2017年12月24日7時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
安全健康面以外の記述は割愛して紹介する。
都心などで次々に建設が進むタワーマンション(タワマン)。
眺望のよさや施設の充実などが人気となり、かつては、高層階に住む人の優越感と「格差」を感じるその他の人々の姿を描いたドラマも放送され、話題になった。
しかし、税制改正により、そうした「高層階信仰」が崩れ、今後は「中・低層」が見直されそうだ。
フリーライターの福崎剛さんが報告する。
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横浜市内のタワマン(30階建て)の6階を購入した男性(64)は、「阪神大震災が起きた後だったので、まず考えたのは地震対策でした」と話す。
「当時としては新しかった免震構造(建物の下にゴムなどでできた『アイソレーター』などを設置し、地震の揺れを軽減する仕組み)で、なおかつ災害に遭ったとき自力で避難できることを第一に考えました」と、防災の視点で選んだと明かす。
さらに、災害発生時、エレベーターが止まってしまうと、高層階まで階段でたどり着くには相当な体力が必要だ。
消防はしご車の届く階数を考えて、10階以下から選ぶことにしたという。
はしご車が届く高さは、概ね30mまでだ。
マンションの階数にすると、10~11階あたりまで。
大型の40m級のはしご車なら14階前後まで届くものの、それ以上の階層は、室内に備え付けられたスプリンクラーなどが頼みの綱になる。
万一の時の避難を考えると、タワマンの高層階は不安という心理も頷ける。
高層階に住む人にも話を聞いた。
戸建てから都内のタワマン(52階建て)の27階に住み替えた男性(51)は、「最初は眺望がいいし、便利だと思って喜んでいました。しかし、景色は代わり映えしないし、季節感に乏しい。家内も体調を崩して、もう引っ越したいと言っています」とこぼす。
高層階に住むことが健康に与える影響については、科学的根拠に乏しい。
しかし、高層階に住むことのリスクについて、16年のカナダ医師会誌では、次のような指摘がされている。
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出典
『タワーマンション、見直される「中・低層階」』
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20171221-OYT8T50002.html?page_no=1
(ブログ者コメント)
〇カナダの指摘については、以下により詳しい情報があった。
(2017.06.30 07:00 NEWS ポスト セブン)
昨年1月、カナダ・トロント市の救急隊が医学誌『CMAJ』に衝撃の調査結果を発表した。
同隊が2007年から2012年までの5年間、心肺停止になった高層マンション住人8000人を対象に生存率を調査したところ、階数が上がるにつれてその数字が如実に減っていたのだ。
調査結果によれば、1~2階の住人の生存率は4%、3階以上で2.6%。16階以上になると1%未満に激減し、25階以上では生存者が1人もいなかった。
理由はただ一つ、階が上がるほど救急隊の到着に時間がかかり、救命医療が間に合わないからだ。
同調査は,災害に限らず全ての心肺停止事例を調査したものだが、高層階に住むということは、1分1秒を争う緊急時に際して、大きなリスクを抱えていることに他ならない。
出典
『高層マンションに潜む数々のリスクと居住階ごとの衝撃データ』
http://www.news-postseven.com/archives/20170630_572445.html
〇その他、タワーマンションの健康リスクについては、以下のような記事があった。
記事中、気圧の話しがでてくるが、27階に住む女性が体調を崩した点は、それが原因なのかもしれない。
というのは、ブログ者の連れ合いも低気圧が近づくとしばしば体調を崩すことがあるからだ。
(2015/11/5 週刊女性11月17日号)
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高層になればなるほど、アレルギー性疾患が増加するという調査結果もある。
「コンクリート製で高気密のマンションは、換気に気をつけないと、ダニ、カビが発生しやすい。つまり、高気密住宅ほど、換気が必須となるのです。
ところが、高層では低層より風が強く吹くために、どうしても窓を閉め切りにする時間が長くなる。高層居住は、アレルギー性疾患も増える傾向にあるのです」
海外での発表をもとに高層マンション問題を調査するジャーナリストたちのなかには、高層住宅特有の“揺れ”を原因に挙げる人もいる。
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また、気圧差が問題視されることもある。
上空に行くほど気圧は下がり、100m上がるごとに、気圧は約10ヘクトパスカル低下する。
例えば、30階建ての高層ビルの場合、地上と10~30階を比較すると、高低差は約40~70mあり、地上との気圧差は約4~7ヘクトパスカルになる。
これだけでも、少し耳が詰まる感じ(耳閉塞感)がしたり、耳痛などを引き起こす鼓膜膨隆がみられる。
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出典
『本当は怖いタワマン、高層階居住でアレルギーや低体温になりやすい』
http://www.jprime.jp/articles/-/4706
(2017.08.29 ビジネス ジャーナル)
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建設省建築研究所(当時)の渡辺圭子教授が1994年に発表した論文「集合住宅のストレスと居住者の精神健康」は、「高層集合住宅は、その高さゆえに、外の明るさ、雨の音、樹木の緑といった外界による刺激が乏しい」と指摘する。
また、感覚遮断研究では、「刺激を極度に絶たれた被験者は、無気力、抑うつなどの症状に陥りがち」だといい、渡辺教授は、高層階でもそれと同様の傾向が表れるのでは、と類推している。
さらに、高層階での居住は「流産率が高まる」との報告もある。
公衆衛生学の権威で『コワ~い高層マンションの話』(宝島社)の著者である逢坂文夫氏は、94年の研究「住居環境の妊婦に及ぼす健康影響について」で、「高層階の居住者ほど流産の割合が高くなる」と発表しており、10階以上の高層階に住む女性の流産割合は38.9%に達するとしている。
その原因については、まだわかっていないが、同研究によると、戸建てに住む女性の流産割合は8.2%なので、高層階に住む女性との差は4倍以上になる。
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出典
『タワーマンション居住は人体に危険・・・精神疾患や流産リスク増、低層階はストレス過多』
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20285.html
2017年12月21日18時3分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「園庭で遊んでいる園児の声がうるさい」として、神戸市の男性が近隣の保育園を相手取り、慰謝料100万円と防音設備の設置を求めた訴訟の上告審で、男性の敗訴が確定した。
最高裁第三小法廷(木内裁判長)が19日付の決定で、男性の上告を退けた。
一、二審判決によると、保育園(定員約120人)は2006年4月、神戸市東灘区の住宅街に開園。
高さ約3mの防音壁が設けられたが、約10m離れた場所で暮らす男性は、「園児の声や太鼓、スピーカーの音などの騒音で、平穏な生活が送れなくなった」と提訴した。
今年2月の一審・神戸地裁判決は、園周辺の騒音を測定した結果、園児が園庭で遊んでいる時間帯は国の環境基準を上回ったが、昼間の平均では下回ったとして、「耐えられる限度を超えた騒音とは認められない」と結論づけた。
7月の二審・大阪高裁判決は、園児が遊ぶ声は「一般に不規則かつ大幅に変動し、衝撃性が高いうえに高音だが、不愉快と感じる人もいれば、健全な発育を感じてほほえましいと言う人もいる」と指摘。
