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2013年7月21日1時3分にmsn産経ニュースから、7月21日12時13分に読売新聞からは傾いた蒸留塔の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。同社HPにも同趣旨のニュースリリースが掲載されていた。7月21日付の千葉日報紙面にも同主旨の記事が掲載されていた。
20日午前9時半ごろ、千葉県市原市五井南海岸の化学メーカー「電気化学工業」千葉工場で、解体作業中のスチレンモノマー製造プラント内の蒸留塔(高さ約60m、直径約7m)から出火し、上部が傾いた。
警察などによると、内部注水と外部放水を実施しているが、上部には放水が届かず、火災による熱で鉄骨が溶けたとみられる。
崩落の可能性もあるが、この施設は稼働しておらず、傾いている方向には危険物等はない。
出火したのは、混合物の成分を分離する「蒸留塔」。昨年5月から稼働を停止したが、内部に残っていた化学物質に、解体作業で使っていた溶接機の火花が燃え移った可能性があるという。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130721/dst13072101050001-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130721-OYT1T00293.htm
http://www.denka.co.jp/news/pdf/20130720_chibaCM3kasai.pdf
(ブログ者コメント)
写真をみると、塔の中間点付近から折れ曲がったように傾いている。
(2016年3月12日 修正1 ;追記)
該社2014年CSR報告書に、事故原因などが詳しく掲載されていた。
ポイントは下記。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
○蒸溜塔内部に充填したステンレス製の薄板に樹脂物が付着したまま、火気工事を実施した。
○火気工事前、ガス検や目視で可燃物がないことは確認していたが、薄板に運転中に生成した樹脂物が付着していることは想定していなかった。
http://www.denka.co.jp/sustainability/report/bklist/pdf/rc_2014.pdf
2013年7月20日0時22分にmsn産経ニュースから、7月19日22時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
特急の出火事故が相次いでいることを受け、JR北海道は19日、「メンテナンスが十分に行われていないという問題があった」と車両の整備体制の欠陥を認め、メンテナンスの時間確保のため、列車の編成車両数の削減や運休を検討するなどとした再発防止策を取りまとめ、国土交通省に報告した。
鉄道会社が整備体制の欠陥を認め、編成車両数を減らすことは異例。
原因解明が進まないための“苦肉の策”だが、運休が長期化する恐れもあり、利用客に大きな影響が及ぶことは必至だ。
国交省を訪れた同社の小山常務が滝口鉄道局長に報告した。
11日に野島社長が鶴保副大臣に口頭注意を受けた際、防止策の報告を求められていた。
札幌市の本社で記者会見した野島社長は「お客さまにご心配、ご迷惑をかけていることをあらためておわび申し上げる」と謝罪した。同社は北海道にも再発防止策を報告した。
同社は「車両の老朽化が進み、輸送サービスレベルを維持する中でメンテナンスが十分に行われていない問題があった」と認め、2011年5月の石勝線特急脱線火災など多くの事故がその延長線上にあるとの認識を示した。
今後の対策としては
(1)一部列車で車掌を通常の1人から2人に増やし、指令室にも車両修繕担当の社員を常駐させて事故発生時には連携して迅速に対応する
(2)特急列車は運転士による運転前の点検に加え、車両基地から出発前に検査担当社員がエンジンからの油漏れ、異常音の有無を点検する
などを挙げた。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130720/dst13072000230000-n1.htm
http://mainichi.jp/select/news/20130720k0000m040129000c.html
また、2013年7月20日19時26分に読売新聞から、「列車出火頻発、指摘されるJR北海道の事情とは」というタイトルの解説的記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
JR北海道で、特急列車から出火するトラブルが相次いでいる。
エンジンや配電盤など出火元は様々だが、原因が特定されず、夏の観光シーズンにもかかわらず、一部の便では運休が長期化する見込みだ。
同社の出火件数は、JR旅客他社と比べても突出しており、識者は老朽化した車両の酷使が原因と指摘する。
JR北海道では、特急列車から火の出るトラブルが今年4、5月に1件ずつ起き、今月6日にはJR函館線でエンジンから出火、車両外壁が焼け、炎は車窓まで達した。
同15日にはJR千歳線で車内の配電盤と自動列車停止装置(ATS)の一部が焼損している。
2011年5月には占冠村のJR石勝線で乗客ら79人が負傷する脱線炎上事故も起きている。
