてきた「Turbo cornutus」は中国でとれる別の種類の貝「ナンカイサザエ」の学名で、日本などでとれる「サザエ」ではないことがわかったという。
この学名は、もともと1786年にナンカイサザエに対してつけられたが、そのおよそ60年後にイギリスの学者が誤ってサザエをこの学名で呼んだことで、およそ170年にわたって勘違いされていたとしている。
このため福田准教授は、サザエを「Turbo sazae」と新たに命名し、今月16日に、日本とオーストラリアの学会が発行している軟体動物の専門誌の電子版で公表した。
公表によって初めて、サザエに有効な学名がついたという。
福田准教授は、過去の間違いがそのまま信じられてきたことや、「学名がないはずがない」という思い込みが原因の1つだとしたうえで、「生物に関する我々の知識は不完全だということを自覚し、自然界に接するべきだという教訓になり得る」と話している。
出典
『「サザエ」には学名がなかった?』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4023521101.html
(ブログ者コメント)
伝言ゲーム、思い込みといったヒューマンエラーによる誤解が長期にわたり続いてきた事例。
事故が起きていない産業現場でも、顕在化していないだけの、同じようなことがあるかもしれない。
2017年5月18日20時21分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「駐禁報告書」や「全景写真添付」「保安検査」などの件名のウイルス付きメールが5月15日以降拡散しているとし、警視庁などが注意を呼び掛けている。
警視庁によると、ウイルス付きメールの件名は、「駐禁報告書」「全景写真添付」「【賃貸管理部】【解約】・駐車場番」「文書」「保安検査」「【017/05】請求額のご連絡」「【配信】」「予約完了[るるぶトラベル]」。
件名なしのものもあるという。
それぞれ本文で添付ファイルの内容を確認するよう求めているが、添付ファイルはウイルス入りだという。
出典
『「駐禁報告書」「保安検査」……ウイルスメール拡散 警視庁が注意喚起』
http://www.sankei.com/affairs/news/170518/afr1705180032-n1.html
(ブログ者コメント)
「予約完了[るるぶトラベル]」というメールが、るるぶで予約したばかりの人に届いた場合、どのような文面かよく確認することなく、条件反射的に開封してしまうかもしれない。
まこと、悪質メールにはご用心。
2017年5月17日7時56分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県警裾野警察署(同県裾野市平松)が民間業者に委託している清掃業務で、作業員のほとんどが登録の名簿とは別人だったことが、16日、署への取材でわかった。
それぞれ登録上のネームプレートをつけ、署員による点呼の際にもなりすまして返事をしていたという。
問題が発覚したのは、13日に行われた定期清掃業務。
身元が確認できない人物の出入りを防ぐため、署は事前に請負業者から作業員名簿の提出を受けていたが、実際に作業していた10人のうち8人が別人だった。
下請けや孫請けの作業員とみられるという。
署によると、作業員らは刑事、交通各課や署長室のほか、金庫のある会計課内にも立ち入っていた。
作業開始前には担当署員が点呼をとったが、全員が名簿上の名前で返事をしていたという。
作業終了近くになって、署員が予定になかった身元確認を実施したところ、事態が発覚した。
さらに、点呼時に作業員は9人だったが、終了時にはいつの間にか10人に増えていたという。
署は「なりすまし」について、警備上の問題があるとみており、詳しい経緯や、これまでにも同様のことがなかったかについて、業者から事情を聴いている。
現場には署員が立ち会う決まりになっているため、「ものが紛失するなどの問題は起きていない」(同署)という。
業務を請け負っていたのは、静岡市葵区の清掃業者。
昨年6月に署が実施した制限付き一般競争入札で落札し、契約した。
定期清掃は年4回行われるという。
業者の担当者は朝日新聞の取材に、「当日、作業員の手配がつかなかったため、仕事に入れるメンバーを集めた」と説明。
事情を申告せず、別人のふりをさせた経緯については、「署に謝罪し、始末書を出した」と話すにとどめた。
清掃業務委託をめぐっては、静岡市でも昨年、静岡斎場の定期清掃で、落札した業者とは違う業者が作業をしていたことが発覚。
市は、談合が疑われる事案について調査する公正入札調査委員会を開くなどし、今年2月、同市内の警備会社を契約違反(業務の再委託の禁止)を理由に、入札参加停止処分にした。
【「一、二度でない、上に逆らえず」 取材に男性作業員】
男性作業員の一人が朝日新聞の取材に応じた。