公共性の高い施設の騒音は反社会性が低いと判断し、一審判決を支持した。
出典
『園児が遊ぶ声「うるさい」 訴えた男性、敗訴確定』
https://www.asahi.com/articles/ASKDP5RC9KDPUTIL03M.html
12月21日17時32分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性宅と園の距離は約10m。
男性は園ができる前から住み、ほぼ一日中、自宅で過ごしていた。
出典
『保育園「騒音」賠償請求、近隣住民の敗訴確定』
http://www.sankei.com/west/news/171221/wst1712210072-n1.html
2017年12月15日6時50分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
割れても断面を押しつけるだけで元どおりに修復できるガラス材料の開発に、東京大学の研究グループが世界で初めて成功した。
割れても直るガラスは、東京大学の相田卓三教授と博士課程の大学院生、柳沢佑さんらの研究グループが開発した。
研究グループでは、新たな接着剤の開発を進めていたが、偶然、固くさらさらした手触りの物質に自然に元どおりになる自己修復機能があることを発見した。
この物質は「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれるもので、これを材料に作ったガラスは、割れても数10秒間、断面を押しつければ元どおりに修復できる。
また、数時間あれば元の強さに戻ることも確認できたという。
こうした、室温環境で壊れても自己修復できる物質は、ゴムのような柔らかい材料では見つかっていたが、ガラスのような固い材料では実現が難しいとされていた。
柳沢さんは、「見つけたときは自分も半信半疑だったし、論文もさまざまな指摘を受け、何度も実験を繰り返した。直るガラスは、壊れたら捨てるというサイクルとは異なる。環境に優しい材料になればうれしい」と話していた。
出典
『世界初 割れても直るガラス開発』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20171215/0004932.html
12月15日4時23分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
いったん割れても、常温で数時間押し当てると修復するガラスを、東京大の相田卓三教授らが開発した。
14日付の米科学誌サイエンスに発表した。
ガラスは、通常、割れると材料を構成する分子同士の結びつきが切れてしまうため、高温で溶かさないと再利用は難しい。
相田さんらは、半透明の新素材「ポリエーテルチオ尿素」でガラスを作製。
割れても、室温で1~6時間、割れ目を押し当てると再びくっつき、強度も回復した。
新素材は「水素結合」という結びつきで安定した状態に戻ろうとする分子が多いため、押し当てると自然にくっつくという。
加熱すると割れ目が修復する軟らかい材料はあるが、東京大の柳沢佑・学術支援専門職員は、「硬い素材が常温でくっつくことを示せたのは、今後の自然修復するガラスの研究を広げるだろう」と話した。
出典
『割れてもくっつくガラス開発 「自然修復」に道』
http://www.asahi.com/articles/ASKDG3PNVKDGULBJ002.html
12月15日付で毎日新聞東京版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
相田教授は、パソコンや携帯電話のディスプレーに使われる有機ガラスへの応用が近いとみている。
出典
『くっつくガラス 割れてもピタッ! 東大チーム開発』
https://mainichi.jp/articles/20171215/dde/041/040/059000c
2017年12月12日17時21分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
政府は、最大で5km離れた場所でもサリン、VXなどの有毒ガスを特定できる検知器を、国内で初めて導入する方針だ。
2020年東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策の一環。
18年度予算案に1台分の購入費用を盛り込み、総務省消防庁が首都圏の消防本部に配備する。
将来的には、配備先を全国20の政令指定都市に広げることも検討する。
現在は、携行型の検知器が各都道府県に少なくとも1台配備されている。
ただ、有毒ガスが発生した場所に消防隊員が近づく必要があり、二次被害の恐れがあった。
新たな検知器を使えば、安全を確保しながら分析が可能になる。
検知器は海外製で、1台約6000万円。
特殊な赤外線カメラを使って数秒以内にガスの成分を検出し、登録されている約50種類と照合して特定、汚染範囲が画面に表示される。
テロのほか、工業地帯での有毒物質の監視にも役立つという。
出典
『毒ガス5キロ先まで検知 政府が東京五輪へテロ対策強化で新機材導入へ』
http://www.sankei.com/affairs/news/171212/afr1712120045-n1.html
2017年12月12日7時1分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
メタンガスを空気や光などと反応させることで、製造が難しい液体燃料のメタノールを効率よく作り出すことに大阪大学のグループが成功したと発表した。
クリーンエネルギーとして注目される液体燃料の幅広い分野での活用につながる技術として注目されている。
これは、大阪大学高等共創研究院の大久保敬教授らのグループが会見を開いて発表した。
メタノールは二酸化炭素の排出が少なく、エネルギー効率も良いため、自動車の燃料や燃料電池など、幅広い分野での活用が期待されているが、製造するには、メタンガスを高温や高圧で処理する大規模な設備が必要なことなどが課題となっていた。
今回、グループでは、電子機器の洗浄などに使われる「フルオラス溶媒」という液体に注目し、この液体にメタンガスを溶かして空気や光などと反応させたところ、高温や高圧にしなくても、従来より効率よくメタノールが作り出せることが分かったという。
また、この方法では、副産物として塩ができるだけで、二酸化炭素やそのほかの有害物質などは、一切、排出されないという。
研究を行った大久保教授は、「石油が枯渇してくれば、こうした技術が必ず生きてくる。ガスを単に燃やすのではなく、液体燃料にすることで、さらに有効活用が期待できる」と話している。
出典
『効率よくメタノール製造の新技術』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20171212/3439951.html
12月11日21時34分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
天然ガスの主成分である「メタン」を、運搬しやすくエネルギー効率が高い「メタノール」に変換する新たな手法を大阪大の研究チームが開発し、11日、発表した。
メタンからメタノールへの変換効率は、従来の技術では1%に満たなかったが、新手法では14%に達するといい、燃料だけでなく、樹脂などの原料としても活用が期待される。
独化学誌(電子版)に論文が掲載された。
大阪大の大久保敬教授(光化学)らは、特殊な溶液の中でメタンと空気中の酸素などを反応させ、メタノールを作り出す手法を開発した。
メタンからメタノールを作る従来の手法は、高温・高圧の条件で反応を進める必要があったが、新たな手法は常温・常圧で可能で、省エネにつながるという。
メタノールは常温では液体のため、運搬しやすい。
大久保さんは、「今後、変換効率をさらに上げ、工業プラントでの実用化をめざしたい」と話している。
出典
『メタンガスからメタノール、効率的な変換法を開発 阪大』
http://www.asahi.com/articles/ASKDC54VWKDCPLBJ002.html
12月12日付で化学工業日報からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪大学の大久保敬教授らの研究グループは、常温常圧で高効率にメタンガス(CH4)と空気(酸素)からメタノールを合成する酸化反応法を開発した。