JR旅客各社によると、同社を除く5社では、過去5年間で営業走行中に火が出たトラブルはJR東日本の1件だけで、JR北海道の5件は突出している。
事態を重くみた国交省は19日、安全確保の対策を同社に提出させた。
同社の出火5件のうち、4件が燃料を載せて走るディーゼル型の特急列車で起きている。
同社では、ディーゼルの特急車両の約半数に当たる111両が製造から20年以上たち、JR旅客6社の中で、JR北海道は20年以上の車両の保有数が最も多い。
1日当たりの走行距離も長く、広い道内で最大1200km以上走る車両もある。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130720-OYT1T00689.htm
2013年7月20日9時48分に沖縄タイムスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前11時35分ごろ、西原町N石油西原製油所の加熱炉建屋で爆発があった。
建屋の外壁2カ所が破損して飛び散ったが、火災や油漏れはなく、けが人は出なかった。
定期点検後の操業に向けて原油を加熱するバーナーに着火した際、爆発した。
事故を受け、消防は加熱炉の使用停止を命令。同社は20日の操業を見送り、22日から消防と合同で原因を究明する。
N石油などによると、加熱炉の建屋は鉄骨と鉄板でできた東西10m、南北8m、高さ19mの建物。原油を精製するために350℃まで加熱する装置があり、パイプ内に原油を通し、ガス燃料のバーナーで熱する。
爆発では、建屋外壁が最大4mにわたって破損。炉内を仕切っていたれんがが約80m先、外壁に敷き詰められた断熱材の一部が30m四方に飛散した。
製油所では今月2日から定期点検に入り、20日の操業開始に向けて19日は作業員が加熱炉の着火テストをしていた。
同社によると、テスト時に原油がパイプ内を通っていたかどうかは不明。「作業員は経験約30年のベテランで、手順通りに作業をしていた。操業40年で初めてのケースだ」と話しており、建屋内の圧力が何らかの原因で高まっていたために爆発したとみられるという。
地元小那覇自治会の新川会長(68)は、事故から約50分後、N石油から「加熱炉の壁がはがれた」と電話連絡を受けた。
爆発という説明がなかったことについて新川会長は「心配させたくないという気持ちがあったのだろうが、老朽化した施設が火災になれば大変だ」と話した。
西原製油所内では6月、重油漏れによる火災が発生している。
出典URL
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-20_51896
2013年7月20日付で琉球新報からは、上記の補完的記事が下記趣旨でネット配信されていた。
N石油などによると、作業員が加熱炉内に種火を入れて点火しようとした際、中のプロパンガスに引火し、爆発した。
加熱炉は幅8m、長さ10m、高さ19m。本来なら炉内にプロパンガスはないという。
加熱炉は当時、定期整備のため停止しており、20日に稼働する予定だった。
現場では、作業員3人が稼働に向けた作業をしていた。
出典URL
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-209781-storytopic-1.html
2013年7月25日19時31分にNHK沖縄からは、事故原因に係る下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故を受けて、N石油のイシカワ社長ら5人が25日、県庁を訪れ、高良副知事に謝罪した。
そして事故の原因として、加熱炉にあるガスを供給する弁がしっかり閉じられないまま、プロパンガスが漏れた状態で装置に点火したことや、マニュアルで定められた加熱炉内のガス濃度の測定を行わずに作業したことを説明した。
その上で、今後、ブラジルの本社から専門スタッフを派遣して、事故が起きた装置だけでなく製油所全体の調査を行うなどして再発防止を徹底する考えを伝えた。
これに対し高良副知事は「人的な被害が出なくて幸いだったが、N石油は今年に入って3回の事故を起こしている。製油所の周辺に住む人たちに不安を与えないよう再発防止策にしっかり取り組んでほしい」と述べた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5093285881.html?t=1374795908950
(2013年8月12日 修正1 ;追記)
2013年7月23日付と7月27日付の沖縄タイムス紙面に、事故時の更に詳しい状況などが、下記趣旨で掲載されていた。
22日、バーナーにガスを送るパイプのバルブが十分に閉まらずプロパンガスが漏れ、引火して爆発したことが、消防などの調べで分かった。
パイプには8つのバルブがあり、うち4つが十分に閉まっていなかった。
バルブには、サビなどの鉄粉が詰っていたとみられる。
事故によるけが人はいなかったが、爆発の衝撃で加熱炉外壁の一部が剥がれた。
今回の事故で、当時の作業員が社内マニュアルを守っていなかったことが、同社への取材で分かった。
マニュアル破りの理由について同社は「コメントを差し控えたい」としている。
来週中にはブラジル本社から技術専門スタッフが沖縄入りするが、事故報告やマニュアル見直しの目途は未定だという。