以前から清掃業に従事していたという男性は、「この日は朝、署の近くのコンビニの駐車場に集合するよう『上の方』から指示があった」という。
駐車場では、現場リーダーとみられる男性がネームプレートを配布。
その後、皆で署に向かった。
「警察をだますようなことはいけないと思った。でも、仕事を断れば食べていけない」
ほかの作業員については「初めてみる顔もあった」という。
作業終了近くになり、署員から突然、身分証明書の確認を求められた。
「まさかと思った。皆が青ざめた」
男性は「正直、偽名で公共施設に入ったのは一度や二度ではない。いろいろな人間が現場に入り、これでは点呼も意味がない。弱い立場で上に逆らえないが、いつバレるかと常に不安でつらい」と話した。
出典
『警察署の清掃員、大半が偽名 点呼すり抜ける 静岡』
http://www.asahi.com/articles/ASK5J62ZDK5JUTPB014.html
2017年5月15日11時27分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日々、どこかで耳にする「ピーポー、ピーポー」という救急車のサイレン音。
この音を生みだしたのが、大阪サイレン製作所(京都府京田辺市)だ。
赤く光る警光灯、消防車用のアルミシャッターなどの開発・製造も事業の柱。
使われる地域や社会の変化に応じて、改良を続けている。
工業用機械が休みなく動き、製品がベルトコンベヤーでどんどん運ばれている・・・。
そんなせわしない光景を頭に描いて工場に入ると、全然違っていた。
静寂の中、作業服を着た何人かの社員が手作業で部品を組み立てていた。
救急車や消防車は、大量生産される車ではない。
サイレンや警光灯といった装備の受注単位は数台分から、多くて10数台分。
使い勝手や設計に合わせてカスタマイズすることもある。
しかも、部品が多く複雑な構造なので、経験と技術がある職人でないと作れない。
「価値ある商品とサービスを提供し、社会の安全に貢献するのが経営理念。信頼性は重要です」と上岡社長(57)は話す。
創業から88年。
開発の歴史を聞いていくうちに、子どものころの記憶がよみがえった。
1932年に最初に開発したのは、消防車用のハンドサイレン。
釣り具のリールのような形状で、ハンドルをぐるぐる回すと「ウーー」と鳴る、あれだ。
昭和半ばの邦画などで見たような気がする。
現在の救急車用の「ピーポーサイレン」が開発されたのは67年。
緊急自動車への搭載が国に認められ、70年に「ウー音」からの切り替えが始まった。
72年までに、全国の救急車のサイレンがピーポー音に変わったという。
「ピーポー」音はどうやって生まれたのだろう。
きっかけは60年代、警察から寄せられたある要望だった。
「サイレンで変わった音が出せないか」
消防車やパトカー、救急車のサイレンが同じような「ウー音」では区別がつかない、という理由だったようだ。
先代の社長が欧州視察の際に聞いた緊急車両のサイレン音がヒントになり、あの独自のピーポー音ができた。
大阪や東京など大都市を中心に、サイレンの全国シェアは救急車で約5割、消防車は6~7割を占める。
ピーポー音の誕生から50年たった今でも、ユーザーからは様々な要望が届く。
最近では、「音がやかましい」「音が急に止まるとドキッとする」といった市民らの声に対応。
サイレンを鳴らし始める時は徐々に音が大きくなるようにし、止める時も次第に小さくなるようにした。
サイレンや警光灯を動かすアンプも進化し、2002年に騒音対応型が開発された。
近年は、一つのボタンで複数の機器が作動するよう改良されている。
サイレンを鳴らしながら「救急車が通ります。進路を譲ってください」「交差点に進入します。ご注意ください」といったメッセージを流すこともできる。
こうした行き届いた配慮や生命や財産を守る緊急活動を支援するという会社の使命感が、ユーザーの評価につながっている。
◇
〈大阪サイレン製作所〉
1929年、大阪市で創業した上岡製作所が前身。
現在の会社は大阪府東大阪市で56年に設立。
98年に京都府京田辺市に京都工場を開設し、2011年には本社も同所へ移転した。
従業員40人。
札幌市とさいたま市に営業事務所がある。
15年度の売上高は約15億円。
出典
『救急車ピーポー音、生みの親 全国のウー音変わった理由』
http://www.asahi.com/articles/ASK4L3G5SK4LPLZB003.html
(ブログ者コメント)
この話し、ご存知の方も多いと思うが、今回、会社名まで書かれていたので、参考までに紹介する。
2017年5月12日5時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
「カラス侵入禁止」。
そう書いた紙をつるしたら、本当に来なくなった――。
岩手県大槌町にある東大の研究施設は、春になるとカラスに「警告文」を出す。
研究者が放つ奇策だ。
