2019年10月17日9時31分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福島県郡山市は17日までに、台風19号による阿武隈川の氾濫で、市内のメッキ工場の生産ラインや薬品保管庫から猛毒のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)が流出したと発表した。
市は周辺の約20世帯に避難を呼び掛けた。
市保健所によると、流出があったのは、同市富久山町福原上台のメッキ加工会社「M」の工場。
工場や周辺は川の氾濫で大規模な浸水被害が出た。
水がひいた16日午後に工場の排水をためる調整池を市が調べた結果、排出基準の46倍に当たる濃度のシアン化ナトリウムを検出した。
保管庫には20キロ入りの缶が2缶残っていたが、在庫管理の台帳も流出したため、流出した総量は分かっていない。
同社の社員らが16日に工場の復旧作業に従事したが、健康被害を訴えた人はいない。
シアン化ナトリウムは金属のメッキなどに広く用いられている。
口に入れたりガスを吸い込んだりすると、呼吸困難やめまいを引き起こし、数秒で死亡することもある。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51066920X11C19A0000000/
10月17日9時6分にNHK福島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
この工場は、台風19号で氾濫した阿武隈川沿いにあり、シアン化ナトリウムを使用する生産ラインや、薬品の保管庫が水没していました。
シアン化ナトリウムは、毒物に指定されていて、高濃度で摂取すると死亡する危険性もあるということですが、浸水で流れ出た際に薄まっているとみられ、清掃作業にあたった工場の従業員などに健康被害は出てないということです。
郡山市は、念のため、工場の周辺に住む5世帯に避難を促しましたが、避難した人はいないということです。
市は、17日から周辺で水質検査を行い、環境への影響を詳しく調べることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191017/6050007410.html
10月18日8時30分に福島民友からは、市が実施した水質検査と健康調査結果、異常はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は17日、周辺の水質検査と住民の健康調査を実施した。
市は排水基準を超えた濃度は検出されず、健康被害も確認されなかったと発表した。
シアン化ナトリウムが流出したのは同市富久山町のメッキ工場。
市は、工場周辺で氾濫水が残っている4カ所と、工場の排水が阿武隈川に流入する直前の水路の計5カ所で水質検査を実施。
阿武隈川への流入部分で排水基準(1リットル当たり0.5ミリグラム)を下回る、0.3ミリグラムを検出した。
ほかの4カ所では検出されなかった。
市は今後、阿武隈川への流入部分の水質検査を継続するほか、工場周辺の土壌調査も実施する予定。
一方、工場周辺で浸水した20世帯、50人に健康調査を実施したところ、シアン化ナトリウムによる健康被害は確認されなかった。
シアン化ナトリウムは金属メッキに使われる薬品で、水や湿った空気などと反応すると青酸ガスが発生する。
市保健所は「大量の水で薄まった可能性がある」としている。
シアン化ナトリウムの流出量は調査中だが、市によると、工場内の製造ラインにあった複数の処理槽と、薬品保管庫にあった20キロ入りの缶のうちの一つから流出したとみられる。
保管状態は適切だったという。
同工場では16日、工場出口にある調整池の貯留水で排水基準を大幅に上回る23ミリグラムのシアン化ナトリウムが検出された。
同社は17日、調整池の水を回収した。
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20191018-425262.php
10月19日16時52分にNHK福島からは、郡山市の別のメッキ工場からも流出していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号で浸水した郡山市のメッキ工場から、毒物のシアン化ナトリウムが流出したことを受けて、市が周辺を調査したところ、近くにある別のメッキ工場からも、流出していたことがわかりました。
健康被害は確認されていないということです。
新たに流出が確認されたのは、郡山市富久山町のメッキ工場「S」で、18日、コンクリートの基礎部分から、シアン化ナトリウムが検出されたということです。
郡山市が工場から阿武隈川に通じる側溝を調べたところ、200メートルほど離れた場所に溜まっている水からも、排水基準の156倍の濃度で検出されたということです。
ただ、さらに川に近い部分では、排水基準を下回っていて、市は、水が土などでせき止められた部分で、濃度が高くなったとみています。
阿武隈川の氾濫で工場の1階が浸水した際、床下にある廃液槽から漏れ出したと見られ、市は、側溝をふさいで、シアン化ナトリウムを回収したうえで、工場の周りに土のうを設置して、さらなる流出を防止しているということです。
シアン化ナトリウムは毒物に指定されていて、高濃度で摂取すると死亡する危険性もあるということですが、周辺の住民に健康被害は確認されていないということです。
郡山市では、近くの別のメッキ工場でもシアン化ナトリウムが流出していて、市が周辺の水質調査を進めていました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191019/6050007509.html
10月20日付で河北新報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、18日午後9時すぎに工場建屋の基礎コンクリートの亀裂数カ所からシアン化ナトリウムを含む廃液が染み出ているのが確認された。
流出先の側溝から排水基準(1リットル当たり0.5ミリグラム)の156倍のシアン化合物が検出された。
同社は工場床下の廃液槽や流出先の側溝から廃液を回収。
土のうや回収用ポンプを設置し、工場外へのさらなる流出を防止する措置も講じた。
市が行った周辺の水質検査では側溝から約300メートル離れた水路で1リットル当たり0.3ミリグラムだった。
同社の担当者は「コンクリートにいつ亀裂が入ったのか分からない。通常は廃液を処理して流すが、機械も浸水で停電して止まってしまった。地域の方々に不安を与えて申し訳ない」と話した。
周辺には事業所しかなく、市は従業員らの健康調査を進めている。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201910/20191020_63007.html
10月19日19時4分にNHK信州からは、長野市のメッキ工場からも流出していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号による千曲川の氾濫で浸水した長野市のメッキ工場の水たまりから毒物のシアンが検出され、長野市は工場で使われているシアン化ナトリウムが流出したおそれがあると見て詳しい調査を行っています。
市によりますと、いまのところ従業員などの健康被害の情報は入っていないということです。
長野市によりますと毒物のシアンが検出されたのは、千曲川の堤防が決壊した長野市穂保にあるメッキ工場で、17日、建物の入り口付近にある水たまりを検査したところ、2ppmを越えるシアンが検出されました。
シアンは通常、自然界で検出されることはなく、市はメッキ工場で使われているシアン化ナトリウムが設備の浸水被害によって、流出した可能性があるとしています。
市は、工場や周辺の土壌を採取するなどして詳しい検査を行うとともに、周辺の事業所などに注意を呼びかけました。
市によりますと、これまでに工場や周辺にある事業所の従業員に健康被害が出たという情報は入っていないということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20191019/1010011085.html
10月19日21時1分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、浸水区域内で毒物などを扱う事業所を17日に現地調査し、この工場での簡易検査で流出の可能性を示す結果が出た。
工場は約2メートル浸水しており、メッキ処理に用いる青酸ソーダが、水槽からあふれたとみられる。
敷地外への流出の有無を調べ、工場内で保管していた量を確認している。
https://www.sankei.com/affairs/news/191019/afr1910190043-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。