爆発は、作業員が点火テストをした際に発生した。
点火前にプロパンガスの濃度測定をせず、ガスのバルブが閉まっているかどうかの確認も怠ったため、ガス漏れを把握できなかった。
点火前には加熱炉内を約1時間換気したが、プロパンガスは空気より重いため、建屋に滞留。爆発事故の一因となった。
点火作業をしていた3人のうち1人は、勤務歴約30年のベテランだった。
(ブログ者コメント)
紙面に掲載されていた写真を見たが、加熱炉の凸型をした面のほぼ半分がパックリ口を開いた状態になっていた。
2013年7月19日19時36分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後4時10分ごろ、世田谷区船橋のアパートの解体工事現場で、作業員の男性2人が倒れていると119番があった。
いずれも一酸化炭素(CO)中毒とみられ、意識不明で病院に搬送されたが間もなく死亡した。
警察によると、2人は20~30代。解体作業中の木造2階建てアパートの、1階にある部屋で倒れていた。
窓を閉め切った室内にガソリンを燃料に使う発電機があり、警察はCO中毒とみて詳しい状況を調べるとともに、2人の身元の確認を急いでいる。
現場は、小田急線千歳船橋駅の北西約800mの住宅街。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013071901001433.html
2013年7月19日19時25分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前、佐渡市の市立羽茂中学校の2年生の理科の授業で、物質の化学変化を確認する実験を行ったところ、授業後に25人の生徒のうち8人がのどの痛みや頭痛を訴えた。
8人はすぐに学校の近くの病院で診察を受け、このうちの5人が軽い硫化水素中毒と診断された。5人は点滴を受けたほか、残りの生徒も薬を飲むなどした結果、体調は回復し、その後、学校に戻ったという。
佐渡市教育委員会によると、当時は試験管に入った硫化鉄に塩酸を加えて硫化水素を発生させる実験を行っていたということで、この時発生した硫化水素のにおいを確認する際に生徒が強く吸い込んだことが原因とみられるという。
実験では、指導した50代の男性講師が硫化水素を吸い込まないことなどあらかじめ注意を呼びかけたり、窓を開けるなど換気をしていたというが、佐渡市教育委員会は、今後は安全指導を徹底していきたいとしている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033157961.html?t=1374268183917
(ブログ者コメント)
同じような事例が、今月12日に京都で起きたばかりだ。(本ブログ掲載済)
2013年7月20日2時51分にmsn産経ニュース大阪から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前1時半ごろ、大阪市阿倍野区の市営地下鉄御堂筋線昭和町-西田辺間で、信号機の検査をしていた工事会社の社員の男性(59)が脚立から線路上に落下。頭などを強く打ち、搬送先の病院で死亡した。
警察などによると、男性は終電後に信号機の通電確認の検査を行っていた。
近くにいた別の作業員が大きな物音に気づき、仰向けに倒れている男性を発見した。
男性はヘルメットを着用していたが、落下防止用のフックが外れた状態だった。
警察が事故原因を詳しく調べている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130720/osk13072002510000-n1.htm
2013年7月19日2時17分にmsn産経ニュース福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午前4時半ごろ、JR九州の列車運行管理システムに障害が発生し、鹿児島線など3路線全線で始発から約3時間にわたり運転を見合わせた。
代替システムを起動後、同7時半ごろから運転を順次再開したが、3路線を中心に特急列車を含む上下線約380本が運休し、乗客11万1千人に影響が出た。
JR九州によると、博多総合指令(福岡市)で、列車の運行管理装置の部品交換作業をしていたところ、異常を示すアラームがなりシステムがダウンした。
この結果、鹿児島線と、福岡県内を運行する若松線と福北ゆたか線で車両の現在位置が不明となった。
同社が詳しい原因を調べている。
通勤通学ラッシュの時間帯にダイヤが大幅に乱れたことで、JR博多駅などは朝から大混雑。博多駅構内は大勢の乗客であふれ返り、列車の運行状況を示す電光掲示板を見上げる姿が多く見られた。
記者会見した青柳専務(鉄道事業本部長)は「JR九州始まって最大のトラブルだった。徹底的に原因究明する」と述べた。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130719/fkk13071902170001-n1.htm
2013年7月23日2時20分にmsn産経ニュース福岡から、原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。また、同社HPにも同趣旨のお知らせが掲載されていた。
JR九州は22日、「列車運行管理システム」に誤った部品を取り付けたミスが原因だったと発表した。