炭素とフッ素のみで構成されたフルオラス溶媒と水の二相反応系による空気酸化で、光照射によって活性化した二酸化塩素(ClO2)を作用させる。
フルオラス溶媒で生成したメタノールとギ酸は速やかに水相に移行するため、メタノールの二酸化炭素(CO2)や一酸化炭素(CO)への変換を防ぐ。
収率は、メタノール14%、ギ酸85%と、ほぼ100%。
メタンハイドレートなどから液体燃料や有用な化学物質を得る新たなプロセスにつながることが期待される。
出典
『阪大 メタン・空気からメタノール合成』
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/12/12-32029.html
2017年12月11日20時28分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公園内のバーベキュー施設から漂う焼き肉のにおいで平穏な生活が害され精神的苦痛を受けたとして、釧路市の男性が市にバーベキューの禁止と500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告で、男性の敗訴が確定した。
最高裁第一小法廷(木沢克之裁判長)が7日付の決定で、男性の上告を退けた。
一、二審判決によると、市は2014年、地元住民から「三世代交流の場」を要望され、住宅街の一角にある緑ケ岡公園内にバーベキュー施設を設置した。
だが、この施設から約120mの場所に住む男性は、「焼き肉のにおいが、くさくてたまらない」と提訴した。
3月の一審・釧路地裁判決は、「においは周辺の一定範囲に達している」とし、市の住民調査で「洗濯物ににおいがつくので外には干さない」との意見もあったと認定。
だが、「生活に支障はない」という回答が多く、市が公園内に常緑樹のニオイヒバ18本を植え、においを軽減する対策をしていたとし、「耐えられる範囲内」と結論づけた。
7月の二審・札幌高裁判決も支持した。
出典
『焼き肉のにおい「くさくてたまらない」提訴の男性敗れる』
http://www.asahi.com/articles/ASKDC5X1WKDCUTIL053.html?iref=com_rnavi_arank_nr04
2017年11月30日13時34分にYAHOOニュース(東海テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道端や公園で時々見かける、犬のフン。
一部の心無い飼い主がきちんと始末をしないために、そこを利用する多くの人が嫌な気持ちになりますが、これを減らすための新たな取り組みが名古屋市で始められることになりそうです。
使うのは『黄色いチョーク』です。
「市民の皆さんが犬のフンを踏んでしまって嫌な思いをしている、まさに犬のフンに憤慨しているのであります。歩道や公園に置き去りにされている犬のフンの周囲に、フンを見つけた人が黄色のチョークで丸を付け、その近くに発見日時を書いておく。ペットの飼い主に対する啓発行動となって放置されているフンの減少を図る」
(自民党・吉田茂名古屋市議)
「その手法等について調査を進め、新しい取り組みとして早期に実施できますよう検討して参りたい」
(名古屋市・杉山勝健康福祉局長)
30日の名古屋市議会本会議で市が早期実現を検討すると表明した、歩道や公園などに放置される犬のフンを減らすための取り組み。
フンを見つけた人が黄色いチョークでその周りを丸で囲み、日時を書き込むことで飼い主に監視されていることを意識させ、きちんと処理するよう促します。
町内会やボランティアに協力を求め、近隣の小中学校で使い古したチョークを流用すれば、さして費用はかかりません。
この取り組みを始めたのは、京都府宇治市。
以前は、僅か1kmの歩道に放置されたフンを回収するのに45ℓのゴミ袋が3袋も必要なほどひどい状況だったのが、去年から黄色いチョークでの警告を始めてからは放置がほぼゼロになり、劇的に改善したということです。
名古屋市内でペットとして飼われている犬は、推定で約10万匹。
市では、看板での注意喚起といった対策を講じてはいるものの、昨年度の市民アンケートでは4割以上が「犬の糞尿の放置で迷惑を感じている」と答えていて、これはやはり放置できない問題です。
市だけでなく、市民も協力して黄色いチョークでの警告に取り組めば、街からフンの放置が一掃されるかもしれません。
出典
『犬のフン踏んで憤慨…なくなる?『幸せの黄色いチョーク』で犬のフン減らせ! 名古屋市』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171130-00001754-tokaiv-l23
(2019年6月2日 修正1 ;追記)
2019年6月1日付で中日新聞から、6月3日から名古屋市でも取り組みが始まるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
路上に犬のフンが放置される被害を減らそうと、名古屋市は3日から新たな奇策に打って出る。
「警告」の意味を込めた黄色のチョークでフンを囲んで目立たせる「イエローチョーク作戦」。
放置した飼い主の羞恥心を呼び起こし、次回からは家に持ち帰るように心掛けてもらうのが狙いだ。
作戦は、個人でも団体でも実行できる。
最寄りの区保健センターに届け出ると、チョークとともに黄地に黒字で「犬のフン害防止対策パトロール中」と書かれた腕章を貸してくれる。
フンを見つけたらチョークで囲み、その横に発見日時を記入。
日を置いて現場を再訪し、まだフンがあればその日時を、なくなっていれば「なし」と書き込む動作を繰り返していく。
サッカーのイエローカードなどで警告としての意味合いが定着した黄色をふんだんに使い、フンを放置する飼い主にプレッシャーをかけていく、この作戦は、京都府宇治市を元祖に全国に広まり始めている。
宇治市職員から講習を受けた名古屋市は、昨秋、市内13地区で実証実験をした。
チョークで囲んだフンが持ち帰られる数は少なかったが、各地区でパトロールをした日に新たに放置されていたフンの数の平均は、初回の17個から、7回目には2個まで減少。
効果が確認されたため、全市的な導入を決めたという。
従来は、フン害を訴える市民に「フンの始末を忘れずに」などと書かれた看板を貸し出していたが、効果は限定的だった。
市が昨年8月に2000人を対象に行った市民アンケートで、犬や猫によって迷惑を感じる理由の最多49.8%を「フン尿の放置」が占めた。
市の動物愛護条例では、「公共の場所や他人の土地および物件を不潔にし、または損傷させないこと」が飼い主の責務として明記され、再三の指導に従わない場合は30万円以下の罰金が課せられるが、適用例はゼロ。
市の担当者は、「現実に罰金を払ってもらうことは難しく、努力義務になっていた。作戦の導入を機に、飼い主のモラルの向上につながれば」と期待する。
作戦実行の申し出先は「名古屋市16区保健センター 動物愛護」で検索。
(問)市食品衛生課=052(972)2649
出典
『犬のフン害にイエローチョーク 名古屋市が新作戦』
https://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20190601/CK2019060102000058.html
2017年11月29日6時30分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
人工知能(AI)を活用することで、土木現場での課題を解決したいと考える技術者は少なくない。
だが、実際にどんなことが実現できるか、よく分からない人も多いだろう。
ここでは、AIの活用を考える技術者や経営者に参考になりそうな先行事例を見ていこう。
【トンネルの打音検査は機械学習で】
道路トンネルの点検では、交通規制をかけたうえで点検員が高所作業車に乗り込み、覆工コンクリートの近接目視と打音検査を実施する。
点検に時間がかかるので交通規制が長引くほか、人によって結果にばらつきが生じる。
東急建設などが、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の下で開発している「トンネル全断面点検・診断システム」は、こうした課題に応える技術だ。
