2018年7月4日14時58分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国アシアナ航空の国際線で、機内食を出発予定時間までに積み込めず、離陸が大幅に遅れたり、機内食なしで運航したりする事態が、1日から相次いだ。
機内食業者の選定での見通しの甘さが原因と指摘され、長期化の様相も見せている。
KBSテレビなどによると、3日までに出発が遅延した国際便は63便、機内食を積めずに運航したのは107便に上った。
1日には、到着が3~5時間遅れた便もあったという。
欧米などに向かう長距離路線への積み込みは正常化しつつあるが、日本や中国など近場の路線では間に合わず、乗客に30~50ドル(約3300~5500円)の商品券を配って対応している。
金秀天(キム・スチョン)社長は3日、「ご不便をかけ、深くおわびする。1日も早くサービスが安定するよう、渾身の努力を尽くす」と謝罪した。
今月から機内食を納入予定だった会社の新工場建設現場で3月に火災があり、アシアナは急遽、別の中小企業と短期契約を結んだ。
アシアナは、「機内食を包装、運搬する過程で、予期せぬ混乱が生じた」と説明。
この企業は、別の航空会社に1日約3000食を納入してきたが、アシアナが必要とする約2万5000食をまかなうには無理があり、「遅延問題は予想されていた」との業界の指摘も出ている。
また、この企業の下請け業者の社長が2日、自宅で死亡しているのが見つかった。
警察は、納品の遅れを苦にした自殺とみて調べている。
出典
『「機内食がない」韓国アシアナ航空で大混乱 業者選定で見通しの甘さ、下請け社長は自殺』
http://www.sankei.com/affairs/news/180704/afr1807040019-n1.html
7月2日7時42分に韓国中央日報日本語版からは、下記趣旨のより詳しい記事がネット配信されていた。
韓国のアシアナ航空が機内食を積み込めないまま、一部の便(中国大連行きOZ301便)の出発が5時間以上遅れ、結局、一部は機内食を積み込むことができない状態で出発するという事態が1日、仁川(インチョン)国際空港で起こった。
機内食が積み込めないまま飛行機が離陸したのは、2001年仁川空港開港以降、初めての出来事だ。
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一日3万人分の機内食は、従来はLSGというフライトケータリング会社から利用していたが、アシアナ航空はゲートグルメコリアという会社に変更した。
ところが、ゲートグルメコリアが建設中だった機内食製造工場で今年3月に火事が起こり、アシアナ航空に機内食を供給することが難しくなった。
このために、アシアナ航空は2~3カ月間、臨時でLSGとの契約を延長する方向で調整を進めていたが、交渉が決裂し、小規模のシャープ・ドゥアンドコから機内食の供給を受ける方向で決まった。
だが、同社の機内食生産量は一日3000人分ほどなので、業界では、供給に支障を出るのではないかとの懸念があった。
仁川空港公社未来事業推進室のイム・ビョンギ室長は、「新規機内食ケータリング会社が、正式供給に先立ち、多くの予行練習を実施していたが、実際の状況に直面すると、試行錯誤が多く発生した」とし、「たとえば、会社の倉庫から仁川空港まで運搬に20分かかると予想した作業が、実際には40分以上かかった」と説明した。
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航空業界では、アシアナ航空の機内食問題は今後も続くとみている。
機内食生産に必要な原材料、人材、器などが、どれも不足しているためだ。
現在、シャープ・ドゥアンドコでは、ゲートグルメコリア側の調理師(外国人60人、LSGからの人材40人など)100人余りを投入して、ファーストクラスとビジネスクラスに供給する機内食を作っていることが分かった。
エコノミークラスの機内食は、その時々では作りにくいため、事前製造した後、冷蔵保管する方法で飛行機に搭載されることが伝えられた。
出典
『韓国アシアナ、一部航空便で機内食搭載できずに出発』
http://japanese.joins.com/article/778/242778.html?servcode=400§code=430
7月3日15時57分に同じ中央日報日本語版からは、自殺した方のポジションなどが下記趣旨ででネット配信されていた。
アシアナ航空機内食臨時供給企業の協力会社代表Aさんは、亡くなる前に「私が全ての責任を取らなくてはいけないようだ」と周辺に漏らしていたことが分かった。
3日、韓国紙ハンギョレによると、Aさんは2日午前、知人と電話で話をしている途中に、「非常に辛い。私が全ての責任を取らなければならないようだ。会社は私が間違っていたと言う」と漏らしていた。
Aさんは、この日午前9時34分ごろ、仁川(インチョン)市内の自宅で死亡しているところを、遺族によって発見された。
Aさんの会社は、アシアナ航空に機内食を供給することで短期契約を結んだ「シャープ・ドゥアンドコ(Sharp DO&CO)」が取り引きしている協力会社4~5社のうちの1社だ。
アシアナ航空の2次下請け企業といえる。
アシアナ航空とシャープ・ドゥアンドコが結んだ契約書には、「シャープ・ドゥアンドコ側の帰責で国際線での機内食供給が30分以上遅れた場合、アシアナ航空は食事代全体のうち50%を支給しなくてもよい」という内容が記載されていたことが分かった。
機内食を積み込むことができないまま出発した航空便は、主に中国や日本など短距離の国際路線だ。
今回の事態で、Aさんの会社も打撃が避けられなかったというのがメディアの説明だ。
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アシアナ航空は、過去15年間にわたって機内食を供給した会社に、契約延長の対価として錦湖(クムホ)ホールディングスに対する巨額の投資を求めて、協議が決裂すると、ゲートグルメと新規サービスを準備した。
だが、今年3月に機内食生産工場で火事が発生し、7月1日から供給することになっていた日程に支障が生じた。
これに対応するため、アシアナ航空は3カ月間、シャープ・ドゥアンドコと短期契約を結んだが、機内食の注文が円滑に処理されずにいる。
警察は役職員から、Aさんが機内食納品問題で苦しんでいたという陳述を確保して、極端な選択をすることになった経緯やシャープ・ドゥアンドコと同社の間で納品問題をめぐって何があったのかなどを調査中だ。
出典
『アシアナ機内食問題 自殺した協力会社代表「私が全ての責任取らなくては」』
http://japanese.joins.com/article/854/242854.html?servcode=400§code=430
(ブログ者コメント)
変更管理がうまくいかなかったために起きたトラブルではないかと感じたので、参考までに紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。