日立製作所が平成22年に同システムの記録媒体を交換した際、確認不足により、仕様に合わないディスク装置を採用していた。
通常の運行管理には問題なかったが今回、別の部品を交換するために、システム全体をリセットしたところ、障害が発生したという。
JR九州は今後、システムのプログラムを改修する。
18日の運行障害では乗客11万人に影響が出ており、JR九州は日立に損害賠償を求めることも検討しているという。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130723/fkk13072302200000-n1.htm
2013年7月19日12時2分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東日本大震災で液化石油ガスのタンクが倒壊し爆発・炎上する被害が出た市原市のコスモ石油の製油所で、復旧工事が終わり、報道関係者に公開された。
市原市にあるコスモ石油の製油所では震災の際、液化石油ガスを備蓄するタンクが倒壊して爆発し、10日間にわたって燃え続けて6人が重軽傷を負った。
その後、100億円をかけて復旧工事が進められていたが、震災から2年2か月を経て、タンクの建設工事や液状化対策の地盤改良工事が終わり、18日、報道関係者に公開された。
震災ではタンクを支える柱が破断したことから、これまでより柱の強度を高めたほか、地震などの際に壊れた配管からガスが漏れ出さないように、タンクから配管を切り離せる構造にしたという。
コスモ石油千葉製油所の大滝所長は「東日本大震災では周辺の住民の方などに大きな不安を与えてしまったので、設計段階から根本的に見直して十分な安全対策を取らせて頂いた」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/chiba/1086676821.html?t=1374268336755
2013年7月18日19時27分に、msn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
プレス機械に安全装置を取り付けず、従業員にけがを負わせたとして、北大阪労基署は18日、労安法違反容疑で、大阪府大東市の金属製品加工会社「トーセパテック」の男性工場長(72)を逮捕、送検し、法人としての同社も書類送検したと発表した。
大阪労働局によると、労災事故をめぐって容疑者の逮捕に踏み切るのは極めて異例。
工場長は任意の調べに「従業員の注意力がなかった。責任はない」などと容疑を否認し、捜査にも協力しなかったため、証拠隠滅の恐れがあると判断した。
送検容疑は平成23年9月27日、女性従業員が工場でプレス機械(圧力能力35トン)を使って金属部品を加工する際、安全装置を取り付けなかったとしている。
従業員は機械に指を挟まれ、左手の人さし指と中指を切断する大けがを負った。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130718/waf13071819290038-n1.htm
2013年7月18日19時25分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし4月、岡山市中区の護岸工事の現場で、クレーンを操作していた現場の責任者が重機ごと川に転落して死亡した事故で、岡山労基署は重機の使用方法に問題があったとして、会社と死亡した現場の責任者などを労安法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、岡山市北区のK建設工業と現場の責任者で事故で死亡した47歳の男性と、同僚の48歳の男性。
この事故はことし4月、岡山市中区湊の倉安川で護岸工事を行っていたクレーン付きの重機が倒れ、重機を操作していた現場の責任者が重機ごと川に転落して死亡したもの。
この現場責任者は、舗装されていない場所を平らにするための鉄板をクレーンで撤去する作業を48歳の同僚とともに行っていたということだが、岡山労基署によると、作業でつり上げていた鉄板などの総重量はクレーンでつり上げられる限度を超えており、2人はこれを知った上で作業していたということで、労安法違反の疑いがもたれている。
同署の調べに対して、同僚の48歳の男性は、「2人で話して大丈夫だと思ってやってしまった」と話しているという。
同署では、「クレーンでの事故で一番多いのが荷重オーバーが原因の事故だ。重さに応じて重機を使い分けて、作業にあたってほしい」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/okayama/4023121071.html?t=1374182364345
2013年7月18日付で毎日新聞東京版から、表記タイトルで以下の記事がネット配信されていた。
◇注意喚起策、徹底追求を
暮らしの中で起きた事故の原因を調べ、再発防止を目指す消費者庁の「消費者安全調査委員会」(消費者事故調、委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)が先月、昨年10月の発足後初めて、検討案件の中間報告となる「評価書」を公表した。
他省が出した事故調査結果を「不十分」とし、再調査するという。
だが評価書を見て私は「これで効果ある再発防止策につながるのか」と疑問を持った。
