2018年4月2日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第7報修正7として掲載します。
第6報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8209/
(2018年10月5日 修正7 ;追記)
2018年9月28日21時0分に産経新聞westから、台車構成部品のプレス作業を別会社に変更後、精度にばらつきが出始めたが問題視されなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台車の鋼材が薄く削られた経緯などを検証した川崎重工業の委員会は28日、製造元の同社内のコミュニケーション不足に、過度な現場依存が加わる「負の連鎖」が引き起こしたとの結論を明らかにした。
新幹線の重大事故に繋がった恐れのある台車の製造不備は、現場任せの企業体質に原因があった。
【甘い判断「それほど大きな問題は出ない」】
「台車枠の不備は、偶然、発生した事象ではなく、品質管理体制の弱点に起因するものであった」。
川重が4月に立ち上げた全社品質管理委の中條武志委員長(中央大教授)はこう述べ、複数の誤った行動や判断が背景となり、台車の整備不備につながったと結論づけた。
一つは、台車を構成する「側(がわ)バリ」と呼ばれる部品をプレスして抱き合わせる課程で起きていた。
プレス加工を従来外注していたメーカーが、鉄道向け部品の製造を取りやめたため、川崎重工業は平成18年6月から、別の業者に加工を任せるようになった。
発注先や加工方法の変更により、加工部分の精度にばらつきが生じるようになったが、「それほど大きな問題は出ないと判断していた」(志磨・車両カンパニー品質保証本部長)。
新幹線の台車枠の製造プロセスの問題点をあぶり出す目的の会議も開かれたが、発注先の変更については、議論の対象にもならなかった。
また、委員会は側バリに「軸バネ座」と呼ばれる部位を溶接する作業でも、情報伝達などに課題があったと指摘した。
【詳しい説明を怠るスタッフ】
製造時の注意事項をまとめた「作業指導票」は、強度に影響が及ぶとして、台車枠の鋼材を削ってはいけないと規定。
しかし、指導票を作成したスタッフは、現場班に詳しい内容を説明せず、作業員らも指導票を見ることはなかった。
結果として、作業員らは、加工部分のがたつきを抑えようと、独自の判断で台車枠を削った。
底面が広範囲にわたり削られたため、中には厚さが基準の7mmを大幅に下回る箇所もあった。
石川副社長は、「現場の班長らの方が(指導票を作った)スタッフよりも現場に詳しいとの思い込みがあった。過度な現場依存、現場任せの体質が出ていた」とこぼした。
一方、委員会の調査でも明らかにならなかった点もある。
破断寸前の亀裂が起きた台車は、削り込みの補正や寸法調整のために施される「肉盛(にくもり)溶接」がなされていた。
しかし委員会が、OBを含めた関係者に聞き取っても、「全員が肉盛をした記憶がないという回答だった」(志磨品質保証本部長)。
この肉盛溶接について、国の運輸安全委員会は、調査の経過報告で、亀裂の発生や進展に関与した可能性を指摘する。
見解を問われた本川・車両カンパニープレジデントは、「運輸安全委が原因究明している」と述べるにとどめた。
出典
『負の連鎖が引き起こした亀裂 「偶然発生でない」 』
http://www.sankei.com/west/news/180928/wst1809280093-n1.html
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