今年で3年目、東大が連勝している。
4月中旬の午後、大槌湾に面した「東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター」の1階で、佐藤克文教授(動物行動学)がパイプや窓枠に紙をつるしていた。
パイプ周りの断熱材は、むしられてボロボロだ。
「カラスが巣作りで持っていきました」。佐藤教授は苦笑いする。
センターは世界的な海洋研究の拠点として、1973年に前身がオープンした。
だが、震災の津波は3階建ての最上階まで到達した。
その後、3階だけ仮修復したが、1、2階はがれきの撤去後、物置になった。
佐藤教授によると、カラスの被害が目立ち始めたのは15年春。
むき出しになった1階天井のパイプの断熱材がむしり取られ、羽根やフンが落ちるようになった。
津波で周囲の住宅が壊滅して人影が消え、センターも扉や窓がなくなった。
このため、カラスが繁殖期に建物に入り込み、巣作りの材料として断熱材を「拝借」するようになったらしい。
センター職員から相談を受けた佐藤教授も決定打がなく、知人で「カラスの専門家」の宇都宮大「雑草と里山の科学教育研究センター」の竹田努研究員(環境医学)に相談したところ、「警告文を出してみては」とアドバイスがあった。
佐藤教授は「冗談だろう」と思ったが、試しに警告文をつるしてみると、カラスはすぐ来なくなった。
一時的かと思われた効果も長続きした。
竹田研究員によると、警告文を目にした職員や学生がカラスに視線を向けたり指さしたりすることで警戒して寄りつかなくなる、ということらしい。
「不思議に思って、みんな空を見るでしょ」
佐藤教授は、今年も数10枚の警告文を建物にぶら下げた。
津波の痕跡が生々しいセンターの頭上を数羽のカラスが飛び交うが、スタッフや学生は出入りの際、ちらちらと空に目をやる。
「見る人が増えれば増えるほど効果が上がる。お気軽にお越しください」
出典
『「カラス侵入禁止」警告文、なぜか効果 東大の研究施設』
http://www.asahi.com/articles/ASK4L2VWFK4LUJUB003.html
2017年5月11日3時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車のナンバープレートが盗まれる被害が多発していた春日井市で、昨年、被害件数が大幅に減った。
春日井署が昨年春から「盗難防止ネジ」の無償取り付けを進めており、ネジの普及が被害件数の減少につながった可能性があるとみている。
署によると、市内でのナンバープレート盗件数は、2008~15年に年平均117件。
特に15年は112件で、カーナビ盗やタイヤ盗を含む「部品狙い」の発生件数(247件)は、県内の市区町村で最も多かった。
盗難防止ネジは、ネジ穴を埋めるため、簡単には取り外せない。
署では、普通乗用車用320円、軽自動車用420円で販売する。
署は、「24時間365日、『盗難防止ネジ』を無料で取り付けます」と市民に呼びかけ、普及に力を入れた。
署によると、市内での盗難防止ネジの販売数は、昨年だけで6600セット。
08年からの8年間の累計販売数は計7100セットで、急増ぶりが目立つ。
一方で、昨年のナンバープレート盗の件数は71件。
それまでの年平均被害件数の6割程度まで減った。
景山副署長は、「ナンバープレートは窃盗など別の犯罪で使われる車に悪用される。引き続き、ネジの普及に努めたい」としている。
【春日井市のナンバープレート盗の発生件数】
08年 120件
09年 123件
10年 113件
11年 146件
12年 88件
13年 128件
14年 106件
15年 112件
16年 71件
出典
『愛知)盗難防止ネジ効いた? 春日井のナンバー盗大幅減』
http://www.asahi.com/articles/ASK4X42PPK4XOIPE00M.html?iref=com_rnavi_arank_nr02
本件、過去にも2016年6月10日に毎日新聞愛知版から、春日井市だけでなく愛知県全体の取り組みだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
犯罪への2次利用が問題となっている自動車のナンバープレート盗難を防ごうと、県警の各署は9日、取り外しが難しい「盗難防止ネジ」の使用を呼び掛けるキャンペーンを実施した。
県警によると、県内のナンバー盗難は昨年1694件あり、今年は5月末までに525件発生。
盗まれたナンバーは別の車に付け替えられ、家屋への侵入盗などの犯罪に使われるケースが目立っている。
通常のナンバーは一般的な工具で容易に外せるが、盗難防止ネジは特別な加工が施され、ナンバーが盗まれる恐れは少ない。
このため、県警は防止ネジの積極的な活用を訴えている。
春日井署は9日、県自動車整備振興会春日井支部などの協力を得て、春日井市松河戸町のスーパー駐車場で防止ネジの無料取り付けを実施。