対象の事故は、2009年4月に東京都港区のビルで起きたエスカレーターでの転落死亡事故だ。
2階の飲食店を出た男性会社員(当時45歳)が、後ろ向きに歩いた先で下りエスカレーターの手すりに尻が触れ、体が持ち上げられ、吹き抜けから約9メートル下の1階床に落ちて死亡した。
エスカレーターで重大事故があれば、国土交通省の「昇降機等事故調査部会」が調べることになっている。
調査部会は昨年、「エスカレーターの構造や管理が原因で起きたのではない」と結論づけた。
主な根拠となったのは、建築基準法だ。
◇国交省の結論を「不十分」と指摘
その一度出された結論を、消費者事故調は見直した。そして、現行の法はエスカレーター周辺の安全対策への規定が足りず、その法に基づいた国交省調査部会の調査も不十分とした。
そこで、事故調が自ら調査をし直すという。
事故原因を洗い出し、そのうち「なぜ体が持ち上がったか」「手すりへの接触予防・転落防止対策が十分だったか」という項目を追加で調べる。
国交省が「問題なし」としたエスカレーターの構造や管理にまつわるテーマに、切り込もうというわけだ。
国交省によると「乗り場に接触予防柵を付けよ」とか「転落防止対策をせよ」とする法規制はない。
だから専門家から「事故調は、法規制の周辺領域を見直そうとしている」という声も上がる。
だが、国交省によれば規制がないのには理由があり、例えば、乗り場に柵を作れば、かえってエスカレーターと柵の間に挟み込まれる事故が起こりうるという。
法は、さまざまな要素を考慮しつつも過剰な規制とならないよう「最低基準」を定める。
それ以上の対策は、業界が自主ルールを作ったり、企業が個別に対応したりすることになる。
◇ルール改正の根拠示せるか
建築基準法等に対して「不十分」と指摘するからには、言うまでもなく「根拠」が必要だ。
ルールは常に完全なわけではなく、時代や環境の変化で合わなくなることもある。
社会が納得できる根拠をもって「現在のルールは不十分」と指摘するならば、追加調査をする意味は大いにある。
ところが評価書は「今後、調べてみる」と言っているだけなのだ。8カ月もかけたのに、何の根拠も示せなかったのが実情だ。果たして今後、強力な根拠を見つけられるのだろうか。
さらに、残念だったのは、評価書が利用者側への対策を打とうとしていないことだ。
実は、今回の報告では「被害者の行動と注意喚起策の問題」もテーマに挙がっていた。ところが調査項目を絞り込む際に削られた。
私は、このテーマこそ、事故調が取り組むべきものだと思う。
なぜなら、建築基準法など国交省がよりどころとする基準は「正常な使い方」を前提とする。このため、利用者が「誤った使い方」をした時の想定と対策に弱点がある。
事故防止を考える時、ヒューマンエラーを考慮することは当然だ。だから「より広い観点からの検証」を掲げる事故調が、エスカレーターがどう使われているかを分析すべきだ。そのうえで、消費者庁本体が誤った使い方の危険性を利用者に伝えるよう提言する必要がある。
利用者へ直接呼びかけるコミュニケーション方法は、消費者庁の得意とする領域だ。
国交省の担当者は、使い方への注意喚起について「自分たちの不得意な領域だ」と認めており、同庁にこそ、そのノウハウがある。
多くの利用者が「エスカレーターでは、手すりに乗り上げたり、転落したりすることがあるので気を付けよう」と認識するような啓発や、現場の注意喚起のあり方とは何かを、徹底的に追求してもらうべきだ。
事故調は今後、追加調査を経て再発防止策を盛り込んだ提言を出す。
利用者とのコミュニケーションという視点を前面に打ち出し、消費者庁の強みを生かせる提言ならば、消費者事故調は、実行をともなった頼れる機関になると思う。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130718ddm005070007000c.html
(ブログ者コメント)
産業現場にも大いに通じるところがあると感じた記事につき、紹介する。
2013年7月16日21時1分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午後3時前、岩見沢市栗沢町の道道にある「岩栗橋」で、工事のため橋の欄干の外側に設置してあった足場が崩れた。
この事故で、足場の上にいた作業員の男性3人が橋の下を流れる川に転落するなどして、病院に搬送された。
警察によると、このうち1人が死亡した。
ほかの2人もケガをしているが、命に別状はないという。
現場では、老朽化した橋を補修するため、橋の側面の古くなったコンクリートをはがす作業が行われていた。
足場は欄干の外側に、橋の側面にそって設置されていて、橋の中央付近の足場が大きく傾いて崩れた状態になっている。
警察で事故の状況を詳しく調べている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130716/8fa92a9980333de572bb3b16d2d233ff.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20130717-OYT8T00040.htm
7月17日付で読売新聞北海道版からは、写真付きの別情報などが下記主旨でネット配信されていた。
16日午後2時45分頃、岩栗橋で、「橋の修復工事のために設置されていた足場が崩れた」と119番があった。
