2018年6月29日11時7分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地方の鉄道でレール2本の間(軌間)の拡大が原因の脱線事故が平成28年10月~29年5月に4件相次ぎ、木製枕木の状態の悪化に起因していたことを受け、国交省は第三セクター鉄道や中小私鉄、貨物鉄道計116事業者に、コンクリート製枕木への交換を進めるよう通知した。28日付。
通知では、木製に比べコンクリート製の方が耐久性が高く、保守も容易だとして、交換を推進。
コストがかかることから、全面的な交換が難しい場合、数本に1本の割合でコンクリート製にすることも有効だとし、国が費用の3分の1を補助する制度の活用も求めた。
4件の脱線は、岐阜県の西濃鉄道、和歌山県の紀州鉄道、熊本県の熊本電気鉄道、群馬県のわたらせ渓谷鉄道で起きた。
運輸安全委員会は、木製枕木やレールと枕木を固定する部品の不良が連続していたことが軌間拡大につながったと結論付け、国交相に事業者への指導を求めていた。
出典
『木製枕木の交換を推進 脱線4件受け国交省通知』
http://www.sankei.com/affairs/news/180629/afr1806290004-n1.html
6月28日10時3分に朝日新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
全国の地域鉄道で8カ月に4件も脱線が相次ぎ、国の運輸安全委員会は28日、レールを支える「枕木」を木製からコンクリート製に換えるよう促す提言書を、石井・国交相に提出した。
国交省は、全国の鉄道事業者に対応を求める方針だ。
提言書などによると、和歌山県御坊市の紀州鉄道で2017年1月、1両編成の車両が左カーブを走行中に脱線した。
調査の結果、木製の枕木が腐食したり割れていたりしていた。
その結果、くぎでレールを固定する力が低下し、外側にレールが傾いて2本の間隔が広がり、間に車輪が落ち込むように脱線したという。
1カ月後には熊本市の熊本電気鉄道で、右カーブを走行中の2両編成が脱線。
木製の枕木にレールを固定するくぎが緩み、レールが傾いて間隔が広がったことが原因だった。
17年5月には群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でも、同様の事故が起きた。
16年10月に岐阜県大垣市の西濃鉄道で同様の脱線が起きてから、約8カ月で4件も脱線が続いたことになる。
運輸安全委は、対策として、線路の枕木を木製から、より耐久性が高く固定する力が強いコンクリート製へ交換していくことを提言。
コスト的に難しい場合は、数本に1本の割合で交換するだけでも事故防止に有効だという。
他の対策としては、脱線防止ガードの設置などを挙げた。
運輸安全委によると、都市部の鉄道では枕木のコンクリート化が進んでいるが、経営環境が厳しい地方の中小民間鉄道では、今も木製の枕木が高い割合で使われている。
同委は、国や自治体の補助金や鉄道・運輸機構による技術支援制度などを活用できるよう、地方への情報提供を進めることも石井・国交相に求めた。
出典
『鉄道の枕木「コンクリ製に交換を」 運輸安全委が提言』
https://www.asahi.com/articles/ASL6W0SNQL6VUTIL079.html
(ブログ者コメント)
上記記事に記されている4件の事故のうち、わたらせ渓谷鉄道の事例のみ本ブログに掲載スミ。
2017年5月28日掲載
2017年5月22日 群馬県桐生市のわたらせ渓谷鉄道でJRから借り受けた線路点検車両が脱線、木製枕木の劣化で通常車両より1.5倍重い点検車両に耐えられなかったか? (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7161/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。