地域住民が続々と訪れ、ボランティアの整備士たちが1台当たり5分もかけずに、次々とネジを取り付けた。
住民からは「盗難が心配だった。これで安心」などの声が上がった。
10日以降も同署に行けば、実費(普通車320円、軽乗用車420円)だけで防止ネジを取り付けてもらうことができる。
出典
『ナンバープレート 盗難 特殊なネジで予防 犯罪への2次利用抑止』
http://mainichi.jp/articles/20160610/ddl/k23/040/185000c
(ブログ者コメント)
おそらくは下記会社の製品だと思われる。
2017年5月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
稼働中、羽根に野鳥が衝突して死んでしまう風力発電所での「バードストライク」。
犠牲になる鳥が絶滅危惧種の場合も珍しくなく、環境省は、野鳥への影響の大小を示す地図を今年度末にもまとめ、計画段階での予防を狙う。
そのためには、鳥の飛行の傾向など、実態把握が不可欠だ。
【絶滅危惧種も】
日本野鳥の会は、風力発電所でのバードストライクで死んだ野鳥を見つける講習会を開くなど、被害把握に努めてきた。
米国の専門家を招き、「一歩進んでは振り返って、草の根元をよく見て」などとコツを会員らに伝授し、練習も実施した。
参加者は、「ニワトリより小さいウズラは、2m先にあっても見逃してしまう。特に草の根元にあれば、目を凝らしても分かりにくかった」と振り返った。
風力発電所でのバードストライクで死ぬ野鳥について、同会は、会員らの報告などから、2001年~14年3月に計341羽が被害に遭い、うち絶滅危惧種は、オジロワシなど6種計50羽が犠牲になったと見ている。
しかし、「見つけるのが難しい上、肉食の野生動物が食べてしまうケースも多く、氷山の一角に過ぎない」(同会)という。
実際、風力発電所の事業者が「バードストライクは起きていない」としていた北海道沿岸地域で、大学生が07~08年にかけて計50羽の野鳥の死骸を見つけた例もあるほどだ。
【データ蓄積必要】
地球温暖化対策として、風力発電所の設置が相次ぐことが予想される中、環境省はバードストライクを防ぐための手引を昨年6月にまとめた。
鳥に風車の存在を知らせるため、羽根やタワー下部を彩色したり、警戒音を出したりする対策を公表。
鳥が比較的多く飛ぶ時間帯や時期に運転を抑制するなどの対策を盛り込んだ。
また、今年度中に、鳥類が多く生息している地域や移動のルート、希少種の営巣状況などを図示する「センシティビティーマップ」を公表することを目指している。
被害が予測される場所を事前に把握し、設置を避ける手法で、英国やドイツでは導入されている。
ただ、こうした対策の効果を把握し、地図の精度を高めるためには、鳥の飛行ルートの分析などデータの蓄積が欠かせない。
日本気象協会では、気象データ観測の技術などを応用し、測量に用いる「セオドライト」と呼ばれる機器を使った鳥の飛行経路の分析や、船舶レーダーを使って鳥の存在位置を24時間監視できるシステムなどを構築している。
気象協会の島田泰夫主任技師は、「対策はいまだ手探りの部分があり、正確に鳥の飛行状況や衝突のメカニズムを解明し、対策に生かすことが必要だ」と指摘する。
出典
『バードストライクを防ぐ 風力発電所設置に手引 飛行経路調査』
https://mainichi.jp/articles/20170510/ddm/013/040/035000c
以下は専門家の意見。
絶滅危惧種の被害で現在目立つのは、国の天然記念物でもあるオジロワシです。
北海道に150~200ペアが繁殖しているとされていますが、バードストライクによって将来的に数を減らすという分析結果もあります。
環境影響評価(アセスメント)法に基づく手続きが求められているため、衝突頻度を計算することになっています。
およそ年1羽以下なら影響軽微となりますが、衝突だけでなく、風車を建てることによって鳥が警戒し、営巣をやめてしまうなどの影響も考慮すべきです。
環境省のマップには期待しますが、計画自体は事業者の判断です。
そこで、マップに従った事業者に対しては、アセス法に基づく手続きを緩和したり、事業者が自主的に第三者の客観的な詳細調査をした場合には、電気を高く買い取ったりするという動機付けも必要ではないでしょうか。
出典
『バードストライクを防ぐ 日本野鳥の会主任研究員・浦達也さん』
https://mainichi.jp/articles/20170510/ddm/013/040/041000c
2017年5月9日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都文京区で、今年2月、マンションに住む20代の女優方に侵入したとして、管理人の男(50)が逮捕される事件があった。