男性作業員3人が約5m下に転落し、Sさん(64)が死亡、2人が軽傷を負った。
3人は、橋のコンクリートをはがす作業をしていたところ、足場が崩れたという。
工事を発注した空知総合振興局札幌建設管理部によると、橋に設置された転落防止用の防護柵を取り換える工事だった。
足場は橋の外側にチェーンでつるされていた。
現場では足場の板が大きく下にめくれ、元請け会社の担当者は「足場がこんなことになるのは通常はあり得ない」と話していた。
警察が原因を調査している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20130717-OYT8T00040.htm
(2013年7月26日 修正1 ;追記)
2013年7月17日付の北海道新聞紙面に、以下の補足的記事が掲載されていた。
Sさんは足場の中央部付近で作業していて、約6m下の川に転落。軽傷の2人は、橋の端側付近で作業をしていた。
(2014年7月19日 修正2 ;追記)
2014年7月8日22時55分にNHK北海道NEWS WEBから、足場の最大積載量を決めずに作業させていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩見沢労基署は、8日、建設会社2社とそれぞれの現場責任者を、労安法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、岩見沢市の建設会社「K社」と、その下請けで 札幌市の建設会社「T工業」、さらに、それぞれの会社の60歳と55歳の現場責任者。
この事故は、去年7月、岩見沢市栗沢町の道道にある老朽化した橋の補修工事で、橋の側面の古くなったコンクリートをはがす作業を行っていたところ足場が崩れ、作業員の男性3人が転落し、このうち64歳の男性が死亡したもの。
同署によると、建設会社や現場責任者は、足場の最大積載の重量を定めず作業させていたほか、作業前の点検も行っていなかったということで、労安法違反の疑いが持たれている。
建設会社と現場責任者は、いずれも容疑を認めているという。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20140708/5840791.html
2013年7月16日18時57分にmsn産経ニュース神奈川から、7月16日14時0分にテレ朝newsから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前10時25分ごろ、小田原市扇町の伊豆箱根鉄道大雄山線で、電柱に上って防護管の取り外し作業をしていた同社社員の男性(35)の右腕が高圧配電線に接触し、感電する事故があった。
この事故で、同線は全線で一時運転を見合わせた。
同社によると、男性は安全ベルトと命綱(長さ約1.2m)を装着しており、感電の衝撃で地上から約6mの位置で電柱から頭を下にして宙づりになった。30分後に救助された。
男性の救助と安全確認のため、同線は直後から約1時間35分間、送電を停止した。
男性は右腕と右足に軽傷。乗客にけがはなかった。
この事故で上下線16本が運休するなど、乗客約1160人に影響した。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130716/kng13071618570006-n1.htm
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000008826.html
2013年7月16日11時50分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は15日、航空機の事故や重大インシデントにつながる可能性のある軽微なミスなど「ヒヤリ・ハット」事例を収集して事故防止に役立てる方針を決めた。
航空会社などが匿名で報告できるようにし、会社を特定したり行政処分したりせず、自主的に報告しやすい環境を整備する。
細かな違反を追及するより、広く情報を集め原因を分析する方が事故防止に有効だと判断した。
有識者検討会で具体的な仕組みを議論、来年4月からの実施を目指す。
国への報告義務がないヒヤリ・ハット事例は、航空各社でつくる第三者機関がパイロットから報告を集め、各社が情報を共有している。
国交省はこの機関の役割を拡充するなどして、国が匿名で情報提供を受けることを検討する。
国交省は、航空会社の整備担当者や客室乗務員、国の管制部門担当者、空港を管理する自治体からも報告を求める考え。
似たようなケースを分類して、どのような事故につながる可能性があるかを分析する。
エンジン火災などの重大インシデントや計器の異常といった安全に影響するトラブルは、国への報告義務がある。
一方、ヒヤリ・ハット事例は「誘導路の配置が紛らわしく、誤った滑走路に入りそうになった」といった実際のトラブルには至らなかったケースで、航空会社が処分を恐れて報告をためらう例も多かったとみられる。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130716/dst13071612060004-n1.htm
(ブログ者コメント)
現状の第三者機関による情報共有の、どこにどんな問題があるから、国交省が関与することになったのだろうか?