東急建設とともに、東京大学、湘南工科大学、東京理科大学、小川優機製作所、菊池製作所が取り組んでいる。
同システムは、車道をまたぐ走行式の門形架構(防護フレーム)の上に、トンネルの断面形状に合わせて変形できる「フレキシブルガイドフレーム」を載せ、打音検査装置とひび割れ検出装置をガイドフレームに沿って移動させる。
点検速度は1時間に150m2(片側 1車線のトンネルで延長25m)が目標。
点検中は交通を規制せず、遠隔操作で作業をこなせる。
「ターゲットは一般道のトンネルだ」(東急建設技術研究所メカトログループの中村グループリーダー)。
【音の特徴の違いを学習】
開発した打音検査装置は、専用の機械でハンマーを振って0.5秒に1回のペースで打ち付ける仕組み。
発生した音はマイクで拾う。
浮きがある箇所と健全な箇所の音の特徴をAIに学ばせて、ベテラン点検員と同じように診断できるようにした。
「機械学習の一種である集団学習(アンサンブル学習)を用いた」(東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻の藤井浩光特任講師)。
ひび割れの検出には、「光切断法」と呼ぶ手法を用いている。
専用カメラで覆工の表面の画像と凹凸の情報を同時に取得することで、チョークや汚れなどに影響を受けず、ひび割れだけを抽出できる。
幅0.2mmのひび割れ検出が目標だ。
このほか研究チームでは、点検結果を基に補修工法を提案するエキスパートシステムなども開発している。
【ドローンで送電線点検、データ不足もAIが解決】
東京電力1万4788km、東北電力1万5190km、関西電力1万4219km─―。
膨大な長さの送電線を管理する電力会社の悩みの1つが、落雷による損傷だ。
送電線が落雷を受けると、表面が溶けて「アーク痕」と呼ぶ黒っぽい痕跡ができる。
アーク痕を放置しておくと素線切れなどにつながるので、いち早く見つけて補修しなくてはならない。
とはいえ、落雷があった辺りの送電線を人海戦術でくまなく点検するには、大変な労力がかかる。
高所作業は危険も伴う。
こうした事業者のニーズに目を付け、ドローンによる送電線の点検サービスを開発しているのが、東芝デジタルソリューションズとアルパイン(東京・品川)。
東芝グループが得意とする画像処理技術と、アルパインがカーナビなどの製品開発で培ってきた位置制御技術を生かす。
【LiDARで送電線を追尾】
ドローンは手動ではなく自動で飛行し、搭載したデジタルカメラで送電線の写真を撮影する。
GPS(全地球測位システム)による測位だけに頼って自動飛行すると、信号が途切れるなどして位置のずれが生じた際に撮影漏れが発生する恐れがある。
そこで、ドローンにLiDAR(レーザーレーダー)を搭載し、送電線の位置を把握しながら、飛行できるようにする。
「送電線が常に写真の中央に写るよう追尾する」(東芝デジタルソリューションズインダストリアルソリューション事業部の三田事業部長附)。
損傷箇所は、ディープラーニングによる画像認識で自動検出する。
問題は教師データの不足だ。
損傷した送電線の画像(以下、異常画像)が少なく、電力会社から提供を受けた画像だけでは、ディープラーニングに必要なデータ数を確保できそうもない。
そこで同社は、異常画像を自ら作り出すことにした。
まずは、電力会社から新品の送電線を借りて工場に持ち込み、巡視点検のプロに助言を受けながら、溶接やニッパーでそれらしい傷を人工的に付けた。
作業を繰り返して10種類ほどの損傷パターンを作り、様々な角度から撮影することで、異常画像を100枚、正常な画像を900枚ほど作成した。
【ディープラーニングで画像を生成】
それでもデータが足りないので、今度は工場で人工的に作った異常画像から新たな異常画像をAIに生成させることにした。
適用したのは、ディープラーニングを応用した最新技術であるGAN。
あるデータを与えると、似たような画像を生成するニューラルネットワークの一種だ。
GANで生成できる画像のサイズは、今のところ128×128ピクセル程度と小さいが、送電線の損傷を表現するなら十分だ。
人間が画像を加工して作るのと違って、損傷があると見なすか、正常な状態と見なすか、微妙な判断を要するリアルな画像を生成できるのが特徴。
AIが作り出した画像を異常画像と正常な画像にラベル付けし、教師データとして学習させることで、検出精度を高めることができた。
東芝デジタルソリューションズディープラーニング技術開発部の樫本担当部長は、「最終的に7000枚の画像を作ってAIに学習させている。今回のように、大量の画像を用意しにくい分野では有効な手法ではないか」と話す。
同社はアルパインと共に実証実験を重ねながら開発を進め、2017年度内にも、ドローンによる巡視点検サービスを実用化する予定だ。
出典
『人に代わってトンネルや送電線を点検 AI活用最前線 活発化するインフラ×人工知能(下)』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23685700Q7A121C1000000/?n_cid=NMAIL007
2017年11月28日8時55分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
防食塗料を手掛けるベンチャー企業の京都マテリアルズ(京都市西京区)は27日、関西電力などと共同で、硫酸による腐食に強い塗料を開発したと発表した。
鋼材に塗布すると酸性環境での減耗を1割以下に抑えられるといい、排ガス処理設備などの長寿命化や維持費用の削減につながる。
関電の火力発電所で使うほか、他社にも販売する。
火力発電所などの排ガス処理設備は硫酸が発生するため鋼材が腐食しやすく、定期点検や修繕などに多額の費用がかかる。
丈夫なステンレス鋼を使う方法もあるが、高価なことがネックだった。
京都マテリアルズは、鋼材の表面に良質なさびを形成することで腐食を防ぐ塗料の製造技術を持つ。
今回は、酸性環境への耐性を高めるため、関電や化学品商社の長瀬産業(東京都)、火力発電設備メーカーの三菱日立パワーシステムズ(横浜市)と共同で研究。
防食塗料に加える新たな有効成分を見いだした。
開発した塗料「パティーナロックシグマ」を炭素鋼板に塗ると、硫酸による腐食の度合いを10分の1以下に低減することを確認した。
さらに、ステンレス鋼で生じる「孔食」と呼ばれる局部腐食も、25分の1以下に抑制できたという。
ステンレス鋼材を使う場合に比べ、初期費用を2~3割減らせるとしている。
関電が現在、舞鶴発電所(舞鶴市)の排ガス処理設備で試験的に使っており、2020年度の修繕工事に合わせて本格的導入する予定だ。
来年3月には、長瀬産業を通じて他社向けにも発売。
排ガス設備や化学・薬品の製造設備、温泉設備などに需要を見込む。
京都マテリアルズの山下社長は、「塗料の販売額を、数年内に数10億円に伸ばしたい」と話した。
出典
『硫酸に強い新塗料 京都のベンチャーなど共同開発』
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20171128000025
12月3日8時50分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
材料科学ベンチャーの京都マテリアルズは、鋼材の腐食を低減する新しい塗料「パティーナロックシグマ」を来年3月から販売する。
関西電力や化学専門商社の長瀬産業などと共同開発した。
新塗料は、鋼材の表面に塗布することで良いさびができ、鋼材の腐食が進む時間を遅らせる働きをもつ。
社会インフラなどの長寿命化を図れることから、コスト削減効果があるとして売り込みを図る。
京都マテリアルズによると、新塗料は関電が舞鶴発電所(京都府舞鶴市、石炭火力)の設備管理向けに採用を決めた。
出典
『鋼材の腐食低減、新塗料を開発』
http://www.sankei.com/west/news/171203/wst1712030016-n1.html
※以下は、11月27日付で発表された4社連名のプレスリリース
https://www.nagase.co.jp/assetfiles/news/20171127.pdf
2017年11月24日8時36分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
災害時など突然の停電で、懐中電灯の電池が切れていたら?