警視庁の捜査や裁判で浮かび上がったのは、仮に倫理観に欠ける管理人が立場を悪用すれば、セキュリティーの高いマンションでも住民のプライバシーが簡単に侵害されてしまうという弱点だった。
業界関係者は、「高い意識を持った管理人を育てるための研修などを充実すべきだ」と指摘する。
男が管理していたのは、文京区の閑静な住宅街にある学生向けのワンルームマンション。
充実した防犯設備が売りで、管理人が24時間常駐し、玄関でカードキーをかざさなければ入れない。
防犯カメラもいくつも設置されている。
家賃は月7万円程度だが、管理費は5万円弱。
地元の不動産業者は、「セキュリティーに力を入れている分、周辺の物件より管理費が高い」と話す。
裁判での検察側の冒頭陳述などによると、男は2015年9月から妻と住み込みで勤務し、次第に女優に好意を持つようになった。
非常時に備えて管理していたマスターキーを使い、2月6~7日に部屋に侵入して小型カメラを仕掛けた。
女優がカメラに気づき、男は住居侵入容疑で逮捕された。
男は1月にも侵入し、室内をスマートフォンで撮影していた。
このマンションでは、カードキーで住人が建物に出入りした時刻を管理人が把握できるシステムを導入しており、男は女優が外出したタイミングを狙って侵入した。
管理人が食事を提供するサービスもあり、キャンセル状況で長期の不在も確認できたという。
男は警視庁の調べに、「業務目的だった」と容疑を否認したが、4月17日に東京地裁であった初公判で起訴内容を認め、「どんな生活をしているかという興味で歯止めが利かなくなった」と語った。
裁判官から職業倫理について問われると、「管理人として高い意識を持つべきだった。今後は権限を持つ仕事にはつかないようにしようと思う」とうなだれた。
同地裁は4月25日、男に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
女優は事件後、マンションを退去した。
このマンションに住む女子学生(18)は、「管理会社から一切説明がない。管理人がそんなことをするとは、とても怖い」と話した。
管理会社は、毎日新聞の取材に応じていない。
マンションの住宅に管理人が侵入した事件では、昨年5月に歌手の福山雅治さん方にコンシェルジュの女(48)=住居侵入罪で有罪判決=が入り込んだ例もある。
女は立場を悪用して福山さんの不在を確認し、マスターキーで侵入していた。
マンションは外部からの侵入者対策に力を入れているが、管理人の犯罪はほとんど想定していない。
NPO法人「全国マンション管理組合連合会」(東京都)の川上会長は、「高い防犯設備を備えたマンションは、中に入ってしまうと逆に密室となり、犯罪がばれにくい」と指摘する。
福山さんの事件を受けて、再発防止に向けた動きも出ている。
管理会社でつくる一般社団法人「マンション管理業協会」(同)は、加盟企業の社員を対象にした法令順守の研修を増やし、各社に社員教育を徹底するよう呼びかけている。
同協会の鈴木事務局長は、「管理人は住民の機微なプライバシーに接する仕事。決して越えてはならない線があることを意識しなければならない」と話している。
出典
『マンション セキュリティー高くても 管理人の立場、悪用が弱点』
https://mainichi.jp/articles/20170509/dde/041/040/053000c
(ブログ者コメント)
いかに鉄壁な安全設備やシステムを構築しても、それを運用するのは人間。
産業安全にも通じる話だと感じたので紹介する。
2017年5月9日6時49分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
蜂の巣に寄生するハチノスツヅリガの幼虫が、ポリ袋の主成分のポリエチレンを消化できることがわかった。
うまく使えば、通常は分解されずに自然環境に残るプラスチックごみを減らせるかもしれないという。
英国とスペインの研究チームが、米専門誌「カレント・バイオロジー」に論文を発表した。
プラスチック成分を分解する微生物は、いくつか知られている。
ただ、化学薬品による処理が必要だったり、分解に時間がかかったりするものが多かった。
ハチノスツヅリガの幼虫は、より効率よくポリエチレンを分解できるという。
メンバーの一人が、偶然、ハチノスツヅリガの幼虫をポリ袋に入れたところ、幼虫が袋に穴を開けたことが研究のきっかけ。
チームは幼虫の体内を分析し、ポリエチレンが「消化」されて別の化合物に分解されることを突き止めた。
分解酵素は特定できていない。
ただ、幼虫はミツバチの巣にある樹脂状の「蜜ろう」を食べて育つ。
そこでチームは、合成樹脂であるポリエチレンを分解する特殊な酵素を持つと推測している。
幼虫の腸内細菌が持っている可能性があるという。
幼虫100匹をポリ袋に半日入れておくと、92mg分を食べていた。
スーパーのレジ袋1枚を約1カ月で食べるペースという。
