2020年5月17日17時6分に毎日新聞から、ビニールカーテン燃焼比較実験の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新型コロナウイルスの感染拡大のため、窓口やレジなどにビニールカーテンを設置する小売店や官公庁が各地で増えている。
飛沫(ひまつ)を防ぐのに有効とされるが、設置場所によっては火災報知機やスプリンクラーが反応しなくなる恐れがあり、カーテン用ではない製品には燃えやすいものも。
専門家は、「設置する場合は材質や場所をよく考えてほしい」と呼びかけている。
政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」は、人が対面する場所に透明のビニールカーテンやアクリル板などを設置することを、感染予防策の一つに挙げている。
【コンビニやスーパーなどで活用】
プラスチック製品メーカー「アキレス」(東京)によると、ビニールカーテンに使われるシートの注文は2月から増え始め、4月の売り上げは前年の2倍に。
コンビニやスーパーのほか、学校や警察署、会社のオフィスなどでも日常風景になってきた。
複数のメーカーによると、カーテン用に売られている製品の多くは燃えにくい物質が配合され、煙も出にくい。
しかし、ビニールハウスに使う農業用シートなどは、火が燃え広がりやすいという。
インテリア用品販売会社「友安製作所」(大阪府八尾市)は、ビニールカーテンの燃焼実験を行い、動画をホームページで公開している。
動画によると、防炎のビニールカーテンは強い火を近づけても穴が開くだけで、燃え広がることはなかった。
しかし、防炎機能のない通常の製品は激しい炎が上がり、わずか数秒間で焼け落ちた。
【病院や飲食店などは防炎製品義務づけ】
消防法は、多くの人が利用する施設ではカーテンやじゅうたんに防炎製品を使うよう義務づけている。
おおむね11階建て以上のビルや地下街、病院や映画館、飲食店など、幅広い施設が対象になる。
総務省消防庁によると、設置する場所や大きさによっては、ビニールカーテンも消防法上のカーテンとみなされ、火気の近くなどでは防炎製品を使う必要がある。
スプリンクラーの周囲は散水に影響が出るため設置できず、部屋の天井をビニールカーテンで端から端まで区切ると、火災報知機が煙を感知しにくくなる恐れもあり、危険だ。
コンビニやスーパーのレジ前にある小さなビニールカーテンは法令に触れないとみられるが、揚げ物の調理器や高温になりやすい白熱灯が近くにある店も多く、大阪市消防局は「燃えにくい製品を使うのが望ましい」と指摘する。
感染対策をうたい、防炎や抗菌の機能があるビニールカーテンを売り出すメーカーも出ている。
ただ、防炎の製品は品薄の状態が続いており、農業用シートやテーブルクロスを転用したり、火災報知機などの近くに付けたりするケースが少なくないのが現状だ。
ある病院に依頼され、スプリンクラーの近くにビニールカーテンを設置したという販売業者の男性は、「危険があると分かっていたが、感染を防ぐ非常時なので設置してしまった」と漏らす。
消防庁は、「自分だけで判断するのではなく、付ける際は近くの消防署に相談してほしい」と呼びかけている。
【防炎機能義務化の議論を】
防災に詳しい永田尚三・関西大教授(消防行政)の話;
ビニールカーテンは今後も多くの場所で設置が進んでいくだろう。
感染対策はもちろん重要だが、万一の火災にも備えて、防炎機能や設置場所を検討する必要がある。
消防署による個別の調査は限界があり、将来的にはビニールカーテンを製造・販売する際に防炎機能を義務化するなどの対策も議論する必要がある。
https://mainichi.jp/articles/20200516/k00/00m/040/112000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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