いざという時に備え、サラダ油を使ったランプの作り方を動画で紹介します。
慣れれば2~3分でつくれます。
作り方を教えてくれたのは、公益財団法人「市民防災研究所」の伊藤さん。
材料は、灯心に使うティッシュペーパー、灯心を固定するアルミホイル、透明なガラスのコップやジャムなどの空き瓶です。
サラダ油は未使用の方が、灯心に火をつけている間、匂いが少なくなるので良いです。
伊藤さんは、「5gの油で3時間ほど燃え、長持ちします。万が一、容器が倒れても、サラダ油は発火点が高く、常温で火がつくことはないので、安全に使えます」と話します。
灯油やガソリンは危険なので、絶対に使わないでください。
灯心は、2枚重ねのティッシュペーパーを1枚はがし、5等分に切ります。
切り分けた一つを、手のひらで何度も転がして固くなるまで丸めます。
先端をはさみで斜めに切ると断面積が大きくなり、火がつきやすくなります。
アルミホイルも、一般的な家庭用サイズなら横幅はそのままで、3cm分切ります。
折り込んだアルミホイルにつまようじで穴をあけ、灯心を差し込み、先端を3~5mm出します。
アルミホイルを容器にくっつけ、灯心の先端に油をかけながら注ぎます。
最後に火を付ければ完成です。
火は、息を吹きかければ消えます。
出典
『停電対策に「サラダ油ランプ」 3分で製作、火は長持ち』
http://www.asahi.com/articles/ASKCN4JX2KCNUEHF005.html
(ブログ者コメント)
市民防災研究所のHPには、防災アイデアとして、この「手作りランプ」以外、「手作りの投擲水パック」と「手作り卓上コンロ」の作り方が紹介されていた。
http://www.sbk.or.jp/goods/idea/#lamp
2017年11月14日11時1分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ノロウイルスの感染の拡大を防ごうと、下水に含まれるウイルスの数を測定して注意喚起につなげる、全国でも初めての実証実験が仙台市で始まることになった。
ノロウイルスの感染拡大の防止に向けては、各都道府県が、医療機関を受診した患者の数が基準を超えた段階で警報を出して注意を呼びかけているが、情報のとりまとめに時間がかかることなどから、いかに、より早く、流行の兆候をつかむかが課題となっていた。
こうした中で国交省は、排せつ物が流れ込む下水に含まれるウイルスの数を測定することで兆候をいち早くつかみ、注意喚起につなげる全国でも初めての実証実験を、年度内に仙台市で始めることになった。
具体的には、仙台市宮城野区にある「南蒲生浄化センター」でウイルスの数を測定し、基準を超えた場合、ホームページで情報を公開したうえで、市内の一部の保育所や小中学校に注意を呼びかけるという。
従来より1か月ほど早く注意喚起できる可能性があるということで、国交省は、来年3月まで実験を続け、感染拡大の防止にどれだけ効果があったか検証することにしている。
今回の実証実験でノロウイルスの測定にあたるのは、東北大学・未来科学技術共同研究センターの大村達夫教授の研究チーム。
大村教授の研究チームは、4年前から、松島町などで下水に含まれるノロウイルスの数を測定する調査を行ってきた。
その結果、医療機関を受診する患者の数をもとに宮城県が警報を出す1か月ほど前に、下水のウイルスが急増していたことが分かった。
ノロウイルスに感染すると、症状が出る前から排せつ物にウイルスが含まれるようになる一方で、症状が出て医療機関を受診するまでには一定のタイムラグが生じ、情報のとりまとめにも時間がかかるためとみられている。
ノロウイルスの感染拡大を防ぐには、できるだけ早期に注意喚起し、手洗いや消毒を徹底することが欠かせないとされている。
大村教授の研究チームは、下水のウイルスの数が一定のレベルを超えた段階で注意喚起を行うことにしていて、来年3月までの期間で、従来の方法と比べて、どの程度、流行の防止に効果的だったか検証することにしている。
大村教授は、「ノロウイルスはワクチンがないので、感染しないようにするのが最も大事だ。このシステムの効果が実証できれば、全国や海外にも広げていきたい」と話していた。
出典
『下水のウイルス測定 実証実験』
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20171114/5677851.html
2017年11月5日12時10分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
盛岡市上堂地区で、今年、街路樹の倒木が相次いだことを受け、市は今月中旬から樹木医のアドバイスを受けて同地区の街路樹の伐採を始める。
倒木は死亡事故につながる危険性もあり、伐採は緊急対策として有効だが、老朽化した街路樹は市内に多く、予算・人員上の負担は大きい。
専門家は、「植樹段階から抜本的な対策をしないと解決しない」と指摘する。
倒木は上堂地区の市道で相次いで発生。
5月8日、高さ約20mのケヤキが強風で倒れ、信号待ちで停車中の車2台を直撃し、屋根がへこんだり、フロントガラスにひびが入ったりした。
9月18日には同じ市道で高さ約13mのケヤキが強風で倒れ、道路をふさいだ。
いずれもけが人はいなかったが、同市道路管理課の担当者は、「一歩間違えば、死者が出てもおかしくない事故だった」と話す。
広島県三原市では2014年、市施設の駐車場脇にあった樹齢約50年のポプラが根や幹の腐食で倒れ、下敷きになった女性が死亡した。
同課によると、上堂地区のケヤキは1970年の岩手国体に合わせて植樹。
樹木の傷から腐朽菌の「ベッコウタケ」が入るなどし、根元が腐ったり幹が空洞化したりしていた。
5月の倒木の後、市は上堂地区の街路樹を目視で点検したが、9月に倒れたのは健全と判断されたケヤキだった。
市は緊急対策として、樹木医のアドバイスを受け、街路樹の幹や根元にキノコが生えていたり、樹皮がはがれたりしていないか、9月末から改めて調査。
同地区で倒木の危険性がある21本の伐採を今月中旬から始め、57本は来年4月末をメドに枝と葉を剪定する。
市内の市道脇にはケヤキやナナカマド、イチョウなど約15万5000本の街路樹があるといい、同課は「70~80年代、市内のニュータウン開発に合わせて植えられた街路樹に倒木の危険があるものが多い」と話す。
市は街路樹の管理費として、年間約4000万円を計上している。
今後、上堂地区以外の伐採や剪定も本格的に行う方針だが、1本の伐採には約30万円かかり、対策の範囲を広げるには更なる予算や職員数の確保という難題も待ち受ける。
市は近年も街路樹の植樹を行っており、専門家は植樹段階での倒木対策を訴える。
日本樹木医会県支部の樹木医、神山安生さん(85)によると、街路樹はコンクリートで固く舗装された歩道と車道の間に植えられ、根が伸び切らずに腐って弱るケースが多い。
神山さんは、「植樹の際に大きく成長する品種を選ばないことや、根が伸びる場所を確保できるよう、植え方を抜本的に変える必要がある」と指摘する。
出典
『街路樹続々倒れ、樹木医「対策ないと解決せぬ」』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171105-OYT1T50036.html
(ブログ者コメント)
街路樹が腐るなどして倒れた事例は、本ブログでも多数紹介スミ。
そのうち、三原市のポプラ事例は下記参照。
2014年3月24日掲載
『2014年3月16日 広島県三原市の芸術文化ホール敷地内でポプラが倒れ通行中の女性2人が重軽傷、根などが腐っていたことが原因、専門家でも目視判断は難しい由 (第1報;修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3768/
2017年10月20日6時30分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が複数枚の写真付きでネット配信されていた。
これまでは「木造」を考えることすらしなかったであろうガソリンスタンドで、木材を扱う発注者自らが耐火木造化を推進したプロジェクトが現れた。
地方都市の再生を見据えた熱意と粘りが、全国で初めての事例を生んだ。
林業が盛んな大分県日田市で、地産材を計26.56m3使用した小規模な建物が、全国から注目を浴びている。
施工中の写真は、一見、住宅にも見える何の変哲もない建物だが、実は危険物を取り扱うセルフ式ガソリンスタンド(屋外営業用給油取扱所)「日田北サービスステーション」の事務所棟だ。
総務省消防庁によると、木造によるガソリンスタンドは全国で初めてとみられる。
日本木造住宅産業協会が大臣認定を取得している「メンブレン型」で1時間耐火の木造を実現した。
事務所棟は地上2階建てで、延べ面積は約128m2。
工費は、構造を鉄骨とした場合と同等程度で、約2000万円だ。
国道の拡幅に伴って全面改築し、2016年12月に開業した。
ガソリンスタンドに事務所棟のような建築物を計画する場合、壁や柱、床、梁、屋根を耐火構造または不燃材料でつくることや、建築物の窓及び出入り口に防火設備を設けることなどが求められる。