その理由や背景、国交省の関与度合いについて調べてみたが、情報は得られなかった。
2013年7月15日22時18分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後3時半ごろ、明石市大久保町の建設機械メーカー「N社」の本社工場で、トレーラーに積み込むため台に仮置きされていた鉄柱(長さ約5m、重さ約2.5トン)がずれ落ち、近くにいた男性作業員が下敷きになった。
作業員は病院に搬送されたが、既に死亡していた。
姫路市の男性(60)とみられ、警察が身元の確認を進めるとともに、業務上過失致死の疑いもあるとみて、鉄柱がずれ落ちた原因などを調べている。
出典URL
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201307/0006162664.shtml
2013年7月15日17時24分にmsn産経ニュースから、7月15日19時21分に日テレNEWS24(中京テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前9時50分ごろ、愛知県豊橋市の粘着テープを生産する日東電工豊橋事業所で、両面テープ用の接着剤を製造する釜から出火し、中にいた男性社員(41)は自力で脱出したが、全身やけどを負った。
火はすぐ消し止められたが、男性は意識不明の重体。
警察は、安全管理体制に問題があった可能性もあるとみて、業務上過失致傷容疑で調べている。
警察によると、釜は直径約2.5m、深さ約2m。男性はトルエンや酢酸エチルをまいて釜の中を洗浄中だった。ステンレス製のブラシを持っており、静電気が揮発性の高いトルエンに引火した可能性がある。
日東電工は、火がつかないよう静電気が起きない措置を取っていたとしている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130715/dst13071517240008-n1.htm
http://www.news24.jp/nnn/news86214561.html
(ブログ者コメント)
年月日などは不明だが、過去にも同じような事故が起きている。
今回事例と状況は異なると思うが、参考までに紹介する。
トルエン60ℓを5000ℓタンクに仕込み、タンク外から長さ3mの木製ブラシ(先端の毛は植物性)で洗浄している途中、タンク底部を数回こすりながらブラシを上方に引き上げた時に「バチッ」という音がしてブラシの先端部よりオレンジ色の炎が見えて瞬時に火災が発生した。
作業者は帯電防止服と靴を着用していた。
(推定原因)
・ブラシを上方に引き上げた時に、ブラシの毛部分に含浸したトルエンとブラシの毛部分との剥離によって帯電した液滴、もしくは帯電したブラシ毛部分からタンク内部のシャフトなどの接地体に向かって放電が生じた。
・トルエンは帯電性ゆえ、帯電電荷量が著しく大きかった。
(対策)
・洗浄溶剤にアルコール溶剤または帯電防止剤を添加する。
・洗浄溶剤をタンクに仕込み後、数分は洗浄作業を行わない。
2013年7月15日22時11分にmsn産経ニュースから、7月15日19時27分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前9時15分ごろ、JR北海道の千歳線上野幌-北広島間を走行していた札幌発釧路行き特急スーパーおおぞら3号の車内で焦げたような臭いがするのに車掌が気付き、緊急停車。3両目の、空調などのスイッチがある配電盤が過熱しており、運転士らが確認中に炎が上がったため、消火器で消した。
乗客135人は車外に避難し、けが人はいなかった。
出火した車両はディーゼル車で、JR北海道管内では今年、ディーゼル車のトラブルが相次いでいる。
今月6日には函館線の特急北斗のエンジン付近から出火。4月8日にも特急北斗で同様のトラブルが起きた。
なぜ、ディーゼル車でトラブルが相次ぐのか。
JR関係者によると、エンジンと燃料を積んで走るディーゼル車は電車と異なり、内燃機関があるため、電車より部品数が多く、整備も複雑だという。
鉄道アナリストの川島令三さんは「ディーゼル車の整備は電車と違い、マニュアルだけでなく経験も不可欠。社内でベテランから若手への技術継承がうまくいっていないのではないか」と指摘する。
JR北海道は、札幌-函館間の北斗を8月末まで運休する。
JTB北海道は「特急の減便で函館観光自体を取りやめる人が出かねない」と懸念している。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130715/dst13071522120012-n1.htm
http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY201307150009.html
