(1/2から続く)
7月5日7時10分に福井新聞からは、作業途中で人が交代していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発事故を受け、同社役員らが7月4日、同町歴史文化館で記者会見を行った。
渡辺工場長が作業の経緯について説明。
爆発現場では当日の午前8時ごろから、40代の男性社員と重傷を負った18歳の男性社員の2人が作業に当たっていたという。
通常、この作業は1人で行っているが、この日は18歳男性の指導を兼ね、2人で作業を進めていた。
昼ごろ、40代の男性が現場を離れることになったため、事故で死亡したMさんに作業の継続を依頼したという。
この作業は3種類の化学薬品を混ぜるもので、同工場ではこれまで800回以上の実績があり、Mさんは勤続16年で経験豊富だったと説明。
渡辺工場長は、「ベテランに作業を交代したことに疑問は感じていない。人員配置についても問題はなかった」と述べた。
ただ、作業の引き継ぎについて「どんなやりとりがあったかは把握できていない」とした。
また、会社独自で定めた作業マニュアルには注意事項などが書かれているほか、温度、時間などの作業記録を記す部分があると説明。
渡辺工場長は、「事故当日も傍らに置いて作業していたはず。だが、爆発で飛ばされたかで失われてしまった」と述べた。
出典
『工場爆発、死亡男性に作業代わる Pケミカル記者会見』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/615120
2021年3月12日10時30分にNHK福井からは、大やけどした従業員の作業ミスだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
捜査関係者によりますと、大やけどをした従業員の作業ミスが原因だとわかったということです。
これを受けて警察は、この男性従業員と、従業員への指導を怠ったとして現場の責任者2人のあわせて3人を、11日、業務上過失致死の疑いで書類送検したことが関係者への取材でわかりました。
「Pケミカル」によりますと、福井工場では事故のあと化学製品の製造を中止し、現在は食品添加物などを製造しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20210312/3050007434.html
(ブログ者コメント)
作業ミスとは、どのようなミスだったのだろうか?
投入順序間違い?投入量間違い?投入物質間違い?
調べてみたが見つからなかった。
ただ、これまで気付かなかった以下の過去記事が見つかった。
※2年前、2019年8月1日付で毎日新聞福井版からは、触媒投入後に事故が発生したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性の遺族が損害賠償を求めて福井地裁に提訴し、31日に第1回口頭弁論があった。
訴状によると、事故は希硝酸が入った釜に触媒の薬品を投入後に発生。
会社側の安全管理が不十分だったとして、逸失利益など約9300万円の損害賠償を求めている。
https://mainichi.jp/articles/20190801/ddl/k18/040/275000c
※3年前の町議会議事録には、以下の記述があった。
P2/50 硝酸濃度は67.5%で事故は作業の引継ぎ段階で発生した。
地元周辺の杉山区と 堤区集落には、7月6日から7日の2日間にかけて、行政立ち会いのもと、第1回の会社側の説明会が行われました。
会社としては、社長、専務、工場長ら役員から、「製品を製造するため、67.5% の硝酸と2種類の化学物質及び触媒を混合反応中に爆発し、作業の引き継ぎ段階で発生、地域住民に迷惑をかけた」と陳謝をされました。
P7/50 反応生成物は有害性の低い3BHだった。
8月に入って、9日から10日の2日間にかけて、行政立ち会いのもと、 第2回の会社側の説明会が行われました。
そして、化学工場から専門的な第三者機関を通じて、爆発による飛散物質の分析をし、結果がまとまり、反応生成物3BH、いわゆる3・t・ブチルヘキサン二酸となるものと断定特定をされました。
これは、人または 生活、環境、植物へのリスク評価の対象外で、一般化学物質としては、有害性や安全性の低いもので、その放出で人体にさらされても、口や呼吸器、皮膚等から体内に取り込まれても影響はないということで、化学物質管理センターや大学理学部、農学部の教授からのお墨つきを添えてデータを示されたわけであります。
・・・
今回の事故で不信感を持ったのは、引き継ぎ社員がベテランで800回以上の実績があって、会社独自で定めた作業マニュアルで注意事項などがあり、温度、時間などの作業記録が爆発で失われたという弁明でした。
ベテランであろうがなかろうが、1回でもあってはならないし、爆発は結果的には化学反応で、急激な圧力に耐えられなかった現象は明白で、ほかの釜も同様の懸念をしているところです。
https://www.town.fukui-wakasa.lg.jp/file/page/1221/doc/66.pdf
(2021年7月22日 修正2 ;追記)
2021年7月20日5時0分にdmenuニュース(中日新聞)からは、温度管理ミスが原因だったらしいと読み取れる、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井地検は十九日、業務上過失致死の疑いで書類送検された当時の工場長ら三人を不起訴とした。
処分理由は明らかにしていない。
三人はいずれも男性で、事故当時の立場はそれぞれ、爆発が起きた第一工場の工場長兼製造課長、製造課長代理、作業員。
事故は一八年七月二日午後一時四十分ごろ、化学材料を攪拌(かくはん)していた釜が爆発。
近くで作業中だった小浜市の男性作業員=当時(39)=が、肺の損傷などで死亡した。
不起訴となった作業員も顔などに重傷を負った。
書類送検容疑では、作業員は攪拌作業中に釜の温度管理などの注意義務を怠ったほか、工場長と製造課長代理は、作業員への十分な教育指導を怠るなどして爆発を起こし、男性作業員を死亡させたとされていた。
小浜署が三月十一日に三人を書類送検していた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。