確認申請、消防同意に加えて、危険物取扱所の設置許可申請などの手続きが必要だ。
発注者は日田石油販売(日田市)。
同社の瀬戸社長は、日田木材協同組合の理事長でもある。
木造建築の可能性を示し、木材の需要を拡大したいという狙いもあった。
「ガソリンスタンド内の建築物は鉄骨造などが一般的だが、木材以外で建築されるのを残念に感じていた。木造でできないのだとしたら、その理由を知りたかった」と、瀬戸社長は当時の思いを説明する。
【理論武装で消防と協議】
「地元の流通材と地元の大工による施工でつくる」。
これが瀬戸社長の思い描く木造の条件だった。
関連する法規などを調べると同時に、社会人学生として在籍した東京大学時代の恩師である安藤直人・東大名誉教授に真っ先に相談した。
安藤名誉教授からの助言で桜設計集団の安井代表にも意見を聞き、メンブレン型を採用すれば、法規と技術の両面から条件を満たす耐火木造が実現できる目算が立った。
瀬戸社長は、これらを踏まえ、設計を担当した長澤設計(福岡市)の畑島設計課長とともに、地元の日田玖珠(くす)広域消防組合消防本部と協議を重ねた。
畑島設計課長は、並行して木住協の講習を受け、実施設計も進めていた。
協議を始めてから約3カ月後の2016年7月、最終的には消防本部を経由して消防庁に判断を仰ぎ、「違法性はない」との回答を得た。
同年12月の開業は決まっていたため、実施設計と施工は急ピッチで進めた。
設計は、木住協の講習で得たメンブレン型のマニュアルに沿って軸組み工法をベースに、床と壁、天井のそれぞれに21mm厚の強化石こうボードを二重張りにした。
軸組みは日田産のスギ材とヒノキ材を使っている。
しかし、木を石こうボードで完全に覆うため、完成すると木造であることは分からない。
事務所棟は、確認申請時に構造計算書の添付が義務付けられない建物だった。
だが、石こうボードによる荷重が大きくなることから、木造の構造設計を専門とするきいぷらん(日田市)と協業し、構造計算上も問題がないことを確認しながら設計を詰めた。
畑島設計課長は、これまで多くのガソリンスタンドの設計を手掛けた経験があるものの、耐火木造の建築物は、もちろん初めてだった。
「流通材を使用することが前提だったこともあり、鉄骨造のようにスパンが飛ばせない。そのため、柱の位置など構造設計とすり合わせながら進めた。防火区画の貫通部などの納まりにも苦労した」と打ち明ける。
2016年9月に着工し、既存の建物の解体や地下タンクの埋め戻し工事を経て、基礎工事が完了したのが2016年10月末。
建物の施工期間自体は1カ月余りだった。
建て方は2日も掛からず完了したものの、耐火構造に仕立てるための施工は、勝手が違った
【石こうボードは1000枚以上】
施工を担当した江藤工務店(日田市)の中野専務は、「使用した石こうボードは1000枚を超えていた。ボードは、1枚を1人で持ち上げるのがやっと。この規模の一般的な木造の現場であれば2人ほどの大工のところ、多いときで7人が入った。耐火被覆のための工程も多く、神経を使う現場でもあった」と笑う。
開業以来、建築やエネルギー、林業の関係者からの見学者が後を絶たず、延べ300人にも上るという。
瀬戸社長は、「今回は、他店とのデザインの統一性を考慮する必要があったため、木造らしさを残すことは難しかった。今後、木造建築の可能性を広げるためには、設計側から積極的に提案がほしい」と期待を込める。
制約が厳しい用途での木造事例が生まれたことで、いつ誰もが非住宅の木造を求められてもおかしくない。
木造は、ついにここまで来た。
出典
『耐火木造に挑んだ全国初のガソリンスタンド』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO17509720Z00C17A6000000/?n_cid=NMAIL005
2017年10月17日19時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長期間にわたって頻繁に昼夜が逆転して体内時計が乱されると死亡率が高まる傾向にあることを、京都府立医大の研究チームがマウスの実験で明らかにした。
人間でもシフト勤務の職場は多いが、シフトの組み方によって体の負担や体内時計の乱れを減らせる可能性があるとしている。
国際科学誌に発表した。
約24時間周期の体内時計が乱れると、睡眠障害など様々な病気のリスクが高まることが知られ、老齢マウスの実験で死亡率が上がることも分かっているが、長期的な影響は不明だった。
八木田和弘教授(環境生理学)らのチームは、明暗の切り替えのタイミングを変えて、明るい時間帯を7日ごとに8時間ずつ後ろにずらしていく「ゆるいシフト」と、4日ごとに8時間ずつ前倒しする「きついシフト」の2つの環境下でマウスを育てた。
1年9カ月の長期間にわたり、行動リズムの変化などを調べた。
ゆるいシフトだと体内時計の乱れは軽微だったが、きついシフトではマウスが変化に適応できず、活動や休息の行動リズムが昼夜と関係なく乱れた。
きついシフトは34匹中9匹が死んだのに対し、ゆるい方は14匹中1匹だけで、死亡率は、きつい方が4.26倍高いと推定された。
死んだマウスの67%で、白血球の増加など、炎症反応が確認された。
八木田さんは、「シフト勤務のタイプによって健康への影響が異なる可能性がある。どんなシフトなら負担が少ないのか研究したい」と話している。
出典
『頻繁に昼夜逆転→死亡率高く きついシフトをマウス実験』
http://www.asahi.com/articles/ASKBK5S15KBKPLBJ002.html
(ブログ者コメント)
深夜就業が必要な産業現場では、3組2交替とか4組3交替などのシフト勤務が組まれており、どのようなシフトが人間の体に負担がかからないかなど、昔から研究されている。
今回の情報は、そういった研究の一つとして紹介する。
2017年10月17日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市は16日、市バスやごみ収集車に搭載しているドライブレコーダーを事件や交通事故の捜査に役立ててもらおうと、県警と映像提供に関する協定を結んだ
(写真)
車体に「ドライブレコーダー作動中」とのステッカーも貼り、防犯活動にもつなげる。
名古屋市は昨年まで、全国の政令市で住宅対象侵入盗が7年連続、自動車盗が9年連続でワースト。
交通事故死者も今年すでに31人と、前年同期に比べて10人増えている。
協定は、事件や事故の発生時に映像を保存、提供するほか、業務中に事件や事故を目撃した際は警察に通報する内容。
対象車両は計約1200台で、深夜から早朝を除き、市内を走行している。
市役所正庁で締結式があり、名古屋市の中田市民経済局長が、「市バスは市内全域の主要道路、ごみ収集車は生活道路をくまなく走る。広く周知されることで犯罪や交通違反の抑止につながれば」とあいさつ。
県警の大江名古屋市警部長は、「警察だけでなく、自治体や企業、市民と連携を強化し、市民の安全確保に全力を尽くしたい」と述べた。
同様の協定は、豊橋、刈谷市に次いで三市目となる。
出典
『ドラレコ、捜査活用を 名古屋市、県警と協定』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20171017/CK2017101702000053.html
10月16日19時22分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県警察本部と名古屋市は、事件や事故が起きた際、付近を通ったバスやゴミ収集車のドライブレコーダーの映像を警察に提供するとした協定を結び、16日、名古屋市役所で締結式が行われた。
協定は、ドライブレコーダーの映像が事件や事故の捜査に有効なケースが増えていることから結ばれたもので、警察の求めに対して、速やかに提供するとしている。
名古屋市が管理する約1200台のバスやゴミ収集車には、すべてドライブレコーダーが取り付けられていて、締結式の後、「ドライブレコーダー作動中」と書かれたステッカーをつけた車両が市役所を出発した。
愛知県警名古屋市警察部の竹内次長は、「ひき逃げや強制わいせつなどの事件の捜査で、ドライブレコーダーの映像を活用し、解決した例もある。今後、さらにスムーズな捜査につなげたい」と話していた。
出典
『ドライブレコーダー映像で協定』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20171016/4792761.html
(ブログ者コメント)
今年9月、鎌ケ谷市で同様な協定が結ばれたと本ブログで紹介したが、今回の情報を機に調べたところ、全国各地で同様な協定が結ばれている。
2017年10月8日11時46分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月13日の殺害事件当日、クアラルンプール国際空港の出発フロアで突然、顔に液体を塗られた北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)が最初に助けを求めたのは、同じ階にある案内カウンターだった。