ハチノスツヅリガは日本を含む世界各地に生息し、養殖した幼虫は釣り餌としても販売されている。
出典
『ポリ袋を食べるイモムシ発見 ごみの削減に期待』
http://www.asahi.com/articles/ASK4W3VGHK4WUHBI017.html
2017年5月10日9時15分に京都新聞から、高山ダムの放流に関し、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
京都府南山城村の高山ダムで、9日、河川の自然環境保全に向けた一時的放流(フラッシュ放流)があった。
水資源機構高山ダム管理所によると、ダム上部の非常用ゲートを使ったフラッシュ放流は35年ぶり。
滝のように水しぶきを上げた。
下流の木津川の水量を一時的に増やして、河床の泥や石に付いた藻を洗い流し、アユなどの魚や水生生物の生息環境を守る。
高山ダムは、梅雨や台風に備えて、4月末から6月にかけて放水量を増やして水位を下げており、水量調節の一環で、2002年からフラッシュ放流を実施している。
通常は毎秒10~15トン程度の放流だが、この日は午前9時半から約3時間、最大毎秒40トンを流した。
ゲートが開けられると勢いよく水が噴き出て、アーチ型の壁を流れ落ちた。
下流では30cmほど水位が上がる場所もあるため、同ダム管理所によるパトロールが行われた。
出典
『35年ぶりフラッシュ放流 京都・高山ダム、毎秒40トン』
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170510000022
5月12日付で毎日新聞三重版からは、比奈知ダムの放流に関し、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
梅雨や台風に備えたダムの水位低下と下流の名張川の環境改善を図るフラッシュ放流が、11日、名張市上比奈知の比奈知ダムであった。
水資源機構が6~10月の洪水期に備え、貯水容量を確保すると共に、川底の泥やコケなどを洗い流して生き物がすむ環境を改善するため、2004年から毎年5月に実施。
通常毎秒1.5トンの放流量を、最大で30トンまで増やす。
放流は午前8時半から始まり、同10時半ごろ水量はピークに。
午後3時まで続き、通常の1日放流量の約4倍に当たる50万トンが流された。
下流の親水公園には見物の市民が訪れ、水煙が上がる光景を写真に収めた。
全国のダム巡りが趣味という伊賀市の男性(65)は、「ダムの写真を撮るなら、迫力のある放流シーン。爽快な気分になれました」と話した。
この日は、名張市の青蓮寺ダムや奈良県宇陀市の室生ダムでも行う予定だったが、最近の雨不足による水位低下のため、中止した。
出典
『フラッシュ放流 迫力 梅雨や台風に備え 名張・比奈知ダム』
https://mainichi.jp/articles/20170512/ddl/k24/040/344000c
(ブログ者コメント)
フラッシュ放流については、写真やイラスト、グラフ付きの下記資料参照。
(国立研究開発法人 土木研究所 自然共生研究センター)
『流量・土砂の人為的改変の影響とその修復に関する研究 - 流量、土砂、生物相を回復させ、健全な河川生態系を取り戻す』
http://www.pwri.go.jp/team/kyousei/jpn/research/m3_01_t2.htm
2017年5月1日15時32分に朝日新聞から、間違い防止対策をとった場所の写真や迷い易いインターチェンジの図解付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大型連休中、高速道路を使って遠出する人も多い。
気をつけたいのが、ジャンクション(JCT)の分岐だ。
新しい道路が接続されたところでは、進路を誤る車が後を絶たない。
進路を間違えた場合、どうすればいいのか。
高速道路各社は、いわゆる「特別転回」を認めている。
間違えた後の最初のインターチェンジ(IC)で、係員がいるレーンに並んで申告すると、料金所の外でUターンし、再び、高速道路に戻れる。
本来降りるはずだったICまで行き、通常の料金を支払えばよい。
では、なぜ進路を誤るのか。
伊勢湾岸道と東海環状道、新東名と、3本の結節点となる豊田東JCT(愛知県豊田市)。
昨年2月に新東名がつながった後、進路を間違える車が相次いでいる。
中日本高速道路(名古屋市)は、「データの古いカーナビゲーションが『直進』と指示を出すのが一因では」とみる。
新東名がつながるまでは、伊勢湾岸道を東進してきた車が分岐なしに東海環状道に入ることができた。
しかし、新東名の接続後、新たに分岐ができた。
東海環状道に進むには、左車線に寄らないといけないが、誤って直進する車が続出している。
高速道路での行き先間違いについて研究した飯田克弘・大阪大大学院准教授(交通工学)によると、間違えやすい人は「経路選択の際、カーナビを重視し、自分の知識や案内標識を参考にしない傾向がある」という。