2013年7月16日16時49分に北海道新聞から、推定原因などに関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道運輸局などは16日午前、出火した車両のある同社札幌運転所で事故原因の調査を始め、室内にある空調用の配電盤(縦65cm、横60cm)の上部にある空調用スイッチと配線の接触部分や、その下側にあるブレーカー部分が、黒く焼け焦げていることなどを確認した。
配電盤の配線の接触不良や過剰な電流の流れ込みが原因とみられている。
JRは同日、今回の車両出火後、同型の56両の配電盤に関して行っていた緊急点検の結果について「異常はなかった」と説明した。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/479782.html
2013年7月16日22時17分に毎日新聞からは、昨年にも配電盤関連のトラブルがあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同型車両の配電盤が昨年2月に壊れ、客室に煙が流れ込むトラブルがあったことが分かった。
JR北海道は、今回出火した特急を含む同型の全57車両で原因となった配電盤のスイッチを交換したものの、出火事故を防げなかった。
JRによると、昨年2月26日、石勝線東追分駅で停車中の札幌発釧路行き「スーパーおおぞら13号」の5号車で、客室天井のエアコンの送風口から煙が出た。
室内送風機を調節する配電盤のスイッチの配線が劣化して作動せず、取り込んだ外気が送風口から煙や水蒸気となって出たためと判明。
対策として昨年3月以降、スイッチを交換した。
15日に出火した札幌発釧路行きの「スーパーおおぞら3号」では、このときに取り換えたスイッチ付近が最初に赤く発熱。
その後、火花が散っているのが確認されたため運転士が消火器を噴射したところ、下部のブレーカー付近から炎が出た。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130717k0000m040083000c.html
2013年7月19日7時15分に北海道新聞からは、別車両のATS基板も焼損していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先頭車両など3台に搭載した自動列車停止装置(ATS)の部品「バリスタ」が、すべて焼損していたことが18日分かった。
バリスタはATSを高電圧から守る役割で、破損は過去に例がないという。
配電盤では、暖房用ブレーカーなどの機器の配線が広範囲に焼き切れていたことも新たに判明。事故原因の調査は長期化が避けられない状態だ。
今回出火した特急でATSは、先頭の1号車のほか、車両繰りの関係で連結された、運転席のある6、8号車に搭載。
先頭車両のみ稼働すれば安全が図れるため、1号車のATSだけ作動していた。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/480335.html
2013年7月16日20時58分にmsn産経ニュース埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前7時半ごろ、埼玉県三芳町北永井の解体作業場で、ダンプカーの荷台に乗り廃材を積む作業をしていた解体工の男性(69)地面に転落、搬送先の病院で同日夜、死亡した。
事故当時、別の男性作業員が操作するユンボが積み込み作業にあたっており、警察は業務上過失致死事件の可能性もあるとみて、当時の詳しい状況を調べる。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130716/stm13071620580003-n1.htm
2013年7月14日17時0分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前10時40分ごろ、静岡県掛川市の自動車大手スズキの大須賀工場で、不要になった鉄骨の撤去作業をしていた溶接業の男性(68)が約4.6m高さから落ち、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察によると、男性は午前9時ごろから高所作業車に乗って作業していた。
切断した鉄骨をクレーンでつり上げた際、鉄骨が男性に接触し落下した。
接触時に命綱を着用していたかは不明といい、警察が事故原因を調べている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130714/dst13071417010005-n1.htm
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。