職員は異様な雰囲気を察知し、空港詰めの警察官に通報した。
2日の初公判では、この時対応した職員のジュリアナ・イドリス(37)と警察官、ズルカルナイン(31)が、直後の様子を次のように証言している。
「見知らぬ女2人に顔に何かを塗られた」。
正男は案内カウンターでイドリスにこう訴えた。
駆けつけたズルカルナインは正男の目が「少し赤い」のが気になった。
「顔はぬれている」ように見えたが、これが塗られた毒物なのか汗なのかはよく分からない。
被害届を出すか診療所に行くかと尋ねると、正男は「先に診療所に行きたい」と答えた。
2人は2階下のクリニックまで一緒に歩いた。
3~5分かかった。
正男の足取りは重く、途中、「ゆっくり歩いてください。目がかすんで見えないんです」と英語で訴えた。
ズルカルナインは正男の身元を確認する際、事務的なミスを犯したと法廷で認めた。
正男のパスポートの名義は「キム・チョル」という外交官。
国名は英語で「朝鮮民主主義人民共和国」と書かれていたが、「Korea」を韓国と勘違いして報告書に記載してしまったという。
法廷では、このミスがどう処理されたか、やりとりはなかった。
ロイター通信は3月、マレーシア政府は事件直後、正男に関する書類を北朝鮮より先に、誤って韓国政府に照会。これを「金正男」と見抜いた韓国政府から情報が漏れ、事件は世界中に知れ渡ったと報じた。
ズルカルナインの証言は、この報道を裏付けることになった。
誤記がなければ、マレーシア政府は「キム・チョル」が金正男だとは気付かず、北朝鮮が人知れず遺体を引き取っていたかもしれない。
出典
『VXの女たち・法廷編 正男暗殺 勘違いから表ざたに』
https://mainichi.jp/articles/20171008/k00/00m/030/089000c
(ブログ者コメント)
奇しくも同じ10月8日、フジテレビから金正男氏暗殺に関する特番が放送され、その中で正男氏のパスポートが映し出されていた。
http://www.fujitv.co.jp/muscat/20170218.html
映像中、国名欄には「DPR KOREA」とある。
韓国と北朝鮮の英語表記を外務省HPで調べてみると、韓国は「Republic of Korea」、北朝鮮は「North Korea」となっている、
一方、ウィキペディアでは、韓国は外務省表記と同じだが、北朝鮮は「Democratic People‘s Republic of Korea(略称D.P.R.Korea」だとも記されている。
これは金正男氏のパスポートと一致。
外務省の呼び方は政治的理由からか?
ともあれ、空港の警察官が勘違いしなければ、あるいは国名表記に詳しい警察官が報告書を作成していたら、事件は闇から闇に葬られていたかもしれない。
北朝鮮としては完璧な計画だったのだろうが、計画の埒外にあった空港警察官のヒューマンエラーという、思ってもみなかった落とし穴があった。
これは、綿密に立てた計画でもヒューマンエラー一つで台無しになることがあるという事例、はたまたヒューマンエラーによって国際政治が大きく動いた数少ない事例ではないかと感じたので、参考までに紹介する。
2017年9月28日16時13分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力は28日、鉄塔や電柱にカメラを設置して、映像データを防犯や防災につなげる新サービスを始めると発表した。
本業の電力販売の競争が激しくなる中、既存の設備を活用した新事業により、収益の底上げを図る考えだ。
インターネットに接続したカメラの映像をスマートフォンなどで確認できるサービスを提供する「セーフィー」(東京)と資本・業務提携した。
オリックスなどと総額9億7000万円の第三者割当増資に応じた。
関電の出資額は非公表。
鉄塔や電柱から撮影した映像を、地域の防犯や河川の監視、車の交通量調査などに活用することを検討しており、早期の販売開始を目指す。
出典
『鉄塔・電柱にカメラ→防犯・防災 関電が新サービス』
http://www.sankei.com/west/news/170928/wst1709280060-n1.html
関西電力からのプレスリリース(9月28日付)は下記。
当社は、このたび、映像ソリューション事業への参入を目的として、ネットワークカメラ向けクラウド録画型映像プラットフォーム※を提供するベンチャー企業「セーフィー株式会社(以下、セーフィー)」が行う第三者割当増資に応じるとともに、両社の経営資源を活用したサービス開発に関する業務提携について、合意いたしました。
当社グループは、カメラを設置する鉄塔、電柱などのインフラ資産に加え、映像を伝送する光回線、モバイル通信、IoT等の情報通信事業基盤を保有しております。
一方、セーフィーは低価格、高画質、高セキュリティのクラウドカメラサービスを提供できる映像プラットフォームを保有しております。
今回の業務提携により、両社の強みを活かした様々な映像ソリューションサービスを開発していくとともに、AI・データ解析といった多様な強みを持つ企業とも新たに連携していくことで、映像データを利用した、より付加価値の高いサービス創出にも努めてまいります。
引き続き、当社グループの強みを活かしながら、優れた技術を保有するベンチャー企業などとの資本業務提携を通じて、新たなサービスを開発し、お客さまに安全・安心、快適・便利なサービスをお届けしてまいります。
※:インターネットに接続されたカメラの映像データをクラウドに録画し、パソコンやスマートフォンから視聴するための仕組み
出典
『セーフィー株式会社との資本業務提携について』
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0928_1j.html
2017年9月29日9時34分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スマートフォンなどに使われるリチウムイオン電池の開発に関わり、ことし7月に名城大学の教授に就任した吉野彰さんが28日に名古屋市で講演し、「研究開発にはいくつもの関門があるが、後に続く人たちにも乗り越えていってほしい」と語った。
名古屋市天白区にある名城大学で行われた講演には、約430人が参加した。
講師の吉野さんは、電気自動車やスマートフォンなどに使われるリチウムイオン電池の開発に関わったことで知られ、ことし7月に名城大学大学院理工学研究科の教授に就任している。
講演の中で吉野さんは、リチウムイオン電池の開発のきっかけは新しい物質の基礎研究で、電池を開発するために始めたものではなかったことを明かした。
そして、電池は製品化されたあと5年ほどは全く売れず、パソコンやスマートフォンの普及とともに急速に市場が拡大したと振り返ったうえで、「世の中に貢献できる研究開発にはいくつもの関門があるが、後に続く人たちにも、ぜひ、その壁を乗り越えていってほしい」と語り、講演を締めくくっていた。
出典
『リチウムイオン電池開発者が講演』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170929/3667661.html
9月29日付で中日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
リチウムイオン電池(LIB)開発者で、ノーベル化学賞の有力候補と注目される吉野彰名城大教授が28日、名古屋市天白区の名城大で講演し、「まったく売れずにつらかった」と、開発時の秘話を披露した。
電気を通すプラスチック新素材の研究を契機に、「たまたま」LIB開発に取り組んだという吉野教授。
1990年代初めに商品化されたが、「皆、関心はあると言ってくれるが、買ってくれない」。
95年の「ウィンドウズ95」発売などで世界中にIT革命が起き、LIBはノートパソコンやスマートフォンに不可欠に。
「こんな状況は想像もつかなかった」と振り返った。
研究に限らず、新しいものを生み出すため、「好奇心や洞察力を大事にしてほしい」とも。
会場には学生ら430人が集まり、立ち見も出る盛況ぶり。
講演後の記者会見では、10月4日発表のノーベル化学賞について、「アカデミア(学術)というよりインダストリアル(産業)出身の私が受賞できれば、産業界の人たちに希望を与えることができるのでは」と語った。
出典
『リチウムイオン電池の開発秘話披露 ノーベル賞候補の吉野教授』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170929/CK2017092902000086.html
(ブログ者コメント)
リチウムイオン電池については、発火事例などを本ブログに掲載しており、その関連情報として紹介する。
2017年9月27日8時11分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮城県で8月に開催された全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門のポスター発表部門で、山梨県の韮崎高校生物研究部が文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した。