「高速道路ファン手帳」の著書がある佐滝剛弘・高崎経済大学特命教授(観光論)は、「日本人は、信号のない分岐が苦手」と指摘する。
欧米の交差点では、信号のない円形ロータリーが珍しくない。
高速道路も無料の国が多く、日常的に使われる。
「我々は、車を止めずに行きたい方向へ曲がる経験が少ない。誤進入が起きるのは、ある意味で当然」と話す。
中日本高速道路によると、豊田東JCTから新東名を東進して最初のICとなる岡崎東ICで「進路を間違えた」という申し出が、開通後の1年間で1日平均約20件あった。
2年目に入っても、なお目立つという。
東名阪道と伊勢湾岸道など3本が交わる四日市JCT(三重県四日市市)も、似た状況だ。
昨年8月に新名神高速が接続。
伊勢湾岸道を西進した後、新たにできた分岐で間違える車が出ている。
中日本高速道路は実数まで把握できていないが、「間違えた」という電話やメールが4件寄せられたという。
新たに道路が接続されたJCT以外でも、進路を誤る車は後を絶たない。
3つの道路とつながり、複雑な構造で知られる垂水(たるみ)JCT(神戸市)。
姫路方面へ進もうとした車が進路を間違えると、明石海峡大橋で淡路島へ渡り、神戸淡路鳴門道の淡路ICまで引き返せない。
本州四国連絡高速道路(神戸市)の広報によると、路面の色分けなどの対策を重ねたものの、「間違える車はだいぶ減ったが、ゼロにはならない」。
横浜横須賀道路などがつながる新保土ケ谷IC(横浜市)も、いくつもの分岐が相次ぐ難所だ。
東日本高速道路(東京都)には、昨年、「路線が分かりづらい」という意見が3件寄せられた。
同社広報は、「看板や路面標示はかなり増やした。これ以上つけると、逆に紛らわしいと言われかねない」と悩む。
公式ウェブサイトの分岐案内で予習するのがおすすめという。
出典
『高速道路JCT、分岐を間違えたら… 「特別転回」せよ』
http://www.asahi.com/articles/ASK4X02DLK4WOIPE03F.html?iref=com_rnavi_arank_nr02
(ブログ者コメント)
〇ブログ者は、「進路を間違える車が相次いでいる」と報じられた、伊勢湾岸道から豊田東JCT経由で新東名に入るルートを通ったことがある。
初めての道なので最初は少々不安だったが、案内表示はわかりやすく、ここを左に進めば岐阜方面か・・・などと考えつつ直進し、スムースに新東名に入ることができた。
ブログ者の、この経験から考えると、豊田東JCTの当該ルートで間違うのは、報道どおり、データ未更新のカーナビに頼り過ぎることが大きな要因なのかもしれない。
〇ただ、新保土ケ谷IC・・・その中で保土ヶ谷バイパスから首都高に進むルートは、上記記事どおり、分かりにくい。
実際、ブログ者は進路を間違えて、横須賀道路に入ってしまったことがある。
なんとなれば、道路を横断して掲げられている大きな看板に表示されていた「アクアライン」という文字を頼りに進んでいたのだが、保土ヶ谷ICの道路横断看板には「アクアライン」表示がなく、その代わりか、道路わきの立て看板に「アクアライン」と表示されていたからだ。
道路横断看板ばかり見ていた身にとって、道路わきの立て看板に目がいくことはなはなく、左側分岐車線に進むべきところを直進してしまったミスだった。
その時は「特別転回」ルールがあることなど知らなかったので、仕方ないな・・・と思いつつプラスαの料金を支払ったのだが、高い授業料だった。
2017年4月30日20時35分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
春の堤防を黄色く彩る「菜の花」が悩みの種になっている。
太い根が腐るとミミズが集まって穴ができ、ミミズをエサにするモグラ、モグラを捕食するキツネが穴を広げて堤防を傷つける。
夏場の増水で河川が決壊する原因にもなりかねず、国土交通省は堤防の補強策として、菜の花の駆除と芝生への植え替えを進めている。
「こんな太い根っこ、初めて見たよ」。
4月19日午後、栃木県栃木市を流れる巴波川の堤防で菜の花の根を計測していた国交省利根川上流河川事務所の職員は驚いた。
菜の花の根が堤防に穴を開ける原因になることは知られていたが、近年、頻発する豪雨災害を受けて、同省は対策の強化に乗り出した。
同事務所は、利根川中流部の堤防から菜の花を根絶するため、今年から支流の巴波川沿い3kmで、菜の花を刈る回数を増やす実験を始めた。
通常の刈り取りは初夏と秋の年2回だが、試験区域は3回に増やす。
刈り取った草は廃棄せず、放置して地面に酸素や日光を届きにくくし、菜の花が育ちにくい環境をつくるという。
この日は、3月に刈った区域の菜の花と、昨秋に刈ったものを地面から引き抜き、根の長さや太さを比較した。
昨秋に刈ったものは、最も太い根の円周が30cm近くあり、茎や葉を合わせた丈は130cm以上。
