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一方、神戸市HPにも、火災事例などが下記趣旨で掲載されていた。
【火災事例】
(1)6月 自宅にて就寝中、運転中のエアコンから「ポン」という異音と共に異臭がしたため、すぐにコンセントを抜いた。
洗浄は、スプレーにて自身で年2回程度実施。
(2)7月 自宅寝室にて就寝中、居室内の運転中エアコンから異音がしたため目を覚まし、その後、異臭、炎が上がったもの。
洗浄は、業者が一年前に実施。
(3)8月 自宅居室の使用していないエアコンから異音がし、白煙が上がってきたもの。
洗浄は、業者が実施。
【原因調査】
うち1件はリコール該当製品だったが、いずれもエアコン内のファンモーター付近が強焼しており、そのモーターには、2本の高圧配線と3本の信号線が接続されていた。
その高圧端子間において、トラッキング現象である溶融痕が認められた。
さらに、モーターの端子周辺の炭化物を化学分析すると、アルカリ性洗浄液に含まれるナトリウム、カリウム等の成分が検出された。
洗浄液の多くは電解質であるため、不要に電気部品に残留していれば、火災危険や故障の原因になる。
【洗浄には高度な知識と経験が必要】
一般的なエアコン洗浄は、洗浄機や洗浄スプレーで洗浄することが多く、洗浄液や汚れが電気部品に飛び散らないよう、内部に養生する必要がある。
エアコンは、メーカーごと機種ごとによって内部構造も異なるため、洗浄知識だけでなく、エアコン自体の専門性も必要となり、適切な洗浄方法が要求されてくるす。
また、電気部品に洗浄液等がかかったからといって、すぐに発火事故に至るわけではなく、数週間から1年程度かけて徐々に浸食され、異常や故障に至り、最悪の場合に発火・発煙事故につながっていく。
【エアコン洗浄火災って多いの?】
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のNews Release(平成26年6月26日)によると、平成20年度から24年度までの5年間に、エアコンによる事故が347件報告されており、そのうち「洗浄液や結露水等の液体が電源基板等に付着し、トラッキング現象が発生して発火」事故が32件、うち、火災により被害拡大したものは4件とある。
NITEに報告された事例をみると、幸いにも火災に至らず、発火事故で終了するケースがほとんどだが、火災事例のように、使用の有無を問わず、コンセントに差しているだけで発火発煙することからも、使用者、洗浄業者共に、細心の注意が必要な行為といえる。
出典
『エアコン洗浄に起因する火災』
http://www.city.kobe.lg.jp/safety/fire/information/anzen/20150401.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。