青い光による殺虫効果の仕組みを調べた成果を発表した。
韮崎高は、6年前の総文祭でも、同じ部門の最優秀賞を受けている。
ポスター部門では、全国から41の発表があった。
生徒は成果をまとめたポスターの前で4分間の説明をし、審査員の質疑に応じる。
韮崎高は、生物研究部の平田部長(3年)が「青色光によるハエの死亡原因は本当に酸化ストレスなのか」の題で発表した。
青い光にはハエなどに殺虫効果があることが知られているが、詳しい仕組みは分かっていないという。
平田さんはショウジョウバエを使い、1年半がかりで実験。
青い光を当てると体内の活性酸素が細胞を傷つける「酸化ストレス」が強まり、細胞が自ら死ぬ「アポトーシス」を促すらしいことを突き止めた。
韮崎高が2011年の総文祭で最優秀賞に選ばれたのも、ショウジョウバエの研究だった。
平田さんは、「先輩たちから続く伝統のおかげです。ハエの飼育は手間がかかり、5月の連休も毎日実験で大変でしたが、先生や部員たちの励ましでがんばれました」と話した。
出典
『ハエ、青い光を当てるとなぜ死ぬ? 山梨の高校生が解明』
http://www.asahi.com/articles/ASK9G3F4MK9GUZOB001.html
(ブログ者コメント)
調べてみると、今回の研究の動機だったかもしれない研究成果が、2014年12月に東北大学から下記趣旨で発表されていた。
<概要>
東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授の研究グループは、青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見しました。
紫外線の中でも波長が短いUVCやUVBは、生物に対して強い毒性をもつことが知られています。
しかし、比較的複雑な動物に対しては、長波長の紫外線(UVA)でも、致死させるほどの強い毒性は知られていません。
一般的に、光は波長が短いほど、生物への殺傷力が強くなります。
よって、紫外線よりも波長の長い可視光が昆虫のような動物に対して致死効果があるとは、考えられていませんでした。
さらに、この研究で、ある種の昆虫では紫外線よりも青色光のほうが強い殺虫効果が得られること、また、昆虫の種により、効果的な光の波長が異なることも明らかになりました。
本研究成果は、青色光を当てるだけで殺虫できる新たな技術の開発につながるだけでなく、可視光の生体への影響を明らかにする上でも役立つと考えられます。
本研究の一部は、農林水産省委託研究プロジェクト「生物の光応答メカニズムの解明と省エネルギー、コスト削減技術の開発」および日本学術振興会科学研究費補助金によってサポートされました。
この成果は、2014 年12月9日に英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
出典
『青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見 (新たな害虫防除技術の開発に期待)』
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20141209_02web.pdf
2017年9月15日11時17分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本地震で崩落した阿蘇大橋に代わる橋を架ける国の工事で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界ジオパークに選ばれた阿蘇の見どころの一つ、立野峡谷(熊本県南阿蘇村)の柱状節理が壊されていたことがわかった。
ジオパーク内での開発などは禁止されていないが、国や県は、現場がジオパーク内と認識していなかったという。
阿蘇は2014年、国際的な価値のある地質や地形を認定する世界ジオパークに選ばれた。
立野峡谷は約9万年前の巨大噴火で形成されたカルデラの壁が唯一切れた場所で、地形や地質を観察できる見どころの一つ。
柱状節理は約5万年前に、阿蘇の噴火で流れ出た溶岩流でできた。
溶岩が冷え固まる時にできた割れ目のある岩肌が特徴で、「岩のカーテン」と呼ばれる。
国交省熊本復興事務所などによると、新しい橋は立野峡谷をまたぐ形で建設中で、柱状節理は、橋脚の建設予定地近くにあった。
昨年11月ごろ、工事用道路を造るために川岸を幅110m、高さ70mにわたって削った際に壊れたという。
昨年7月、県や学識経験者らが集まって新しい橋の計画について協議した際、建設予定地に柱状節理があることも報告された。
新しい橋が「観光の玄関口となる」として、周辺の景観に配慮することなどは確認したものの、ジオパークとの説明はなく、保存の話などは出なかったという。
熊本復興事務所の今村副所長は、「柱状節理の存在はわかっていたが、ジオパークという認識がなかった」。
県道路整備課の担当者は、「国から説明がなく、ジオパークとは意識していなかった」と話している。
立野峡谷の保全活動に取り組む市民団体の中島代表は、「柱状節理は壮大な岩の屛風で美しかったが、壊されてしまってショック。工事の時にジオパークであるという認識がなかったことに驚く」と話した。
出典
『ジオパークの「岩のカーテン」、国の工事で破壊 阿蘇』
http://digital.asahi.com/articles/ASK9G6FTVK9GTLVB00L.html?rm=448
9月15日9時39分に熊本日日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定する「世界ジオパーク」の構成資産の一つ、南阿蘇村・立野峡谷で、阿蘇火山の溶岩活動を示す「柱状節理」の一部が、国交省が進める阿蘇大橋の架け替え工事で削られていたことが、14日、分かった。
地元では、「景観保全への影響などを丁寧に説明してほしかった」との声が上がっている。
柱状節理は、溶岩が固まる際に形成される角柱状の割れ目。
立野峡谷では、カーテン状の岩が川岸に数100mにわたって現れており、県内外から見学が多い。
同省熊本復興事務所(同村)によると、現場は熊本地震で崩落した阿蘇大橋の約700m下流の黒川右岸。
昨年11月に新橋の工事に着手し、工事用道路の整備の際、柱状節理を含む高さ約70m、幅約110mの川岸を削ったという。
同省は、県などに事前に工事計画を示した際、現場に柱状節理があるとの認識は共有していたという。
柱状節理を削ることには言及しなかったが、同事務所は「ジオパーク内での開発に法的な規制や報告義務はなく、地元との協議は特にしなかった」と説明する。
阿蘇ジオパークガイド協会の中島・元会長(69)は、「突然、景観が一変して驚いた。復興工事の一部掘削はやむを得ないが、ジオパークの価値や地元への説明、協議も大事にしてほしい」と話している。
世界ジオパークは、学術的価値の高い地質や地形を保護する自然公園。
地域に必要で、自然が持続可能な開発は、公園内でも認められている。
阿蘇地域は来年夏、再認定の審査を控えるが、阿蘇ジオパーク推進協議会は、「掘削されたのは柱状節理全体のごく一部で、再認定に影響するとは考えにくい」とみている。
出典
『立野のジオパーク資産 「柱状節理」復興工事で削る』
https://this.kiji.is/281227048482014305?c=92619697908483575
(2017年10月3日 修正1)
2017年9月28日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本地震の復興工事で珍しい地形が破壊された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界ジオパーク「阿蘇」(熊本県)について、地質学などの専門家らで作る日本ジオパーク委員会は27日、保全や活用を進める地元協議会の組織運営に問題があるとして、来年に予定されるユネスコの審査までに改善するよう求めることを決めた。
ジオパークは、地質学的に重要な地形や地層を保全・活用する自然公園で、ユネスコが認定する世界ジオパークと、同委員会が認定する日本ジオパークがある。
今回、日本ジオパークとしては、2年後の再審査を条件に、継続を認める「条件付き再認定」とした。
阿蘇では、噴火した溶岩による珍しい地質現象「柱状節理」が破壊されたことが、今月、毎日新聞の報道で発覚した。
柱状節理の破壊について、自治体や観光関係者などで構成する「阿蘇ジオパーク推進協議会」自体も、報道があるまで把握していなかったという。
出典
『日本ジオパーク委員会 熊本・阿蘇 破壊の柱状節理を「条件付き再認定」』
https://mainichi.jp/articles/20170928/ddm/041/040/151000c
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