一方で、3月に刈ったものは100cm以下で、根の太さも親指ほど。
小栗副所長(55)は、「刈り取る回数を増やし、数年かけて菜の花をなくしたい」と話す。
堤防に咲く菜の花は、外来種のアブラナ科。
作新学院大女子短期大学部の青木章彦教授(生物学)は、「肥沃な土壌を好む菜の花にとって、富栄養化が進んだ河川の堤防は生育に好条件。種子の散布量が多く、在来種を押しのけて繁茂する」と話す。
大根のような根が枯れて腐るとミミズが集まって空洞ができ、ミミズをエサにするモグラが土を掘り進む。
さらに、モグラを捕食するキツネが穴を広げ、堤防を傷める。
利根川中流部では、こうした「食物連鎖」でできたキツネ穴が毎年10カ所以上見つかり、長さは10m近くになることもある。
小栗副所長は、「堤防に水がしみこみやすくなり、放置すれば夏の増水時に決壊する危険が高まる」と警戒する。
芝生への植え替えに取り組むのは、福岡県久留米市の筑後川。
2012年度から、雑草が生えにくい改良芝への植え替えを進め、16年末までに約25万7000m2が改良芝に姿を変えた。
筑後川は、12年7月の集中豪雨で堤防数カ所が損傷。
国交省筑後川河川事務所がレーダー探査機で堤防内部を調べたところ、26カ所のモグラ穴が確認され、対策に踏み切った。
担当者は、「堤防を強化し、水害に備えた治水対策を進めたい」と話す。
出典
『菜の花で堤防が崩れる…根腐れで空洞、植え替えへ』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H4M_U7A420C1CC1000/
(ブログ者コメント)
4月25日18時52分にテレビ朝日からも、巴波川河川敷で小栗副所長から説明を受けるなどした映像がネット配信されていた。
映像中、セイヨウアブラナの花を刈ったほうの根っこと刈らなかったほうの根っこを両手に持って比較していたが、刈ったほうは痩せ細ったニンジンといった感じ。
一方、刈らなかったほうは超ビッグなサツマイモほどの太さだった。
あの綺麗な花の下に、こんなにも太い根っこが隠れていようとは、大いに驚いた。
出典
『堤防に悪影響? “名所”菜の花畑で花を刈り取り』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000099385.html
2017年4月27日15時41分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
境町は、観光だけでなく水害の際の人命救助にも役立てようと、プロペラを使って水の上を航行する4人乗りの船を導入し、27日、進水式が行われた。
境町が導入したのは、船の後ろ側に取り付けられた直径およそ2mのプロペラを動力にして水上を進む、長さ5m余りの、座席がついた4人乗りの船。
27日は利根川の河川敷で進水式が行われ、町や消防の関係者などおよそ30人を前に、船がお披露目された。
進水式では、参加者たちが玉串をささげて船の安全を祈願したあと、試乗会が行われ、参加者たちは風を受けながら川を進み、乗り心地を確認していた。
町によると、この船は速度が時速70kmほどと速く、迫力のある観光用の乗り物として適しているほか、船の底のスクリューがないため、水害などで水中にがれきが散乱していても救助活動ができるのが特徴だという。
境町まちづくり推進課の橋本課長は、「この船をPRして、多くの人に境町に観光に訪れてもらうとともに、万が一の災害の時にも役立てたい」と話していた。
境町では、今後、船の操縦士の訓練などを行い、6月にも観光用として運航していくことにしている。
地元の消防団長を務める60代の男性は、試乗体験をしたあと、「すごく安定感がありました。水の上を旋回する性能も十分あるので、水害の時は水につかった路地の裏なども入りやすいと思います。消防団のボートは水深が浅いと使えませんが、この船は陸地でも進める力があると聞いていますので、非常に魅力を感じました。パワーもすごいですよ」と話していた。
おととしの関東・東北豪雨で、境町では町の中心部で住宅およそ500棟が水につかる被害が出て、70人余りが住宅などからボートで救助される事態となった。
国の浸水想定では、境町を流れる利根川で堤防が決壊した場合、町の面積の8割に当たる3700ヘクタールが浸水し、場所によっては、最大で5m以上の深さまで水につかるおそれがあるという。
出典
『観光と救助に活用プロペラ船導入』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1075874061.html
(ブログ者コメント)
おととしの関東・東北豪雨については、本ブログでも「東日本豪雨」として何件か記事を掲載しているが、特に被害の大きかった常総市と大崎市以外は、被害報道紹介を割愛している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。